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当県における切り花類の主力品目であるキクは,日長が一定の長さよりも短い条件で開花が促進される短日植物で,夜間に光を照射(暗期中断)し,長日処理を行うことで開花を抑制することができます。キク栽培では,この特性を活かし,お盆やお彼岸に合わせた出荷となるように開花を調整しています。しかし,暗期中断に効果的な波長や光源,照射方法(照射時間帯,省力的な設置方法等)については,不明なことが多く,また,電照コストも過大であることから生産現場からはその解明や応用が求められています。そこで,効果的な波長などを明らかにすることで,適期出荷率の向上,照明費の削減が可能になるとともに,露地栽培では,省力で低コスト生産が可能な新光源として提案できることから露地電照栽培の拡大にもつながることが期待されます。
この試験では,夏秋型の電照栽培において,暗期中断用光源として一般的に用いられている白熱電球よりも効果のある赤色LEDの波長について栽培試験を行っており,共同研究先の協力を得て,従来の電球型ではない光源を用いています(写真1,2)。
令和3年度は秋ギク型での検討,令和4年度からは夏秋型輪ギク・小ギク・スプレーギクでの複数品種で効果の検証を行っています。
今後は,これまでのデータを元に,新しい光源や,照射方法の検討を進めて、将来的には低コストなキクの暗期中断技術の開発を目指しています。
写真1;試験区の様子(左:照射時,右2枚:開花が進む様子)
写真2;試験に用いた光源(左:白熱電球,右:赤色LED)
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