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結核について

お医者さんに「結核」と診断されると,法律に基づいた「結核患者届出票」が保健所に届出されます。結核は過去の病気ではなく,人から人へうつる怖い「感染症」です。
石巻管内の平成21年の新登録患者数は22名。人口10万人あたりの結核罹患率は10.2です。

結核とは

図-1結核登録者の推移

結核登録者の推移のグラフです

図-2新登録患者年齢構成割合

新登録患者年齢別割合のグラフです

結核とは,結核菌によって主に肺に炎症を起こす病気です。肺結核の患者さんが咳やくしゃみをすると結核菌の混じった飛沫が飛び散ります。飛び散った飛沫の水分が蒸発した飛沫核を吸い込むことにより結核に感染します(空気感染)。
しかし,感染しても大部分の人は「免疫」の作用により結核菌を押さえ込み,結核を発病しないですみます。結核を発病するのは結核に感染した人の約1割程度といわれています。

石巻保健所管内の過去5年間の結核患者の発生状況は(図-1)のとおりです。平成17年以降は1年間に20人前後の発生となっています。また,同じく過去5年間に発生した結核患者の年齢分布状況は(図-2)のとおりです。発生患者の約6割が70歳以上の高齢者となっています。

これは,高年齢者が若い頃に日本の全域で結核が蔓延していたことと関係があります。高年齢者の結核の大部分は結核菌が何十年も体内に潜伏していて,体力の低下とともに発病したり,再発したりすることにより起こるからです。
さらに,結核に対して抵抗力がなく結核に対する知識も乏しい若い世代が高齢者世代から知らないうちに感染していることもあります。石巻管内での10歳代や20歳代の新登録はそのような感染経路が考えられます。

結核の知識が乏しく感染や発病の発見が遅れると,気がつかないままに菌が蔓延し集団感染を起こす危険もありますので注意が必要です。結核の初期症状は風邪とよく似ています。咳や痰が2週間以上続いたら,結核を疑って早めに医療機関を受診しましょう。
また,咳が出るときはマスクをつけて「空気感染」を防ぎましょう。

結核の予防

結核を正しく知ることが予防への第1歩です。2週間以上咳が続いたら医療機関を受診しましょう。
早期発見は結核の重症化を防ぐだけではなく,周りの人たちへの感染拡大を防ぐためにも重要です。

定期の健康診断

感染症法第53条の2の規定により,感染のリスクの高い集団や発症すると二次感染を引き起こすリスクの高い職種を対象として定期の健康診断を行うことになっています。
なお,感染症法第53条の7の規定によって,定期の健康診断の実施者は管轄保健所長を経由して都道府県知事に報告することになっています。
定期の健康診断の報告様式(結核健康診断・予防接種月報)は下記「各種届出様式」をご覧下さい。

定期健康診断におけるの実施主体別対象者および時期についての表
  学校長 施設の長 事業者 市町村
受診者 学年又は生徒※1
  • 刑務所等の入所者(20歳以上)
  • 社会福祉施設の入所者(65歳以上)※2
従事者※3
  • 65歳以上の方
  • リスクが高いと市町村が定めた集団
時期 入学年度

毎年度

毎年度
  • 毎年度
  • 市町村の定める時期

1大学、高等学校、高等専門学校、専修学校及び各種学校(修業年限が1年未満のものを除く)の学生又は生徒

2第1種社会福祉施設:
救護施設、更正施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、身体障害者更正施設、身体障害者療護施設、身体障害者福祉ホーム、身体障害者授産施設、知的障害者更正施設、知的障害者授産施設、知的障害者福祉ホーム、知的障害者通勤寮、婦人保護施設

3従事者:
学校・病院・診療所・助産所・介護老人保健施設・社会福祉施設等に従事する全ての者

  • 医療機関や施設、学校などで働く、発症すると二次感染を引き起こすリスクの高い職種の方は、必ず年に1度の定期健診を受けましょう。
  • 65歳以上の方は年齢とともに抵抗力が低下して結核を発病しやすくなります。老人健診などで健診を受けましょう。

BCG接種

抵抗力の弱い赤ちゃんは「BCG接種」を受けるようにしましょう。生後6ヶ月まで,なるべく早めに受けましょう。現在はツベルクリン反応検査を実施しないで,直接「BCG接種」を実施しています。(「BCG接種」については,お住まいの市町担当課へお問い合わせ下さい。)

