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中南部ニュース第5号

タイトル:中南部ニュース
タイトル:中南部ニュース(英字)

第5号 平成16年10月
宮城県中南部下水道事務所

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事務所管理棟と貞山運河の写真

(事務所管理棟と貞山運河)

本年は昨年の冷夏と変わり、全国的に厳しい暑さが続きました。宮城の米も豊作となりましたが、発生した台風の4割が上陸するという異常気象となり、各地で大きな被害が発生しています。
当事務所では被害もなく、各処理場とも順調な稼働を行っていますが、引き続き施設の整備や管理運営全般について、災害や危機管理の対応を計画的に推進していきますので、関係皆様のご協力をよろしくお願いします。
下水道では多くの新技術や新工法が開発されており、仙塩の水処理第4系列は高度処理対応の嫌気・無酸素・好気法を採用しています。また、省資源・省エネとして、処理水の温度を利用したヒートポンプ冷暖房や、消化ガスを焼却施設の燃料に活用しています。今号ではこれらの一部も掲載しました。
今後の下水道を考えるにあたっては、環境負荷が少ない循環型社会への転換を図るため、持続可能な社会に貢献する下水道が求められておりますが、下水道行政においても、引き続き関係市町村と連携を密にしながら、その役割を十分に果たしていきたいと考えています。
宮城県中南部下水道事務所長 佐々木秀一

省エネルギーの取組み

未利用エネルギー活用による省エネルギーについて
仙塩浄化センター管理棟では、従来空冷ヒートポンプ式パッケージエアコンを利用していましたが、設備の更新に伴い、処理水の未利用エネルギーを活用した空調システムに変更し、平成14年度11月から運用を開始しています。冬期運転も2シーズン目を終え、安定した運転状態になったため、本システムがもたらした省エネルギーについて検証してみました。
なお、下水処理水の温度は年間を通して約15℃(冬季)~約26℃(夏季)の範囲にあり、その熱量を有効利用するものです。

電力量差と未利用エネルギー電力量換算値の図

結果はグラフに示すとおり、未利用エネルギーの電力量換算値は冬季が大きく、夏季が小さい値になりました。また、空調設備更新前後の管理棟の電力量差も冷暖房シーズンが大きくなっています。
電力量については、平成14年12月から平成15年11月までの1年分の未利用エネルギーを電力量に換算すると約290,000kwhになり、これにより年間約200万円の電気代が節約されたことになります。また、炭酸ガス排出量については、発電量1kwh当たりのCO2量を0.425kg-CO2/kwh(東北電力の平成12年度実績)とすると、平成14年12月から平成15年11月までの未利用エネルギーのCO2換算量は約123,000kgとなります。
これは、日本が位置する温帯林が吸収するCO2量を約3,600kg/haと推定すると、毎年約34haの森林を増やすことに相当します。

冷温水発生器の写真
(冷温水発生器)

コンクリート管渠の腐食劣化

コンクリートの腐食メカニズムの図

家庭雑排水に多量に含まれる硫酸イオン(SO42-)は、無酸素の嫌気性環境下において、硫酸塩還元細菌によって硫化水素(H2S)に還元されます。水中で生成蓄積された硫化水素は、流れに乗って移動し、水流の乱れる箇所で、大気中に放散されます。
放散された硫化水素ガスは、コンクリート表面の結露水に再溶解します。発生箇所が酸素の存在する好気性環境下では、硫黄酸化細菌が繁殖しており、硫化水素は硫酸(H2SO4)に変化し、コンクリートを中性化し、腐食劣化させることとなります。

コンクリート管渠の腐食状況の写真

(コンクリート管渠の腐食状況)

製管工法により改修後の写真

(製管工法により,改修後)

マンホール部の腐食状況の写真

(マンホール部の腐食状況)

人孔内面工法により改修後の写真

(人孔内面工法により,改修後)

中南部トピックス

県南浄化センター5系列(土木工事)完成

最初沈殿池の写真
(最初沈殿池(水槽内部))

反応タンクの写真
(反応タンク(水槽内部))

汚水量の増加に対応するため県南浄化センター水処理施設第5系列(土木)工事が、10月末に完成しました。
約一万トンのコンクリートを使った大規模な水槽建設工事であるため、平成15年2月に着手してから約1年半の長期に及ぶ工事となりましたが、事故もなく無事完成することができました。
引き続き、電気室増設(建築)工事(現在施工中)の他、電気・機械設備工事、防食工事、覆蓋工事などの工事に順次着手し、平成18年度の供用開始を目標に事業を進めてまいります。

仙塩浄化センター放流口完成

仙塩浄化センター放流口の写真1

仙塩浄化センター放流口の写真2

仙塩浄化センターの放流渠は、昭和53年6月に供用開始した際、暫定的に設置した直径1.5mの鋼製コルゲート管を使用し、貞山運河に処理水を放流していました。近年、放流水が増加し、付近を航行する船舶に影響を与えていたことから、平成15年10月から放流渠の工事に着手しました。
新しい放流渠は2連の箱型構造で、流下断面を既設管の約3倍としたことから、新しい放流渠からの平均流速は0.3m/s程度と改修前の流速の3割程度となり、船舶の安全な航行に寄与しています。

仙塩浄化センター水処理第4系列が供用開始

平成12年度から建設中だった仙塩浄化センター水処理第4系列の増設工事が平成16年3月に完成し、4月から供用を開始しました。
第4系列については、松島湾の水質改善に貢献するため、汚水中の窒素及びりんの除去を目的とした嫌気・無酸素・好気法と呼ばれる高度処理を導入しました。
4系における窒素の除去率は74.2%、りんの除去率は59.2%となっています。
りんの除去率があまり高くないのは、坦体や凝集剤を使用していないこと等があげられます。

