ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種(HPVワクチン)
目次
- 子宮頸がんとHPV(ヒトパピローマウイルス)
- HPVワクチンの定期接種(小学校6年~高校1年相当)
- キャッチアップ接種(誕生日が1997年4月2日以降の方)
- HPVワクチンの効果とリスク
- 予防接種後に症状が生じた方に対する相談窓口
- 子宮頸がん検診
- 関連リンク
(1)子宮頸がんとは?
- 子宮頸がんは、子宮の頸部という子宮の出口に近い部分にできるがんです。
- 日本では毎年、約1.1万人の女性がかかる病気で、さらに毎年、約2,900人の女性が亡くなっています。
- 若い年齢層で発症する割合が比較的高いがんです。患者さんは20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人も、1年間に約1,000人います。
(2)子宮頸がんにかかる仕組み
- 子宮頸がんのほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因と考えられています。
- HPVは、女性の多くが「一生に一度は感染する」といわれるウイルスです。感染しても、ほとんどの人ではウイルスが自然に消えますが、一部の人でがんになってしまうことがあります。
- 現在、感染した後にどのような人ががんになるのかわかっていないため、感染を防ぐことががんにならないための手段です。
- 小学校6年~高校1年相当の女の子を対象に、子宮頸がんの原因となるHPVの感染を防ぐワクチン(HPVワクチン)の接種を提供しています。対象者は公費(無料)により接種を受けることができます。
- 現在、公費で受けられるHPVワクチンは、防ぐことができるHPVの種類(型)によって、2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類あります。一定の間隔をあけて、同じワクチンを合計2回または3回接種します。接種するワクチンや年齢によって、接種のタイミングや回数が異なります。どのワクチンを接種するかは、接種する医療機関に相談・確認してください。
(1)HPVワクチンの効果
- HPVワクチンを接種してHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を防ぐことで、子宮頸がんを予防できると考えられています。
- 現在使用されているHPVワクチンは3種類あり、2価ワクチン(サーバリックス)と4価ワクチン(ガーダシル)は、子宮頸がんをおこしやすい2種類のHPV(HPV16型と18型)の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。9価ワクチン(シルガード9)は、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。
(2)HPVワクチンのリスク
ワクチン接種後に起こりえる症状
- HPVワクチンの接種後にみられる症状としては、接種した部位に痛みや腫れ,赤みなどがあります。他には、接種した部位にかゆみや出血、不快感のほか、疲労感や頭痛、腹痛、筋肉や関節の痛み、じんま疹、めまいなどが報告されています。
- まれですが重い症状(重いアレルギー症状、神経系の症状)が起こることがあります。
頻度
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サーバリックス
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ガーダシル
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シルガ―ド9 |
10%以上 |
かゆみ、注射部位の痛み・赤み・腫れ、腹痛、筋痛・関節痛、頭痛、疲労など |
注射部位の痛み・赤み・腫れなど |
注射部位の痛み・赤み・腫れ、頭痛など |
1~10%未満 |
じんま疹、めまい、発熱など |
注射部位のかゆみ・出血・不快感、頭痛、発熱など |
めまい、悪心、下痢、かゆみ、発熱、疲労、内出血など |
1%未満 |
注射部位の知覚異常、しびれ感、全身の脱力など |
手足の痛み、腹痛など |
嘔吐、腹痛、筋肉痛など |
頻度不明 |
手足の痛み、失神など |
疲労感、失神、筋痛・関節痛など
|
感覚鈍麻、失神、四肢痛など |
(1)県の相談窓口
県では、HPVワクチンの接種後に症状が生じた方の相談の充実を図るため,衛生部局と教育部局に相談窓口を設置しています。
窓口種別 |
問い合わせ先 |
電話番号 |
受付時間 |
医療、救済に関すること |
保健福祉部疾病・感染症対策課 |
022-211-3644
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午前8時半から午後5時15分 |
学校生活に関すること |
教育庁保健体育安全課 |
022-211-3666 |
同上 |
仙台市にお住まいの方は、仙台市の相談窓口をご利用下さい。(仙台市HP(外部サイトへリンク)へリンク)
(2)その他の相談窓口(予防接種の基礎知識、子宮頸がん及びHPVワクチンの基礎知識について)
- 20歳になったら、子宮頸がんを早期発見するため、子宮頸がん検診を定期的に受けることが重要です。(※HPVワクチンで感染を防げないタイプのウイルスもあります。)
- ワクチンを接種していても、していなくても、20歳になったら2年に1回、必ず子宮頸がん検診を受けてください。