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掲載日:2022年2月21日

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研究トピックス(R3)/水稲乾田直播栽培におけるいもち病発生の特徴について

古川農業試験場作物環境部

水稲栽培において省力・低コストを目的とした直播栽培が取組まれて久しく,これまでカルパーコーティングや鉄コーティング種子,V溝播種など様々な方法が普及しており,近年は沿岸部の大規模圃場を中心にして乾田直播への取組みが増えてきています。この乾田直播は耕起から播種までトラクターで作業可能であり,作業速度も速く土地利用型経営体の規模拡大にマッチした技術であると考えられています。直播栽培は育苗を行わないことなど省力化が大きなメリットの一つでありますが,通常の移植栽培とは生育ステージが異なるため,病害虫防除の面では被害のでるタイミングや被害を受ける部所など不明な点も多いのが現状です。このため,現在古川農試では乾田直播におけるいもち病の影響を確認する試験に取組んでいます。これは乾田直播の稲に対し,いもち病を感染させる時期を変えることで,様々な生育ステージにおけるいもち病の影響を確認することがねらいです。今年度は初年目で,通常の移植栽培稲でいもち病の初発が確認される時期(6月下旬)から7月下旬までの間,2週間間隔でいもち病に感染させました。6月下旬に感染させた場合,7月上旬の調査では移植栽培稲は生育のボリュームも多くいもち病の病斑も多数確認できました。一方,乾田直播は出芽後2週間程度で分けつもなく病斑は見られませんでしたが(写真),7月中旬から病斑が確認されるようになりました。今回,移植栽培稲では7月中下旬にかけていもちが多発し“ずりこむ”か所も見られ穂いもちの発生も多く見られました。一方,乾田直播では下葉でこそ多発しましたが中上位葉での発生は少なく穂いもちもほとんど発生しませんでした。
このように,移植栽培と乾田直播とではいもち病の発生状況が異なることが確認されましたので,今後はその要因や乾田直播に適したいもち病防除法について試験を進めていきます。

乾田直播4月22日播種の写真

写真1乾田直播4月22日播種(6月16日に伝染源を設置し7月4日に調査)

茎数が少なく病斑はみられない(奥の枯れているのは伝染源)

移植栽培5月12日移植

写真2移植栽培5月12日移植(6月16日に伝染源を設置し7月4日に調査)

茎数が多く多数の病斑が確認できる

(作物環境部病害チーム)

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