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人口減少,少子高齢化など社会経済環境が変化する中,インターネットのブロードバンド化や高機能のパソコン・携帯電話,電子商取引などに見られるような情報通信技術(IT)の急速な発展や普及により,ITの活用は社会経済活動における高度化・効率化をもたらすだけではなく,私たちの普段の生活においても多様なライフスタイルや利便性の向上を提供するものとして期待されており,近年,高度情報通信ネットワーク社会の形成がより現実的なものとなってきています。
こうしたなか,宮城県においては,平成13年に「みやぎマルチメディア・コンプレックス構想」,「みやぎIT戦略」,「宮城県IT戦略推進計画」を策定し,県民生活,産業振興,電子自治体化などの重点5分野における各プロジェクトを推進してきました。その後,社会経済情勢の変化や新たな課題への対応,県の「電子県庁推進アクションプログラム」や「宮城県緊急経済産業再生戦略」などの動きを踏まえ,平成16年3月に「宮城県IT戦略推進計画2」を策定し,県を始めとして,市町村,民間団体,企業,研究・教育機関等がそれぞれ一体となり,ITに関する様々な取組を進めてきました。
その結果,本県におけるブロードバンド環境は,ADSLサービスが平成17年3月に県内全市町村において整備され,FTTHサービスについても提供地域が順次拡大するなど情報通信基盤の整備が着実に進展されています。また,平成17年度には,「電子県庁」構築の一環として,電子申請や電子入札の運用が開始されるなど,行政サービスの電子化が図られ,より利便性の高いサービスの提供が可能となりました。
一方,国のIT戦略本部(外部サイトへリンク)では,ITの基盤整備を推進する「e-Japan戦略(外部サイトへリンク)」(平成13年1月),ITの利活用を重視した
「e-Japan戦略2[PDFファイル/2MB]」(外部サイトへリンク)(平成15年7月)の策定に続き,ITによる構造改革力を追求し,平成22年(2010年)を見据え,ITの基盤整備に取り組むことを重点政策とした「IT新改革戦略[PDFファイル/222KB]」(外部サイトへリンク)を平成18年1月に策定したほか,総務省(外部サイトへリンク)でも,来るべきユビキタスネット社会へと発展させるための「u-Japan政策(外部サイトへリンク)」(平成16年12月)を公表するなど,国のIT政策を推進する動きが加速しています。
今回策定する「宮城県IT推進計画」は,宮城県IT戦略推進計画2の計画期間満了を受け,ITを取り巻く様々な動きや急速に進展する高度情報通信ネットワーク社会に対応するとともに,「(仮称)みやぎの将来ビジョン」の着実な実行を支える計画として位置づけ,宮城県のIT施策推進のための新たな行動計画となるものです。
また,この計画の推進に当たっては,県の取り組むべき重点事項を明らかにし,市町村,民間団体,企業,研究・教育機関等と連携しながら取組を進めていくこととしています。
それぞれ5つの重点分野を設定し,各プロジェクトを推進
これまでの取組成果をふまえ,更なる安全・安心・活力の推進を
平成18年度を初年度とし,平成20年度までの3か年計画とします。
目標達成のため,宮城県IT戦略推進計画2で設定した重点5分野に新たに「安全・安心な生活環境の実現」を加えた,計6つの重点分野ごとにプロ ジェクト(事業)を設定
(宮城県総合防災情報システムの運用,食の安全・安心情報提供,産業廃棄物追跡管理システムの普及促進,情報モラルと情報セキュリティ意識の醸成,地域住民への防犯情報の提供等 計16事業)
(地域医療医師登録紹介事業,みやぎ障害者ITサポートセンターの運営,図書館貴重資料保存修復事業等 計16事業)
(インターネット等による戦略的観光情報の発信,IT人材育成・確保支援,情報通信関連企業の戦略的誘致等 計10事業)
(インターネット公売の実施,電子入札・電子調達の推進,内部事務システムの整備・再構築,地方税電子申告システムの運用,情報セキュリティ対策の強化,職員研修の充実,市町村共同アウトソーシングの推進,情報システムの最適化等 計29事業)
(みやぎIT教育推進事業,ICTスキルアッププログラムの実施,みやぎ県民大学の実施,みやぎデジタルアカデミーの開催等 計15事業)
(みやぎハイパーウェブの整備・運用,宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)の充実,県立盲・聾・養護学校校内LAN整備事業,移動通信用鉄塔施設の整備促進等 計10事業)
※事業数は全体が実数,分野ごとは重複事業を含む
地震,津波,台風,洪水,土砂崩れなどあらゆる自然災害に対して,災害発生による被害の未然防止,発生直後の混乱解消,迅速な対応など,ITを活用した平常時及び非常時における県民生活の安全確保の充実を図ります。
地震,津波,風水害等の自然災害における情報の収集・伝達を迅速かつ的確に処理することを目的に,平成16年度から新しい宮城県総合防災情報システム(MIDORI)の構築に取り組んできました。また,洪水や土砂災害,通行規制等の各土木関係の災害情報については,「宮城県土木部総合情報システム」として,宮城県河川流域情報システム(MIRAI),宮城県砂防総合情報システム(MIDSKI),道路管理GIS(注)システムの構築に取り組んできました。
その結果,宮城県総合防災情報システム(MIDORI)では,市町村との情報連絡機能に加え,仙台管区気象台の気象情報や防災情報,震度情報ネットワークによる震度情報,宮城県河川流域情報システム(MIRAI)が持つ雨量や水位データなど,災害に関する情報について一元管理の一層の充実が図られるとともに,地震災害シミュレーション(想定実験)が可能となるなど,災害・防災対策を推進してきました。
(注)Geographical Information Systemの略。道路や建物などのデータに,各種情報をまとめて地図上に表示し管理するシステムで,視覚的かつ総合的な分析や表示ができるようになる
国の地震調査委員会では,「宮城県沖地震」の発生確率について,今後10年以内に50%程度,30年以内に99%と非常に高い数字を示しており(平成18年1月現在),大規模災害への対応が喫緊の課題となっているなど,避けて通れない自然災害において,被害の発生を最小にすることが求められています。
近い将来に発生が確実視される「宮城県沖地震」の発生に備え,宮城県総合防災情報システム(MIDORI)を活用し,地域の防災力の向上に関する取組を進め,非常時における県民生活の安全確保の充実を図ります。津波対策では,国土交通省が平成19年度までに2基のGPS(注1)波浪計を宮城県沖に設置する予定であることから,県としても国や防災関係機関と連携し津波観測情報のネットワーク化を検討し,迅速な津波観測情報の提供及び共有化を目指します。また,三陸海岸の防潮水門の遠隔操作化を進め,地震発生から水門閉鎖までの時間を大幅に短縮させるなど,津波被害の発生を抑えます。
「宮城県土木部総合情報システム」のうち,宮城県河川流域情報システム(MIRAI)については,今後迫川と白石川に洪水予測システムを整備し,観測地点の拡充を図ります。また,引き続き宮城県砂防総合情報システム(MIDSKI)の運用と拡充を進めるとともに,東北地方整備局,仙台管区気象台,県土木部等の観測データを処理し,地図化した視覚的な情報をWeb上で市町村や県民に対してリアルタイムで(即時に)配信するシステムを導入するなど各種防災情報提供の充実を図ります。道路管理GISシステムについても整備を進め,各システムとの連携により道路管理に必要な情報を集約化し,それを地図化することで,業務の効率化や緊急時における対応の迅速化を図ります。
言葉の壁や生活習慣の違いから,災害時に要援護者になりえる外国籍県民に対しては,日常生活上や災害時の不安を解消するため,宮城県総合防災情報システム(MIDORI)から配信される災害情報を自動的に多言語翻訳し,Web上やメールで提供するシステムを新たに構築し,災害時の安全確保に努めます。
さらに,災害発生時の迅速な復旧を図るため,災害ボランティアに関するホームページを運用し,平常時はボランティア団体やNPO間のネットワーク化を進めるとともに,大規模災害時にはボランティア受入情報等のポータルサイト(注2)として活用し,被災地のボランティアセンターから送られてくる情報の発信を行います。
(注1)Global Positioning Systemの略。24個の衛星と地上の制御局と利用者の移動局から構成される位置測定システムのことで,3次元的な位置を測定することができる
(注2)portal site ポータルは本来,「入り口,玄関」という意味。インターネットブラウザを立ち上げた時に最初にアクセスするウェブページのこと
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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宮城県総合防災情報システムの運用(MIDORI)【危機対策課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
津波情報ネットワーク構築の検討【危機対策課】 | 調査・検討 | 調査・検討 | 詳細設計 |
防潮水門緊急整備事業【河川課】 | 遠隔操作化 | 遠隔操作化 | 無線化 |
宮城県土木部総合情報システムの運用・拡充【土木総務課】
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運用・拡充 運用・拡充 整備 |
洪水予測システム運用開始 運用・拡充 一部運用開始 |
運用・拡充 運用・拡充 一部運用開始 |
災害時外国人サポート・ウェブ構築事業【国際政策課】 | 構築 | 運用 | 運用 |
災害ボランティア情報ネットワークの推進【社会福祉課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
食材のグローバル化等に伴い,食品の安全・信頼性が問われており,ITを活用した食材情報の正確な情報提供により,消費者の不安解消に努め,県産食材の信頼性向上と需要拡大を図ります。環境分野においても,ITを活用し,循環型社会の形成や廃棄物の適正処理を推進します。
平成13年に国内で牛海綿状脳症(BSE)の発生が確認されて以来,産地偽装表示や無登録農薬の使用,韓国産輸入かき混入(偽装)問題が発生するなど,食をめぐる様々な問題が生じてきました。これに対し,消費者の食に対する信頼回復を目指して,牛肉や県産かきについては既にトレーサビリティシステム(注)を稼動させ,生産履歴等の積極的な開示に努めました。青果物や米,麦,大豆についてもJAグループ宮城でトレーサビリティシステムの導入を進めるなど,食の安全・安心確保の取組を強化してきました。また,こうした取組に加え,食の安全・安心に関する総合的なホームページとして「みやぎ食の安全安心」を開設して積極的な情報提供を行ったほか,みやぎ食の安全・安心取組宣言制度を開始し,生産者や事業者の意識高揚とPR活動を行ってきました。
