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「焼却」は800℃以上で完全燃焼させること,「溶融」は1,200℃以上でガス化燃焼させることです。焼却では燃え切らなかったものが焼却灰や飛灰,溶融ではスラグや溶融飛灰が発生します。
8,000Bq/kg以下の農林業系廃棄物の焼却処理については,県内外で既に行われている一般的な処理方法です。灰に付着した放射性物質を最終処分場に埋め立てることで安全に処理することができます。
一般的な処理技術であり,排ガス等の処理のための附帯設備が必要になりますが,バグフィルターが設置されているため安全に処理することが可能です。焼却(溶融)により発生した灰(特に飛灰)の放射性物質濃度は,一般廃棄物との混焼により濃度を調整することができます。安全性,処理能力,処理期間を考慮すると処理方法としては現実的であると考えています。
このように,メリットが大きく,デメリットについても対処の方法があるため,一般ごみとの混焼による「焼却」を県の主要な処分方法として提案しています。
「すき込み」とは,牧草や稲わらを農地に敷き,反転耕を行うことです。耕作器具のプラウ等を用いて土壌を一定の深さで反転し,牧草等が含まれる上層土壌を土中に埋め込んで腐敗させます。
農林水産省は暫定許容値400Bq/kg以下であれば,農作物等の生産等には影響しないとしており,すき込む牧草等の放射性物質濃度や量を調整しながら実施することで処理の有効性はあると考えられています。
単位面積あたりにすき込める量が限られていること,そしてすき込める時期も限られているため,少量であれば処理は可能でも,大量の牧草等の処理には膨大な時間がかかってしまいます。
県内では登米市などがすき込みを行っています。
「たい肥化」とは,稲わらや生ごみなどの有機性廃棄物を微生物の力により分解し,肥料にすることをいいます。積み上げた廃棄物をかき混ぜることで水分や空気量を整える必要があります。
農林水産省は暫定許容値400Bq/kg以下であれば,たい肥として利用しても農作物等の生産等には影響しないとしています。
利用可能な量を検討してたい肥化することができるので,処理の有効性はあります。しかし副資材を必要とするので,生成するたい肥の量は多くなってしまい,全量を処理することは難しくなります。
県内では栗原市が「堆肥製造実証実験」を行っています。
「林地還元」とは,しいたけ栽培などに使用したほだ木を森林内で自然に腐朽させて,林内の土壌に還元することをいいます。
林地への還元には,新しく施設を設置する必要がなく,微生物による腐朽のため手間もかかりません。しかし,保管量に応じて広い面積が必要になることと,完全に腐朽するまでに数年かかることから,処理が完了するまでに時間がかかってしまいます。
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