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イムノクロマト試験紙を利用したセリ感染ウイルスの診断(PDF:159KB)
園芸環境部 遺伝子工学チーム TEL:022-383-8133
近年は市販のイムノクロマト試験紙で診断できるウイルスの種類が増え,これまでPCR法で診断していたウイルスを試験紙でも診断できるようになってきました。そこで,セリに発生するウイルスも,イムノクロマト試験紙で診断できるかについて試験を行いました。
平成17年以降に県内でセリから検出されたウイルスは,ポティウイルス属コンニャクモザイクウイルス(KoMV)とククモウイルス属キュウリモザイクウイルス(CMV)の2種です。これらウイルスはアブラムシにより非永続的に媒介され,感染した葉はモザイク症状や赤褐色の斑点や条斑を生じます(写真1)。症状のみからウイルス種を同定することは困難ですが,イムノクロマト試験紙(アグディア社製イムノストリップテストキット)のポティウイルス属用試験紙でKoMVを,CMV用試験紙でCMVを診断することができます(写真2)。
写真1 KoMVに感染した芹の葉の症状
写真2 KoMVとCMVに対する試験紙の反応(上からKoMV陽性,KoMV陰性,CMV陽性,CMV陰性)
ウイルス対策としてアブラムシ防除を行い,被害が見られた場合には,被害株の処分や作業による汁液感染の防止を徹底し,被害の拡大を防ぎます。
一般に,PCR法の検出感度はイムノクロマト試験紙より高いため,試験紙のテストラインが不明瞭で判定に迷う等の場合は,PCR法による確認が必要となります。
より詳しい内容は「普及に移す技術」第96号(令和3年発行)「イムノクロマト試験紙を利用したセリ感染ウイルスの診断」をご覧ください。
普及に移す技術/第96号(令和3年4月)目次
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