環境分野では,環境情報のポータルサイト「みやぎの環境情報館」による普及啓発・環境教育の充実を図ったほか,産業廃棄物の処理過程の透明性を向上させるために,GPSを活用した廃棄物追跡の実証実験を行いました。
(注)生産,処理・加工,流通・販売等の段階で,食品の仕入先,販売先,生産・製造方法などの記録をとり,保管し,食品とその情報を追跡し,さかのぼることができるシステム
本県は豊かな食材に恵まれており,食材王国として,食材クオリティー日本一を目指しています。そのためには,消費者に対して生産から流通,販売までのあらゆる場面で食材に関する正確な情報提供を行うなど,食材に対する安全・安心の質の向上が求められています。
環境分野では,国が平成18年1月に策定した「IT新改革戦略」の中で,ITの活用によるリサイクルの促進,廃棄物管理の合理化,不法投棄の削減等の様々な問題解決が期待されています。本県においても,限りある資源を有効に活用し環境負荷の少ない持続可能な「みやぎの循環型社会」の形成をいかに進めるかが大きな課題となっています。
食の安全・安心に向けた取組を推進するため,地元食材データベースの充実を図るとともに,食の安全・安心ポータルサイト「みやぎ食の安全安心」の充実による積極的な情報提供や,消費者と生産者・事業者の相互交流を図ります。
環境に関する最新情報や取組状況,環境教育関係など「みやぎの環境情報館」による環境情報ポータルサイトとしての役割強化を図るとともに,GPSを活用した産業廃棄物追跡管理システムによる処理過程の透明化やメールマガジンによる最新情報の配信を行い,排出事業者及び処理事業者に対する廃棄物の適正処理に向けた普及啓発を行います。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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食材データベースによる食材セールス基盤の整備【食産業振興課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
食の安全・安心情報提供(HP「みやぎ食の安全安心」)【食と暮らしの安全推進課】 | 運用 | 運用 | HP再構築 |
環境情報共有システムの運用(HP「みやぎの環境情報館」)【環境政策課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
産業廃棄物追跡管理システムの普及促進【廃棄物対策課】 | 構築 | 普及促進 | 普及促進 |
年齢や性別などに関係なく,誰もがインターネットや携帯電話などの情報伝達手段を安全で快適に利用できる高度情報通信ネットワーク社会の構築を推進します。
ITの進展に伴い,あらゆる年代でITが道具として使われており,ITは生活の一部になりつつあります。これに対して,個人情報漏えいやサイバーテロなど,社会的な事件が相次いで発生し,中でもインターネットや携帯電話においてコンピュータウィルス,個人情報漏えい,架空請求詐欺,青少年に有害なサイトの氾濫や出会い系サイトに関するトラブルなど,生活の安全を脅かすようなITの負の部分が目立つようになりました。そこで,宮城県高度情報化推進協議会では,平成16年度から宮城県インターネットサービス協会との連携により,小学校のPTA等を対象にした「インターネット安全・安心教室」を県内各地で開催し,保護者などへの意識啓発を行ってきました。また,県の消費生活センター等でも,インターネットに関するトラブル等についての相談が多く寄せられていることから,消費生活講座のテーマとして取り上げたり,啓発用パンフレットを作成・配布するなど消費者被害の未然防止と県民の不安解消に努めてきました。
平成17年4月からは個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)が全面施行され,個人情報取扱事業者は,情報の取扱いについて一層慎重な対応が求められるようになるなど,情報モラルや情報セキュリティ(注)の重要性が高まっています。こうした状況のなか,ITを使った犯罪が巧妙化,複雑化してきていることから,トラブルを未然に防ぎ,誰もが気軽にITを利用できるような社会の形成が望まれています。
(注)information security コンピュータに保存されている重要なデータを保護すること
地域における情報セキュリティ対策としては,NPO法人「みやぎ情報セキュリティ推進機構」(MISEC)の活動のほか,県内企業等の情報セキュリティの意識の醸成と,セキュリティ監査の導入に向けた普及啓発を行います。
一方,県民の情報モラルや情報セキュリティ意識の向上に関する取組として,教育関係,警察に加え,IT関連企業,宮城県インターネットサービス協会などの関係団体との連携を強化し,インターネットや携帯電話などの正しい利用方法やトラブルに巻き込まれないための対策等について普及啓発・周知していきます。また,県の消費生活センター等において消費者からの相談に対応するほか,啓発や情報提供を行い,ITによる利便性を享受しながら,誰もが安心して暮らせる県民生活環境の確保に努めていきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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地域における情報セキュリティ対策の確立支援【情報産業振興室】 | 支援 | 支援 | 支援 |
情報モラルと情報セキュリティ意識の醸成【情報政策課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
消費生活相談,啓発・情報提供【生活・文化課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
高度化が進むITの機能を駆使し,犯罪発生や交通事故の未然防止を図り,安全で安心な生活環境の構築を推進します。
平成17年度から県警では,防犯対策として子どもを狙う不審者情報や街頭での犯罪情報等を電子メールで提供するとともに,犯罪発生の位置情報をインターネットで公開するなど,情報の共有化を進めてきました。また,宮城県高度情報化推進協議会では,調査研究事業として,会員企業が仙台市内の小学校の協力を得て,携帯電話のメールを活用した通学時の子どもの安全対策の実証実験に取り組みました。
交通安全対策として,高規格の交通情報収集・提供装置(光ビーコン)(注1)を設置し,交通状況を把握するとともに,交通情報板やカーナビゲーションシステムの活用により,ドライバーのニーズに対応した交通情報を提供し,交通流の誘導と分散を図るなど,安全性・輸送効率性及び快適性の向上等を目的とした高度道路交通システム(ITS)(注2)の整備を推進してきました。
(注1)道路上に設置され,車載器搭載車両との双方向通信を可能とするための路上インフラ装置
(注2)Intelligent Transport System情報技術を用いて車両と道路を結び,交通事故や渋滞等の道路交通問題の解決を図る新しい交通システム
全国的な犯罪の増加等,県民の生命・財産を脅かす事件・事象が相次いで発生しており,これに対し行政,警察,県民が連携して防犯への取組を強化することが重要となります。特に被害の未然防止や地域社会の安全と安心を確保する取組として,地域住民と行政が安全情報を共有することが求められています。
また,交通事故による死亡者は減少傾向にあるものの,発生件数は増加傾向にあることから,交通事故の未然防止や救助救援活動の迅速化に向けた取組が求められています。
防犯ボランティア団体等に対する連絡体制を構築し,その活動内容,地域別,対象別の情報提供などきめ細かい情報を積極的に提供します。また,インターネットを利用した「情報提供システム(GISシステム)」のほかメール配信や電話音声により情報を提供する「安全インフォメーション」をより充実させ,地域住民への事件・事故の発生状況や被害防止方策などの安全情報をタイムリーに提供できるシステムを充実,拡大します。一方,GPS機能付きの携帯電話やICタグ(注)など情報技術の進展により,多様な防犯対策が可能となっており,こうした技術動向の進展を踏まえながら,今後も引き続き,インターネットや電子メールなどで子どもを狙う不審者情報や街頭での犯罪発生情報を提供するなど,情報提供の充実に努めていきます。
交通安全対策としては,先進的な交通制御方式の拡大や,ITSのキーインフラとなる光ビーコンの整備を推進し,交通事故死傷者数や件数の減少を図ります。
(注)微小な無線ICチップのことで,自身の識別コードなどの情報が記録されており,電波を使って管理システムと情報を送受信する能力を持つ
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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地域住民への防犯情報の提供【県警本部生活安全企画課安全安心推進室】 | 実施 | 実施 | 実施 |
子どもの安全確保システムの推進への支援【情報政策課】 | 支援 | 支援 | 支援 |
高度道路交通システム(ITS)の推進【県警本部交通規制課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
少子高齢化が本格化するなか,安全・安心な医療システムの構築を図るなど,医療・健康分野での情報化を促進します。
母子の安全な管理と小児の後遺症無き生存を目指し,平成16年度に(財)宮城県地域医療情報センター内に「周産期医療情報センター」を設置するとともに,空床状況,手術,検査等の可否,医師の存否等の情報を関係医療機関へ提供する「周産期医療情報システム」を構築しました。これにより,緊急な対応を必要とするハイリスクな妊婦や新生児を,受入れ可能な病院へ迅速に搬送する体制が整備されました。平成17年度から,地域における医師不足の解消を図るため,県のホームページに「自治体病院・診療所の求人情報」を掲載するなどの取組を開始しました。
一方,県立病院では,平成16年度に宮城県病院局医療IT戦略を策定し,高度医療専門病院や地域医療の拠点病院としての役割を担っていくために必要な医療IT環境の整備を推進してきました。循環器・呼吸器病センターと精神医療センターでは,オーダリングシステム(注) を導入したほか,がんセンターでは総合情報システムを導入するなど,医療サービスの効率化と患者の利便性向上を図りました。
医療分野におけるIT化を促進するため,平成15年8月に東北地域情報通信ネットワーク連携協議会内に設置された「遠隔放射線治療研究会」では,「遠隔放射線治療システムの実証実験」として,東北大学医学部附属病院が中心となり,古川市立病院(現・大崎市民病院)や公立気仙沼総合病院(現・気仙沼市立病院)等との間で診断した画像の送受信等を行い,遠隔地での高度医療の問題点を検証しました。また,平成16年度からは,みやぎ県南中核病院を基点として,救急車と医療機関での間で無線を使用した実証実験を行いました。
保健・医療・福祉分野に関する情報提供手段として,平成18年3月に保健医療福祉のポータルサイト「ほっとページ@みやぎ」をインターネット上で開設し,各種相談窓口,制度・サービスに関する情報の提供を開始しました。
