掲載日:2009年2月20日

ここから本文です。

宮城県IT推進計画2/本文

目次

第1章 計画策定の背景

  1. 我が国の社会的背景
  2. 県におけるこれまでの取組状況

第2章 計画の概要

  1. 計画策定に当たっての基本的考え方
  2. 計画の目標及び構成
  3. 計画の推進期間
  4. 計画の位置付け
  5. 県の役割
  6. 推進体制
  7. 計画の概要図

第3章 安全・安心な生活環境の実現

  1. 防災対策の推進
  2. 環境と生活に関する安全・安心対策の推進
  3. 防犯・交通安全対策の推進

第4章 県民生活の利便性の向上

  1. 保健・医療・福祉に関する情報化の促進
  2. 県民活動・文化・スポーツ分野における情報化の促進

第5章 地域経済の活性化と富の創出

  1. ITを活用した産業の振興
  2. 県内企業等の情報化の推進支援
  3. IT関連企業の起業支援
  4. IT関連企業の市場獲得支援
  5. IT関連企業の企業立地支援

第6章 電子自治体化の推進

  1. 行政情報の積極的な提供,情報交流の推進
  2. 行政手続のオンライン化の推進
  3. 電子県庁構築のための環境整備
  4. 業務改革・事務の効率化の推進
  5. 情報システムの全体最適化の推進
  6. 電子市町村化の促進
  7. 行政機関相互の情報通信ネットワークの整備

第7章 人材育成の強化

  1. 情報教育環境の整備
  2. 県民の情報リテラシーの向上
  3. IT人材の育成・確保支援

第8章 県内全域高度情報通信サービスの実現

  1. 地理的情報格差の解消に向けた情報通信基盤の整備促進
  2. 地上デジタルテレビ放送への円滑な移行の促進

付表 ITプロジェクト一覧表(PDF:50KB)

→概要版はこちら

第1章 計画策定の背景

1 我が国の社会的背景

(1)社会的背景

現在,我が国においては,少子高齢化の急速な進行と人口減少社会への転換,成熟型・低成長経済への移行,経済のグローバル化など社会経済状況は大きく変化しています。こうしたなか,高度情報化の進展,とりわけインターネットの浸透,光ファイバ等によるブロードバンド化,携帯電話等によるモバイル化,地上波テレビ放送のデジタル化などに見られるような情報通信技術(IT)の急速な発展と普及は,私たちの想像をはるかに超えるスピードで進んでおり,ITは私たちの日常生活や経済活動において,もはや欠かすことのできない重要な社会基盤となっています。また,近年,ブロードバンドサービスや携帯電話の普及,情報通信端末の高速化・高機能化などの情報通信ネットワークの進展を背景とした,ブログやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などに見られる個人による情報発信の拡大は,それまでの一方向型の情報伝達を同じ立場でのフラットな双方向型の情報交流へと変化させ,情報通信ネットワークを利用した多様な主体による協働,情報・知識の蓄積・共有等をもたらすものとして日常生活に定着しつつあります。
このように情報が重要な価値や意味を持つ高度情報通信ネットワーク社会は,情報が距離の隔たりを超えて瞬時に伝達されることにより,社会経済活動の高度化・効率化・グローバル化をもたらすだけでなく,私たちの普段の生活においても多様なライフスタイルや利便性の向上を提供するものとして期待されています。また,県民生活や経済活動,行政サービスなどあらゆる分野において,これまで以上にITを広範囲に,効果的に活用することにより,県民一人一人の暮らしの更なる向上や地域の活性化につながるものとして期待されています。
一方,近年の高度情報通信ネットワーク社会への急速な移行に伴い,情報通信ネットワークを悪用した犯罪の増加や,迷惑メール,不適切な有害情報のはんらんなどの「影」の部分が社会問題として顕在化しているほか,世代間における情報リテラシー(情報活用能力)の格差の問題も生じており,これらの課題解決に向けた対策が求められています。
以上のような現状と課題を考慮し,だれもが,いつでも,どこでも,ITの恩恵を実感し,情報通信ネットワークの存在を意識することなく安心してITを活用できるよう,真の高度情報通信ネットワーク社会の実現に向け,一層の推進を図っていくことが必要となっています。

(2)国における取組

我が国では,平成12年11月に高度情報通信ネットワーク社会の迅速かつ重点的な形成の推進を目的とした「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)」が制定されて以降,様々なIT政策が展開されています。
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)では,ITの基盤整備を推進する「e-Japan戦略」(平成13年1月),ITの利活用を重視した「e-Japan戦略2」(平成15年7月)の策定に続き,ITによる構造改革力を追求し,平成22年(2010年)を見据え,ITの基盤整備に取り組むことを重点政策とした「IT新改革戦略」を平成18年1月に策定しています。また,総務省では,来るべきユビキタスネット社会(いつでも,どこでも,何でも,だれでもつながるネットワーク社会)の実現を目標とした「u-Japan構想」を平成16年5月に発表し,その後,u-Japan構想を実現するための政策として,「u-Japan政策」(平成16年12月)を策定しました。また,u-Japan政策の総合的な推進を担保し,状況に応じ重点的な取組を行う分野を定める計画として「u-Japan推進計画2006」を平成18年9月に策定しています。
電子自治体については,平成15年8月に「電子自治体推進指針」を策定(平成18年7月一部改定)し,電子自治体の基盤整備や行政手続などのオンライン化などを推進してきました。また,平成19年3月には「新電子自治体推進指針」を新たに策定し,平成22年度(2010年度)までに利便・効率・活力を実感できる電子自治体を実現することを目標にしています。
さらに,ブロードバンド整備については,「u-Japan政策」及び「IT新改革戦略」等による平成22年度(2010年度)を目標とするブロードバンドの全国整備の方針を受け,「次世代ブロードバンド戦略2010」を平成18年8月に策定し,官民連携によるブロードバンドの全国整備の推進を掲げています。あわせて,ブロードバンド・ゼロ地域の解消や,携帯電話不感地域の解消といった,いわゆる地理的情報格差(デジタル・ディバイド)の解消の早期実現を図るため,「デジタル・ディバイド解消戦略」を平成20年6月に策定しています。
このように,近年,我が国におけるIT政策に関する動きは急速に進展しており,様々な施策が推進されています。

国における主なIT政策の流れ
  • 平成12年11月29日 高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)成立
  • 平成13年01月06日 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)設置
  • 平成13年01月22日 e-Japan戦略 策定【IT戦略本部】
  • 平成15年07月02日 e-Japan戦略2 策定【IT戦略本部】
  • 平成15年08月08日 電子自治体推進指針 策定【総務省】
  • 平成16年05月11日 u-Japan構想 発表【総務省】
  • 平成16年12月17日 u-Japan政策 策定【総務省】
  • 平成18年01月19日 IT新改革戦略 策定【IT戦略本部】
  • 平成18年08月11日 次世代ブロードバンド戦略2010 策定【総務省】
  • 平成18年09月08日 u-Japan推進計画2006 策定【総務省】
  • 平成19年03月20日 新電子自治体推進指針 策定【総務省】
  • 平成20年06月24日 デジタル・ディバイド解消戦略 策定【総務省】

2 県におけるこれまでの取組状況

(1)これまでの情報化への取組

県では,日本を先導する高度情報通信県となることを目指した「高度情報通信県みやぎ推進計画」(平成10年3月)を策定後,ITの基盤整備・産業集積を促進する「みやぎマルチメディア・コンプレックス構想(MMC構想)」(平成13年8月),高度情報ネットワークの構築に向けて官民一体となって取り組むべき事項を明らかにした「みやぎIT戦略」(平成13年12月),高度情報化社会の構築に向けて県が主体的に取り組むべき重点事項を明らかにした「宮城県IT戦略推進計画」(平成13年12月)を,それぞれ策定しました。その後,電子自治体化の推進を具現化するための行動計画である「電子県庁推進アクションプログラム」(平成14年10月)の策定や,「宮城県IT戦略推進計画」の推進期間を2か年延長した「宮城県IT戦略推進計画2」(平成16年3月)の策定などを経て,平成18年11月に「宮城県IT推進計画」を策定しました。また,情報産業振興関連については,県内の情報産業及び高度IT技術者の集積を図るための取り組むべき方向性をまとめた「みやぎ情報産業振興プロジェクト」を 平成15年11月に策定(平成17年3月改訂)したのに続き,これまでの事業成果を基に,産学官全体が共通の目的意識を持って取り組む「情報産業振興戦略」を平成18年11月に策定しました。

県におけるこれまでの主なIT戦略・計画等の取組

高度情報通信県みやぎ推進計画(平成10年3月策定)

宮城県が高度情報通信県として,日本,世界を先導する地域になることを目指すもので,県が推進する14の基本構想からなる

みやぎマルチメディア・コンプレックス構想(MMC構想)(平成13年8月策定)

ITプラットフォームの形成を目指し,情報通信基盤の整備,人材育成の強化など仙台市域を中心にIT産業集積のための7つのプロジェクトを推進するもの

みやぎIT戦略(平成13年12月策定)
県や市町村,県内産業経済界,県民生活に関わる団体が中心になって展開すべきプロジェクトを明確にし,それぞれの立場でその着実な実現に取り組むための指針として策定
※策定主体は,宮城県IT戦略会議(宮城県高度情報化推進協議会)
宮城県IT戦略推進計画(平成13年12月策定)
県民のだれもが,ITを活用し創造・発信できる地域社会,IT化による活力豊かな地域経済を目指し,県が実施主体となって取り組む重点事項を明らかにした計画
電子県庁推進アクションプログラム(平成14年10月策定)
宮城県IT戦略推進計画に掲げる「電子自治体化の推進」の具現化に向け,県における電子自治体構築の基本方針を明示するとともに,緊急に取り組むべき当面の重点施策の内容,実施手順等を定め,その着実な実現を図るための行動計画として策定
宮城県IT戦略推進計画2(平成16年3月策定)
宮城県IT戦略推進計画の策定から3年が経過し,社会経済情勢の変化への対応,国のe-Japan戦略2,県の電子県庁推進アクションプログラムとの整合や緊急経済産業再生戦略との連動などの取組が必要になったことから,推進期間を2か年延長し策定
宮城県IT推進計画(平成18年11月策定)
ITを取り巻く様々な動きや急速に進展する高度情報通信ネットワーク社会に対応するとともに,「宮城の将来ビジョン」の着実な実行を支える,本県の情報化に関する行動計画として策定

【参考】情報産業振興分野の計画・戦略

みやぎ情報産業振興プロジェクト(平成15年11月策定,平成17年3月改訂)

県内の情報産業及び高度IT技術者の集積を図るため,平成17年度までに取り組むべき方向性を取りまとめたもの
地域情報関連企業成長・創業支援,研究開発支援,市場開拓支援,IT技術者養成,情報関連企業立地促進の5つのプロジェクトで構成される

情報産業振興戦略(平成18年11月策定)

情報産業の一層の振興を図るため,民間企業,関係団体,有識者等と綿密に議論や協議を重ねながら,産学官全体が共通の目的意識の下に策定
組込みシステム,オープンソースソフトウェア,情報セキュリティ,デジタルコンテンツ,保健医療福祉を重点5分野として推進するもの

これまでの計画の流れ図

(2)宮城県IT推進計画における主な取組状況・課題

平成18年11月に策定した「宮城県IT推進計画」(推進期間:平成18年度から平成20年度まで)における主な取組状況等については以下のとおりです。

安全・安心な生活環境の実現
  • 「宮城県総合防災情報システム(MIDORI)」の新システム運用開始(平成18年4月)
  • 「宮城県土木部総合情報システム」の運用開始(平成18年4月)
  • 「宮城県防災・危機管理ブログ」の開設(平成19年3月)
  • 「宮城県災害時外国人サポート・ウェブ・システム(EMIS)」の運用開始(平成20年3月)

安全・安心に関する取組として,各種情報システムの構築・運用により,災害関連情報の収集・伝達・提供等を迅速かつ的確に処理し,市町村との情報共有の強化や災害関連情報の一元管理化を図ってきました。今後も,宮城県沖地震など大規模災害等に備えた観測体制・情報提供体制の強化を進めるとともに,災害発生後の迅速かつ的確な情報提供や提供情報の充実を図っていく必要があります。あわせて,環境・生活に関する安全・安心対策や防犯・交通安全対策についても引き続き取り組んでいく必要があります。

県民生活に関する情報化の促進
  • 「宮城県医療機関選択支援システム」の運用開始(平成19年2月)
  • 「メタボリックシンドローム予防なび」の開設(平成19年9月)
  • 「MIYAGI リハ・なび」の開設(平成19年9月)
  • 「宮城県薬局検索システム(ミヤギ薬局けんさく)」の運用開始(平成20年3月)

