暗渠もみ殻疎水材の簡易開削充填機「モミタス」
暗渠もみ殻疎水材の簡易開削充填機「モミタス」の概要
- 宮城県では本暗渠の疎水材にもみ殻が多く使われています。
- もみ殻は経年とともに腐食し、空洞化や田面陥没等の被害が発生することがあります。
- 被害を防ぐためには、もみ殻を充填する必要があり、宮城県古川農業試験場では、農家が自らもみ殻充填できる機械「モミタス」を平成19年に開発しました。
- 「モミタス」は、ホッパー部、切削部及びステップ部から構成され、50馬力以上のトラクタに3点リンクで装着して使います(ほ場条件によっては40馬力程度のトラクタでも可能)。市販の材料を使い、一般の町の鉄工場で製作できる、低コストでシンプルな構造です。
(左:モミタス、中:地中に発生した空洞、右:田面の陥没)
もみ殻充填作業の流れ
事前準備
本暗渠の位置特定と目印の設置
- 本暗渠の施工図面を参考にしながら、棒(検土杖等)を地中に刺し、本暗渠の位置を特定します。特定後、暗渠管のある場所に旗などの目印を立てます(施工図面がない場合は土地改良区にご相談ください)。
- 暗渠は曲がっていることがあるため、125mの暗渠管1本につき4か所程度目印を立てておくと、暗渠管上にもみ殻を充填しやすくなります。
もみ殻の準備
- もみ殻を袋詰めし、暗渠管のわきに5m間隔に並べて置きます。
(左:暗渠管と目印のイメージ、右:もみ殻の袋が置かれたほ場)
モミタス施工
- 本暗渠の真上に切削部の先端を差し込み、牽引により本暗渠上を開削します。トラクタの運転手は事前に立てた目印を目標にして走行します。トラクタの後ろでは、2~3人がホッパー部にもみ殻を投入し、1人が突き固めを行います。
(モミタス施工の様子)
施工後
- 開削部の両側をトラクタ前輪で転圧し、その後、直上部を転圧します。
(鎮圧の様子)
モミタス施工の留意点
- 必ず暗渠管周りにもみ殻が残っている状態でモミタス施工してください。暗渠管周りのもみ殻が腐り、土に置き換わっている状態だと、モミタス施工しても暗渠排水機能が回復しません。
- モミタス施工後は、サブソイラを本暗渠と垂直又は斜めに交わるように、3~5m間隔で施工してください。サブソイラを施工することで、本暗渠に水が集まり、ほ場の排水性が良くなります。
関連する普及技術
暗渠籾殻(疎水材)の簡易開削充填機[モミタス]の開発(第83号普及技術)
身近な低出力トラクタを利用してできる浅層暗渠の施工(第93号普及技術)
もみ殻疎水材の充填の目安(第99号普及技術)
設計図面
- 「モミタス」は特許等を取得していないので、誰でも機械を改良・製作できます。現在、「モミタス」7号機の設計図面を公表しております。
「モミタス」設計図面(PDF:63KB)