掲載日:2024年7月31日

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医療機器修理業

医療機器修理業の申請について

1.各種申請・届出手続き

2.修理の定義

 医療機器の修理とは、故障、破損、劣化等の箇所を本来の状態・機能に復帰させること(当該箇所の交換を含む)をいうものであり、故障等の有無にかかわらず、解体の上点検し、必要に応じて劣化部品の交換等を行うオーバーホールを含むものです。この修理を業として行おうとする者は、事業所ごとに都道府県知事の許可を得なければなりません。

 ただし、清掃、校正(キャリブレーション)、消耗部品の交換等の保守点検は修理に含まれないものであり、この行為のみを行う場合には修理業の許可は必要ありません。

 なお、修理業者を紹介する行為のみを行う場合にあっては修理業の許可は不要ですが、医療機器の修理業務の全部を他の修理業者等に委託し、実際の修理を行わない場合であっても、医療機関等と当該医療機器の修理の契約を行う場合は、その修理契約を行った者は修理された医療機器の安全性等について責任を有するものであり、修理業の許可が必要になるので注意が必要です。

 また、医療機器の仕様の変更のような改造は修理の範囲を超えるものであり、別途、医療機器製造業の登録が必要となります。

3.区分許可制度

 修理業の許可は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」という。)第40条の2第2項により、厚生労働省令で定める区分(「修理区分」)に従い、事業所ごとに与えられるものです。また、修理区分は、医薬品医療機器等法施行規則(以下「施行規則」という。)第181条の規定に基づき、施行規則別表第2に掲げるとおり9つの区分に分けられています。さらに当該区分については、施行規則第181条の規定に基づき、特定保守管理医療機器及び特定保守管理医療機器以外の医療機器の2つに分けられます(表参照:全18区分)。

 なお、修理業者は、修理する物及びその修理する方法に応じた区分に従った修理業の許可が必要であり、例えば、特管第一区分の修理業許可を取得している場合であっても、非特管第一区分の医療機器の修理は、非特管第一区分の許可を有さなければ修理ができないので注意が必要です。

表 医薬品医療機器等法 施行規則別表第2で示す修理区分の概要
 

特定保守管理医療機器の修理区分

(いわゆる「特管区分」)

特定保守管理医療機器以外の医療機器の修理区分

(いわゆる「非特管区分」) 

1 特管第一区分:画像診断システム関連 非特管第一区分:画像診断システム関連
2 特管第二区分:生体現象計測・監視システム関連 非特管第二区分:生体現象計測・監視システム関連
3 特管第三区分:治療用・施設用機器関連 非特管第三区分:治療用・施設用機器関連
4 特管第四区分:人工臓器関連 非特管第四区分:人工臓器関連
5 特管第五区分:光学機器関連 非特管第五区分:光学機器関連
6 特管第六区分:理学療法用機器関連 非特管第六区分:理学療法用機器関連
7 特管第七区分:歯科用機器関連 非特管第七区分:歯科用機器関連
8 特管第八区分:検体検査用機器関連 非特管第八区分:検体検査用機器関連
9 特管第九区分:鋼製器具・家庭用医療機器関連 非特管第九区分:鋼製器具・家庭用医療機器関連
備考 厚生労働大臣が指定する基礎講習修了に加え、区分ごとに厚生労働大臣が指定する専門講習を修了する必要がある。

厚生労働大臣が指定する基礎講習を修了すればすべての区分の扱い可。

4.許可を取得するための要件

 修理業許可を取得するためには、次の要件に適合しなければなりません。

  • 1)修理作業所の構造設備が「薬局等構造設備規則」に適合すること。
  • 2)責任技術者(有資格者)を設置すること。
  • 3)申請者が欠格条項に該当しないこと。

  • 以下に、具体的な要件を示します。
    • (1)修理作業所の構造設備が「薬局等構造設備規則」に適合すること。
      修理業の事業所の構造設備として、次のとおり同規則第5条に規定されています。
      • 構成部品等及び修理を行った医療機器を衛生的かつ安全に保管するために必要な設備を有すること。
      • 修理を行う医療機器の種類に応じ、構成部品等及び修理を行った医療機器の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること。ただし、当該製造業者の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の責任において当該試験検査を行う場合であって、支障がないと認められるときは、この限りでない。
      • 修理に必要な設備及び器具を備えていること。
      • 修理を行う場所は、次に定めるところに適合すること。
        • イ 採光、照明及び換気が適切であり、かつ、清潔であること。
        • ロ 常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。
        • ハ 作業を行うのに支障のない面積を有すること。
        • ニ 防じん、防湿、防虫及び防そのための設備を有すること。
          ただし、作業を行う医療機器により支障がないと認められる場合は、この限りでない。
        • ホ 床の材質は、板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること。ただし、事業所への医療機器の持ち帰り修理を行わない等の作業の性質上やむを得ないと認められる場合は、この限りでない。
        • ヘ 廃水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること。
      • 作業室内に備える作業台は、作業を円滑かつ適切に行うのに支障のないものであること。
    • (2)責任技術者を設置すること
      責任技術者になるための資格要件は、次のとおりです。なお、「修理に関する業務」には、医療機器の製造に関する業務に含まれます。
      • 資格要件
        責任技術者になるためには資格が必要です。また、取り扱おうとする医療機器が特定保守管理(特管区分)医療機器か特定保守管理医療機器以外(非特管区分)の医療機器かによって、資格要件が異なります。
        • ア 特定保守管理(特管区分)医療機器の修理を行う修理業の責任技術者
          【医薬品医療機器等法施行規則第188条第1項第1号】
          • (イ)医療機器の修理に関する業務に3年以上従事した後、別に厚生労働省令で定めるところにより厚生労働大臣の登録を受けた者が行う基礎講習及び専門講習を修了した者
          • (ロ)厚生労働大臣がイに掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者
          •  「同等以上の知識経験を有すると認めた者」として、次の者が規定されています。
            • 第一区分:一般社団法人日本画像医療システム工業会が実施した医用放射線機器点検技術者認定講習会受講者
              (第1回から第9回まで)
            • 第二区分:一般社団法人日本生体医工学会が実施する第2種ME技術実力検討試験合格者
              (第1回から第17回まで)
        • イ 特定保守管理医療機器以外(非特管区分)の医療機器の修理を行う修理業の責任技術者
          【医薬品医療機器等法施行規則第188条第1項第2号】
           医療機器の修理に関する業務に3年以上従事した後、基礎講習を修了した者
    • (3)申請者が欠格条項に該当しないこと
      法人の場合は、薬事に関する業務に責任を有する役員(代表取締役、修理業務を担当する取締役)の全員が欠格条項に該当しないことが必要です。
      • <欠格条項>
        1. 医薬品医療機器等法第75条第1項の規定により許可を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者
        2. 医薬品医療機器等法第75条の2第1項の規定により登録を取り消され、取消の日から3年を経過していない者
        3. 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった後、3年を経過していない者
        4. 医薬品医療機器等法、麻薬及び向精神薬取締法、毒物及び劇物取締法その他薬事に関する法令又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為のあった日から2年を経過していない者
        5. 麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
        6. 心身の障害により業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定める者
        7. 医療機器修理業の業務を適切に行うことができる知識及び経験を有すると認められない者
      • <参考>医療機器修理業の責任技術者になるための講習実施機関

5.責任技術者(管理者)の兼務

 医療機器の修理業の事業所と医薬品医療機器等法第23条の2の3で規定する医療機器の製造業の製造所が同一の場合、修理業者の事業所の責任技術者と製造業者の製造所の責任技術者は、一人の者が兼任することができますが、それぞれの資格を満たす必要があります。

 また、医療機器の修理業の事業所と医薬品医療機器等法第39条及び第39条の3で規定する医療機器の販売業及び貸与業の営業所が同一の場合、修理業者の事業所の責任技術者については、第39条の2で規定する高度管理医療機器等販売業者等の営業所の管理者若しくは施行規則第175条第1項で規定する管理医療機器販売業者等の営業所の管理者を兼務することができます。