保健医療福祉分野において,県民向けのインターネットによる情報の提供・充実を図ってきました。一方,県内の多くの福祉施設や医療機関等ではITの普及が進んでおらず,積極的なITの導入・活用が課題となっています。特に医療機関における電子カルテの導入やレセプト(診療報酬明細書)のオンライン化など,医療の情報化が課題となっています。また,生涯学習など県民活動に関する分野においても,インターネットによる情報提供を行ってきましたが,今後は提供情報の充実だけではなく,いかに県民の利便性の向上につなげていくかが課題となっています。

ITによる地域経済の活性化と富の創出
  • みやぎe-ブランド確立支援事業による県内IT関連企業の商品開発・販路開拓の支援
  • 派遣OJT支援事業による県内IT関連企業の業務獲得の支援
  • 「みやぎコールセンター協議会」,「みやぎ組込み産業振興協議会」,「みやぎ保健医療福祉関連IT産業振興協議会」,「みやぎ3Dコンソーシアム」の設立(平成19~20年度)

県内の情報産業の振興を図るため,IT関連企業の起業支援,市場獲得支援,人材育成・確保支援,企業立地支援に取り組んできました。今後も,IT関連産業の集積を目指すとともに,販売促進活動や技術者の育成など,県内IT関連企業に対する支援を戦略的に推進していく必要があります。
一方,宮城県は,大手企業を除けば県内企業の多くが中小企業であり,必ずしも情報化が進んでおらず,ITを経営面に生かしきれていない中小企業等が数多く存在しており,これらの中小企業等に対する情報化支援や人材育成などが課題となっています。

電子自治体化の推進
  • 「宮城県建設工事等電子入札システム」の全面実施(平成19年4月)
  • 「宮城県物品等電子調達システム」による電子調達開始(平成19年9月)
  • マルチペイメントネットワーク(MPN)による県税収納の開始(平成20年4月)
  • バックオフィスシステム(内部事務システム)の本格運用開始(平成20年4月)
  • 「宮城県情報システム最適化計画」等の策定(平成21年2月)

電子申請・電子入札・電子調達などのフロントオフィスの整備に続き,バックオフィスシステム(内部事務システム)の再構築を行い,庶務業務などの内部事務の簡素化・効率化に向けた取組を実施しました。今後は,整備したフロントオフィス及びバックオフィスシステムを中心として,いかに効率的・効果的な行政サービスを提供していくかが必要となっています。また,全庁的かつ中長期的な視点からのより一層のコスト削減,行政運営の効率化・高度化が求められており,限られた予算を適正に配分し,効率的な投資による費用対効果の高い情報システムの構築が課題となっています。

人材育成の強化
  • 「みやぎICT教育推進計画」の策定(平成19年3月)
  • 「みやぎ情報産業人材育成特区」認定によるIT人材のすそ野拡大(平成19年7月)
  • 「みやぎカーインテリジェント人材育成センター」設立による技術者の育成(平成19年12月)

教育分野については,「みやぎICT教育推進計画」を策定し,学校教育における様々な情報化を推進してきました。一方,県民向けとしては,県民の情報リテラシー(情報活用能力)の向上やIT専門技術者の養成のための取組を実施してきました。
学校教育においては,これまでの情報リテラシー教育に加えて,情報モラル教育の充実や学力向上につながるIT利活用が課題となっています。また,地域の情報化をリードする人材の育成や高度な技術を有する人材の確保なども課題となっています。

県内全域ブロードバンドサービスの実現
  • 県立特別支援学校校内LANの整備(平成18年度)
  • FTTHサービス提供地域の拡大
    (平成18年4月 22市町村 → 平成21年2月現在 30市町村/全36市町村)
  • 移動通信用鉄塔施設整備の実施
    平成18年度 登米市(東和町米川南上沢・東上沢地区),刈田郡七ヶ宿町(湯原・干蒲地区)
    平成19年度 伊具郡丸森町(筆甫地区)

ブロードバンドや携帯電話など情報通信基盤の整備については,民間通信事業者によるサービス提供地域が順次整備拡大されてきましたが,中山間地域や過疎地域などの条件不利地域では,サービス提供が受けられない地域が依然として存在しており,これらの地域における情報格差(デジタル・ディバイド)の解消が課題となっています。また,平成23年7月にデジタル化に完全移行される地上デジタルテレビ放送についても,難視聴地域の発生や,デジタル化に伴う経済的負担などが懸念されており,これらの対策が課題となっています。

第2章 計画の概要

1 計画策定に当たっての基本的考え方

ITは,県民にとって豊かな生活を実現する手段となるものであり,ITを有効に利用・活用することにより,県民生活の利便性の向上や県内産業の活性化に大きく貢献するものでなければなりません。また,年齢や性別,国籍,障害の有無などに関係なく,あらゆるすべての人が安心してITを利用・活用し,県内すべての地域やあらゆる分野において,ITの恩恵を受けることができるようなIT利活用環境の整備が求められています。
県では,これまでにIT戦略・計画を策定し,ITに関する様々な取組を実施してきました。しかしながら,「宮城県IT推進計画」の目標である「県民のだれもが,いつでも,どこでも必要な情報を入手・活用し,創造・発信ができる安全・安心な地域社会の創造」及び「IT化による県内産業構造の変革,IT関連産業の集積等による活力豊かな地域経済の実現」を達成するまでには至っていません。このため,県民だれもが暮らしのなかで真にITの恩恵を実感できるよう,これまでに整備された情報通信基盤を活用し,情報発信やコンテンツの充実を図っていくなど,引き続き本県の情報化を推進していく必要があります。一方,情報通信基盤が整備されていない条件不利地域については,地理的情報格差(デジタル・ディバイド)の解消に向けた取組を行っていく必要があります。また,情報産業については,県政運営の基本的な指針である「宮城の将来ビジョン」(平成19年3月策定)のなかで重点的に振興する産業分野の一つとして位置付けており,平成28年度までに情報関連産業の売上げの3割増を目指していることから,この目標の達成に向けた施策を戦略的に進めていく必要があります。
一方,国のIT新改革戦略では,平成22年度(2010年度)までの「電子申請オンライン利用率50%」や「ブロードバンド・ゼロ地域の解消」,平成23年(2011年)7月の「地上デジタルテレビ放送完全移行」などを目標として掲げており,本県においてもこれらの目標実現に対応したIT施策を展開していく必要があります。
以上のような視点を考慮し,本計画では,これまでの「宮城県IT推進計画」で掲げる目標・重点分野を継続し,引き続き本県のIT施策を着実に推進していくことにします。

2 計画の目標及び構成

これまでの目標・重点分野を継続し,更なるIT施策を推進

(1)目標

  • 県民のだれもが,いつでも,どこでも必要な情報を入手・活用し,創造・発信ができる安全・安心な地域社会の創造
  • IT化による県内産業構造の変革,IT関連産業の集積等による活力豊かな地域経済の実現

(2)重点分野

  • 安全・安心な生活環境の実現
  • 県民生活の利便性の向上
  • 地域経済の活性化と富の創出
  • 電子自治体化の推進
  • 人材育成の強化
  • 県内全域高度情報通信サービスの実現

3 計画の推進期間

平成21年度(2009年度)から平成22年度(2010年度)までの2か年計画

4 計画の位置づけ

この計画は,これまでの県の情報化に関する戦略・計画における成果と課題を基に,県のIT施策を体系的に取りまとめた行動計画(アクションプラン)であるとともに,県政運営の基本的な指針として平成19年3月に策定した「宮城の将来ビジョン」の着実な実行を支える計画となるものです。
なお,この計画に掲げる各プロジェクト(事業)については,県が実施主体になって取り組む施策・事業を中心に取りまとめていますが,県が直接の実施主体にはならないものの,何らかの形で県が関与している事業についても対象としています。

5 県の役割

県は,急速に進展する高度情報通信ネットワーク社会に対応するため,県自らがITを利活用することで,県全体の情報化を推進し,行政サービスの更なる向上を目指すとともに,業務改革・事務の効率化に向けた一層の取組を進めていきます。一方,地域の課題に対しては,地域の実情を考慮し,市町村やNPO(民間非営利組織)・各種団体等との対等な協力関係に基づく連携・協働により,広域的視点からの情報化への支援及び調整役としての役割を担います。

6 推進体制

知事を本部長とする宮城県高度情報化戦略推進本部(IT戦略推進本部)を推進組織として,県庁内の各部局等との連携を密にしながら県のIT施策の着実な推進を図ります。また,市町村,NPO(民間非営利組織),民間団体,企業,研究・教育機関等との連携・協働により取組を進めていくことにします。

7 計画の概念図

計画の概要図
計画の構成

第3章 安全・安心な生活環境の実現

ITによる安全・安心な地域社会の実現

1 防災対策の推進

現状と課題

近年,地震・津波・風水害等の自然災害が多発しており,宮城県においても県民の災害・防災に関する危機感が高まっています。
県では,地震,津波,風水害等の自然災害における情報の収集・伝達を迅速かつ的確に処理する「宮城県総合防災情報システム(MIDORI)」や,洪水や土砂災害,通行規制等の各土木関係の災害情報を提供する「宮城県土木部総合情報システム」などの各種情報システムの運用により,市町村との情報共有の強化や災害関連情報の一元管理を図っています。
地震については,平成20年6月14日に岩手県内陸南部を震源とする「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震」が発生し,岩手県奥州市衣川区及び宮城県栗原市一迫において最大震度6強を観測するなど,同地域を中心として大きな被害が発生しました。また,国の地震調査委員会が宮城県沖地震の発生確率を今後10年以内に70%程度,30年以内に99%と非常に高い数字を示しており(平成21年1月1日現在),近い将来発生が確実視されている宮城県沖地震への対応が喫緊の課題となっています。
このような宮城県沖地震をはじめとする大規模災害に備え,地震・津波などの観測体制や情報提供体制を強化し,県民の生命や財産を守り,被害発生を最小に抑えることが求められています。また,災害発生後における県民への避難指示,避難施設,危険箇所などの情報提供,災害ボランティアをはじめ被災者への支援を迅速かつ円滑に行うための情報など,ITを活用した迅速かつ的確な情報提供及び提供内容の充実が求められています。

取組方針
  • 宮城県沖地震などの大規模災害に備えるため,ITを活用した総合的な災害・防災対策を推進し,県全体の防災力の強化を図ります。
  • 災害による被害の未然防止や災害発生時の県民の不安軽減を図るため,防災・災害関連情報の積極的な提供を行い,平常時及び非常時における県民生活の安全確保の充実を図ります。
今後の取組
  • 宮城県総合防災情報システム(MIDORI)の運用[危機対策課]
    気象情報,河川水位情報,震度情報などの各種情報を迅速かつ的確に収集・処理し,市町村や消防本部など関係機関への迅速な伝達を図るとともに,システム化した被害想定機能等により災害発生直後の初動体制を確立し,災害対策の早期判断を支援します。
  • 震度情報ネットワークシステムの整備・運用[危機対策課]
    国や県などが設置している計測震度計からの震度情報を即時に収集・伝達する「震度情報ネットワークシステム」の構築を行い,迅速な初期活動支援や早期の情報収集など迅速な防災体制の確立を図ります。
  • 津波情報ネットワークの構築[危機対策課]
    迅速な津波観測情報の提供及び共有化を図るため,国や市町村,防災関係機関と連携し,国のGPS波浪計による沖合津波観測と沿岸における津波観測情報のネットワークを構築します。
  • 緊急地震速報システムの整備検討[危機対策課]
    気象庁からの緊急地震速報を受信する「緊急地震速報システム」を導入するとともに,県内の主要施設等への情報配信について検討を進めます。
  • 宮城県防災・危機管理ブログによる情報発信[危機対策課]
    平時より,防災の基礎的な知識や普段からの災害への備えに関する情報をブログで提供し,県民の防災意識の啓発に取り組むとともに,災害発生時における迅速な情報発信を図ります。
  • 防潮水門緊急整備事業[河川課]
    三陸海岸の防潮水門の遠隔操作化工事に加え,無線化工事の実施による確実な門扉操作を確保するとともに,地震発生から水門閉鎖までの時間を大幅に短縮し,津波被害の発生を抑制します。
  • 宮城県土木部総合情報システムの運用・拡充[河川課・防災砂防課・道路課]
    「宮城県河川流域情報システム(MIRAI)」,「宮城県砂防総合情報システム(MIDSKI)」,「道路管理GISシステム」の各種システムの運用により,「宮城県土木部総合情報システム」として,観測・収集した河川流域情報,砂防情報,道路情報,気象情報をインターネット上でリアルタイムに提供するなど情報提供体制の充実を図ります。
  • 宮城県災害時外国人サポート・ウェブ・システム(EMIS)の運用[国際政策課]
    外国人県民等に対して,宮城県総合防災情報システム(MIDORI)から配信される災害情報を自動的に多言語(英語,中国語,韓国・朝鮮語,ポルトガル語)に翻訳し,ウェブサイトやメールで地震情報・気象情報・津波情報等を提供します。
  • 災害ボランティア情報ネットワークの推進[社会福祉課]
    災害発生時の迅速な復旧を図るため,災害ボランティアに関するウェブサイトを運用し,平常時はボランティア団体やNPO(民間非営利組織)間のネットワーク化を進め,大規模災害時にはボランティア受入情報等のポータルサイトとして情報の発信を行います。
防災対策の推進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
宮城県総合防災情報システム(MIDORI)の運用 運用,改修 運用
震度情報ネットワークシステムの整備・運用 構築 運用
津波情報ネットワークの構築 基本設計 詳細設計
緊急地震速報システムの整備検討 整備検討 整備検討
宮城県防災・危機管理ブログによる情報発信 運用 運用
防潮水門緊急整備事業 無線化 無線化
宮城県土木部総合情報システムの運用・拡充
  • 宮城県河川流域情報システム(MIRAI)
  • 宮城県砂防総合情報システム(MIDSKI)
  • 道路管理GISシステム
運用
運用,拡充
構築
運用
運用,拡充
運用
宮城県災害時外国人サポート・ウェブ・システム(EMIS)の運用 運用 運用
災害ボランティア情報ネットワークの推進 運用 運用

