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東日本大震災から7年が経過し,地域の復興には着実な進展が見られるものの,復興事業は道半ばの状況にあります。宮城県教育委員会としては,復興事業と埋蔵文化財保護を両立し,高台移転や復興道路などの復興事業に伴う発掘調査の円滑・迅速な実施に取り組むこととしています。
復興事業に限り,遺跡が壊される範囲(平面・深さ)のみを調査対象とします。これにより,盛土施工部分や,下層の調査等を省略することが可能になるため,調査期間の短縮が見込まれます。
宮城県教育委員会では,平成24年度から平成28年度まで他県市から発掘調査専門職員の協力を得て,調査体制の強化を図ってまいりました。平成29年度からは復興事業の進捗状況を踏まえつつ,庁内組織の連携による体制強化を行っています。
【平成30年度の調査体制】
*宮城県職員 文化財課20,東北歴史博物館1,多賀城跡調査研究所1
平成30年度に宮城県教育委員会が実施した発掘調査と、県内市町に協力をした発掘調査の状況を掲載しています。
所在地 | 気仙沼市松崎中瀬 |
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調査原因 | 三陸沿岸道路建設 |
調査期間 | 平成30年4月23日~7月31日 |
調査主体 | 宮城県教育委員会 |
調査担当 | 宮城県教育庁文化財課 |
調査面積 | 約1,700平方メートル |
【調査概要】
城を防御するための大規模な堀切のほか,柱列と溝跡が見つかっています。7月21日に行った現地説明会には,地元の方を中心に約30名の来跡がありました。
調査風景(北から。奥に見ているのは建設中の三陸沿岸道路)
(写真左)現地説明会の様子、(写真右)現地説明会にはカモシカ(特別天然記念物)も参加してくれました。
当日の資料はこちらからダウンロードできます→平成30年度小屋館城跡現地説明会資料(PDF:988KB)
所在地 | 多賀城市山王ほか |
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調査原因 | 多賀城地区土地改良(ほ場整備)事業 |
調査期間 | 平成30年4月23日~ |
調査主体 | 多賀城市教育委員会 |
調査協力 | 宮城県教育委員会 |
調査面積 | 約5,000平方メートル |
【調査概要】
山王遺跡は,特別史跡多賀城の南側に広がっています。平成30年度春は平安時代の碁盤目状の街並みより南側を調査しており,水田跡・井戸跡・溝跡などが見つかっています。
(写真左)古代の水田跡(東から)、(写真右)調査の様子
(調査情報は平成30年5月時点のもの/提供:多賀城市教育委員会)
平成30年度は県内陸部(栗原市)において,通常の開発事業に伴う発掘調査を1件実施しました。(平成30年8月1日時点)
所在地 | 栗原市築館源光 |
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調査原因 | 県道改良事業 |
調査期間 | 平成30年6月4日~7月13日 |
調査主体 | 宮城県教育委員会 |
調査担当 | 宮城県教育庁文化財課 |
調査面積 | 約310平方メートル |
【調査概要】
源光遺跡では,古代と中世の竪穴建物跡などが見つかっています。
古代の竪穴建物跡。建物は一度造り替えられ,広くなっています。
所在地 | 加美郡加美町上狼塚字南北原 |
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調査原因 | 農道改良事業 |
調査期間 | 平成30年8月20日~12月11日 |
調査主体 | 加美町教育委員会 |
調査協力 | 宮城県教育委員会 |
調査面積 | 613平方メートル |
【調査概要】
奈良~平安時代の竪穴建物跡9棟、掘立柱建物跡4棟、弥生時代の竪穴建物跡1棟を調査しました。
(写真左)古代の竪穴建物跡 (写真右)竪穴建物跡のカマド (提供:加美町教育委員会)
平成30年度は,栗原市が実施した国史跡・入の沢遺跡東側の範囲確認調査に協力しました。(平成30年8月1日時点)
所在地 | 栗原市築館城生野 |
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調査理由 | 重要遺跡確認 |
調査期間 | 平成30年4月23日~6月18日 |
調査主体 | 栗原市教育委員会 |
調査協力 | 宮城県教育委員会 |
調査面積 | 約83平方メートル |
【調査概要】
国史跡・入の沢遺跡の東側で,集落を囲む堀跡が見つかりました。堀跡は一部でクランク状に曲がることが分かりました。
現地説明会の様子(提供:栗原市教育委員会)
所在地 | 栗原市築館城生野 |
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調査理由 | 重要遺跡確認 |
調査期間 | 平成30年12月5日~平成31年1月10日 |
調査主体 | 栗原市教育委員会 |
調査協力 | 宮城県教育委員会 |
調査面積 | 約60平方メートル |
【調査概要】
国史跡・伊治城跡で、政庁を囲む溝・築地塀(ついじべい)を調査し、その構造の一端を明らかにしました。
南の上空からみた伊治城跡(白線が政庁の範囲と推定されます) (提供:宮城県多賀城跡調査研究所)
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