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派遣期間:2018年1月~2020年1月
派遣国:エクアドル
職種:防災・災害対策
2018年1月より南米エクアドル共和国のコスタ地方(海岸部)にあるサリーナス市役所危機管理部にて防災・災害対策の活動をさせていただいており、早くも7か月近くが経とうとしています。
ここサリーナス市はエクアドル南西部の最西端に位置し、年間を通じて15度から30度ほどの過ごしやすい気候で、国内でも有数の観光地として年間20万人ほどの観光客で賑わいます。毎年7月から9月には海岸から20分ほど船で行った場所へやってくるクジラも見ることができ、毎日太平洋で釣れたばかりの新鮮な魚介類を食べられるとても幸せな環境だと言えます。
市内レストランのとても美味しい魚介類
晴れた日は太平洋がとても綺麗です
(撮影2018年7月)
市内中心部の大部分は海抜10m以下の非常に脆弱な環境で、大雨、洪水、高潮のみならず、地震発生の際に津波の危険性もある場所だと言えます。
そのため、当市ではJICAプロジェクトや日本大使館の支援を受け、4年ほど前から地震・津波に強い街づくりを目指して少しずつ防災の概念を広める活動を行っています。
例えば、私の行なっている学校等での防災教育活動もそうですし、津波を知らせる早期警報システム、避難場所までの道のりを示すサインボードも今年になってから設置されました。定期的に日本人専門家も入って、時には東日本大震災での被害状況から津波の脅威を技術的に市役所職員に紹介してくださっています。サリーナスは近年大きな災害を経験していませんが、2016年4月に同じコスタ地方のポルトビエホ市で起こった大地震を教訓に、さらに地震・津波に対する防災を強化しているところです。
津波早期警報システム(通称SAT)
避難場所へのサインボード
現在は、サリーナス市内の教育機関や公的・民間機関へ同僚と出向き、地震・津波の際に避難する大切さを伝えています。石巻市役所勤務時代にお聞きした地域の皆さんの実体験や、役所の皆さんからご厚意でいただいた資料・動画などを紹介すると、皆さん一様に驚きと実感を持って聞いてくださります。学校の児童生徒、教員、保護者、地域住民、消防署、陸海空軍、海岸近くのアパート従業員やライフセーバーなど年齢や立場に応じて紹介する内容を変えているのですが、特に3歳から9歳ごろまでの幼児・児童を対象として「防災ダッグ(スペイン語版「パトぼうさい」)という日本でも使用されている防災教育教材を使用し、歌と踊りも織り交ぜて楽しく防災を学んでもらう取り組みを行っています。
2018年3月末から8月末現在で約9,046名(延べ人数)の市民へ防災研修をさせてもらいましたが、サリーナス市の総人口が約9万人いることを考慮しますと、まだまだ防災の概念を広める必要があるということになります。
子ども向け防災研修の様子
市内消防署にて宮城県の紹介等を行い防災研修しました
市内の学校にて幼少児童向けクラスでの防災研修
そのほか、7月にはエクアドルと日本の国交100周年を記念した日本文化紹介イベント「KIZUNA(絆)」を危機管理部上司の提案で開催することができました。100周年イベント記念実行委員会の在エクアドル邦人の皆様、日本大使館、そしてボランティア仲間の協力を得て、たこ焼きやカレー、巻き寿司やお茶菓子、日本酒の試飲、習字に浴衣の着付けに音楽・よさこい踊り、日本映画上映など様々な日本文化を紹介することができました。
市長と実行委員会・大使館の方と音楽演奏をしました
大盛況で賑わいました
引き続きサリーナス市での活動を続けていき、お世話になった宮城県の魅力についても伝えていきたいと思います。
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