 なお、修理業者の事業所の責任技術者が、製造業者の製造所の責任技術者及び販売業者又は貸与業者の営業所の管理者の両方を兼務することはできないので注意が必要です。

6.修理、試験等に関する記録(管理帳簿)

 医療機器の修理業の責任技術者は、修理及び試験に関する記録その他当該事業所の管理に関する記録を作成し、かつ、これを3年間(当該記録に係る医療機器に関して有効期間の記載が義務付けられている場合には、その有効期間に1年を加算した期間)保管しなければなりません。なお、施行規則第190条におけるその他当該事業所の管理に関する記録とは、以下の項目を指します。

  • (1) 責任技術者の継続的研修の受講状況
  • (2) 事業所における品質確保の実施の状況
  • (3) 苦情処理、回収処理その他不良品の処理の状況
  • (4) 事業所の従業者の教育訓練の実施の状況
  • (5) 中古品の修理における製造販売業者への通知及び製造販売業者からの指示に関する記録

 また、修理業者の修理に係わる手順及び作業管理並びに品質管理、修理・試験検査に関する記録及び文書に関する記録、保存については、電子情報処理装置の磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録、保存しておくことも差し支えありません。
 ただし、修理業務として必要とするときや、監督官庁が行う立入調査等で提示を求められたときは、速やかに印刷物として使用、提示できるものとしてください。

7.責任技術者の継続的研修受講義務

 責任技術者は、製造販売後医療機器の安全性及び品質を確保するために、厚生労働大臣に届出を行った者が行う継続的研修を毎年度受講しなければなりません。
 許可更新等や都道府県の査察時に継続的研修の修了証の提示を求められた場合は、速やかに提示できるように保存してください。

8.特定保守管理(特管区分)医療機器の修理業者の遵守事項

 特定保守管理医療機器の修理業者にあっては、以下に掲げる事項を遵守しなければなりません。

自己チェックリスト(エクセル:56KB)を参考にしてください。】医療機器の修理を行う場合の遵守事項(PDF:332KB)

9.特定保守管理医療機器以外(非特管区分)の医療機器の修理の特例

 特定保守管理医療機器以外の医療機器の修理業者の遵守事項については、上記「医療機器の修理を行う場合の遵守事項」に掲げる事項のうち、2(2)、3、6、9は適用されないことに留意してください。
自己チェックリスト(エクセル:56KB)を参考にしてください。】

10.製造業者の行う修理

 医療機器製造業者自らが製造をする品目の修理に関しては、別途医療機器修理業の許可を取得する必要はありません。
 この場合、製造業者が行う修理については、修理にかかる記録の作成等の医療機器修理業者における遵守事項等を遵守し、修理を行わなければなりません。

 なお、当該品目に係る製造販売承認(認証)が整理されている場合又は製造販売届出について廃止の旨届け出られている場合、若しくは当該品目に係る製造販売承認(認証・製造販売届出)の品目の製造所欄に当該医療機器製造業者の製造所の記載がない場合、当該品目については、「自らが製造をする品目」には該当しないことに留意してください。

11.重要通知集

12.参考書籍

  • 一般社団法人日本医療機器産業連合会(医機連(外部サイトへリンク):イキレン)発行
    「医療機器の修理業に関する手引書 第4版」(税込3,000円)
    ・・・・・・修理業者の遵守事項、申請等の手続方法、事業所で備えるべき各種様式、法令解説・通知集等が充実しています(平成17年8月26日初版発行)。
  • 一般社団法人日本医療機器産業連合会(医機連)発行

 「医療機器の販売業・貸与業、修理業 日常業務Q&A集 第2版」(税込1,500円)

お問い合わせ先

薬務課薬事温泉班

仙台市青葉区本町3丁目8番1号 宮城県行政庁舎7階

電話番号:022-211-2652

ファックス番号:022-211-2490

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