結核に対する抵抗力を高めましょう

結核に感染しても,大部分の人では「免疫」の作用により結核菌を押さえ込み結核を発病しないですみます。日常的に免疫力を高めるために以下のことを心がけましょう。

  • 適度な運動を心がける。
  • 睡眠時間を十分とるようにする。
  • 好き嫌いせず,バランスのとれた食事を心がける。

結核の治療

結核と診断されたら,最短でも6ヶ月間薬を飲み続けなければなりません。6ヶ月以上服薬するということは,結核による咳やたんの症状が消えてからも服薬を続けるということです。決められた薬をきちんと服薬しないと,結核菌は耐性菌となり,時には薬の全く効かない多剤耐性菌になることもあります。

医療機関や保健所では,治療を確実に終了するために,服薬を支援する「DOTS(DirectlyObservedTreatment,Shortcourse,直接服薬確認短期化学療法)」の取り組みを強化しています。「DOTS」とは,患者さんが服薬するところを目の前で確認し,患者さんの治療をともに進めていく方法です。

結核の治療は,「結核医療の基準」(平成20年5月30日厚生労働省告示第号)により定められており,患者さんの結核菌が感受性を有するものを3剤又は4剤併用した多剤併用方式で最短でも6ヶ月間(3剤の場合は9ヶ月間)継続して投与することになっています。

肺結核初回治療における標準的な化学療法

原則として(ア)を用いる。PZA(ピラチナミド)使用不可の場合に限り,(イ)を用いる。

  • (ア)まず,INH(イソニコチン酸ヒドラジド),RFP(リファンピシン),及びPZA,SM(硫酸ストレプトマイシン)又はEB(エタンプトール)を加えた4剤併用療法を2月間行い,その後INH及びRFPの2剤併用療法又はINH,RFP及びEBの3剤併用療法を4月間行う。ただし,4月間の2剤使用期間については,全ての対面服薬の確認ができる場合,間欠療法の禁忌でなければ,間欠療法を行ってもよい。
  • (イ)まず,INH及びRFPの2剤にSM又はEBを加えた3剤併用療法を2月間から6月間行い,その後INH及びRFPの2剤併用療法を9月間に至るまで行う。

結核医療費公費負担制度

結核で治療を受ける場合、医療費の一部を公費で負担する制度があります。

1 通院治療の方(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第37条の2)

対象者

病院や診療所で、主に通院による治療を受けていて他の人に感染させる恐れのない方。

対象となる医療の種類

 化学療法・骨関節結核の装具療法・エックス線検査・結核菌検査等に要した費用。

自己負担額

公費負担(助成)内容は結核医療に必要な費用の100分の95について、保険者と公費で負担します。
残り5パーセントが自己負担になります。

申請するときに提出していただく書類

  1. 結核医療費公費負担申請書
    様式はこちらからダウンロードできます
  2. エックス線写真フィルム
    (3か月以内に撮影したもの)

2 感染防止のため入院治療が必要と認定された方(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第37条)

対象者

他の人に感染させる恐れがあるため、保健所長の入院勧告により結核病床がある専門病院に入院して治療を受けている方

自己負担額

結核の入院治療のために要した費用の全額を各種健康保険及び公費で負担します。(保険対象外診療は公費負担の対象外です。)本人及び同一生計の家族の収入に応じ、費用の一部を負担していただく場合があります。

市町民税(所得割)の額による自己負担月額の表
世帯全員の市町民税(所得割)の合計 自己負担額月額
56万4千円以下 0円
56万4千円超 2万円

申請するときに提出していただく書類

  1. 結核医療費公費負担申請書
    様式はこちらからダウンロードできます
  2. エックス線写真フィルム
    (3か月以内に撮影したもの)
  3. 世帯全員の住民票謄本(市町の役場で発行しております。)
    (続柄の記載されているもの)
  4. 世帯全員分の市町村民税(非)課税証明書(市町の役場で発行しております。)
    (入院日によって証明が必要な年度の証明書が異なります。)
    例)入院期間が6月30日までの場合は、前年度の課税証明書(世帯全員分)
     入院期間が7月1日からの場合は、当年度の課税証明書(世帯全員分)
  5. 患者の保険証の写し

    詳しくは石巻保健所におたずね下さい。

各種届出様式

関連リンク

お問い合わせ先

東部保健福祉事務所(石巻保健所)疾病対策斑

石巻市あゆみ野五丁目7番地

電話番号:0225-95-1430

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