2 環境・生活に関する安全・安心対策の推進

現状と課題

社会経済活動の飛躍的な進展は,物質的豊かさや便利さをもたらした一方で,大量生産・大量消費・大量廃棄などにより環境に大きな負荷を与えており,環境問題が深刻化しています。
こうしたなか,国が平成18年11月に策定した「IT新改革戦略」では,リサイクルの促進,廃棄物管理の合理化,不法投棄の削減など様々な環境課題に対して,ITの活用による課題解決が期待されています。
県では,これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済システムから脱却し,限りある資源を有効に活用し,環境負荷が少なく持続的発展が可能な「みやぎの循環型社会」の形成への転換に向けた取組を進めていますが,様々な環境問題に対して,ITを問題解決の手段として活用し,更なる取組を進めていくことが必要になっています。
食の安全・安心の確保については,県民生活において重要な問題であることから,県ホームページ等を通じて食材に関する積極的な情報提供を行うなど,IT活用による食の安全・安心確保に向けた取組を引き続き進める必要があります。
一方,パソコンや携帯電話の普及に伴い,インターネットショッピングやオークションでのトラブル,電子メールによる架空請求など,オンラインサービスに関連する消費生活相談が多いことから,消費者に対する相談体制の在り方の検討を進めるとともに,コンピュータやネットワークを悪用した「サイバー犯罪」等の被害を未然に防ぐための情報提供の充実が求められています。

取組方針
  • インターネット等を活用した環境情報の発信や,GPSの活用による産業廃棄物の適正処理化などに取り組み,本県の自然豊かな生活環境の保全や循環型社会の形成を目指します。
  • 食や暮らしなど県民生活に関する情報について,県ホームページを活用した正確で分かりやすい情報提供を行い,県民への更なる安全・安心の確保を図ります。
今後の取組
  • 環境情報共有システムの運用[環境政策課]
    環境情報ポータルサイト「みやぎの環境情報館」の運用により,環境に関する最新情報や取組情報などを提供するとともに,県民や事業者からの積極的な環境配慮行動を宣言する場をサイト上で提供し,環境関連情報の発信機能の役割強化を図ります。
  • 産業廃棄物追跡管理システムの普及促進[廃棄物対策課]
    GPSを活用した産業廃棄物追跡管理システムの導入促進による処理過程の透明化やメールマガジンによる最新情報の配信を行い,排出事業者及び処理事業者に対する廃棄物の適正処理に向けた普及啓発を行います。
  • 資源循環コーディネーター派遣事業(情報提供)[資源循環推進課]
    資源循環コーディネーターの活用により,リサイクル事業者等に関する情報を収集し,3R(発生抑制・再使用・再生利用)に関するデータベースを構築し,県ホームページを通じた情報提供を行います。
  • 食の安全・安心情報提供[食と暮らしの安全推進課]
    食の安全・安心を確保するため,食に関する様々な情報を県ホームページで提供し,迅速で的確な情報の提供と正しい知識の普及啓発を図ります。
  • 消費生活相談,啓発・情報提供[生活・文化課]
    県消費生活センター等において,インターネットの利用をはじめとする様々な消費生活に関する相談に対応するほか,県ホームページを活用した消費生活に関する啓発や情報提供を行い,だれもが安心して暮らせる県民生活環境の確保に努めます。
環境・生活に関する安全・安心対策の推進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
環境情報共有システムの運用[みやぎの環境情報館] 運用 運用
産業廃棄物追跡管理システムの普及促進 普及促進 普及促進
資源循環コーディネーター派遣事業(情報提供) 運用 運用
食の安全・安心情報提供 運用 運用
消費生活相談,啓発・情報提供 実施 実施

3 防犯・交通安全対策の推進

現状と課題

全国的な犯罪の増加とともに,宮城県においても県民の生命・財産を脅かす事件が相次いで発生しています。また,近年,子どもが犯罪の被害に遭うという事例が非常に多くなっており,県警察本部においても,県警察ホームページ上で子どもが被害に遭わないためのポイントや声掛け事案等の発生状況を情報提供しています。今後も,地域住民と行政が安全情報を共有するなどの取組により,子どもを狙った犯罪への対策や子どもの安全を確保することが求められています。また,パソコンや携帯電話の普及に伴い,県民生活における利便性が向上していますが,その一方でコンピュータやネットワーク等を悪用した「サイバー犯罪」は急増しており,犯罪の手口も高度化・多様化しています。サイバー犯罪は,匿名性が高く,犯罪のこん跡が残りにくいこと,不特定多数の人に被害が及ぶことなどが特徴として挙げられており,県民生活や経済活動に影響を及ぼさないよう,サイバー犯罪に対する的確な対応が求められています。
交通安全対策については,交通事故による死亡者数は減少傾向にあるものの,死傷者数と事故発生件数は依然として高い状態で推移しています。こうした状況のなか,県では,平成18年7月に「第8次宮城県交通安全計画」を策定し,平成22年までに「年間の24時間交通事故死者数を97人以下,年間の交通事故死傷者数を15,000人以下」とすることを目標とし,交通事故のない社会を目指しています。安全で安心な交通社会を構築するためには,ITの活用はもはや必要不可欠であり,高度道路交通システム(ITS)の整備などにより,交通事故の未然防止や救助・救援活動の迅速化に向けた一層の取組が求められています。

取組方針
  • ホームページを活用し,犯罪・防犯情報の積極的な提供を行うことにより,地域における防犯意識を高め,犯罪発生の未然防止を図ります。
  • 交通事故の未然防止や道路交通環境の整備を図るため,高度道路交通システム(ITS)による道路管理の高度化を推進し,安全・安心な道路交通環境の整備に向けた取組を行います。
今後の取組
  • 地域住民への防犯情報の提供[警察本部生活安全企画課]
    防犯ボランティア団体等に対する連絡体制を構築し,活動内容・地域別・対象別などの詳細情報を積極的に提供します。また,県警察ホームページ上で,地域住民への事件・事故の発生状況や被害防止方策などの安全情報をタイムリーに提供します。
  • サイバー犯罪対策の推進[警察本部生活環境課]
    サイバー犯罪に関する事例やその対策について,県警察ホームページ上で情報提供するとともに,インターネット上の違法・有害情報を監視する「サイバーパトロール」を実施します。
  • 高度道路交通システム(ITS)の推進[警察本部交通規制課]
    交通事故件数・死傷者数の減少や輸送効率性及び快適性の向上等を図るため,先進的な交通制御方式の拡大や高度道路交通システム(ITS)のキーインフラとなる光ビーコンの整備を推進します。
防犯・交通安全対策の推進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
地域住民への防犯情報の提供 実施 実施
サイバー犯罪対策の推進 実施 実施
高度道路交通システム(ITS)の推進 整備 整備

第4章 県民生活の利便性の向上

ITによる利便性と効果が実感できる県民生活の実現

1 保健・医療・福祉に関する情報化の促進

現状と課題

本格的な少子・高齢化社会が進むなか,だれもが生涯を通じて,自分の役割や生きがいを実感し,地域で共に支え合い協力しながら,一人一人が明るく健やかに自分らしい生活を安心して送られるような社会づくりを進めていく必要があります。
このような社会の実現に向けて,県では保健医療福祉分野における各種施策を実施していますが,これらの分野におけるITの利活用は,保健医療福祉サービスの質だけでなく,利用者の生活そのものの質の向上をもたらすものとして期待されており,県民が地域で安心して暮らしていくためにも,ITの活用などにより,だれもが,いつでも,どこでも保健医療福祉サービスの提供を受けられるような環境づくりが望まれています。しかしながら,保健医療福祉分野においては,ITの普及割合はまだ高いとは言えず,県内の多くの福祉施設や医療機関等の現場においては,その理解も十分に進んでいるとは言い難いことから,これらの業務への積極的なIT導入・活用が求められているとともに,利用者自らが自分にとって有益なサービスが受けられるよう,制度・サービス内容などの情報を積極的かつ分かりやすく発信していくことが求められています。
医療分野については,これまでに「周産期医療情報システム」や「救急医療情報システム」に加えて,県民向けに医療機関の情報を提供する「宮城県医療機関選択支援システム」,災害時における医療機関の被災状況等の把握を目的とした「災害時救急医療情報システム」など各種システムを順次構築・導入していますが,県立病院を含む県内医療機関における電子カルテの普及促進やレセプト(診療報酬明細書)のオンライン化などの更なる情報化に向けた取組を推進し,県民だれもが安心できる効率的で利便性の高い医療サービスの提供が求められています。

取組方針
  • 県民の健やかで快適な暮らしをサポートするため,保健・医療・福祉に関する情報化を促進するとともに,ITを活用した県民への提供情報の充実を図ります。
  • 良質な医療サービスの提供及び病院経営の効率化と医療の高度化を図るため,県立病院の情報化を推進し,地域医療の拠点としての病院機能の充実を図ります。
今後の取組
  • 保健医療福祉の情報提供[保健福祉総務課]
    保健・医療・福祉の各分野の総合窓口,施設,制度・サービス等に関する総合情報ポータルサイトとして,ワンストップで分かりやすい情報の提供を行います。
  • みやぎっこ子育て家庭応援事業の推進[子ども家庭課]
    子育て家庭を地域全体で支援する環境づくりを推進する「みやぎっこ子育て家庭応援事業」の一環として「みやぎっこ応援サイト」を運用し,インターネット上で県内の協賛事業者の情報を提供します。
  • メタボリックシンドローム対策の推進[健康推進課]
    食生活や運動などによる生活習慣の改善を支援する「メタボリックシンドローム予防なび」サイトを運用し,生活習慣病の危険性が高まるメタボリック症候群の予防に取り組みます。
  • リハビリテーション情報の提供[健康推進課]
    リハビリテーションサービスを提供する施設や各種制度,県の取組などリハビリテーションに関する様々な情報について「MIYAGIリハ・なび」サイトにおいて広く発信します。
  • 周産期医療情報システムの運用[医療整備課]
    空床状況,手術・検査等の可否,医師の存否等の情報を関係医療機関へ提供する「周産期医療情報システム」の運用により,県内の主要な周産期医療施設間の情報ネットワークを構築し,地域における周産期医療の効率的・効果的な情報提供を図ります。
  • 救急医療情報システムの運用[医療整備課]
    医療機関及び消防本部への救急患者受入等の情報提供をインターネット上で行う「救急医療情報システム」の充実により,救急搬送時間の短縮化を図ります。あわせて,災害時には「災害時救急医療情報システム」の運用により,災害時における医療機関の被災状況等の情報提供を行います。
  • 宮城県医療機能情報提供システムの運用[医療整備課]
    「宮城県医療機能情報提供システム」の運用により,医療機関が有する医療機能に関する情報(診療科や診療時間などの情報)をインターネット上で提供し,県民による医療機関の適切な選択を支援します。
  • 薬局機能情報公表事業(宮城県薬局検索システム)[薬務課]
    宮城県薬局検索システム「ミヤギ薬局けんさく」の運用により,インターネット上で県内の薬局の営業日・時間,サービス内容など県内の薬局に関する提供情報の充実を図ります。
  • 県立病院情報システムの整備・運用[県立病院課]
    オーダリングシステム等整備済の情報システムを活用し,良質な医療の提供と医療水準の向上を図るとともに,レセプト(診療報酬明細書)のオンライン化を実施します。
    がんセンターについては,平成22年度の電子カルテ導入に向けた検討を進めます。また,循環器・呼吸器病センター及び精神医療センターについては,平成22年度以降の電子カルテを見据えた各種システムの総合化を進めます。
  • IT関連企業支援(保健医療福祉分野)[情報産業振興室]
    保健医療福祉分野の情報化を図るため,県内IT関連企業への起業支援・市場獲得支援・人材育成支援等の企業活動支援を行うことにより,保健医療福祉分野への新規参入等を促進します。
保健・医療・福祉に関する情報化の促進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
保健医療福祉の情報提供
[ほっとページ@みやぎ]
運用 運用
みやぎっこ子育て家庭応援事業の推進
[みやぎっこ応援サイト]
運用 運用
メタボリックシンドローム対策の推進
[メタボリックシンドローム予防なび]
運用 運用
リハビリテーション情報の提供
[MIYAGI リハ・なび]
運用 運用
周産期医療情報システムの運用 運用 運用
救急医療情報システムの運用 運用 運用
宮城県医療機能情報提供システムの運用 運用 運用
薬局機能情報公表事業(宮城県薬局検索システム)
[ミヤギ薬局けんさく]
運用 運用
県立病院情報システムの整備・運用 レセプトオンライン化 電子カルテ一部導入
IT関連企業支援(保健医療福祉分野) 支援 支援

2 県民活動・文化・スポーツ分野における情報化の促進

現状と課題

県民のライフスタイルの多様化や高度情報通信ネットワーク社会の進展により,生涯学習,文化,スポーツなどの活動に関する県民のニーズは高まっており,これらの多様化する様々な学習ニーズに対応した学習活動の機会や情報提供の充実のほか,県民がインターネットを使って図書等の貸出予約や施設利用予約ができるような情報サービスの充実が求められています。また,これらの情報を基に,県民だれもが必要な情報を簡単に入手し,一人一人が「生きがい」を持ちながら,魅力ある活動が展開できるような仕組みづくりも必要となっています。
一方,県民の価値観の多様化や社会構造の複雑化など,地域社会を取り巻く環境の変化や課題に対し,住民からの視点で取り組むNPO(民間非営利組織)活動についても,近年,ますます盛んになっています。
県においてもNPOとの協働により,地域課題の解決に向けた取組を進めていますが,今後もNPOに対する県民の期待は一層高まり,その重要性もますます認識されていくものと考えられることから,県民にとってもNPOの活動がより身近なものとなるよう,NPOの活動状況等を積極的に情報発信することが必要になっています。

取組方針
  • 県民の多様なライフスタイルに対応するため,県民活動・文化・スポーツ分野における情報化を促進し,提供情報の充実や利便性の向上による県民の自主的な活動を支援します。
今後の取組
  • 生涯学習関係情報の提供[生涯学習課]
    県内の生涯学習に関する情報を県ホームページで提供するとともに,利用しやすいシステムづくりに取り組みます。
  • 図書情報のネットワーク化の推進[生涯学習課]
    図書情報の迅速な提供を図るため,県図書館と市町村図書館のネットワーク化を進めるとともに,市町村図書館の図書情報の目録化を進め,インターネット上で図書館の蔵書状況が確認できる「蔵書公開機能システム」の拡充を行います。あわせて,インターネット上で貸出予約が可能となるよう,県図書館における情報サービスの拡充に向けた検討を進めます。
  • 図書館貴重資料保存修復事業[生涯学習課]
    県図書館が所蔵している貴重図書のデジタルアーカイブ化を進め,デジタルデータを活用したウェブサイトでの画像公開を進めます。
  • 美術館の情報発信の充実[生涯学習課]
    展示情報や利用案内など県美術館に関する情報を県ホームページで提供するとともに,利用しやすいホームページづくりに取り組みます。
  • 東北歴史博物館館蔵資料管理及び情報公開事業[文化財保護課]
    東北歴史博物館における収蔵資料のデータベース化を引き続き進めるとともに,県ホームページ上における情報提供及び公開資料の内容の充実を図ります。
  • みやぎ広域スポーツセンター・スポーツ情報提供の充実[スポーツ健康課]
    「みやぎスポーツネットワーク」サイトの運用により,各種スポーツ情報の共有化を進め,県民ニーズに対応したスポーツ情報の充実を図ります。
  • NPOに関する情報提供[NPO活動促進室]
    NPOが行う社会的・公益的な活動を支援・促進するため,NPOに関する様々な情報を集積した「みやぎNPO情報ネット」や県ホームページの提供内容の充実を図ります。
  • 公共施設等における貸出・利用予約システムの導入検討[情報政策課]
    県民の公共施設等の更なる利用・利便性の向上を図るため,インターネットを活用した県有施設等における貸出・利用予約システムの導入に向けた検討を進めます。
県民活動・文化・スポーツ分野における情報化の促進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
生涯学習関係情報の提供 運用 運用
図書情報のネットワーク化の推進 運用 運用
図書館貴重資料保存修復事業 実施 実施
美術館の情報発信の充実 運用 運用
東北歴史博物館館蔵資料管理及び情報公開事業 運用 運用
みやぎ広域スポーツセンター・スポーツ情報提供の充実
[みやぎスポーツネットワーク]
運用 運用
NPOに関する情報提供
[みやぎNPO情報ネット]
運用 運用
公共施設等における貸出・利用予約システムの導入検討 検討 検討

第5章 地域経済の活性化と富の創出

産業の情報化の推進,情報関連産業の集積促進

1 ITを活用した産業の振興

現状と課題

東北のなかで最も高速交通体系に恵まれている宮城県は,豊富な食材や豊かで美しく多様な自然など,魅力ある観光資源を有しています。
県では,観光情報の提供として,観光ガイドブックや季刊情報誌,パンフレット等を活用した情報提供を行い,観光客の誘致に向けた取組を行っていますが,これらに加えてインターネット等の広報媒体を活用した積極的かつ効果的な情報発信を行うことにより,交流人口の増加,地域観光の活性化など「観光王国みやぎ」の確立に向けた戦略的な展開が求められています。
食産業については,流通の多様化や品質競争が加速しており,今後,県産品の販路を拡大していくためには,インターネットを活用した電子商取引の積極的な導入を図るとともに,安全・安心の確保に取り組みながら,「食材王国みやぎ」を支える県産農林水産物のブランド化を推進し,他地域との差別化を図っていく必要があります。
農村・山村・漁村に滞在し,その自然や文化,人々との交流を楽しむ活動である「グリーンツーリズム」は,農山漁村地域の自然環境の保全や生活・文化基盤の充実,新たな産業の創出による若者の定住促進など,農山漁村地域の活性化を目指した活動としても期待されており,本県においても教育・環境・観光等の多様な要素を取り入れた特色あるグリーンツーリズムが展開されています。宮城県ならではのグリーンツーリズム情報を積極的に発信し,「農山漁村を舞台にした交流」や「共生の交流活動」を推進していくことが求められています。

取組方針
  • インターネットを活用した観光・食産業・グリーンツーリズムの積極的な情報発信を行い,需要の拡大や誘客活動を推進し,県内各地域の産業振興を図ります。
今後の取組
  • インターネット等による戦略的観光情報の発信[観光課]
    「みやぎデジタルフォトライブラリー」や「宮城県観光データブック」などインターネットを通じた情報発信により,提供内容の充実を図るとともに,観光客の誘致を促進します。
  • 食の総合サイト「食材王国みやぎ」の充実[食産業振興課]
    「食材王国みやぎ」や「みやぎ食のe-shop」サイトの運用により,消費者や事業者のニーズに対応した本県の豊かな食に関する提供情報の充実を図り,県内産品のPRや販売促進を支援します。
  • 食材データベースによる食材セールス基盤の整備[食産業振興課]
    多彩で豊富な地元食材の情報を発信する「みやぎの食材データベース」の運用により,地元食材データベースを充実させ,みやぎの食材の利用拡大を図ります。
  • 農山漁村を舞台にした多様なツーリズムの情報受発信[農村振興課]
    農作業体験や産地直売情報など,農山漁村を舞台にした多様なツーリズムの情報を掲載した「みやぎまるごとツーリズム」サイトや県ホームページの運用により,県内のグリーンツーリズムに関する情報を県内外へ発信し,都市と農山漁村の交流を促進します。
ITを活用した産業の振興のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
インターネット等による戦略的観光情報の発信 運用 再構築
食の総合サイト「食材王国みやぎ」の充実 運用 運用
食材データベースによる食材セールス基盤の整備
[みやぎの食材データベース]
運用 運用
農山漁村を舞台にした多様なツーリズムの情報受発信
[みやぎまるごとツーリズム]
運用 運用

2 県民企業等の情報化の推進支援

現状と課題

現在,我が国では,多くの企業においてITの導入が進んでおり,ITはグローバルな企業活動を支える重要な経営基盤として幅広く活用されていますが,その一方で,ITを有効に活用できていない場合や,企業活動の一部においてのみ活用されている場合など,ITを最大限に有効活用していない企業も見受けられます。
経済産業省「平成19年情報処理実態調査」によると,我が国における企業のIT投資は,中小企業を中心として減少傾向にあり,企業規模が小さいほど投資額も低い状況となっています。また,IT投資効果についても,業務プロセスの改善やITインフラの強化,セキュリティ対策などの効果はあっても,収益改善や顧客満足度の向上などの売上拡大,業績改善には結びつきにくいのが実情となっています。さらには,パソコンの盗難やコンピュータウィルス等による個人情報の漏えい,不正アクセスなどに対する情報セキュリティ対策や,ITに関する教育・研修の実施状況についても,中小企業を中心として実施が遅れているなどの課題が見受けられています。
県内においても,情報化を必要とする中小企業は依然として多く,またIT導入による効果を経営面に十分に生かしきれていないことから,ITの戦略的な活用により,生産性や業績の向上につながるよう,中小企業等の情報化を促進する取組が求められています。

取組方針
  • 県内産業の競争力強化を図るため,企業経営の向上を目指す中小企業・団体等に対する専門家の派遣や補助金等の交付により,経営革新・情報化への取組を支援します。
今後の取組
  • 中小企業のIT化支援[新産業振興課]
    情報化による販路拡大,経営効率化などの企業側ニーズに即した支援として,ITコーディネーター等専門家の企業派遣を実施し,県内中小企業の情報化を促進します。
  • 商店街情報化支援事業[商工経営支援課]
    商店街の活性化を図るため,商店街団体等が行う情報化機器の整備やバーチャルモール(仮想商店街)の導入に対して,市町村振興総合補助金を活用した経費補助による支援を行います。
県民企業等の情報化の推進支援のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
中小企業のIT化支援 実施 実施
商店街情報化支援事業 実施 実施

3 IT関連企業の起業支援

現状と課題

県では,市場拡大が見込まれる組込みシステム分野,オープンソースソフトウェア分野,情報セキュリティ分野,デジタルコンテンツ分野及び保健医療福祉分野に取り組む県内IT関連企業に対し,優れたビジネスプランに対する補助や商品開発・販路開拓の支援を行う「みやぎe-ブランド確立支援事業」を実施し,本県の情報産業のブランド化の確立に向けた取組を行っています。
これまでの取組により,保健医療福祉分野において大学病院へ納入を実現した企業やデジタルコンテンツ分野において首都圏企業からの受注拡大に結びつけた企業が誕生するなど,全国レベルで通用する技術力やビジネスプランを有する県内IT関連企業が現れ始めています。
宮城県の産業構造は,首都圏での受注業務を本県で行う下請業務が多く存在すると言われていますが,情報関連産業についても同様の傾向であり,下請構造からの脱却を図る必要があります。また,大手のIT関連企業の支店等を除けば,県内のIT関連企業の多くは中小企業であり,経営基盤も弱いことから,新規分野の開拓や新たな商品開発に伴うリスクを軽減する必要があります。さらには,世界に通用する「みやぎe-ブランド」の確立に向けて,県の信用力や調整力を生かしながら,これまで以上の積極的な県内情報産業の起業支援が求められています。

取組方針
  • 市場性が高いと見込まれる分野に取り組む県内IT関連企業のビジネスプランの実現や開発した商品の販売促進活動等を支援し,宮城県の情報産業の戦略的ブランド化の推進を図ります。
今後の取組
  • みやぎe-ブランド確立支援事業の推進[情報産業振興室]
    県内IT関連企業の優れたビジネスプランを具現化するための補助金の交付や,県内IT関連企業の優れた商品の表彰,県のネットワークを活用して開発された商品・表彰された商品のPR機会の提供等の販売促進活動を行います。
IT関連企業の起業支援のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
みやぎe-ブランド確立支援事業の推進 実施 実施