(注)医師が入院患者に行う投薬,注射などの薬剤処方業務や食事療養業務を自動操作化するシステム
本格的な少子高齢化社会を迎え,医療の果たす役割が大きくなっていますが,地方においては医師不足が深刻な問題となっています。また,医療の高度化や専門化等が進む一方,患者中心の質の高い効率的な医療サービスの提供が求められています。こうしたなか,国の「IT新改革戦略」では,今後取り組むべき重点分野の一つとしてITによる医療の構造改革を掲げており,県立病院を含む県内医療機関においても電子カルテの普及促進やレセプト(注) のオンライン化,遠隔医療のシステム整備など,医療の情報化に向けた積極的な対応が求められています。また,保健福祉分野については,他の分野に比べるとITの普及割合は高いとは言えず,今後ITを積極的に導入し活用することで,より効率的で利便性の高いサービスを提供することが求められています。
(注)保険医が,医療保険の保険者に請求する時の診療報酬の明細書
少子高齢化時代に対応するため,「周産期医療情報システム」の運用を行い,安心して子どもを生み育てられる環境を維持していきます。こうした取組に加え,アナログで対応している「救急医療情報システム」のWeb化を進め,救急医療情報の高度化を図るとともに,ホームページ上で一般県民向けの医療機関の診療情報を提供するシステムの導入を検討するなど,情報提供の更なるIT化を進めます。また,県のホームページに「自治体病院・診療所の求人情報」を掲載し,県内自治体病院・診療所への勤務を検討する医師に,希望条件に適合する病院等を無料で紹介するとともに,勤務に至る手続きまで斡旋を行い,地域における医師不足の解消を図ります。
県立病院では,オーダリングシステム等整備済みの情報システムを活用し,良質な医療の提供と医療水準の向上を図るとともに,経営分析システムの導入や将来的な電子カルテや電子レセプト導入の検討を進めます。
保健・医療・福祉の各分野の総合情報窓口として運用しているホームページ「ほっとページ@みやぎ」については,引き続き提供情報の充実を図ります。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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周産期医療情報システムの運用【医療整備課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
Web型救急医療情報システムの運用【医療整備課】 | 拡充検討 | 運用 | 運用 |
地域医療医師登録紹介事業【医療整備課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
県立病院情報システムの整備・運用【県立病院課】 | 整備・運用 | 整備・運用 | 整備・運用 |
保健医療福祉の情報提供(HP「ほっとページ@みやぎ」)【保健福祉総務課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
ITの利活用機会の拡大を図り,就労・社会参画に向けた自立を支援するなど,福祉分野での情報化を促進します。
県では障害者の自立支援を目的として,平成15年7月に「みやぎ障害者ITサポートセンター」を開設して,障害者の研修や就労支援等を総合的に支援してきました。また,在宅就労等社会参加の可能性を広げることを目的として,障害児(小・中学生)を対象に早い段階からITに親しむ機会として,パソコンの使用方法を学ぶ「ちゃれんじど情報塾」を開催してきました。さらに,平成16年度からは県庁受付で聴覚障害者のためのテレビ電話を設置したほか,県のホームページにおいてはアクセシビリティ(注)に配慮するなど,誰もが容易に情報を受発信できる仕組み作りに取り組みました。一方,平成17年6月からは,マイクロソフト株式会社と宮城県との協定により「みやぎUPプログラム」を開始し,地域のNPO法人との連携により,障害者IT研修会の開催,就労支援サービスなど多様なプログラムを随時実施してきました。
(注)accessibility 環境,設備,機器,ソフトウェア,サービス等について,年齢や身体的な条件に関係なく,支障なく利用できること(又は利用できる度合い)
障害の程度や個々の能力など障害者が有する特性に関係なく,誰もが不自由なく,どこにいても安全・安心にITを利活用できる社会の構築が求められています。
また,依然として厳しい障害者の就労状況に加え,家庭間の経済格差の拡大が懸念されていることから,社会参加の手助けとなる情報リテラシー(注)の向上支援策などが求められています。
(注)information literacy 情報を使いこなす基礎的な知識や能力のこと
引き続き,電話ナビゲーションシステムやJBインターネットシステム(点字ニュース)により,情報提供を実施していきます。また,みやぎ障害者ITサポートセンターの運営を継続するとともに,障害児に対する「ちゃれんじど情報塾」や,マイクロソフト株式会社との連携による「みやぎUPプログラム」による研修会の実施などにより,IT活用による障害者の社会参加や就労支援等を行っていきます。
母子家庭の母などが自立した生活を送ることができるよう,技能・資格取得の機会として,パソコン講習を実施するなどの就労支援を行っていきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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電話ナビゲーションシステムの推進【障害福祉課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
みやぎ障害者ITサポートセンターの運営【障害福祉課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
ちゃれんじど情報塾の開催【障害福祉課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
みやぎUPプログラムの実施【障害福祉課】 | 実施 | 実施 | - |
母子家庭等就業支援講習会の実施【子ども家庭課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
保健医療福祉の情報提供(HP「ほっとページ@みやぎ」)【再掲】【保健福祉総務課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
県民の多様なライフスタイルに対応し,その充実に寄与するため,学習・文化・スポーツ分野における情報化を促進します。
平成13年度から宮城県図書館の図書情報について総合目録化を進めており,順次,市町村図書館の蔵書目録システムとインターネットで結んできた結果,9市5町にある21の図書館で蔵書の情報交換が可能になりました。また,宮城県図書館と宮城大学では,仙台圏の各大学・短大の図書館蔵書目録を横断的に検索できる「学都仙台オンライン目録(学都仙台OPAC=Online Public Access Catalog)」とも連携することで,オンラインで各図書館の蔵書を効率的に検索することが可能となりました。さらに,宮城県図書館では,平成16年度から「22世紀を牽引する叡智の杜づくり」として,図書館の貴重図書をデジタル化し保存・修復するとともに,レプリカの製作やWebサイトでの公開を進めたほか,東北歴史博物館でも,収蔵資料や図書資料のデータベース化により,Webサイトでの検索・閲覧が可能となるなど,県民の財産である貴重図書・資料に触れる機会の拡大に努めてきました。
みやぎ広域スポーツセンターでは,平成15年度からインターネット上に情報サイトとして「みやぎスポーツネットワーク」を構築し,各種スポーツ情報の共有化を進め,県民ニーズに合ったスポーツ情報の提供に取り組みました。
県内市町村すべての公立図書館と宮城県図書館がインターネット上で結ばれ,あらゆる図書情報の提供や図書館利用の利便性向上が求められています。また,貴重図書・資料等のデジタルアーカイブ(注)化による保存や一般公開の推進のほか,生涯スポーツとしての取組を支援するため,多様化するスポーツに対応した情報提供などが求められています。
(注)歴史的・文化的資料等の様々な情報をデジタル化として保存・蓄積したもの。デジタル情報として保存することで恒久的な保存とWeb等による発信が可能となる
県民の生涯学習を充実させるため,市町村図書館の図書情報について目録化を進めていき,インターネット上で誰もがどこでも,図書館の蔵書状況が確認できるよう,「蔵書公開機能システム」を拡充していくとともに,貴重図書のデジタルアーカイブ化を進め,随時Webサイトでの画像公開を進めていきます。東北歴史博物館では,未整備となっている収蔵資料のデータベース化を引き続き進めるとともに,内容の充実を図りながら,Web上での情報提供を行っていきます。美術館においても,展示等の情報を積極的にWebで提供していきます。
生涯スポーツ社会の実現に向け,誰もが気軽にいつでもスポーツを楽しめるよう,各スポーツ情報の収集と情報提供システムの充実を図っていきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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図書情報の総合目録化,インターネット情報発信の充実【生涯学習課】 | 運用・拡充 | 運用・拡充 | 運用・拡充 |
図書館貴重資料保存修復事業【生涯学習課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
東北歴史博物館館蔵資料管理及び情報公開事業【文化財保護課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
美術館の情報発信の充実【生涯学習課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
みやぎ広域スポーツセンター・スポーツ情報提供の充実【スポーツ健康課】 (HP「みやぎスポーツネットワーク」) |
運用 | 運用 | 運用 |
地域産業の振興を図るために,情報提供の充実やITを活用した経営革新など,産業分野での情報化を促進します。
インターネットの普及に伴い,経済活動においても電子商取引の増大や,ITを上手に取り入れ,他社製品との差別化を図り,ビジネスを拡大する企業が増えてきています。こうした状況を受け,「食」に関して恵まれた資源を有する本県では,「食材王国みやぎ」の確立に向け,事業者や消費者,NPO等のネットワーク化を図るとともに,平成13年度から各種産業支援情報を総合的に提供する「みやぎ産業支援情報サイト(Mサイト)」や宮城の食のオンラインショップ情報サイト「みやぎ食のe-shop(Bサイト)」,宮城の食の総合サイトである「食材王国みやぎ(Cサイト)」の各サイト(みやぎ食MBCネット)を開設し,食に関する積極的な情報提供と販路拡大等に努めてきました。また,県内の多種多様な食材情報に関するデータベースを構築し,Webサイトで公開するとともに,主要農林畜水産物のトレーサビリティシステムの導入を推進するなど,県内農産品の安全・安心への取組の充実と併せて,本県食材の一層の利用拡大を図りました。
