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掲載日:2022年3月31日

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高収益作物導入に向けた排水改良技術の検討について

古川農業試験場水田営農部

主食用米の需要が減少傾向にある中,水田を活用した野菜等の高収益作物の導入が進んでいます。転換畑では,前作まで水田だった影響で排水性が悪いことが多く,水が抜けにくく,ぬかるんで農業機械が入らない,湿害が発生して収量が落ちるといった問題が発生しやすくなります。水稲を栽培したほ場では地中に「耕盤層」という硬く水を通しにくい層が形成されます。水稲の場合,水持ちを良くし農業機械の重さに耐えるために必要ですが,高収益作物を導入する場合は,この層を破砕し,作土中に留まっている水を暗渠管等へ促すための縦方向の水の通り道を作り,透水性を良くすることが重要になります。
古川農業試験場では,水田における高収益作物の導入に当たり,「農家自身でできるほ場条件に応じた排水対策手法を提示すること」を目標に,現地調査と実証試験を行っています。現地調査では,土壌硬度や透水性,土壌タイプ,土壌水分,もみ殻の腐食状況,ほ場周りの地形等を調査し,排水不良の原因の推定と対策工法を検討していきます。例えば図1は地下の土壌水分の分布図です。ほ場の中でも特に排水性の悪い場所が特定できます。対策工法は主に弾丸暗渠等の補助暗渠,明渠といった排水対策施工を様々な組合せで実施します(写真)。施工後は田面の湛水状況や土壌水分,地下水位等から排水対策の効果を確認します。様々な条件でのデータを積み重ね,最終的には,簡易な土壌調査から排水対策工法を選定できるマニュアルを作成したいと考えています。

浅層土壌水分分布図(排水不良要因調査)

図浅層土壌水分分布図(排水不良要因調査)

排水対策施工(心土破砕)の作業風景の写真

写真排水対策施工(心土破砕)の作業風景

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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