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鈴木 悠(すずき はるか)さん
派遣期間:2018年3月~2020年3月
派遣国:ベトナム社会主義共和国
職種:観光
私が派遣されているトゥアティエンフエ省フエ市はベトナム中部エリアに属し、首都ハノイと経済都市ホーチミンの間に位置しています。ベトナム最後の王朝である阮朝の首都が置かれ、歴代の皇帝たちが住んだ王宮や省内各地に点在する帝陵を含む「フエの建造物群」は、1993年にベトナム初の世界遺産としてUNESCOに登録されました。また2017年に天皇皇后両陛下が初めてベトナムを訪問された際にも、フエはその数少ない訪問先の1つに選ばれ、名前を耳にされた方も多いのではないかと思います。
(阮朝王宮)
(阮朝第12代皇帝カイディン帝陵)
私が所属しているのは、トゥアティエンフエ省観光局の傘下であるフエ観光情報促進センターで、公的機関の一つとなっています。どの観光地にもある様な一般的なインフォメーションセンターとしての役割の他、フエ省が実施する観光関連の式典・イベントの運営等も行っています。
要請の主たる目的は「日本人観光客の誘致」ですが、2015年~2017年のデータを見ると、フエを訪れた日本人観光客数は右肩下がりで推移しています。日本からフエへの直行便はなく、最寄の玄関口はフエから南に3時間程下った、同じく中部エリアに属するビーチリゾートのダナンとなります。しかし距離や滞在日数、アクセスの都合もあってか、まだまだそこからの集客は弱い印象です。現在はSNSを使った観光情報発信の他、ベトナムに支店を持つ日系の旅行会社、またフエ省とかかわりのある日本の行政機関や団体の方と情報や意見交換をさせて頂き、観光面の問題点の把握やフエ観光のPRをさせて頂いています。
日本人、つまり外国人観光客を誘致したいという希望はあるものの、フエの観光にはまだまだ準備不足な面が多くある様に感じています。ただただ日本人向けの情報発信をしていくのではなく、残りの任期の中で、「フエに住む外国人」として気付いた課題を、配属先と上手く共有し改善に繋げていければと思っています。
(日系旅行会社向け視察旅行にて、フエ伝統工芸品製作現場の見学(上:紙の蓮、下:竹細工))
ベトナム人の朝は早く、公務員の平均始業時間は朝7時と言われていますが、一度出勤してからゆっくり朝食やコーヒーを飲みに出かけるのも一般的です。フエは地方都市という事もあり、昔ながらの生活スタイルが色濃く残っているように感じます。基本的に朝食は家で作らず、外の屋台で食べるかテイクアウトして来ます。フランス植民地時代の影響もあり、フランスパンを使用したサンドイッチ、バインミーも朝食の定番です。バインミーはベトナム風サンドイッチとして、また米粉を使用した麺料理のフォーはヘルシーフードとして、最近は日本でもよく耳にするようになり、人気も高まっていると思います。
ベトナム人の生活でもう1つ欠かせないのが、練乳コーヒーです。食後のコーヒーというのは日本でも馴染みがありますが、ベトナム式のコーヒーは、エスプレッソにたっぷりの練乳を入れて飲むのが定番です。最初は違和感があるのに徐々に癖になる味わいを、ぜひベトナムにお越しの際はお試し頂きたいです。
(練乳コーヒー)
(フエの名物ローカルフード:ブンボーフエ)
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