県内産業の競争力の向上を図るために,ITコーディネーター等の専門家を中小企業等に派遣し,商品情報のWeb化や情報機器の導入など,販路拡大や経営効率化に向けた支援を行いました。
東北の中で最も高速交通体系に恵まれている本県は,豊富な食材や豊かで美しく多様な自然等,魅力ある観光資源を有しているにもかかわらず,その魅力が国内外に十分に知られていないことから,より積極的かつ効果的な情報発信が求められています。
流通の多様化や品質競争が加速するなか,県産品の販路を拡大していくためには,電子商取引の積極的な導入を図るとともに,安全・安心の確保に取り組みながら,他地域との差別化やブランド化等を図っていくことが求められています。
情報化を必要とする県内中小企業は依然として多く,またIT導入による効果を経営面に十分に活かしきれていないことから,引き続き中小企業の情報化を促進する取組が求められています。
インターネットを利用して情報を得る観光客が増加していることから,「みやぎデジタルフォトライブラリー」や「宮城県観光データブック」などのホームページを充実させて,観光客の誘致を促進します。また,農作業体験や産地直売情報など,農山漁村を舞台にした多様なツーリズムの情報を載せたホームページ「みやぎまるごとツーリズム」等を運用し,都市と農山漁村の交流を促進します。
食産業の分野については,引き続き「みやぎ産業支援情報サイト(Mサイト)」,「みやぎ食のe-shop(Bサイト)」「食材王国みやぎ(Cサイト)」の各サイトや食材データベースの充実を図るとともに,消費者や事業者のニーズに的確に対応した食産業の振興を図ります。
さらには,県内中小企業の情報化を促進するために,引き続きITコーディネーター等専門家の企業派遣を実施するなど企業側ニーズに即した支援を実施します。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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インターネット等による戦略的観光情報の発信【観光課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
農山漁村を舞台にした多様なツーリズムの情報受発信【農村振興課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
みやぎ食MBCネットプロジェクトの推進【食産業振興課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
食材データベースによる食材セールス基盤の整備【再掲】【食産業振興課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
中小企業のIT化支援【新産業振興課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
今後市場性が見込まれる組込みシステムやオープンソースソフトウェア(注1),情報セキュリティ,デジタルコンテンツ(注2),保健医療福祉分野を重点5分野として,既に取り組んでいる県内企業や新たにこれらの分野へ取り組もうとする県内企業の取組を集中的に支援することにより,商品開発力向上や販路拡大につなげるなど,「情報産業振興戦略」を推進し,国内外とのビジネスマッチングが展開される拠点形成を目指します。
(注1)open source software ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを無償で公開し,誰もが自由に改良・再配布などをすることが可能なプログラムのこと
(注2)digital contents 電子化された情報(文章,画像,音楽,データベース等),またはそれらを組み合わせたもの。双方向性や複製しても劣化しないといった特徴がある
意欲的なベンチャー企業や高い技術力を有し全国展開を目指す中核IT企業に対して,事業費の補助制度として「地域中核IT企業成長支援事業」を設けるなど,積極的な支援を実施しました。また,今後市場拡大が見込まれる組込みシステムや情報セキュリティ,保健医療福祉分野においては,県内IT企業の市場開拓の可能性について調査するとともに,ノウハウの習得や技術者のスキル向上を目的とした研修やセミナーを開催するなど,新たなビジネス分野への挑戦に向けた支援を行いました。こうした結果,支援した企業の中から既に国立大学の人事給与システムで全国シェアNo.1となった企業や,情報セキュリティ分野で世界標準を確立する企業が誕生するなど,一定の成果が現れ始めました。
このほか,平成16年に地域社会におけるセキュリティ対策普及等を目的にしたNPO法人として「みやぎ情報セキュリティ推進機構」(MISEC)が設立されたほか,保健医療福祉分野への進出可能性を探るために「宮城県における保健医療福祉分野のIT活用市場性調査」を実施した「(社)宮城県情報サービス産業協会」(MISA)では,「保健福祉情報化事業創出委員会」が設立され,今後の保健医療福祉分野における市場開拓に向けて,具体な事業化に取り組み始めました。
これまで支援してきた企業の中には,全国レベルで通用する技術力やビジネスプランを有する企業が現れ始めたものの,研究開発に終始してビジネスまでに至らず支援効果を十分に発揮できないケースもあったことから,より十分な調査をした上で,支援対象企業を選定することが求められています。
組込みシステム分野では,県産業技術総合センター所有で,全国に誇る制御用基本ソフトウェア「μITORON」に関する技術の地元IT企業への移転を目的に,研修会開催等を通じて人材育成支援を行ったものの,当該分野の技術者不足が続いていることから,引き続き人材育成支援が必要となっています。情報セキュリティや保健医療福祉分野については,企業や自治体におけるセキュリティ対策の必要性や保健医療福祉の現場におけるIT利用による費用対効果が十分に認識されていないことから,市場が顕在化していない状態となっています。
宮城の地が全国に通用する技術や商品等を有するIT企業の集積地となるために,成長が見込まれる支援対象分野を絞り込み,各分野で牽引役となる企業を中心に企業創業・成長,人材確保・育成,市場獲得,企業立地に取り組みます。
具体には,本県IT企業にとって競争優位や今後市場性が見込める分野として,組込みシステム,オープンソースソフトウェア,情報セキュリティ,デジタルコンテンツ,保健医療福祉の計5分野を重点的支援対象分野とします。また,その取組に当たっては,県の信用力や調整力を活かし,目標値と具体的な取組を掲げて分野別のプロジェクトとして,成功事例の創出に取り組みます。
組込みシステム分野では,首都圏や中部圏からの業務獲得に向け,県内IT企業のビジネスプラン支援や県産業技術総合センターを通じた人材育成支援などを進めます。
オープンソースソフトウェア分野では,県内市場に加え首都圏市場や海外市場の獲得に向け,技術の先進性や市場価値等を外部の有識者が審査し,採択された優れたビジネスプランに対して経費の一部を補助する「e-ブランド確立支援事業」による県内IT企業のビジネスプラン支援や,東北テクノロジーセンターを通じた人材育成支援などを進めます。
情報セキュリティ分野については,展示会への出展など県内IT企業の高い技術力やビジネスプランのPRを通じた首都圏市場獲得に向けた取組や,地元自治体等に対し,地元IT企業のセキュリティ関連製品導入を促進します。
市場が首都圏に集中しているデジタルコンテンツ分野については,「e-ブランド確立支援事業」により県内企業の高い技術力やビジネスプランを首都圏企業にPRするなど,ビジネスマッチングを進め,受注の拡大に取り組みます。
保健医療福祉分野では,産学官連携を進め,商品・技術のPRやビジネスマッチング支援に向けた情報提供,モデル事業を実施する際のフィールド提供等に努めます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 | |
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組込みシステム分野 | 企業創業・成長 人材確保・育成 市場獲得 企業立地 【情報産業振興室】 |
実施 | 実施 | 実施 |
オープンソースソフトウェア分野 | ||||
情報セキュリティ分野 | ||||
デジタルコンテンツ分野 | ||||
保健医療福祉分野 |
今後市場性が見込まれる組込みシステムやオープンソースソフトウェア,情報セキュリティ,デジタルコンテンツ,保健医療福祉分野において,高い技術力を有する技術者やプロジェクトマネジメント(注)ができる人材等,各分野で必要とされる人材育成に向けた取組を支援します。また,地元卒業学生の首都圏流出回避や,首都圏等からの人材回帰支援を図り,人材の育成・確保を進めます。
(注)システム構築やソフト開発のプロジェクト等を効率的に管理するために,人材・資金・設備・物資・スケジュールなどをバランスよく調整し,全体の進捗状況を管理する手法のこと
地域IT企業の“財産”である「人」を地域で育み,開発現場で力を発揮できる環境を整え,結果として企業の売上増,地元IT企業振興につなげることを目的としてこれまで事業を展開してきました。
高度IT人材については,産学官で構成される「東北テクノロジーセンター・コンソーシアム(東北テクノロジーセンター)」が実施する,ネットワーク等最新技術の分野での高度技術研修や,プロジェクトマネジメント講座などを通じ,地元のIT技術者育成活動を支援してきました。また,この東北テクノロジーセンターの講座設定に際しては,地域の他のIT教育機関等との情報交換を通じて,初級技術者から上級技術者まで段階的に,かつ,計画的に育成可能な研修ロードマップを整えました。
人材育成は,情報産業の振興を支える上でもっともウェートが置かれる分野であるものの,これまでは各企業内で指標を作るなどして人事や給与に対応してきました。一方,商品の品質を保つ保護策として,ビジネス相手である技術者のスキルレベルを客観的に示す動きも顕著となってきています。このようなことから,企業の業務獲得や市場獲得・形成につながる即戦力となる実効性のある人材育成を,産学官が連携して実施する重要性が一層高まってきています。また,本県の特徴として,高度な技術を有するIT人材を養成しても,地元企業に就職する割合が低く,首都圏へ多くの人材が流出する状況にあり,高度IT技術者の地元への定着化を図る取組が求められています。
組込みシステムやオープンソースソフトウェア,情報セキュリティ,デジタルコンテンツ,保健医療福祉分野の重点分野において,県内市場の顕在化を図るために開催される普及・啓発セミナーや,首都圏市場等からの業務獲得に向けた企業の人材育成活動を支援します。また,高度IT人材養成を行う東北テクノロジーセンターを通じて,プロジェクトマネジメントなどの技術者のスキル向上を支援します。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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IT人材育成・確保支援【情報産業振興室】 | 実施 | 実施 | 実施 |
