ここから本文です。
豊川 絢子(とよかわ あやこ)さん
派遣期間:2018年7月~2020年7月
派遣国:ルワンダ
職種:公衆衛生
ムラホ!(こんにちは!)私は今、ルワンダ東部県のルワマガナ郡で、「水の防衛隊」として水・衛生に関する活動をしています。「水の防衛隊」とは、アフリカで水・衛生分野の課題に取り組む青年海外協力隊員のことで、2008年5月に開催された第4回アフリカ開発会議で提唱されました。今回は、ルワンダと私が住んでいるルワマガナ郡、そしてルワンダの水事情について紹介したいと思います。
赤道のすぐ南側に位置するルワンダは、北をウガンダ、東をタンザニア、南をブルンジ、西をコンゴ民主共和国に囲まれた内陸国です。とても暑そうなイメージがあるかもしれませんが、「千の丘の国」の名の通り標高が高く(約1500m)、カラッとしていて年間通してとても過ごしやすい気候です。日中は30℃近くになることもありますが、夜や朝は冷え込み、ダウンジャケットを着て過ごすこともあります。雨季と乾季があり、乾季は洗濯物がすぐに乾きますが、水不足が深刻です。雨季は年2回、3月~5月頃と10月~12月頃です。
ルワンダは4つの県(東部県、西部県、北部県、南部県)と首都があるキガリ市で構成されています。私が住んでいる東部県ルワマガナ郡は、キガリ市の東隣に位置しています。キガリから車で東へ約50キロ、人口約26万人の地方都市で、東部県の県庁所在地にもなっています。ルワマガナ郡は、14個のセクター(区のようなもの)で構成されています。緑色の主食用バナナ(プランテーン)の産地です。私が住んでいるKigabiroセクターには、私の職場であるルワマガナ郡庁や総合病院、警察署、市場、ホテルなどが集中しています。
(私の職場 ルワマガナ郡庁)
ルワンダで水を得る方法は、次の5つです。
浄水場で処理された水が、水道管を通って各家庭へ。ただし、給水される時間帯が決まっているので、蛇口をひねればいつでも水が出るわけではありません。なので、写真のような貯水タンクを持っている家庭もあります。私の家もこのタイプです。
(我が家の貯水タンク(2,500L))
地域に数か所ある水汲み場。この水は浄水場で処理され、塩素消毒されています。水道がない家庭は、この水を買っています。1ジェリ缶10~20ルワンダフラン(RWF)(約1円~2円)。この水も給水される時間帯が決まっているので、その時間にあわせてジェリ缶の長蛇の列ができます。
※ジェリ缶:容量20Lの黄色いポリタンク
(ジェリ缶の長蛇の列)
ルワマガナ郡には約30個の井戸がありますが、壊れてそのまま放置されているものもあります。手押しポンプは部品交換や修理等のメンテナンスをする必要があるため、井戸水は有料で、1世帯あたり500RWF/月(約50円)などと決められ、地域で集金されています。しかし、なかなかお金が集まらない、修理したくてもお金がない、修理の方法がわからない等の問題も散見されます。また、井戸の管が錆びてしまい、水質が悪くなってしまうケースもあります。
(井戸で水汲みをする子どもたち)
自然に湧き出ている水なので、もちろん未処理。そして無料です。保護湧水は谷底にあることも多く、汲みに行くのが大変です。また、見た目は綺麗でも、家畜や肥料等による水質汚染が懸念されます。
(こんこんと湧き出る水)
海がないルワンダですが、湖には豊富に水があります。また、川、農業用水路の水を生活用水として利用している住民もいます。不衛生な水で体調を壊さないか心配です。雨季には多くの家庭でタンクやバケツに雨水を溜めています。
(ムハジ湖と漁師)
水の防衛隊は、水が人々に安定供給されるよう、また、より衛生的な水が得られるよう、地元の人々と共に活動しています。
お問い合わせ先
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください