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原子力の開発利用に当たっては安全確保を図ることが大前提ですが,万一の場合の原子力事故による被害者の救済等を目的として,「原子力損害の賠償に関する法律」に基づく原子力損害賠償制度が設けられています。
この法律は,1.原子力事業者に無過失・無限の賠償責任を課すとともに,その責任を原子力事業者に集中し,2.賠償責任の履行を迅速かつ確実にするため,原子力事業者に対して原子力損害賠償責任保険への加入等の損害賠償措置を講じることを義務づけ(賠償措置額は原子炉の運転等の種類により異なりますが,通常の商業規模の原子炉の場合の賠償措置額は現在1,200億円),3.賠償措置額を超える原子力損害が発生した場合に国が原子力事業者に必要な援助を行うことを可能とすることにより被害者救済に遺漏がないよう措置する,等について定められています。
なお,この原子力損害賠償制度については,平成11年にJCO臨界事故を契機として賠償措置額の引き上げを行うなど,諸情勢の変化に対応した改正が行われているところです。
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