雇用の場の創出と,企業集積による人材・技術・情報面での相乗的効果の創出を目指し,IT関連企業の集積を促進します。
情報通信産業の企業立地が進むことにより,システム構築や保守管理等の幅広い業務において直接的な受注機会が増えるなどの波及効果が見込まれることから,県では,「みやぎ産業振興重点戦略」の重点4分野に,食,環境,医療・福祉とともに情報通信産業を位置づけ,データセンターやソフトウェアハウス,コールセンターの誘致に取り組んできました。
特に雇用吸収力の高いコールセンターに関しては,平成15年9月に策定した「宮城県緊急経済産業再生戦略プラン」において,立地企業による新たな雇用者創出目標人数を2,400人と掲げて,コールセンターに特化した奨励金制度を新設し,人材確保支援策等を実施することにより,当初の目標を上回る企業の進出(12社,13センター)と新たな雇用(3,187人)が生み出されました。
雇用情勢は改善しつつあるものの,依然として政令市以外においては厳しい状況に置かれていることから,地方都市における新たな雇用の場の創出が求められています。また,新たな企業が立地することにより,県内企業との間で新規ビジネスチャンスが生まれることから,成長分野である情報通信関連企業の立地促進に引き続き取り組むことが求められています。
地域経済への波及効果が高い国内ブランド企業及び外資系企業の誘致に向け,技術力の高い県内企業とのマッチングや精度の高い企業情報の収集などの戦略的な誘致活動により情報産業の集積を図ります。また,立地企業の初期投資軽減のための奨励金を交付します。
一方で,立地企業に対し,人材確保の支援等を通じて県内に定着するためのフォローアップを行います。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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情報通信関連企業の戦略的誘致【情報産業振興室】 | 実施 | 実施 | 実施 |
立地促進奨励金の交付等による支援【情報産業振興室】 | 実施 | 実施 | 実施 |
立地企業へのフォローアップ強化【情報産業振興室】 | 実施 | 実施 | 実施 |
いつでもどこでも必要な情報を入手できるようにするとともに,行政と県民の協働関係を実現していくため,より一層県民サービスの向上,充実を図ります。
インターネットの進展に伴い,ホームページが重要な広報手段の一つとなったことから,県では平成9年3月にホームページを開設し,これまで行政情報を積極的に提供してきました。こうしたホームページによる情報発信は,行政分野に限らず県議会,県警においても行われるようになりました。また,ブロードバンド(注)化の進展に合わせて,知事記者会見や県議会の審議状況については,「インターネット放送局」として動画による映像発信を開始しました。さらには,高齢者や障害のある方など誰もが利用しやすいように,平成16年2月には,ホームページの画面の再構成や機能の追加を行うなど大幅な見直しを実施し,Webアクセシビリティ(利用しやすさ)等の向上を図りました。
一方,携帯電話やPHSの機能の向上に伴い,これら携帯端末においてもインターネットの利用が可能になったことから,平成13年8月に都道府県初となる公式の情報発信サイトとして「ポケットみやぎ」の運用を開始しました。また,平成16年4月からは,宮城県の旬の情報や楽しい話題,イベント情報などを県民にお知らせする「宮城県メールマガジン“メルマガ・みやぎ”」を創刊し,定期的に利用者へ向けて情報を発信しました。
インターネットオークションは,24時間,全国どこからでも参加可能となることから,利用者が増加していますが,県においてもその特徴に着目し,インターネットを通じて差押え物件の公売を開始しました。
(注)broadband 高速通信の普及によって実現される,次世代コンピュータネットワークと,そこで提供される大容量のデータ活用を活用した新しいサービス
平成17年12月から開始した県内の地上デジタルテレビ放送は,平成18年6月の東日本放送による本放送開始により,県内すべての放送局のデジタル化が完了しました。この地上デジタルテレビ放送は高画質・高音質の放送だけでなく,きめ細かな地域情報を提供するデータ放送や双方向サービスなど地域密着型の情報発信が可能となることから,新たな行政情報の提供メディアとしても期待されています。今後は,県民誰もが必要な情報を容易に手に入れることができるよう,提供手法の多様化と提供情報の更なる充実が求められています。
ホームページによる広報に当たっては,今後も高齢者,身体に障害のある方,パソコンの操作に不慣れな方々にも見やすく,使いやすいような,アクセシビリティ(利用しやすさ)に配慮したホームページの作成を徹底するとともに,現在実施している動画,メールマガジンの配信や携帯端末への情報発信などの提供情報を充実させていきます。また,インターネット公売を実施し,公売参加者の利便性を高めるなど,一層の県税の徴収強化と滞納の未然防止を図ります。さらに,今後の行政情報の提供のあり方については,地上デジタルテレビ放送など新たな情報伝達手段の活用を検討していきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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県ホームページの充実【広報課】 | 運用 | 運用 | HP再構築 |
メールマガジン「メルマガ・みやぎ」発信事業【広報課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
「インターネット放送局」発信事業【広報課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
県議会情報提供の充実【議会事務局総務課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
警察情報提供の充実【県警本部広報課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
携帯情報サイト「ポケットみやぎ」情報発信事業の推進【経済商工観光総務課】 | 運用 | 運用 | - |
インターネット公売の実施【税務課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
地上デジタル放送等の活用(行政情報の提供)【情報政策課】 | - | 検討 | 検討 |
行政分野でのITの利活用を進め,県民の視点に立った利便性の高いサービスの提供を図ります。
国においては,平成13年1月に「e-Japan戦略」,平成15年7月に「e-Japan戦略2」,平成18年1月に「IT新改革戦略」が策定され,これに基づいて誰もが自宅や職場のパソコンなどからインターネットを経由して,いつでも申請や届出などができる「電子政府」の構築が進められてきました。県では,平成14年度に「電子県庁推進アクションプログラム」を策定し,これまで「電子県庁」の構築を推進した結果,平成17年5月からは様々な申請,届出等がインターネットを通じて手続ができる「宮城県電子申請システム」が,同年8月からは入札手続や入札情報の閲覧ができる「宮城県建設工事等電子入札システム」の稼働がそれぞれ開始され,平成18年1月からは「地方税電子申告システム」が導入されました。また,「宮城県物品等電子調達システム(仮称)」については,平成19年度からの運用開始に向けて設計を実施しています。
現在,電子化された手続に関する手数料等の納付については,オンライン化が実現されていないことや,添付書類等の見直しが遅れていることもあり,電子化のメリットが十分に発揮できない状況になっています。今後は,添付書類の電子化,省略・廃止,手続自体の廃止,手数料等の電子納付の導入など,利用者本位の申請手続になるよう改善するとともに,インターネット経由で可能な行政手続の拡大を図るなど,県民の利便性の向上を考慮した対応が求められています。
行政サービス利用者がいつでもどこでも行政手続が可能となるように,一層の行政手続の電子化を進めていきます。同時に,電子申請を行う上での事前準備の簡素化やアクセシビリティ(利用しやすさ)の向上を図るなど,利用者の視点に立った電子化へ向けた取り組みを行っていきます。
(注1)Continuous Acquisition and Life-cycle Support / Electronic Commerce 公共事業支援統合情報システムの略称で,公共事業に関する様々な情報を電子化して情報を共有化するシステム
(注2)Multi Payment Network System 公共料金や税金などを,パソコンや携帯電話などの多様な方法によって電子納付を可能とするもの
(注3)地方税ポータルシステムの呼称。インターネットを使って地方税の手続を電子的に行うシステムのこと。eLTAXは,「electronic(電子)」,「Local(地方)」,「TAX(税)」からなる造語
(注4)one stop service system 一度の手続で,必要とされるすべての行政手続を行うことができる方式のこと。手続回数を減らすことで利便性とコスト(費用)削減を図ることが可能
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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電子申請の推進【情報システム課】 | 実施,拡大 | 実施,拡大 | 実施,拡大 |
警察電子申請システムの導入【県警本部情報管理課】 | 検討 | 構築 | 運用 |
電子入札・電子調達の推進【契約課】 (電子入札) (電子調達) |
実施,拡大 構築 |
実施,拡大 運用・拡大 |
実施,拡大 運用・拡大 |
CALS/ECの整備【事業管理課】 | 検討 | 検討 | 検討 |
公金収納の電子化 ※OSSを除く【会計課】 | 検討 | 検討 | 検討 |
地方税電子申告システムの運用【税務課】 |
運用・拡大 | 運用・拡大 | 運用・拡大 |
自動車保有関係手続の ワンストップサービスシステム(OSS)の整備【税務課】 |
導入準備 | 導入準備 | 導入準備 運用 |
電子認証基盤の運用 (地方公共団体組織認証基盤,公的個人認証基盤)【情報政策課】 |
運用・拡大 | 運用・拡大 | 運用・拡大 |
ITの活用により,県民サービスの向上,内部事務の簡素化・効率化を目指した業務改革を実施し,よりコストパフォーマンスの高い県庁組織を目指します。