4 IT関連企業の市場獲得支援

現状と課題

我が国の情報産業は,経済産業省の「平成19年特定サービス産業実態調査」によれば,平成19年11月1日時点での年間売上高はソフトウェア業が10兆2,975億円,情報処理・提供サービス業が4兆2,000億円に上っており,いずれも首都圏が過半数を占め,また東京都・神奈川県・大阪府・愛知県・福岡県の上位5都府県で全国の8割強を占めています。
一方,宮城県の年間売上高は,前述の同実態調査によれば,ソフトウェア業が965億円(163事業所),情報処理・提供サービス業が178億円(56事業所)であり,合計の年間売上高は1,143億円で全国12位に位置し,全国に占める割合は0.8%となっています。
宮城県のIT関連企業は,その大半が中小企業であり,販路開拓のための人手が不足し,商品開発に専念せざるを得ないため,営業力や販売力が弱い傾向にあります。このため,高い技術力を持ちながらも知名度不足等の理由により首都圏や海外市場への販路が確立されていない場合や,首都圏市場から業務を受注する県内IT関連企業が少ないことから,首都圏からの業務獲得を目的とした支援策やビジネスマッチング機会の提供などの取組が必要となっています。

取組方針
  • 首都圏市場からの業務獲得や新たな市場形成を図るため,先進企業等への技術者派遣支援を行うことにより,県内IT業界全体の競争力を高めます。
今後の取組
  • 派遣OJT支援事業の推進[情報産業振興室]
    最先端の技術や知識を習得するため,先進企業や大学院等への技術者派遣を行う県内IT関連企業に対して,OJTによる技術習得のための派遣経費の助成を行います。
IT関連企業の市場獲得支援のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
派遣OJT支援事業の推進 実施 実施

5 IT関連企業の企業立地支援

現状と課題

現在,開発系IT関連企業においては,技術者の不足から優秀な人材を求めて地方に開発拠点を設置しようとする動きがあります。開発系IT関連企業の県内への立地により,その波及効果による県内IT関連企業の技術力向上や県内企業とのマッチング,PR効果による"みやぎ"の地域ブランド化など地域経済の活性化が期待されることから,自動車産業・高度電子産業など製造業等の開発部門の誘致など戦略的な企業立地を促進していく必要があります。
さらに,県では,顧客からの電話対応業務を集中・一元化した施設であるコールセンター等の立地支援を進めており,平成20年12月現在,県内に20社23センターのコールセンターが立地しています。しかし,県内におけるコールセンターの立地は仙台市内に集中しており,地方都市への立地を促進し,新たな雇用の場の創出を図ることが課題になっています。
また,東北大学をはじめとしたIT関連分野の高度な研究シーズの集積地域という強みを活かし,豊かなIT活用社会形成に向け,地域としての貢献が期待されています。

取組方針
  • 企業に対する初期投資軽減のための奨励金の交付等により,IT関連企業を戦略的に県内へ誘致し,県内IT関連企業の市場獲得と県民雇用の創出による地域経済の活性化を図ります。
  • 立地企業に対し,安定的な人材の供給を図るなどの人材確保の支援等を通じて,県内に定着するためのフォローアップを行います。
  • 産学官連携による高度なIT関連の技術開発及びその利活用が行われる地域づくりを推進します。
今後の取組
  • 情報通信関連企業立地促進奨励事業の推進[情報産業振興室]
    雇用吸収力の高いコールセンターやBPOオフィス,他産業への波及効果が高いソフトウェアハウスの誘致推進を図るため,新設,移転又は増設する企業に対して奨励金を交付します。
  • 組込みソフトウェア開発研修事業の推進[情報産業振興室]
    IT関連企業の立地に必要な人材の確保を図るため,組込みソフトウェア技術者育成のための研修を実施します。
  • コールセンターサポート事業の推進[情報産業振興室]
    県内地方都市へのコールセンターの立地促進と,立地企業への安定的な人材確保を図るため,「みやぎコールセンター協議会」が実施するオペレータ養成セミナー等の人材育成活動を支援します。
  • 産学官連携の推進[情報産業振興室・新産業振興課]
    高度なIT関連の技術を活かした新しいビジネスの拡大を促すため,次世代通信技術の開発・普及,研究開発機能の集積等を図ります。
IT関連企業の企業立地支援のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
情報通信関連企業立地促進奨励事業の推進 実施 実施
組込みソフトウェア開発研修事業の推進 実施 実施
コールセンターサポート事業の推進 実施 実施
産学官連携の推進 実施 実施

第6章 電子自治体化の推進

ITを活用した効率的・効果的な行政サービスの提供

1 行政情報の積極的な提供,情報交流の推進

現状と課題

県では,平成9年3月からホームページを開設し,順次,提供情報の充実を図っており,平成15年度のリニューアル以降は,共通のテンプレート(ひな型)に基づいて各課室・地方公所において作成・更新を行いながら積極的に行政情報を提供しています。
県ホームページは重要な広報媒体であり,ホームページによる行政情報の提供に当たっては,今後とも利用者の視点に立ちながら,だれもが見やすく,使いやすいような,アクセシビリティ(使いやすさ)に配慮したホームページづくりを徹底していく必要があります。また,現在,実施している動画,メールマガジンの配信や携帯端末への対応に加えて,全体のデザインの統一感や分かりやすいサイト構成,外国人県民等向けの多言語に対応した提供情報の充実など,県行政の総合的な情報発信サイトとして,県民ニーズに対応した提供情報の充実を図っていく必要があります。
さらに,県ホームページ等を通じて,「知事への提案」や「県民の意見提出手続(パブリックコメント制度)」等を実施し,県ホームページ上でも県政や計画・条例等に対する県民からの提案・意見等を募集していますが,これらがより活発に運用され,県政への県民参画が促進されるよう意見募集方式の改善等を図っていく必要があります。
一方,平成17年12月から開始した県内の地上デジタルテレビ放送は,高画質・高音質の放送だけでなく,きめ細かな地域情報を提供するデータ放送や双方向サービスなど地域密着型の情報発信が可能となることから,新たな行政情報の提供メディアとしても期待されています。今後は,県民だれもが必要な情報を容易に手に入れることができるよう,地上デジタルテレビ放送の活用を含めた,あらゆるメディアの特性を生かした行政情報の提供手法の多様化と提供情報の更なる充実が求められています。

取組方針
  • 県民だれもが見たい情報や欲しい情報を簡単に入手できるよう,提供情報の充実や迅速な情報更新を図るとともに,アクセシビリティに配慮した県ホームページの作成に努めます。
  • 県政への県民参画の促進の手段として,県ホームページ等を積極的に活用し,県政情報の公開や県民ニーズの把握に努めながら,県民からの意見等を県政に反映させます。
今後の取組
  • 県ホームページの充実[広報課][議会事務局][警察本部広報課]
    県ホームページについては,更なる提供情報の充実や使いやすさの向上を図るため,CMS(コンテンツマネジメントシステム)の導入を検討し,リニューアルを実施します。県議会ホームページについては,引き続き会議録情報の提供及び議会中継を行います。県警察ホームページについては,治安情報の迅速かつ的確な発信により,安全対策の充実を図ります。
  • メールマガジン「メルマガ・みやぎ」発信事業[広報課]
    県メールマガジン「メルマガ・みやぎ」の継続的な発信により,宮城県の旬の情報や楽しい話題,イベント情報などを県民にお知らせするとともに,更なる提供内容の充実を図ります。
  • 「インターネット放送局」発信事業[広報課]
    インターネットの活用により,宮城県に関する様々な画像や映像を提供します。
  • 携帯情報サイト「ポケットみやぎ」発信事業[経済商工観光総務課]
    携帯端末向けの情報発信サイト「ポケットみやぎ」の運用により,県からのお知らせや災害・防災情報,観光情報等を提供し,県民の利便性向上や地域産業の振興を図ります。
  • 多文化共生に対応した県ホームページの多言語化の推進[国際政策課]
    県ホームページにおいて多言語による外国語ページを構築し,外国人県民等や海外に対して広く情報発信を行うとともに,提供情報の充実を図ります。
  • インターネットを活用した県政への県民参画の促進[行政経営推進課]
    県民からの提案・意見,パブリックコメント(県民の意見提出手続制度)等がより県政に反映されるよう,インターネットを活用した提案・意見募集方法の見直しを実施し,県政への県民参画を促進します。
  • 地上デジタルテレビ放送等の活用検討(行政情報の提供)[情報政策課]
    行政情報の新たな情報伝達手段として,地上デジタルテレビ放送等を活用した行政情報の提供について検討します。
行政情報の積極的な提供,情報交流の推進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
県ホームページの充実
  • 県ホームページ
  • 県議会ホームページ
  • 県警察ホームページ

機器更新,運用
運用
運用

再構築
運用
運用
メールマガジン「メルマガ・みやぎ」発信事業 運用 運用
「インターネット放送局」発信事業 運用 運用
携帯情報サイト「ポケットみやぎ」発信事業 運用 運用
多文化共生に対応した県ホームページの多言語化の推進 再構築,運用 運用
インターネットを活用した県政への県民参画の促進 見直し,実施 実施
地上デジタルテレビ放送等の活用検討(行政情報の提供) 検討 検討

2 行政手続のオンライン化の推進

現状と課題

県では,インターネットを積極的に活用した利便性の高い行政サービスの提供を行う取組として,平成17年5月に「宮城県電子申請システム」の稼働を開始し,インターネットを通じた様々な申請・届出等の手続が可能になっています。その後も「宮城県建設工事等電子入札システム」,「宮城県物品等電子調達システム」,「地方税電子申告システム」の稼働により,オンライン上での入札・調達手続や電子申告ができるようになっています。また,県税の納付については,ペイジー(Pay-easy)との連携により,平成20年4月から,金融機関のインターネット/モバイルバンキングやATMを利用することで,自動車税をはじめとする県税の納付が可能になっています。しかしながら,その他の電子化された手続に関する手数料等の納付については,オンライン化が実現されていないことや添付書類等の見直しが遅れていることにより,電子化のメリットが十分に発揮できていないなどの課題もあります。
このため,添付書類の電子化,省略・廃止,手数料等の電子納付の導入など利用者本位の申請手続とするための改善に向けた取組により,一層の行政手続の電子化と県民の利便性の向上を考慮した対応が必要となっています。

取組方針
  • 行政サービスの利用者がいつでもどこでも行政手続が可能となるよう,一層の行政手続のオンライン化を進めていきます。
  • 県民の視点に立った行政サービスを提供するため,「宮城県電子申請システム」の再構築に合わせ「電子申請オンライン利用促進計画」を策定し,電子申請利用率の向上を図ります。
今後の取組
  • 電子申請オンライン利用促進計画に基づく電子申請の推進[情報政策課・情報システム課]
    現在オンライン化されている申請・届出等手続の一層の利用促進を図るため,「電子申請オンライン利用促進計画」を策定し,県民の電子申請の利用促進や利便性向上を図ります。また,「宮城県電子申請システム」については,より費用対効果の高いサービスを提供するための方策について検討を進めます。
  • 電子入札・電子調達の推進[契約課]
    「宮城県建設工事等電子入札システム」及び「宮城県物品等電子調達システム」の運用による電子入札を実施し,利便性の高い行政サービスを提供するとともに,入札における公平性,透明性の確保及び競争性の向上を図ります。また,「宮城県物品等電子調達システム」については,平成21年度からすべての電子調達対象案件を対象として運用を行います。
  • 電子認証基盤の運用(地方公共団体組織認証基盤,公的個人認証基盤)[情報政策課]
    電子申請・届出等手続の電子化を促進するため,第三者による情報の改ざんの防止・通信相手の確認を行う高度な「公的個人認証サービス」を円滑に運営します。
  • 公金収納の電子化[会計課][税務課]
    県への手数料などの納付がいつでもどこからでも可能になり,県民の利便性の向上が図られるよう,マルチペイメントネットワーク(MPN)をはじめとする電子決済システムの導入について検討します。また,県自動車税については,インターネットを利用したクレジットカードでの納付が可能になるよう,システムの導入準備を進めます。
  • 自動車保有関係手続のワンストップサービスシステム(OSS)の整備[税務課]
    インターネットを利用して,自動車の保有に関する保管場所証明,登録・検査,各種税の納付など様々な手続が可能なワンストップサービスシステム構築に向けた準備を進めるとともに,自動車取得税等の納付については,マルチペイメントネットワーク(MPN)を活用します。
  • 地方税電子申告システムの運用[税務課]
    地方税ポータルシステム(eLTAX)の利用により,現在電子申告が可能な法人事業税・法人県民税に加えて,申告可能な税目を拡大していくとともに,電子納税,納税証明書の電子化等に向けた取組を進めます。
  • インターネット公売の実施[税務課]
    県税の滞納処分による差押財産について,インターネットを利用した公売を実施し,公売参加者の利便性を高め,一層の徴収強化と滞納の未然防止を図ります。
行政手続のオンライン化の推進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
電子申請オンライン利用促進計画に基づく電子申請の推進
(宮城県電子申請システム)
再構築,計画策定 運用,計画実施
電子入札・電子調達の推進
◇宮城県建設工事等電子入札システム
◇宮城県物品等電子調達システム

