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水稲の追肥作業は,幼穂形成期以降の葉色を維持し,籾数及び収量の確保と玄米品質の維持において重要な技術です。しかしながら,農業者の高齢化や水田の大区画化等により,従来の動力散布機による夏季高温期の追肥作業自体が困難になってきています。
本研究では,追肥作業におけるこれらの状況を踏まえ,簡易で省力的な流入施肥技術の確立を目的としています。昨年度,試験を実施した具体的な流入施肥の方法は,図1のように市販の種籾ネットに粒状の追肥用化成肥料を充填し,水口付近に設置したプラスチックコンテナ内でかん水により肥料を溶出させる方法です。この方法では肥料を充填した種籾ネットは底面のみが浸水状態にあるので,かん水の開始から終了まで一定の速度で徐々に肥料が溶出します。これにより,ほ場内に均一に肥料成分が流入,分布しその後の生育や収量のばらつきが小さく,従来の動力散布機による追肥方法と比較して同等の収量,品質が得られました(表1参照)。
今年度は肥料高騰の情勢を踏まえ,低コスト化を目的として窒素単肥を用いた同様の流入施肥試験を実施しています。これらの試験を通して,簡易で省力的な流入施肥技術を確立し,本県稲作の省力化及び低コスト安定生産の推進を図っていきます。
図1水口付近に配置した粒状肥料を充填した種籾ネット
表1試験区別の収量構成要素等
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