県では,平成17年4月から,「宮城県電子県庁共通基盤システム」の運用を開始しました。この共通基盤システムは,電子申請,電子入札等の今後拡大される個別業務システムの基盤となるシステムであり,また,内部業務である電子決裁や文書管理等の機能を有しています。このシステムの導入により,庁内の意思決定の迅速化が図られるとともに,各種情報の共有による機能的で効率的な業務が可能になるなどの業務改革が進みました。また,「森林情報管理システム」についても,平成14年度に運用を開始し,地理情報システム(GIS)を活用した地理的情報の共有や情報化を図り,業務における効率化が進みました。
国は「IT新改革戦略」の中で「世界一便利で効率的な電子行政」を目標に掲げており,財政の健全化や行政の簡素化・効率化,行政サービスの向上に向けて,ITを最大限活用した業務改革,行政改革を進めることを目指しています。また,県は平成18年3月に策定した「宮城県行政改革プログラム」において,ITの活用による一層の業務の簡素合理化,効率的な業務処理体制の構築を図ることとしています。このように,IT導入を契機として,よりコストパフォーマンス(費用対効果)の高い県庁組織をどのように実現するかが課題となっています。
定型的事務である庶務業務などの内部事務については,手続の見直しによる簡素化や電子化を進めるなど,事務処理体系の見直し・再構築(BPR=Business Process Reengineering)を踏まえたITによる業務改革を積極的に推進します。宮城県電子県庁共通基盤システムについては,運用を継続しながら利活用の推進と機能の充実を図ります。また,「森林情報管理システム」を始めとする個別業務システムについては,随時,運用や機能の見直しを図りながら業務の効率化を進めていきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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内部事務システムの整備・再構築【情報システム課】 | 構築 | 構築 | 運用 |
宮城県電子県庁共通基盤システムの運用【情報システム課】 | 運用・機能充実 | 運用・機能充実 | 運用・機能充実 |
地方税電子申告システムの運用【再掲】【税務課】 | 運用・拡大 | 運用・拡大 | 運用・拡大 |
自動車保有関係手続の ワンストップサービスシステム(OSS)の整備【再掲】【税務課】 |
導入準備 | 導入準備 | 導入準備 運用 |
森林情報管理システムの整備【林業振興課】 | 運用 | 改修検討 | 改修検討 |
情報セキュリティ対策の強化や職員のITスキルの向上に向けた取組を実施し,県民が安心して利用できる電子県庁を構築します。
県では組織内におけるネットワークを整備するとともに,職員に一人1台ずつパソコンを配備して事務の効率化,情報の共有化を図ってきました。その一方で,大量の情報資産がデジタル化・ネットワーク化されたことにより,瞬時に大量の情報資産の漏えい,破壊,改ざんなどが発生するリスクを抱えることになりました。このため,県では平成15年度に職員の行動規範となる情報セキュリティポリシー(注)を策定し,情報セキュリティの向上を図りました。
また,職員研修においては,平成17年度からITスキル(情報を活用する技能)向上のために作成した,県庁におけるITスキル標準をもとに,そのスキルレベル(技能段階)に合わせた職員研修を実施し,専門的知識の向上に努めるとともに,情報セキュリティ対策の一環として情報セキュリティに関するカリキュラムの充実化を図りました。
(注)県において,情報セキュリティを確保するための対策や体制等を定めた基本方針
他の行政機関や企業において個人情報の不適正な取扱い事件等が相次いで発生していることから,一層の情報セキュリティ遵守に向けた取組が必要となっています。また,今後のITの進歩・環境の変化に対応して,職員のITスキル(情報を活用する技能)及びリスク管理能力の一層の向上が求められています。
安定的で信頼性の高い電子県庁を構築していくため,情報セキュリティに関する監査制度体制を充実し,情報資産の流出防止をより徹底していきます。また,技術の進歩等を踏まえ,ITスキル標準の内容や研修カリキュラムについて随時見直しを図り,社会情勢に対応した職員研修カリキュラムとなるよう,研修内容の充実を図っていきます。さらには,インターネットを媒体として,時間や場所に制約されずに学習することができるe-ラーニング(注)についても,その活用方法の調査研究を行い,職員研修における新たな研修手法の確立に向けた検討を行います。
(注)e-learning インターネットやネットワークを利用して学習・研修を行う教育形態。遠隔地でも学習することができるほか,受講者のスケジュールや進捗度に合わせて学習できるなどの利点がある
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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情報セキュリティ対策の強化【情報システム課】 | 体制の強化 | 体制の強化 | 体制の強化 |
職員研修の充実【情報政策課】 | 実施 | 実施・検証 | 実施 |
県民にとって最も身近な自治体である市町村の電子化を促進し,行政サービスの向上,拡大を図ります。
平成16年1月に総合行政ネットワーク(LGWAN)(注1)の全市町村の接続が完了したことで,国や市町村との間で電子的な文書のやり取りが可能となり,情報の交換・共有の迅速化が図られました。また,本人確認に必要な電子証明書を発行する公的個人認証サービスが開始されるなど,電子市町村化へ向けた基盤整備が徐々に進められてきています。
県では,平成14年6月に宮城県電子市町村推進会議を設立し,市町村の電子自治体化へ向けた情報提供や調査などを積極的に行ってきました。また,平成17年4月には,その下部組織として電子申請等共同アウトソーシング(注2)検討部会を設置し,住民向け行政サービスシステムの共同運営等について検討するなど,支援を図ってきました。
(注1)地方公共団体の組織内ネットワークを相互に接続し,地方公共団体間のコミュニケーションの円滑化,情報の共有による情報の高度化を目的とする,高度なセキュリティを維持した行政専用ネットワーク(Local Government Wide Area Network)
(注2)outsourcing 業務の一部または全部を外部の業者に委託すること
各市町村においては,財政負担の増加や人材不足などの課題を抱えており,さらには,ここ数年の市町村合併の実施により,県民サービスの向上を図る各種システムの開発が滞っていました。このため,これまでのように各市町村が個別にシステムを開発するのではなく,県や各市町村が共同で電子自治体化の実現に向けたシステムを構築することで,システム開発の効率と経費負担の軽減を図り,住民サービスの向上と電子化を実現していくことが求められています。
電子市町村化の実現に向けて,県と先進市町村による電子申請システムなどの共同運用を実施し,その実績などを他市町村にも広めていきます。また,引き続き宮城県電子市町村推進会議などを活用し,市町村の電子自治体化に関する情報提供や情報交換を図るとともに,市町村職員のITスキル向上のための取組に対する支援を実施します。
さらに,既存の総合行政ネットワーク(LGWAN)や住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)を有効活用し,各市町村間の行政事務の効率化,迅速化を図りながら住民サービスの向上を促進していきます。また,公的個人認証サービスにおける電子証明書の格納媒体となる住民基本台帳カード(住基カード)については,利用促進を図るため,その他の有効な多目的活用方法について各市町村と連携を図りながら検討していきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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市町村共同アウトソーシングの推進【情報政策課】 | 検討 | 実施 | 拡大 |
総合行政ネットワーク(LGWAN)の運用【情報政策課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
住民基本台帳ネットワークシステムの運用【市町村課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
職員研修の充実【再掲】【情報政策課】 | 実施 | 実施・検証 | 実施 |
県の情報システムの開発・運用に当たっては全体最適化を図り,費用対効果の高い情報システム化を実現していきます。
平成14年に電子県庁推進アクションプログラムを策定し,主要な情報システムについてはこれまで計画的・段階的に構築・運用を図ってきました。また,システム化に当たっては,ソースコード(設計図)を公開するオープンソースシステムを基本とするなど,特定のソフトウェア会社に依存しないシステム開発に取り組んできました。その結果,平成17年4月には,県庁の情報システム化の基盤となる宮城県電子県庁共通基盤システムがオープンソースにより開発され,運用が開始されました。また,このシステム化に当たっては,福岡県が開発したシステムを利用して開発コスト(費用)の低減を図りました。こうした自治体同士でシステムの共通化を図った取組は,全国で初めての事例となりました。
社会経済情勢の変化に合わせて,住民ニーズが多様化しており,行政サービスについては,住民満足度を高めるため,より一層の情報化が必要とされています。また同様に県の内部事務についても一層の効率化が求められています。このように今後も情報システムの導入増が見込まれるなかにあって,情報システムの開発・運用といった調達においては,より一層の効率化が求められています。
情報システムの開発・運用に当たっては,個別部門ごと(部分最適化)ではなく組織全体の視点で実施(全体最適化)していくことが必要とされています。こうしたことから,県庁全体の視点で情報システムの導入等を判断する体制を整備していきます。また,情報システムの企画段階から,開発,運用に至るまでの一連の行程を考慮したライフサイクルコスト(製造から廃棄までの費用)を的確に把握して,その判断の基礎としていきます。さらには,計画的かつ効率的に情報システムの開発・運用を実施していくため,新規の情報システム開発に限らず,現行のすべての情報システムを含めて,情報システムに関する中長期的な最適化計画を策定し,今後の情報システムにかかるコストを抑えて,業務の効果を最大限発揮するようにしていきます。
こうした取組については,情報システム化を担当する職員の高度な専門的知識を必要とすることから,最新の技術動向等を踏まえ,職員研修の充実を図っていきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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情報システムの最適化【情報政策課・情報システム課】 | 調達方針検討等 | 全体最適化計画策定等 | 全体最適化計画策定等 |
職員研修の充実【再掲】【情報政策課】 | 実施 | 実施・検証 | 実施 |
