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医療機器の修理とは、故障、破損、劣化等の箇所を本来の状態・機能に復帰させること(当該箇所の交換を含む)をいうものであり、故障等の有無にかかわらず、解体の上点検し、必要に応じて劣化部品の交換等を行うオーバーホールを含むものです。この修理を業として行おうとする者は、事業所ごとに都道府県知事の許可を得なければなりません。
ただし、清掃、校正(キャリブレーション)、消耗部品の交換等の保守点検は修理に含まれないものであり、この行為のみを行う場合には修理業の許可は必要ありません。
なお、修理業者を紹介する行為のみを行う場合にあっては修理業の許可は不要ですが、医療機器の修理業務の全部を他の修理業者等に委託し、実際の修理を行わない場合であっても、医療機関等と当該医療機器の修理の契約を行う場合は、その修理契約を行った者は修理された医療機器の安全性等について責任を有するものであり、修理業の許可が必要になるので注意が必要です。
また、医療機器の仕様の変更のような改造は修理の範囲を超えるものであり、別途、医療機器製造業の登録が必要となります。
修理業の許可は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」という。)第40条の2第2項により、厚生労働省令で定める区分(「修理区分」)に従い、事業所ごとに与えられるものです。また、修理区分は、医薬品医療機器等法施行規則(以下「施行規則」という。)第181条の規定に基づき、施行規則別表第2に掲げるとおり9つの区分に分けられています。さらに当該区分については、施行規則第181条の規定に基づき、特定保守管理医療機器及び特定保守管理医療機器以外の医療機器の2つに分けられます(表参照:全18区分)。
なお、修理業者は、修理する物及びその修理する方法に応じた区分に従った修理業の許可が必要であり、例えば、特管第一区分の修理業許可を取得している場合であっても、非特管第一区分の医療機器の修理は、非特管第一区分の許可を有さなければ修理ができないので注意が必要です。
特定保守管理医療機器の修理区分 (いわゆる「特管区分」) |
特定保守管理医療機器以外の医療機器の修理区分 (いわゆる「非特管区分」) |
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1 | 特管第一区分:画像診断システム関連 | 非特管第一区分:画像診断システム関連 |
2 | 特管第二区分:生体現象計測・監視システム関連 | 非特管第二区分:生体現象計測・監視システム関連 |
3 | 特管第三区分:治療用・施設用機器関連 | 非特管第三区分:治療用・施設用機器関連 |
4 | 特管第四区分:人工臓器関連 | 非特管第四区分:人工臓器関連 |
5 | 特管第五区分:光学機器関連 | 非特管第五区分:光学機器関連 |
6 | 特管第六区分:理学療法用機器関連 | 非特管第六区分:理学療法用機器関連 |
7 | 特管第七区分:歯科用機器関連 | 非特管第七区分:歯科用機器関連 |
8 | 特管第八区分:検体検査用機器関連 | 非特管第八区分:検体検査用機器関連 |
9 | 特管第九区分:鋼製器具・家庭用医療機器関連 | 非特管第九区分:鋼製器具・家庭用医療機器関連 |
備考 | 厚生労働大臣が指定する基礎講習修了に加え、区分ごとに厚生労働大臣が指定する専門講習を修了する必要がある。 |
厚生労働大臣が指定する基礎講習を修了すればすべての区分の扱い可。 |
修理業許可を取得するためには、次の要件に適合しなければなりません。
医療機器の修理業の事業所と医薬品医療機器等法第23条の2の3で規定する医療機器の製造業の製造所が同一の場合、修理業者の事業所の責任技術者と製造業者の製造所の責任技術者は、一人の者が兼任することができますが、それぞれの資格を満たす必要があります。
また、医療機器の修理業の事業所と医薬品医療機器等法第39条及び第39条の3で規定する医療機器の販売業及び貸与業の営業所が同一の場合、修理業者の事業所の責任技術者については、第39条の2で規定する高度管理医療機器等販売業者等の営業所の管理者若しくは施行規則第175条第1項で規定する管理医療機器販売業者等の営業所の管理者を兼務することができます。
なお、修理業者の事業所の責任技術者が、製造業者の製造所の責任技術者及び販売業者又は貸与業者の営業所の管理者の両方を兼務することはできないので注意が必要です。
医療機器の修理業の責任技術者は、修理及び試験に関する記録その他当該事業所の管理に関する記録を作成し、かつ、これを3年間(当該記録に係る医療機器に関して有効期間の記載が義務付けられている場合には、その有効期間に1年を加算した期間)保管しなければなりません。なお、施行規則第190条におけるその他当該事業所の管理に関する記録とは、以下の項目を指します。
また、修理業者の修理に係わる手順及び作業管理並びに品質管理、修理・試験検査に関する記録及び文書に関する記録、保存については、電子情報処理装置の磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録、保存しておくことも差し支えありません。
ただし、修理業務として必要とするときや、監督官庁が行う立入調査等で提示を求められたときは、速やかに印刷物として使用、提示できるものとしてください。
責任技術者は、製造販売後医療機器の安全性及び品質を確保するために、厚生労働大臣に届出を行った者が行う継続的研修を毎年度受講しなければなりません。
許可更新等や都道府県の査察時に継続的研修の修了証の提示を求められた場合は、速やかに提示できるように保存してください。
特定保守管理医療機器の修理業者にあっては、以下に掲げる事項を遵守しなければなりません。
【自己チェックリスト(エクセル:56KB)を参考にしてください。】医療機器の修理を行う場合の遵守事項(PDF:332KB)
特定保守管理医療機器以外の医療機器の修理業者の遵守事項については、上記「医療機器の修理を行う場合の遵守事項」に掲げる事項のうち、2(2)、3、6、9は適用されないことに留意してください。
【自己チェックリスト(エクセル:56KB)を参考にしてください。】
医療機器製造業者自らが製造をする品目の修理に関しては、別途医療機器修理業の許可を取得する必要はありません。
この場合、製造業者が行う修理については、修理にかかる記録の作成等の医療機器修理業者における遵守事項等を遵守し、修理を行わなければなりません。
なお、当該品目に係る製造販売承認(認証)が整理されている場合又は製造販売届出について廃止の旨届け出られている場合、若しくは当該品目に係る製造販売承認(認証・製造販売届出)の品目の製造所欄に当該医療機器製造業者の製造所の記載がない場合、当該品目については、「自らが製造をする品目」には該当しないことに留意してください。
「医療機器の販売業・貸与業、修理業 日常業務Q&A集 第2版」(税込1,500円)
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