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原田 奈緒子さん
派遣期間:2018年1月~2020年1月
派遣国:ナミビア
職種:服飾
<大西洋に延びる桟橋はスワコップムンドのシンボルです!>
ナミビアという国がどこにあるかご存知でしょうか?アフリカ大陸の南西に位置し南アフリカ、ボツワナ、アンゴラ、ザンビアと接しています。日本国土2倍の広さに人口約240万人と人口密度が低く、ダイヤモンドや鉱物など資源豊かな国です。公用語は英語ですが、民族ごとの言語も日常的に使用されています。また、人口約7%の白人系ナミビア人が経済の約70%を占めており、富裕層と貧困層との経済格差が問題となっています。
<タウンの街並み>
ナミビアはスワコップムンドという大西洋沿いの街に赴任しました。ドイツ統治の面影が残り、世界最古のナミブ砂漠へツアー拠点となる街としても知られています。夏には内陸に位置する首都ウィントフックから避暑に訪れるそうです。カラカラに乾燥している内陸に比べ、沿岸部特有の霧が適度に潤いを与えてくれるので過ごしやすい気候です。
ドイツや南アフリカ移民の白人系ナミビア人も暮らし、いわゆる「アフリカ」のイメージと大きく異なるスワコップムンド。一部の人々は先進国と変わらない生活をしている印象です。レトロな建物の街並みを歩くと、ドイツの古い街に紛れ込んだような錯覚すら覚えます。
一方でナミビアはアパルトヘイトの影響が未だ感じられます。すでに撤廃され歴史の出来事の一つだと思っていましたが、南アフリカ統治から1990年独立と日が浅いためでしょうか。主にドイツ系・南アフリカ系ナミビア人が暮らす「タウン」と呼ばれるエリアと主にアフリカ系ナミビア人が暮らす「ロケーション」と呼ばれるエリアに分かれ、学校や病院、スーパーマーケットなど生活に関わる施設も自ずと分かれています。
<ロケーションのメインストリート>
ロケーションと呼ばれるエリアに地域差があることを知りました。こちらはモンデッサというエリアで学校の同僚や生徒も多く暮らしています。電気・水道が使え、スーパーマーケットやお店も多く活気があります。
<モンデッサのオープンマーケット>
次に家賃を払わずに違法で住んでいるDRCと呼ばれるエリア。電気はソーラーパネルを使用し、水道は普及していないので給水場から買い運びます。25リットル約1円。リアカーに大きなポリタンクを乗せて運ぶ人、車の荷台に乗せて運ぶ人、様々のようでした。
<DRCの街並み>
<DRCで出会ったダマラ族の人々>
教会帰りのダマラ族の人々です。正装姿がとても映えていて思わず声を掛けてしまいました。帽子をかぶったお二人はシスターだそうで制服姿が新鮮でした。
NGOの職業訓練校であるCOSDEFが配属先です。アメリカの支援で2014年に建てられました。スワコップムンドらしいヤシの木があり、気持ち良く過ごせる環境です。
<COSDEF Arts & Crafts Centre>
私はファッションデザインコーディネーターとして派遣されており、ファッションデザインコースの教師として毎日の授業や、敷地内にあるお店へ向けて新商品開発とアドバイスをする活動がメインとなります。
パターンメーキングの授業では各自のサイズでスカートパターンを作ります。これはタイトスカートですが、Aラインスカートやヨーク切り替えスカートへ展開させる授業もしました。
授業で制作したキッズドレスです。見返しやファスナー付けに苦労しながら良く出来ました!少しずつ上達が感じられ嬉しいです。
<リサイクルの布サンダル>
<リバーシブルのバックはキルト加工済み>
これらは授業へのサンプルとして制作しましたが、お店から販売希望が出ているので生産者を探しているところです。ワークショップを開催して作り方を伝え、お店と直接売買出来るようになればと考えています。
職に就くのが難しい現地の人々へ向けて、収入を得る一つの手段となるよう少しでも力に慣れたらと思います。まだ活動は始まったばかりですので、ナミビアについてより知識を深め、学校以外の現地の方ともコラボ出来るような活動をしていきたいです。
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