ITを活用して,創造性豊かな子どもたちを育てるとともに,学校の情報教育環境の整備を進めます。
県教育委員会では平成15年度に策定した「みやぎIT教育推進構想」をもとに,平成16年度に「みやぎIT教育推進協議会」を設置し,各種施策を実施してきました。特に教師の指導力の向上については,県教育委員会においてITに関する教員研修を実施してきたほか,平成17年6月からはマイクロソフト株式会社との連携により「ICT(注1)スキルアッププログラム」を実施し,研修講座の拡大など情報教育研修の充実を図ってきました。
インフラ整備については,県の基幹ネットワークを活用した宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN=School Wide Area Network)を整備したほか,県立学校の教員のパソコン一人1台化,校内LAN(注2),教育用・業務用コンピュータの整備など,児童・生徒の学習環境の向上に向けた取組を進めました。また,みやぎIT教育推進事業の一環として,平成16年度に教育情報の交流・共有を目的する「みやぎIT教育ポータルサイト」を構築するなど,情報提供の充実に努めてきました。
(注1)Information and Communication Technology 情報通信に関する技術の総称。日本では同様の言葉としてITが使われている
(注2)Local Area Network 企業や,学校,家庭内など限定された場所において構築されるコンピュータネットワークのこと
学習指導要領に基づく新しい教育課程では,情報活用能力の一層の充実を図るために,小・中・高等学校の各段階を通じて「総合的な学習の時間」や各教科等において,コンピュータ及びインターネットの積極的な活用が求められています。また,中学校・高等学校では「情報」に関する教科・内容の必修化が図られているものの,情報教育はまだ十分とは言えない状況にあります。
急速な高度情報通信ネットワーク社会が進む中で,次世代を担う子どもたちが早い段階からITに触れる機会をつくり,コンピュータやインターネットに慣れ親しみながら,情報活用能力(情報活用能力の実践力,情報の科学的な理解,情報社会に参画する態度)を向上させることが望まれています。このためにも,盲・聾・養護学校を含め,あらゆる学校,発達段階において,学習機会の充実が必要になってきています。
教員については,「すべての教員」が「すべての教室」の「すべての教科」でネットワークを活用した授業の展開が必要とされ,こうした中で求められる教員のあり方も従来の“コンピュータを操作できる教員”から現在では“コンピュータを使って教科等の指導ができる教員”ヘと変わってきており,教員の一層の資質向上が求められています。また,県立学校に比べると,市町村立小中学校における校内LANや教員のパソコン一人1台化などの基盤整備については遅れが目立っており,情報教育環境の更なる充実が求められています。さらに,宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)や,みやぎIT教育ポータルサイトの利活用促進のためのデジタルコンテンツ(情報内容)の開発や情報提供など,ソフト面での充実も課題となっています。
多くの情報が氾濫する社会において,ITを健全に使いこなせる人材を育成するため,学校教育現場における情報教育環境の充実を図り,学校・発達段階に応じた学習や交流を行いながら情報活用能力を育成するための「情報リテラシー(情報活用能力)教育」を実施します。同時に,インターネットや携帯電話の利用による様々なトラブルが急増していることから,情報社会におけるルールやマナー,セキュリティ等について学ぶ「情報モラル教育」を実施し,子どもたちの情報モラルを育成します。
さらには,宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)や,みやぎIT教育ポータルサイトを中心としたデジタルコンテンツの一層の充実を図りながら,ITを積極的に活用した「わかる授業」や「魅力ある授業」の実現に役立てていきます。また,教員の情報リテラシー(情報活用能力)の習熟度を深めるための研修を積極的に実施し,教員のITスキル(情報を活用する技能)の向上を図るほか,学校における情報アクセシビリティ(利用しやすさ)や情報セキュリティの在り方についても検討していきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)の充実【義務教育課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
みやぎIT教育推進事業【高校教育課】 | 計画の見直し | 新構想策定 | 実施 |
教育研修センターの研修の充実【教職員課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
ICTスキルアッププログラムの実施【教職員課】 | 実施 | 実施 | - |
高度情報通信ネットワーク社会に適応した豊かな県民生活を実現するため,県民のITの利活用能力の向上を促進します。
ITを利活用するための基本となる県民の情報リテラシー(情報活用能力)については,平成12年度から14年度にかけて,IT基礎技能講習事業として県下全域で初歩的なパソコン操作やインターネット入門などのIT講習を実施しました(受講者数:113,505人)。平成16年度には,実際の生活でのITの利活用に結びつく講習会を開催するとともに,電話相談窓口として遠隔ヘルプデスクを設置し,県民のパソコン利用に当たってのサポートを実施しました。また,宮城県高度情報化推進協議会では,平成16年度から一般県民やPTAを対象として,インターネット利用時のエチケットやマナーについて学ぶ「インターネット安心・安全対策講座(教室)」を開催して,情報リテラシーの向上に努めました。
インターネットの普及によって,個人の情報発信が容易になり,最近では,ブログ(日記風サイト)を用いて,自分の考えや地域の情報を気軽に発信する方が増えています。こうしたなか,宮城県高度情報化推進協議会では平成17年度に,県内のNPO法人を対象としたブログ講習会を開催するなど,情報発信能力を高める取組を行いました。
平成17年3月にブロードバンドサービスの一つであるADSL(注)サービスが県内全市町村で提供されるなど,情報インフラの整備が進んでおり,今後様々な場所で,またあらゆる機会でITを使う場面が増加することが予想されます。こうしたなか,コンピュータを使えない人と使える人との情報リテラシー(情報活用能力)格差が顕著になってくることが懸念されます。これを補うためには,IT講習等が有意義であるものの,地方は都市部と比べて事業者や講座数が少ないなどハンディが生じています。今後は地域振興・地域活性化の観点からも,地域におけるITを使いこなせる人材の養成が課題となっています。さらに,パソコンのウィルス感染,ネット被害,個人情報漏えいなどインターネット利用によるトラブルも急増しており,県民がインターネットを安心して使うための知識を習得する機会の充実が求められています。
(注)Asymmetric Digital Subscriber Line 非対称デジタル加入者線伝送方式。既存の電話回線の高周波数帯を使って高速データ通信伝送をする技術
近年,ITを使用する状況が増えてきており,県民にとって適応能力と積極的なIT利活用能力が求められています。これには県民の利用度を高めることが重要になります。こうしたことから,県民の情報リテラシー(情報活用能力)の向上を図るため,企業,NPO,各種団体等が実施する講習会等を支援するとともに,受講環境が十分に整備されておらず,機会提供の場が少ない障害者,母子家庭等を対象とした講習会等を開催していきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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IT講習(利活用技能)の実施【情報政策課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
情報モラルと情報セキュリティ意識の醸成【再掲】【情報政策課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
みやぎ県民大学(生涯学習講座)の実施【生涯学習課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
みやぎ障害者ITサポートセンターの運営【再掲】【障害福祉課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
ちゃれんじど情報塾の開催【再掲】【障害福祉課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
みやぎUPプログラムの実施【再掲】【障害福祉課】 | 実施 | 実施 | - |
母子家庭等就業支援講習会の実施【再掲】【子ども家庭課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
高度情報通信ネットワーク社会に対応できる専門的な人材を育成することにより,企業活動におけるITの活用を促進し,地域産業の育成及び活性化を図ります。
県では,将来の高度IT技術者としての活躍を期待して,小中高校生を対象にした,「みやぎデジタルアカデミー(ジュニア塾,ハイパー塾)」をそれぞれ開催し,高度なデジタル技術・知識の習得など,若い年代からの専門家教育を実施してきました。
宮城県立高等技術専門校再編整備基本計画に基づき,平成13年4月に開校した白石高等技術専門校では,ITに関する専門職業能力開発施設として学卒者等を対象にIT関連の多様な訓練科目の提供を行うとともに,在職者向けのIT関連講習会を開催するなど,本県の高度IT技術訓練施設として中心的な役割を果たしてきました。さらに,各高等技術専門校においては離転職者や中高齢者向けの訓練として,宮城障害者職業能力開発校においては障害者向けとして,それぞれIT関連の科目を提供するなど,IT技能労働者の養成を行ってきました。
このほかにも,民間と行政で構成される「東北テクノロジーセンター・コンソーシアム」では,教育研修機関として「東北テクノロジーセンター」を開設し,時代の半歩先を行くネットワーク関連の高度技術研修やプロジェクトマネジメント講座などを開催し,高度IT技術者を養成してきました。また,講座設定等に際しては,地域のIT教育機関等との密接な情報交換等を通じて,初級技術者から上級技術者までを対象に,段階的,計画的に育成可能な体制を整えました。
我が国においては,高度IT技術者が不足しており,これからの高度情報通信ネットワーク社会に対応するためには,次世代を担う子どもたちが早い段階からITに触れ,あらゆる事象に興味や関心を持って情報活用能力を向上させるような学習機会の提供が求められています。