機器更新
全面運用

運用
全面運用
電子認証基盤の運用
(地方公共団体組織認証基盤,公的個人認証基盤)
運用,拡大 運用,拡大
公金収納の電子化
◇電子決済システムの導入
◇マルチペイメントネットワーク(MPN)による県税収納
◇クレジット収納システムの導入,運用

検討
運用
導入準備

検討
運用
運用
自動車保有関係手続のワンストップサービスシステム(OSS)の整備 導入準備 導入準備
地方税電子申告システムの運用 運用 拡大
インターネット公売の実施 実施 実施

3 電子県庁構築のための環境整備

現状と課題

現在,県では,職員に一人1台ずつパソコンを配備し,情報資産の電子化やネットワーク化を図っていますが,これにより事務の効率化や情報の共有化が図られ,大量の情報資産を取り扱うことが可能になりました。しかしながら,情報化の進展に伴い,様々な情報へのアクセスが容易になり利便性が高まった一方で,不正アクセスやコンピュータウィルス等による大量の情報資産の盗難,漏えい,改ざん,破壊などが瞬時に発生するリスクを抱えるようになり,その取扱いを誤ると,県政運営に大きな影響を与えるだけでなく,結果として広く県民や社会に重大な影響を与えることになります。
このため,県では,県が保有する情報資産を盗難,漏えい等の脅威から守るため,「情報セキュリティポリシー」を平成15年8月に策定するとともに,情報セキュリティに関する各種研修の実施を通じて,情報資産の保護対策や適正管理など情報セキュリティ維持向上の取組を行っていますが,今後も県民が安心して利用できる電子県庁を推進するためには,引き続き情報セキュリティ対策の維持向上を図っていく必要があります。あわせて,個人情報の取扱いに当たっては,宮城県個人情報保護条例に基づき,個人情報の収集,利用及び提供等における適切な管理を行い,個人情報保護の徹底を図っていく必要があります。また,近年,地震や台風などの自然災害による甚大な被害が相次いでおり,今後も宮城県沖地震をはじめとする大規模地震の到来が予測されています。県においては,その業務の多くを情報システムに依存しており,大規模災害発生時に情報システムが中断すると,当該業務の継続に多大な支障を及ぼすだけでなく,県民生活や地域経済活動にも深刻な影響を与えることが懸念されています。このため,大規模災害など不測の事態が発生した際にも,情報システムを利用した県の重要業務が中断することなく,また中断した場合でも可能な限り早急に復旧できるよう,業務継続の確保対策が求められています。

取組方針
  • 個人情報保護,情報セキュリティ確保の観点から,職員に対する情報セキュリティ対策向上の取組を一層推進し,県民が安心して利用できる電子県庁を構築します。
  • 大規模地震が発生しても,県の重要業務を継続できるよう,全庁的な取組に先駆けて県情報化担当部門の業務継続計画(BCP=Business Continuity Plan)の検討を行い,業務継続力の向上を図ります。
今後の取組
  • 情報セキュリティ対策の強化[情報システム課]
    情報セキュリティポリシーに基づき適正な情報セキュリティ対策を講じるとともに,情報セキュリティ対策の実効性を確保するためセキュリティ監査を実施し,情報資産の流出防止の徹底を図ります。
  • 職員研修の充実(情報セキュリティ研修の実施)[情報政策課]
    情報セキュリティ対策の一環として,職員研修における情報セキュリティに関するカリキュラムの充実を図り,職員の一層の情報セキュリティ遵守に向けた取組を実施します。
  • 情報化担当部門の業務継続計画(BCP)の策定[情報システム課]
    大規模地震発生時における業務中断の未然防止及び早期復旧を図るため,情報化担当部門の業務継続計画(BCP)を策定し,業務継続の確保対策に努めます。
電子県庁構築のための環境整備のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
情報セキュリティ対策の強化 セキュリティ監査の実施 セキュリティ監査の実施
職員研修の充実(情報セキュリティ研修の実施) 実施 実施
情報化担当部門の業務継続計画(BCP)の策定 検討,策定 検討,策定

4 業務改革・事務の効率化の推進

現状と課題

県では,電子申請・電子入札など庁内主要システムの共通の基盤となる「宮城県電子県庁共通基盤システム」を平成17年4月から運用開始しています。この「宮城県電子県庁共通基盤システム」は,文書管理機能,電子決裁機能,職員認証機能,情報共有機能を有し,庁内の意思決定の迅速化や,情報の共有化による業務の効率化を図っています。
「宮城県庶務業務支援システム」,「宮城県財務総合管理システム」など内部事務を支援するバックオフィスシステム(内部事務システム)については,平成20年4月から本稼働を開始し,定型的な事務処理の簡略化や決裁事務の簡素化による事務量の削減により,効率的で質の高い行政運営の実現を目指しています。
このバックオフィスシステム(内部事務システム)の本格運用により,電子県庁の体制は整備されましたが,今後は構築したシステムの利活用を図り,円滑な事務処理による効率的な行政運営を推進していく必要があります。また,今後も厳しい県財政状況が見込まれており,限られた財源のなかで,いかに最小の経費で最大限の効果を生み出していくかが課題となっています。さらには,社会経済情勢等の変化に伴う新たな行政ニーズや地域課題に対しても,的確かつ迅速に対応し,課題解決に向けた取組を図っていく必要があります。
このためには,今後は個別事務の簡素化・効率化に向けた一層の取組に加えて,県庁全体の視点からの簡素化・効率化や職員の政策力・課題解決力の強化に向けた取組を行うことにより,県庁組織全体の質的向上を図っていくことが必要とされています。

取組方針
  • 行政サービスの一層の向上を図るため,ITの効果的な活用による事務の簡素化・効率化を図り,行政改革を推進します。
今後の取組
  • 宮城県電子県庁共通基盤システムの運用[情報システム課]
    「宮城県電子県庁共通基盤システム」の活用により,電子申請・電子入札・電子調達など他の情報システムとの連携を図りながら,全体として効率性の高いシステムの運用を行い,業務における事務の効率化・迅速化を図ります。
  • 宮城県庶務業務支援システムの運用[情報システム課]
    各種内部事務手続を当該職員自らが申請できる「宮城県庶務業務支援システム」の運用により,内部事務の効率性の向上を図り,庶務担当者の事務量の削減を目指します。
  • CALS/ECの整備[事業管理課]
    これまで紙でやり取りされていた図面や文書,計算書等の資料を電子化する電子納品などのCALS/ECの実現に向けた取組を進めます。
  • 県庁組織の政策力向上に向けた取組の推進[政策課]
    個々の職員が有する知識や理論,ノウハウなどの様々な情報を組織的に共有化するとともに,全職員が所属や役職にとらわれることなく自由にアイディアを出しながら前向きな議論等を行う場として開設した「M-SQUARE(エムスクエア)」の運用により,県政の効果的・効率的な推進を図り,県庁組織の政策力の向上を目指します。
業務改革・事務の効率化の推進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
宮城県電子県庁共通基盤システムの運用 運用 機器更新準備
宮城県庶務業務支援システムの運用 運用 運用
CALS/ECの整備 研修実施 研修実施
県庁組織の政策力向上に向けた取組の推進 運用 運用

5 情報システムの全体最適化の推進

現状と課題

県では,より質の高い行政サービスを提供するため,各業務の情報化を進め,電子県庁の実現に向けた取組を行ってきましたが,厳しい財政状況のなか,より一層のコスト削減や行政運営の効率化・高度化を推進することにより,限られた予算を適正に配分し,効率的な投資による費用対効果の高い情報システムをいかに構築していくかが今まで以上に求められています。
これまでの県庁内の情報システムは,一部の情報システムにおいてデータや機能の重複が見受けられたり,業務の見直しが不十分なままに情報システム構築が行われるなど,全庁的な視点で見ると必ずしも最適化が図られていない状況にあります。また,職員の知識や経験不足のため,発注者としての主体性があいまいとなり,業者依存による情報システムが構築される場合や,情報システムのライフサイクルやそれに掛かる経費が必ずしも十分に把握されておらず,非効率的・非経済的なシステム開発がなされる場合があることから,情報システムに関して十分な知識や経験を有し,情報システムの構築に主体的にかかわることのできる職員の育成や,職員のスキル不足をフォローするための仕組みづくりも課題となっています。
一方,情報化の進展に伴い,IT機器の台数の増加や情報処理量の急増により,消費電力量や廃熱量の増大が懸念されています。このため,県においても,グリーンITの観点から,環境負荷削減にも考慮した情報化への取組が求められています。
これらの課題に対応するため,平成21年2月に「宮城県情報システム基本方針」及び「宮城県情報システム最適化計画」を策定するとともに,調達手続等の標準化を図る「宮城県情報システム調達ガイドライン」,「宮城県情報システム開発標準書」を策定し,平成21年度から情報システムの最適化に向けた取組を行うこととしています。
これらの方針・計画等に基づく県庁内の情報システムの全体最適化に向けた取組を着実に実施し,効果的かつ効率的なIT投資を行うことにより,情報システム関連経費の削減など費用対効果の向上を図り,県民サービスの向上につなげていくことが求められています。

取組方針
  • 県の情報システムの開発・運用に当たっては,効果的かつ効率的なIT投資を行うことにより,情報システム関連経費の削減など費用対効果の向上を図ります。
  • 情報システムの調達に関する職員研修や情報化担当部門による管理・支援体制の整備を行い,情報システム調達の最適化を図ります。
今後の取組
  • 宮城県情報システム最適化計画の推進[情報政策課]
    全庁的かつ中長期的な視点から,情報システムの調達における更なる費用対効果の向上を図るため,「宮城県情報システム最適化計画」に基づく調達の標準化や情報システムの統廃合,ASPサービスの導入等を推進し,情報システムの最適化の着実な実施に取り組みます。
  • 情報システム調達の統括管理[情報政策課]
    平成21年度から,情報システムの最適化を推進するための体制等を強化するとともに,企画・計画,開発,運用・保守及び評価の各工程における手続等の標準化を図り,情報システム調達の統括管理を実施します。
  • ITアドバイザーの設置(情報システム最適化支援)[情報政策課]
    県庁内の各課室からの情報化に関する技術的課題・問題等の相談に対応するITアドバイザーを情報政策課内に設置し,各課室・地方公所への技術的支援を行います。
  • 職員研修の充実(情報システム調達研修の実施)【再掲】[情報政策課]
    情報システムの調達業務の適正化を図る一環として,「宮城県情報システム調達ガイドライン」で標準化された調達手続等に関する職員研修を実施し,庁内職員のスキル向上を図ります。
情報システムの全体最適化の推進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
宮城県情報システム最適化計画の推進 実施 実施
情報システム調達の統括管理 実施 実施
ITアドバイザーの設置(情報システム最適化支援) 設置 設置
職員研修の充実(情報システム調達研修の実施)【再掲】 実施 実施

6 電子市町村化の促進

現状と課題

県民の利便性の向上を図るためには,県だけではなく市町村における電子自治体構築の推進が不可欠です。
現在,県内すべての市町村でホームページを開設し,インターネット上で各地域における様々な情報を提供していますが,電子申請や施設予約など住民にとって利便性の高い行政サービスを提供するまでには至っておりません。
県では,平成14年6月に「宮城県電子市町村推進会議」を設立して以降,下部組織の「電子申請等共同アウトソーシング検討部会」等において,県内市町村の電子自治体化に向けた取組を行っていますが,平成20年度からは「宮城県電子市町村推進会議」の体制の拡充を図り,新たに地域別会議の開催や,電子申請検討部会・共同化検討部会・共同調達等検討部会からなる三つの専門部会を設置し,県内市町村との協議・検討や情報提供等による支援を行っています。
一方,各市町村においては,財政負担の増加や人材不足などの課題を抱えており,限られた予算のなかで,より効率的な情報システムの導入を図り,一層の業務の効率化を図ることがこれまで以上に求められています。
このため,情報システムの導入に当たっては,これまでのように各市町村が個別にシステムを開発するのではなく,県や各市町村が共同で情報システムを構築したり,インターネットを通じてサービスを提供するASPサービスやSaaSを共同導入することにより,システム開発の効率化と経費負担の軽減を図り,更なる住民サービスの向上に努めていくことが求められています。
「住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)」については,平成14年8月の一次運用で申請手続の際の住民票の写しの添付省略化が図られ,また,平成15年8月からの第二次運用では,住民基本台帳カード(住基カード)交付サービスの導入により住民票の写しの広域交付や転入転出手続の簡素化が可能になるなど手続業務の効率化や住民の利便性向上が図られている一方で,住民基本台帳カードの普及率が低迷しており,普及促進に向けた取組に加えて,多目的利用が可能な仕組みづくりが課題になっています。

