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イネの穂が出てくる時期を「出穂期」といい,それは品種によって異なります。例えば,「やまのしずく」は出穂期が早く(早生),「コシヒカリ」は出穂期が遅く(晩生),「ひとめぼれ」や「ササニシキ」は「やまのしずく」と「コシヒカリ」の間に出穂期がきます(中生)。近年宮城県では,出穂期以降の高温によって,米が白濁し,白未熟粒が発生し,一等米比率が低下する状況が時折発生しています。
この問題を解決する手段の一つとして,晩生の品種を植えることが挙げられます。夏期が高温であった令和元年は,「ひとめぼれ」に比べて9日出穂期が遅いことで,出穂期以降の高温を回避できました(図1)。古川農業試験場では,出穂期の遅い「東北229号」を育成しました。「東北229号」は,出穂期に関係する3つの遺伝子を調査することで選抜した晩生系統です。出穂期に関係する遺伝子を調査することで,実際にイネを田んぼに植えなくても,出穂期を推定することができるのです(図2)。古川農業試験場では「東北229号」の他にも,「東北238号」や「東北239号」といった晩生系統を育成し,県内での適応性を確認するための試験を行っています。
図1 晩生による高温登熟の回避
図2 遺伝子調査の結果
(作物育種部 品種育種チーム)
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