また,IT技術者の就労に当たっては,IT人材を育成する教育機関と,それらの人材を受け入れる企業側が求めるニーズの間に,資格や能力に関してミスマッチが生じています。これにより,必ずしも企業側にとって即戦力となる有益な人材が受け入れられているとは言えず,双方のギャップを埋める人材育成機会の創出が課題となっています。さらには,本県の特徴として,高度な技術を有するIT人材を養成しても,地元企業に就職する割合が低く,首都圏へ多くの人材が流出する状況にあり,高度IT技術者の地元への定着化を図る取組が求められています。
今後も,「みやぎデジタルアカデミー」を開催し,参加者がITに興味・関心を持ち,将来の宮城県の情報化のリーダーとなるよう,若い世代への学習機会を提供しながら,高度IT技術者の養成を図ります。
職業能力開発施設である高等技術専門校や宮城障害者職業能力開発校においては,高度なデジタル通信技術や情報処理に関する実践的訓練を行うなど,IT関連分野の職業訓練科目の充実を図ります。また,産学官連携により人材育成のネットワークをより強化し,高度で専門的な情報技術を履修する研修機関として,東北テクノロジーセンター・コンソーシアム(東北テクノロジーセンター)の運営を支援するとともに,各種人材育成セミナー等を実施して,高度情報通信ネットワーク社会に対応する多様な人材を育成します。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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みやぎデジタルアカデミーの開催【情報政策課】 | 運営主体見直し・実施 | 実施 | 実施 |
職業能力開発の実施(IT関連分野の充実)【産業人材・雇用対策課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
障害者職業能力開発の実施(IT関連分野の充実)【産業人材・雇用対策課】 | 実施 | 実施 | 実施 |
IT人材育成・確保支援【再掲】【情報産業振興室】 | 実施 | 実施 | 実施 |
効率的で透明性の高い自治体業務の遂行と県民の行政サービスの利用度を高めるため,行政機関・公共施設等を結ぶ情報通信ネットワークの充実を図ります。
電子県庁のネットワークインフラを構築するため,県では県機関と市町村との間を結ぶ高速大容量の情報通信ネットワークとして,平成14年度から民間通信インフラを借り上げる方式で「みやぎハイパーウェブ」の整備を開始しました。その後順次接続公所を拡大した結果,平成15年度に全市町村が結ばれ,県内の行政情報通信ネットワークが完備されました。また,「みやぎハイパーウェブ」は,総合行政ネットワーク(LGWAN)で国の基幹通信インフラ網である霞ヶ関WAN(注)とも結ばれており,これにより国,都道府県,市町村間において電子的な情報の受発信が可能となり,より広範な情報の交換・共有が実現しました。
一方,行政の効率化や住民の利便性向上を図るため,平成14年8月から住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の一次運用が開始され,行政機関への申請の際に住民票の写しの添付等を省略することが可能となりました。その後,平成15年8月から開始された第二次サービスでは,住民基本台帳カード(住基カード)交付サービスが導入され,住民票の写しの広域交付や転入転出手続の簡素化などが図られました。
(注)各省庁の庁舎内ネットワーク(LAN)を結ぶ省庁間ネットワーク(Wide Area Network)
県機関と県内全市町村とが情報通信ネットワークで結ばれたものの,行政事務における情報化の進展により,情報通信ネットワークを使う情報量が増大しており,一部で帯域が不足することが懸念されることから,情報量の増加に対応した適正な帯域の確保が求められています。
民間通信インフラを活用した「みやぎハイパーウェブ」を基幹網として,国や市町村等の各行政機関・公共施設等の情報通信ネットワークを有効利用し,電子自治体の円滑な運営を確保し,県民サービスの向上に努めていきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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みやぎハイパーウェブの整備・運用【情報システム課】 | 運用 | 拡充・運用 | 機器更新 |
総合行政ネットワーク(LGWAN)の運用【再掲】【情報政策課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
住民基本台帳ネットワークシステムの運用【再掲】【市町村課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
ITを活用し,創造性豊かな子どもたちを育てるため,学校の情報通信ネットワーク環境の整備を進めます。
県立学校や市町村立小中学校とは,県の基幹情報通信ネットワーク(みやぎハイパーウェブ)を利用する形で,平成15年度から順次,宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)が整備され,授業や教育活動の調べ学習,学校間交流,教員の研修などに活用されています。中でも平成16年度には,すべての県立高校で校内LANが整備されるとともに,宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)との接続が完了したことにより,県教育研修センターとの間で高速回線による常時接続が可能となりました。この結果,そこが保有する教育プログラムのコンテンツ(情報内容)の使用が容易になるなど,ITを使った教育環境の充実が図られました。これにより,児童生徒が高度情報通信ネットワーク社会に主体的に対応するための情報リテラシー(情報活用能力)を身につけることや,教員が「わかる授業」や「魅力ある授業」を実現することができる資質の向上が期待されています。
県立学校に比べると,市町村立の小中学校ではパソコンや校内LANなどの基盤整備が進んでおらず,一層の情報教育環境の充実が必要となっています。また,一部の学校では,宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)にはつながっているものの,ブロードバンド環境にはなっておらず,情報のやり取りに時間がかかるなどの課題があることから,通信速度の高速化や帯域の拡大など,情報通信ネットワーク環境の充実が求められています。
ITを活用した授業の推進を図るため,引き続き,その基盤となる宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)の充実を図ります。また,一部未整備となっている県立盲・聾・養護学校に対して校内LAN整備を進めていくほか,県立学校の教職員のための校内LANの構築について検討を行うなど,学校現場における情報教育環境の整備を引き続き進めていきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)の充実【再掲】【義務教育課】 | 運用 | 運用 | 運用 |
県立盲・聾・養護学校校内LAN整備事業【特別支援教育室】 | 整備 | 運用 | 運用 |
県立高校業務系校内LAN整備事業【高校教育課】 | 検討 | 整備 | 整備 |
放送と通信の融合が進む中,情報通信インフラの整備を促進し,条件不利地域における情報格差(デジタルディバイド)の解消を目指します。
利用者が拡大するインターネットについては,ブロードバンド化(高速化)やモバイル化(小型化)が進展し,その利用用途は,Web閲覧,電子メール,インターネットオークションなど,多様化してきています。こうした利用増加に応じて,通信事業者によるブロードバンド提供地域が順次拡大されてきましたが,その地域は,必ずしも県全域をカバーしていませんでした。これに対し,地域と行政が一体となった情報通信業者への働きかけなどを行うことにより,県内のブロードバンド環境は,ADSLサービスが全36市町村(平成18年4月現在)で整備され,また,FTTH(注)サービス提供地域が3市町から22市町村(平成18年4月現在)へと拡大するなど,徐々に改善されてきています。
一方,普及著しい携帯電話については,その利用可能な地域を拡大するため,過疎地などの条件不利地域において,国の補助事業を活用し,移動通信(携帯電話)用の鉄塔施設整備を実施する地元自治体に対して,県においても設置経費の一部を補助するなど情報通信基盤の整備促進を図りました。
(注)Fiber to the Home 光ファイバーによる家庭向けのデータ通信サービス。大容量のデータを高速伝送することが可能
ブロードバンドサービスが県内全市町村で提供されることになったものの,同一市町村内においてサービスの提供が受けられない地域が依然として存在しています。また,条件不利地域においては,携帯電話の不感地帯が存在するなど,地域間における情報格差(デジタルディバイド)が深刻化しています。
一方,平成17年12月から地上デジタルテレビ放送が開始され,平成23年(2011年)までに順次中継局の整備が行われ放送エリアが拡大される予定ですが,放送電波のデジタル化により新たな難視聴地域の発生が懸念されています。
国のIT新改革戦略では,平成22年度(2010年度)までに光ファイバー等の整備を推進し,ブロードバンド・ゼロ地域の解消を目標としています。こうしたなか,国では東北地域ブロードバンド推進会議等を設立するとともに,過疎化が進む七ヶ宿町をモデル地区として,ブロードバンドの導入に向けた実証実験を開始しています。このようなブロードバンドサービス提供地域の拡大に向けた取組や成果等を踏まえ,他のブロードバンド環境の未整備地域の解消方策を検討し,県民のだれもが,気軽にインターネットを使えるブロードバンド環境(FTTH,ADSL,CATV等)の整備を促進します。特に,サービス提供地域の拡大に当たっては,ブロードバンドサービスの利用者の増加が必要になることから,インターネットのコンテンツ(情報内容)などの充実を促進していきます。
携帯電話については,既に老若男女が使用し,生活の一部となっていることから,移動通信(携帯電話)用鉄塔施設の整備を促進して移動通信エリアの拡大を図ります。また,地上デジタル放送を活用した行政情報の提供等の検討など,地上デジタル放送の活用・促進に向けた取組を行い,利用条件の改善や条件不利地域の情報格差(デジタルディバイド)の解消に努めていきます。
内容 | 18年度 | 19年度 | 20年度 |
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ブロードバンド対応型情報通信環境の整備促進【情報政策課】 | 整備促進 | 整備促進 | 整備促進 |
CATV網の整備促進【情報政策課】 | 整備促進 | 整備促進 | 整備促進 |
移動通信用鉄塔施設の整備促進【情報政策課】 | 整備促進 | 整備促進 | 整備促進 |
地上デジタル放送等の活用【再掲】【情報政策課】 (難視聴対策,普及促進) |
普及促進 | 普及促進 | 普及促進 |
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