取組方針
  • 県民にとって最も身近な自治体である市町村の情報化を促進し,電子市町村化による行政サービスの更なる向上及び利便性の向上を図ります。
今後の取組
  • 市町村共同化の推進[情報政策課]
    宮城県電子市町村推進会議等において,市町村の電子自治体化に関する情報提供や情報交換を図るとともに,市町村における電子申請システムの共同導入や情報システム関連コスト削減に向けた共同調達等の実現に向けた取組を支援します。
  • ITアドバイザーの設置(電子市町村推進支援)【再掲】[情報政策課]
    市町村が行う各種情報システムの企画,開発,運用等の各段階で発生する技術的課題・問題等に対して,県が設置するITアドバイザーの活用により相談等業務を行い,市町村の情報化を支援します。
  • 職員研修の充実(市町村職員への研修機会の提供)【再掲】[情報政策課]
    県が実施する職員研修に対して市町村職員の参加機会を提供し,市町村職員のITスキル向上のための取組に対する支援を実施します。
  • 総合行政ネットワーク(LGWAN)の運用[情報政策課]
    地方公共団体の組織内ネットワークを相互に接続し,地方公共団体間のコミュニケーションの円滑化,情報の共有を図る「総合行政ネットワーク(LGWAN)」を有効活用し,市町村間の行政事務の効率化や迅速化を図ります。
  • 住民基本台帳ネットワークシステムの運用[市町村課]
    「住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)」の安定的な運用を行うとともに,電子証明書の格納媒体となる住民基本台帳カード(住基カード)の利用促進を図るため,その他の有効な多目的活用方法について各市町村との連携を図りながら検討します。
電子市町村化の促進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
市町村共同化の推進 システム導入,調達支援 共同運用
ITアドバイザーの設置(電子市町村推進支援)【再掲】 設置 設置
職員研修の充実(市町村職員への研修機会の提供)【再掲】 実施 実施
総合行政ネットワーク(LGWAN)の運用 運用 運用
住民基本台帳ネットワークシステムの運用 運用 運用

7 行政機関相互の情報通信ネットワークの整備

現状と課題

県では,県機関と市町村間を結ぶ高速大容量の情報通信ネットワーク「みやぎハイパーウェブ」の整備を平成14年度から開始し,平成15年度には全市町村との接続を完了しています。
この「みやぎハイパーウェブ」は,庁内LANである「宮城県総合情報ネットワーク」,国・市町村を結ぶ「総合行政ネットワーク(LGWAN)」,「宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)」等を統合して運用している広域通信回線網(WAN)であり,「総合行政ネットワーク(LGWAN)」を経由して,国の基幹通信インフラ網である霞が関WANとも結ばれており,国,都道府県,市町村間において,より広範な情報の交換・共有が可能になっています。また,平成17年度末には,県の全地方公所の常時接続を完了したほか,平成19年度にはバックオフィスシステム(内部事務システム)などの新たな業務開始に対応するため,県立学校及び県内全警察署との接続を完了するなど,情報通信ネットワークの利用拡大に伴う通信環境の整備を順次行っています。
県内の県立学校・市町村立学校の専用ネットワークである「宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)」については,「みやぎハイパーウェブ」の利用による接続回線の高速化のほか,不正アクセスの防止や有害情報のフィルタリングやウィルス対策の強化などを図りながら,インターネットを活用した学習・教育活動の展開や教材,教育情報等の効果的な活用を推進しています。
「総合行政ネットワーク(LGWAN)」は,高度なセキュリティを確保した地方公共団体間をつなぐ専用ネットワークですが,現在は主に文書交換や情報共有の活用に留まっており,その有効活用が求められています。今後は,「総合行政ネットワーク(LGWAN)」を通じて複数の自治体が共同利用することで大幅なコスト削減が期待できる「LGWAN-ASP」の活用も視野に入れ,費用対効果の高い行政サービスの提供を図っていくことが必要になっています。また,今後は情報通信ネットワークを使う情報量がますます増大することが予想されており,これらの情報量の増加に対応した適正な情報通信ネットワークの運用による電子自治体の円滑な運営を確保し,県民サービスの向上に努めていくことが求められています。

取組方針
  • 効率的な自治体業務の遂行と県民の行政サービスの利用度を高めるため,行政機関・公共施設等を結ぶ情報通信ネットワークの充実を図ります。
今後の取組
  • みやぎハイパーウェブの整備・運用[情報システム課]
    県の行政情報通信ネットワークである「みやぎハイパーウェブ」の安定的な運用により,事務の効率化・迅速化を図るとともに,増大する情報量に対応した情報通信ネットワークの最適化を図り,効率的な運用を行います。
  • 宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)の整備・運用[義務教育課]
    県内の県立学校・市町村立学校の専用ネットワークである「宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)」の安定的な運用を行うとともに,接続回線の高速化など最適化に向けたネットワークの再構築・整備を行います。
  • 総合行政ネットワーク(LGWAN)の運用【再掲】[情報政策課]
  • 住民基本台帳ネットワークシステムの運用【再掲】[市町村課]
行政機関相互の情報通信ネットワークの整備のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
みやぎハイパーウェブの整備・運用 再構築 運用
宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)の整備・運用 運用,更改準備 更改
総合行政ネットワーク(LGWAN)の運用【再掲】 運用 更改
住民基本台帳ネットワークシステムの運用【再掲】 運用 運用

第7章 人材育成の強化

次世代を担うIT人材の創出・育成

1 情報教育環境の整備

現状と課題

県教育委員会では,平成16年3月に策定した「みやぎIT教育推進構想」の理念の下,平成19年3月に「みやぎICT推進計画」を策定し,学校教育における「教育の情報化」の計画的・組織的な一層の推進とその環境整備に取り組んでいます。
近年,情報化の進展に伴い,インターネットを利用した犯罪の増加や,個人による情報発信の拡大に伴うひぼう中傷の書き込みの増加など情報化の影の部分が顕在化しており,また,コンピュータや携帯電話など情報通信機器の利用が低年齢化し,子どもたちが様々な情報に触れる機会が多くなっていることから,このような環境に適切に対応できるよう,情報モラル教育の推進を図り,子どもたち自らが考え,主体的に行動できる情報リテラシー(情報活用能力)を育成することが求められています。これらの取組に加えて,情報通信機器を利用し,情報を見極めて取捨選択し,情報活用・発信するメディアリテラシー(コンピュータや携帯電話などの情報メディアの活用・操作能力のみならず,情報メディアの特性を理解する能力,メディアにおける送り手の意図を読み解く能力や,情報メディアを通じたコミュニケーション能力までを含んだ概念)を身につけさせることが求められています。
一方,教員については,あらゆる教科において,すべての教員が情報化に対応し,創意工夫を持って授業づくりに取り組み,ITを活用した指導ができるよう,教員一人一人のIT活用指導力の向上を図ることが求められています。
情報教育環境の基盤整備については,県の基幹ネットワーク「みやぎハイパーウェブ」を利用した「宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)」の整備や県立学校教員のパソコン一人1台化,校内LAN,教育用・業務用コンピュータの整備など,学習環境の向上に向けた取組を進めています。また,「みやぎICT教育推進事業」の一環として構築した「みやぎIT教育ポータルサイト」の運用により,教育情報の交流・共有や提供情報の充実に努めています。
一方,市町村立小中学校では,県立学校に比べて校内LANや教員のパソコン一人1台化,ブロードバンド化などの基盤整備が遅れていることから,更なる情報教育環境の充実が求められています。また,「宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)」や「みやぎIT教育ポータルサイト」の利活用を促進するため,教育用コンテンツ(教材)の開発や情報提供など,ソフト面での充実も課題となっています。

取組方針
  • 高度情報通信ネットワーク社会に対応する人材を育成するため,子どもたちの情報リテラシー(情報活用能力)の育成や情報モラル教育の推進を図ります。
  • 情報教育環境の基盤整備及び教員のIT活用指導力の向上を推進し,ITの活用による子どもたちの学力向上を図ります。
今後の取組
  • みやぎICT教育推進事業[高校教育課]
    学校教育現場における情報教育環境の充実を図り,学校・発達段階に応じた学習や交流を行いながら,子どもたちの情報リテラシー(情報活用能力)向上や情報モラル教育を推進します。また,「みやぎIT教育ポータルサイト」を中心として教育用コンテンツの一層の充実を図り,「わかる授業」や「魅力ある授業」の実現に役立てていきます。
  • 教育研修センターの情報教育研修の充実[教職員課]
    教員のIT活用による指導力向上に向けて,教員の情報リテラシー(情報活用能力)の習熟度を深めるための情報教育研修を積極的に実施し,引き続き教員の資質向上を図ります。
  • 宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)の整備・運用【再掲】[義務教育課]
  • 早期工学人材育成事業の実施[情報政策課]
    若年層の工学系分野への興味・関心を深め,産業技術への理解や職業観の醸成を図るため,産学官の連携の下,県内の普通科高校を対象とした「工学出前授業」や「集合工学体験授業」などの実施により,早期における工学系人材の普及・啓発に取り組みます。
情報教育環境の整備のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
みやぎICT教育推進事業 実施 -
教育研修センターの情報教育研修の充実 実施 実施
宮城県学習情報ネットワーク(みやぎSWAN)の整備・運用【再掲】 運用,更改準備 更改
早期工学人材育成事業の実施 実施 実施

2 県民の情報リテラシーの向上

現状と課題

高度情報通信ネットワーク社会の進展により,様々な場所や機会においてITの活用が浸透しており,今後もITを利用する場面がますます増加することが予想されています。すべての県民がITの恩恵を享受するためには,県民一人一人がそれぞれの立場や目的に応じて,情報リテラシー(情報活用能力)を向上させ,ITを身近なものとして利活用することが重要となっていますが,その一方で,コンピュータを使えない人と使える人との格差が懸念されています。
このような情報リテラシー(情報活用能力)の格差是正に向けた取組や,県民が安心してインターネットを使うための知識を習得する機会の充実を図ることにより,県民だれもが不自由なく,どこにいても安全・安心にITを利活用できる社会の構築が求められています。
IT講習等については,現在,民間事業者等において主体的に実施され,インターネットを安全・安心に使うための知識やコンピュータを利用するための技能を習得する機会の充実が図られています。また,県においても,産官学民で構成される宮城県高度情報化推進協議会を通じて,NPO(民間非営利組織)・各種団体等が実施するIT講習や地域情報化セミナー等への支援を行っています。しかしながら,地方は都市部に比べて事業者や講座数が少ないなどの課題があり,今後は地域振興・地域活性化の観点からも,地域においてITを使いこなせる人材の養成が求められています。
現状として講習を受ける環境が十分に整備されていない,又は機会提供の場が少ない障害者や母子家庭等については,引き続き県として積極的な役割を果たしていくことが求められています。特に障害者については,ITの活用は,障害の程度や個々の能力など障害者が有する特性に関係なく,個々の能力を引き出すことにつながることから,ITの活用を促進するための普及・啓発を図りながら,パソコンボランティアや就労などの社会参加を促進していく必要があります。

取組方針
  • 高度情報通信ネットワーク社会に適応した豊かな県民生活を実現するため,関係機関との連携により,地域の情報化をリードする人材の育成を支援するとともに,県民の継続的な情報リテラシー(情報活用能力)の向上を促進します。
今後の取組
  • みやぎ県民大学(生涯学習講座)の実施[生涯学習課]
    大学・高校等と連携し,県民の学習機会を広域的に提供する「みやぎ県民大学」において,IT関連講座の実施により県民のITに対する知識,関心等の向上を図ります。
  • みやぎ障害者ITサポートセンターの運営[障害福祉課]
    障害者向けIT講習会等の開催により,障害者のITの利用機会の拡大を促進するとともに,ITを活用した障害者の社会参加や就労等を総合的に支援します。
  • ちゃれんじど情報塾の開催[障害福祉課]
    障害児(小・中学生)を対象とした障害児パソコン教室等の実施により,ITに親しむ機会を提供し,将来における在宅就労などの社会参加促進を図ります。
  • 母子家庭等就業支援講習会の実施[子ども家庭課]
    母子家庭の母などが自立した生活を送ることができるよう,技能・資格取得の機会として,パソコン講習を実施するなどの就労支援を行います。
  • IT講習等の開催支援[情報政策課]
    安心してインターネットを利用するための情報提供,ネットトラブルの予防・対策などの情報リテラシー(情報活用能力)の向上を図るため,NPO・各種団体等が実施するIT講習等に対し,宮城県高度情報化推進協議会を通じた支援を行います。
県民の情報リテラシーの向上のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
みやぎ県民大学(生涯学習講座)の実施 実施 実施
みやぎ障害者ITサポートセンターの運営 運営 運営
ちゃれんじど情報塾の開催 実施 実施
母子家庭等就業支援講習会の実施 実施 実施
IT講習等の開催支援 支援 支援