仙塩浄化センター水処理第4系列の写真

鹿島台浄化センター放流渠災害復旧工事完成

鹿島台浄化センター放流渠の写真

昨年7月26日発生の宮城県北部連続地震により被災した鳴瀬川流域下水道鹿島台浄化センター放流渠吐口門柱の災害復旧工事が完成しました。
当該工事は、被災を受けたコンクリート柱部に鉄板巻立工法を施し、強度の復元を図るもので、今回工事の完成により、当事務所で管理する施設の地震による災害復旧はすべて終了したことになります。

仙塩浄化センター遠心脱水機2号機完成

昨年12月、2台目の遠心脱水機が完成し稼働をはじめました。
今回、事業費約5億2千万円で導入した遠心脱水機は月島機械製の高効率型で、1号機と同様に30立方メートル/時間の処理能力があります。2号機の完成で、より効率的で維持管理性に優れた汚泥処理が出来るようになりました。

仙塩浄化センター遠心脱水機2号機の写真

施設点検パトロール状況

施設点検パトロール状況の写真1

施設点検パトロール状況の写真2

事業所立入検査

事業所立入検査の写真

特定施設を設置している事業所からの排出水が、排出基準値を超過している施設への立入り検査を公共下水道管理者(市町村)とともに実施しました。
食品製造業の事業所2件と産業廃棄物処理業の事業所について、除害施設を適正に運転し、排出基準値を遵守するよう指導しました。

災害配備訓練の実施

災害配備訓練の写真1

災害配備訓練の写真2

平成16年5月7日(金曜日)、非常時の災害訓練として、事務所職員、下水道公社、維持管理業者と共同で仮設水路の組立を実施しました。職員全員が災害配備の際の作業内容の手順を確認しました。

清掃活動の実施

清掃活動の写真1

清掃活動の写真2

昨年に引続き7月27日(火曜日)、仙塩浄化センター周辺の市道と貞山運河沿いを事務所職員、下水道公社、維持管理業者と共同で環境美化活動を実施しました。

下水道汚泥の有効活用

汚泥処理施設の写真

当事務所が所管する4つの処理場から1年間に発生する汚泥量は、合計約4.8万トン(平成15年度実績)で、今後の下水道の普及に伴いさらに増加する見込みです。
汚泥の処分は、仙塩浄化センターと大和浄化センターについては全量焼却、県南浄化センターについては焼却と発酵により減量化しています。一方、鹿島台浄化センターの汚泥は民間業者に委託し、全量を法面緑化材としてリサイクルしています。

下水汚泥焼却灰の写真

現在、下水汚泥焼却灰をアスファルト合材の一部として有効利用することを検討しています。
当事務所では今年度、仙塩浄化センターから排出される下水汚泥焼却灰を混入したアスファルト合材を用いて、浄化センターにおいて管理用通路の試験舗装工事を実施する予定です。
試験舗装では、施工性や安全性について従来のアスファルト合材と比較・検証を行うこととしています。

太平洋セメント株式会社の写真

下水道汚泥の再資源化のひとつとして、セメントにして有効利用する方法があります。今年度岩手県の大船渡市にある太平洋セメント株式会社に搬入することを試験的に実施する予定です。
処理費用及び運搬費は、小鶴沢最終処分場に搬入した場合とほぼ同程度の費用と考えています。

放流域調査

採水の様子の写真
(採水の様子(松島湾))

下水処理場の放流水が周辺環境に不可逆的な影響を与えていないことを確認するため、海や河川で調査を行っています。
仙塩浄化センターの今年度2回目の調査は、平成16年9月29日に実施しました。放流先である貞山運河の水質は、浄化センターの供用開始以降、年々水質が改善され、良くなっています。

公社だより

去る9月8日に下水道の日関連行事として一般の方を対象に「よみがえる水の旅」を実施しました。台風18号の影響で実施が心配されましたが、日頃の行いの賜物か(?)すばらしい快晴となりました。

参加された仙塩流域関連3市2町32名の皆様には、塩竈市の梅の宮浄水場、松島湾、キリンビール工場、仙塩浄化センターなどの施設見学を通して、日常生活に欠かせない「水」が循環していく過程を理解していただくことができたと思います。当日は台風一過で相当に暑かったため、キリン工場の試飲コーナーで皆様元気を取り戻されたご様子でした。かくいう即席添乗員の私も、冷えたビールを飲みたい欲求に駆られつつもジュースで我慢しながら一息ついたのでした。

その後、最終見学地の仙塩浄化センターでビデオなどをご覧いただき全行程を無事終了する事ができました。ご協力ありがとうございました。

よみがえる水の旅の写真1 よみがえる水の旅の写真2

下水処理はかつて持っていた自然の浄化能力を再現、強化する方式を採っています。
下水は微生物の力で分解され、浄化されます。しかし、微生物の一つ一つは非常に弱いものです。
微生物に悪影響を与えるものを下水道に流さないよう日頃から皆様が、心がけるようにしてください。また、下水道を大事に使うことで、その能力を最大限に発揮し、我々の身近な環境からきれいにしたいと考えております。
ご協力をお願いします。

  • 微生物が死んでしまいます・・・使い残しの農薬・除草剤・化学薬品・腐敗汚泥など
  • 下水管が詰まります・・・ビニール・プラスチック・紙おむつ・食用の油脂類(下水管の中で固まります)など
  • 負荷が高すぎます・・・野菜くずや調理くずなど(ディスポーザーの使用は自粛してください)
  • 下水管を溶かします・・・酸やアルカリの強いもの

雨水を下水道に流さないようにしましょう

お問い合わせ先

中南部下水道事務所施設管理班

多賀城市大代六丁目4-1

電話番号:022-367-4003

ファックス番号:022-367-4004

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