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地球温暖化の原因となる温室効果ガスを削減するため,再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの促進が必要だ,と言われます。しかし,「地球」温暖化というと,遠い話のようで,なかなか実感が湧きません。
そこで,ここでは地球温暖化がどうして起こるのか,起こるとどういう困ったことが生じるかを,簡単にご説明します。省エネ活動に取り組むうえで,疑問を生じた際には,ご一読ください。
なお,宮城県における地球温暖化対策については,こちらのページ(環境政策課HP)をご参照ください。
地球温暖化とは,地球全体の平均気温が上昇していく現象をいいます。
気候の変動には,自然的要因によるものと,人為的要因によるものがありますが,20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは,人為起源の温室効果ガス濃度の増加によるものと考えられています。
現在の地球の平均気温は14℃前後です。これは,二酸化炭素や水蒸気などの温室効果ガスが太陽からのエネルギーをとどめていることによるものです。もし温室効果ガスが全く存在しなければ,地球の平均気温は-19℃前後になると言われています。
このように,温室効果ガスは,生物が生きるために不可欠なものです。しかし,人間が大気中への二酸化炭素を急速に増加させたため,温室効果がこれまでよりも強くなってしまい,地表面の温度が上昇しています。
現在,地球規模で,二酸化炭素排出量削減に向けた議論が活発になされています。
しかし,気温がわずか1℃や2℃あがるかも知れないことが,なぜ重大な問題なのでしょうか?
※以下の記載は,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書(AR4)のデータに依拠しています。
世界の平均気温は,過去100年で0.68℃上昇し,近年になるほど温暖化の傾向が加速しています。北半球の高緯度の地域で気温の上昇が顕著です。
環境保全と経済発展を両立させようとしても,世界の平均気温は,21世紀末までに1.1℃~2.9℃上昇すると言われています。化石エネルギー源を重視しつつ経済発展を優先すれば,上昇幅は2.4℃~6.4℃に至ると予測されています。
高緯度地域では降水量が増加する一方,亜熱帯地域では減少すると言われています。また,極端な大雨の頻度は,21世紀中に多くの地域で増加すると予測されています。
0~2℃程度の気温の上昇によって,低緯度地域における淡水の減少や干ばつの増加,サンゴの白化の増加,沿岸域における洪水や暴風雨による被害の増加,感染症の媒介生物の分布の拡大などの悪影響を生じると言われます。
2~3℃の上昇に至ると,40%以上の生物に絶滅の危険,穀物の生産性の低下,熱波や感染症による死亡率の増加,それに伴う保険サービスの重大な負担を生じると予測されています。
日本の平均気温も,100年あたり1.15℃上昇しました。特に,顕著な高温を記録した年は,おおむね1990年代以降に集中しています。
夏の高温により,未熟米の増加や,トマトの着花割合の低下が報告されています。
年降水量が極端に少ない年が増えるとともに,少ない年と多い年の年降水量の差が次第に大きくなっています。このことは,渇水と洪水のリスクが同時に大きくなっていることを示しています。
環境保全と経済発展を両立させようとしても,日本の平均気温は,21世紀末までに2.1℃程度上昇すると言われています。化石エネルギー源を重視しつつ経済発展を優先すれば,4.0℃程度上昇すると予測されています。
特に北日本で年降水量が増加するほか,全ての地域で短時間強雨の発生回数が増加すると言われています。
この影響で,東北地方では,100年に1度の頻度で発生する洪水が,30年に1度の頻度で発生するようになるなど,水災害のリスクが高まることが予測されています。
他方で,ほとんどの地域で年間の無降水日数も増加すると予測されています。
0~2℃程度の気温の上昇によって,河川や湖沼の水質変化,サンゴの白化の増加,回遊魚の生息域の変化,デング熱を介在するヒトスジシマカの分布拡大などの悪影響を生じると言われます。
2~3℃の上昇に至ると,一部地域での渇水リスクの深刻化,洪水が起こる年確率が1.8倍~4.4倍に増加,ブナ林が68%減少,夏の暑さによる死亡リスクが3.7倍に増加するなどの問題を生じると予測されています。
ここでは,地球温暖化について,もっと知るうえで,参考になるウェブサイトを紹介します。ページ下段へいくほど,専門性が高くなります。
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