3 IT人材の育成・確保支援

現状と課題

情報産業の振興を支える上で,人材育成は最もウェートが置かれる重要な分野であり,企業の業務獲得や市場獲得・形成につながる即戦力の育成は,人材確保の観点からも,産学官が連携して実施していくことは今後も必要であり,その重要性も一層高まっています。
県では,県内におけるカーエレクトロニクス技術者の養成を通じて,自動車関連企業の集積と振興を目的とした「みやぎカーインテリジェント人材育成センター」を平成19年12月に設立し,産学官の連携の下で実践的な研修の実施やセミナーの開催等によるカーエレクトロニクス関連技術者の育成を行っています。また,宮城県におけるIT人材の育成と強化を図るため,平成19年7月に国から構造改革特区として認定を受けた「みやぎ情報産業人材育成特区」に基づき,特例措置の活用による更なるIT人材のすそ野を広げる若年層のIT人材の拡大を図っています。
県立白石高等技術専門校では,ITに関する専門職業能力開発施設として学卒者等を対象にIT関連の多様な訓練科目の提供を行うとともに,在職者向けのIT関連講習会を開催するなど,宮城県の高度IT技術訓練施設として中心的な役割を果たしています。また,その他各高等技術専門校では離転職者や中高齢者向けの訓練として,宮城障害者職業能力開発校では障害者向けとして,それぞれIT関連の科目を提供するなどIT技能労働者の養成を行っています。
このような取組の一方で,宮城県の特徴として,高度な技術を有するIT人材を養成しても,地元企業に就職する割合が低く,多くの人材が首都圏へ流出する傾向にあることから,今後とも高度IT技術者の地元への定着化を図る取組が求められています。

取組方針
  • 高度情報通信ネットワーク社会に対応する多様な人材を育成・確保するため,産学官の連携による人材育成のネットワークを構築するとともに,質の高い高度IT人材の育成・確保に取り組みます。
今後の取組
  • みやぎカーインテリジェント人材育成センターの運営[新産業振興課]
    カーエレクトロニクス関連の技術者育成機関である「みやぎカーインテリジェント人材育成センター」の運営を行い,自動車関連企業の開発部門の立地促進と地元学生の自動車関連企業への就職促進を図ります。
  • みやぎ高度電子ものづくり人材育成事業の推進[新産業振興課]
    県内企業の技術力・競争力の向上を図るため,3次元CAD・CAEなどIT活用のための研修等を実施し,IT人材を育成するとともに,高度電子機械産業の振興を図ります。
  • 派遣OJT支援事業の推進【再掲】[情報産業振興室]
  • 組込みソフトウェア開発研修事業の推進【再掲】[情報産業振興室]
  • コールセンターサポート事業の推進【再掲】[情報産業振興室]
  • みやぎ情報産業人材育成特区の活用促進[情報産業振興室]
    構造改革特区として認定された「みやぎ情報産業人材育成特区」に基づく,「基本情報技術者試験」に関する特例措置(試験の一部免除)の活用により,IT人材のすそ野の拡大と地域の情報処理教育の更なる促進を図ります。
  • みやぎ組込み人材養成プロジェクトの推進[産業人材・雇用対策課]
    地域再生計画として認定された「みやぎ組込み人材養成プロジェクト」に基づき,県内の理工系学科を持つ大学や高専,関連企業との連携により,学生や企業の若手技術者を対象に組込みシステム技術者を養成し,組込みシステム技術者の体系的な養成を進めます。
  • 職業能力開発の実施(IT関連分野)[産業人材・雇用対策課]
    職業能力開発施設である高等技術専門校において,学卒者・離転職者・中高齢者等を対象としたIT関連分野の知識・技能習得訓練,実践能力習得訓練などの職業訓練科目の充実を図り,企業や地域の人材ニーズの高いIT関連技術者の養成を行います。
  • 障害者職業能力開発の実施(IT関連分野)[産業人材・雇用対策課]
    職業能力開発施設である宮城障害者職業能力開発校において,IT関連分野の知識・技能習得訓練,実践能力習得訓練,e-ラーニングの委託訓練などの職業訓練科目の充実を図り,障害者の社会的及び職業的自立を促進します。
  • UIターン人材の確保(富県宮城UIターンネット)[産業人材・雇用対策課]
    「みやぎUIターン」就職情報サイトの運用により,県内へのUIターンを希望する求職者に対して,就職関連情報,企業情報等の提供を行い,首都圏等からUIターン人材の確保を図ります。
IT人材の育成・確保支援のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
みやぎカーインテリジェント人材育成センターの運営 運営 運営
みやぎ高度電子ものづくり人材育成事業の推進 実施 実施
派遣OJT支援事業の推進【再掲】 実施 実施
組込みソフトウェア開発研修事業の推進【再掲】 実施 実施
コールセンターサポート事業の推進【再掲】 実施 実施
みやぎ情報産業人材育成特区の活用促進 活用促進 活用促進
みやぎ組込み人材養成プロジェクトの推進 実施 実施
職業能力開発の実施(IT関連分野) 実施 実施
障害者職業能力開発の実施(IT関連分野) 実施 実施
UIターン人材の確保(富県宮城UIターンネット)
[みやぎUIターン]
運用 運用

第8章 県内全域高度情報通信サービスの実現

情報通信基盤の整備促進によるデジタル・ディバイドの解消

1 地理的情報格差の解消に向けた情報通信基盤の整備促進

現状と課題

我が国のインターネット人口普及率は69.0%,利用人口は8,811万人(平成19年通信利用動向調査)と推定されています。
ブロードバンドサービスは,民間通信事業者の主導により全国的に整備が進められており,全国の世帯普及率も55.6%(平成20年3月末現在)であり,今後も普及拡大が見込まれています。また,インターネットにより提供される情報コンテンツ(内容)そのものも,ブロードバンドサービスの普及に伴い,音声や動画などの大容量化が進んでいます。一方,携帯電話等についても,単なる通話利用だけではなくインターネットの利用増加も進んでおり,もはや日常生活に欠かせない通信機器として,通信速度の更なる高速化やワンセグなど機能の高度化が図られています。
県内におけるブロードバンドサービスは,ADSLサービスが全36市町村,FTTHサービスについては30市町村(平成20年3月末現在)においてそれぞれ提供されており,ブロードバンドサービスのエリア世帯カバー率は98.3%(FTTHサービスのエリア世帯カバー率は85.8%)であり,世帯普及率も51.3%(FTTHサービスの世帯普及率は21.5%)となっています(平成20年3月末現在)。また,携帯電話・PHSについても,宮城県における人口普及率は86.0%であり,携帯電話・PHSの加入契約数も200万件を超えています(平成20年3月末現在)。しかしながら,こうしたサービスの高度化や提供地域の拡大が図られている一方で,中山間地域や過疎地域などの条件不利地域では,ブロードバンドサービスや携帯電話を利用できない地域が依然として存在しており,地域間における情報格差(デジタル・ディバイド)が深刻化しています。

取組方針
  • ブロードバンド・ゼロ地域の解消の実現に向けて,民間通信事業者によるサービス提供を促進することを基本としながら,国・市町村・民間通信事業者との連携の下に県内のブロードバンド環境の整備を促進し,ブロードバンド提供地域の拡大を図ります。
  • 採算性等の問題により民間通信事業者によるブロードバンド整備や携帯電話のエリア整備が進まない地域については,国・市町村・民間通信事業者との連携により,地域の実情に即した情報通信基盤の整備を促進し,サービス提供エリアの拡大を図りながら,利用条件の改善や条件不利地域における情報格差(デジタル・ディバイド)の解消に努めます。
今後の取組
  • ブロードバンド環境の整備促進[情報政策課]
    民間通信事業者によるブロードバンドサービスの整備状況や未整備地域の把握を常時行うとともに,市町村との連携により,国や民間通信事業者に対してサービス提供地域拡大に向けた働き掛けを行います。また,高速・超高速通信網の整備等に取り組む市町村に対する助言や情報提供,整備後の利活用策の検討等の支援を行い,地域の情報通信基盤の整備促進を図ります。
  • 移動通信用鉄塔施設の整備促進[情報政策課]
    国の補助事業を活用し,中山間地域や過疎地域などの条件不利地域における移動通信(携帯電話)用の鉄塔施設整備を実施する市町村に対して設置経費の一部を補助するとともに,市町村との協議を通じて整備を要する地域の整備優先度の検討を行いながら移動通信エリアの拡大を図ります。
  • CATV網の整備促進[情報政策課]
    地域に密着した自主放送や多チャンネル放送を提供するCATV(ケーブルテレビ)事業者に対し,ブロードバンド未整備地域等を対象とする提供エリア拡大に向けた働き掛けを行うことにより,CATV回線によるインターネットの利用拡大や地上デジタルテレビ放送への対応など,CATVの更なる普及・高度化を促進します。
地理的情報格差の解消に向けた情報通信基盤の整備促進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
ブロードバンド環境の整備促進 整備促進 整備促進
移動通信用鉄塔施設の整備促進 整備促進 整備促進
CATV網の整備促進 整備促進 整備促進

2 地上デジタルテレビ放送への円滑な移行の促進

現状と課題

地上デジタルテレビ放送は,地上の送信所から送信する地上波をデジタル化したものであり,従来のアナログ放送に比べて高画質・高音質なサービスを提供する新しいテレビ放送です。地上デジタルテレビ放送への移行は,国策として進められており,宮城県でも平成17年12月から開始されていますが,平成23年7月24日までに現行のアナログテレビ放送は停波し,デジタル放送へ完全移行することになっています。
県内では,平成18年7月に涌谷中継局,平成19年11月に白石中継局・気仙沼中継局,平成20年8月に栗駒中継局,同年9月に志津川中継局が整備されるなど順次放送区域の拡大が進んでおり,平成22年12月末までに県内全世帯の約98%をカバーする見込みになっています。
地上デジタルテレビ放送は,データ放送や双方向機能を活用することにより,今後日常生活における情報通信基盤として大きな役割を担うものであり,また,地域の情報化を推進する上でも極めて有効な情報通信基盤であることから,地上デジタルテレビ放送への円滑な移行に向けて,県民に対して引き続き促進していく必要があります。
国では,地上デジタルテレビ放送の放送区域として,現行のアナログテレビ放送の受信エリアのほぼ100%をカバーする予定としていますが,デジタル放送電波の特性により,現在の難視聴地域以外にも新たな難視聴地域の発生が懸念されています。国の試算では,地上デジタルテレビ放送の完全移行時には,県内の難視聴世帯は最大で5,200世帯余りと見込まれており(平成20年6月現在),これらの地域への対策も必要となっています。また,地上デジタルテレビ放送への移行に伴い,経済的な理由により視聴ができない県民への支援策や視聴者側の受信環境整備に伴う負担軽減のための対策,アンテナ設置等による詐欺商法被害の予防等の周知も必要になっています。

取組方針
  • 地上デジタルテレビ放送完全移行に向けて,新たな難視聴地域が発生することがないよう,国・市町村・放送事業者と連携し,難視聴地域の発生防止に取り組みます。
  • 地上デジタルテレビ放送に関する各種情報について,県民への周知・広報活動等を強化し,デジタル化の円滑な移行を促進します。
今後の取組
  • 地上デジタルテレビ放送受信環境の整備促進[情報政策課]
    地上デジタルテレビ放送の受信環境の整備を促進するため,国・市町村・放送事業者と連携しながら,県内の地上デジタルテレビ放送の難視聴地域等の状況把握や情報収集に努め,引き続き国や放送事業者に対して県内の放送エリアの拡大やデジタル化に伴う負担軽減策等について働き掛けていきます。また,県が所有・管理する共同受信施設についても,デジタル化に向けた必要な対策を講じていきます。
  • 地上デジタルテレビ放送の普及促進[情報政策課]
    地上デジタルテレビ放送を受信するための受像機の買換えのほか,辺地共聴施設,都市共聴施設及び集合住宅共聴施設のデジタル改修,デジタル化に便乗した悪質商法への対策などデジタル化の移行に伴う対応について,県の広報媒体や「みやぎ出前講座」の実施等を通じて,地上デジタルテレビ放送に関する県民への周知を図ります。
地上デジタルテレビ放送への円滑な移行の促進のプロジェクトの内容とスケジュールの表
内容 21年度 22年度
地上デジタルテレビ放送受信環境の整備促進 整備促進 整備促進
地上デジタルテレビ放送の普及促進 普及促進 普及促進

お問い合わせ先

デジタルみやぎ推進課デジタルガバメント推進班

仙台市青葉区本町三丁目8番1号
(宮城県庁行政庁舎3階北側)

電話番号:022-211-2481

ファックス番号:022-211-2495

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

information retrieval

このページに知りたい情報がない場合は