応急仮設住宅について(平成20年6月14日「岩手・宮城内陸地震」)
平成20年6月14日発生した「岩手・宮城内陸地震」の発生により、85世帯233人が長期的な避難生活を余儀なくされ、うち61世帯163人に対して災害救助法第23条に基づく応急仮設住宅を供与しました。
困難な避難所生活から一日でも早く解放されるよう、関連部局及び仮設住宅事業者と連携し、地震発生から延べ45日間で提供した63戸の仮設住宅について以下に整理しました。
※平成20年12月5日に開催された「土木部技術研究発表会」における発表内容をもとに整理しています。
応急仮設住宅
根拠法令等
- 災害救助法(昭和22年法律第118号)第23条第1項第1号
- 「災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定」(平成8年3月)
- (社)プレハブ建築協会と宮城県との間で締結
設置者
設置期間
入居対象者
- 住家の全壊等により居住する住家がないもので、自らの資力では住宅を得ることができない者
建設基準:災害救助法に基づく災害救助基準(平成20年4月1日現在)
- 規格 1戸当たり29.7平方メートル(9坪)を基準
- 国の補助対象限度額 1戸あたり2,366,000円
建設経緯
避難者の居住先の状況
避難者の居住先の状況の表
|
県営住宅 |
市営住宅 |
職員宿舎 |
教職員宿舎 |
雇用促進住宅 |
民間賃貸住宅 |
応急仮設住宅 |
合計 |
提供戸数(戸) |
73 |
14 |
2 |
5 |
40 |
34 |
63 |
136 |
入居世帯(世帯) |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
22 |
61 |
85 |
仮設住宅建設の体制
用地の選定方針
- 一定規模以上の広さ確保
- 同一場所への一定規模以上の戸数確保
- 避難者間のコミュニケーション維持、支え合い等
- 下水道整備
- 衛生上の快適性確保
- 余震等への二次災害への備え
- 地盤崩壊、周辺建物倒壊、出水等に対する安全性確保
- 既存集落内での立地
- 駐車スペースの確保
- 日常生活の利便性確保
建設工程
第1次 10戸(花山4戸、栗駒6戸)
- 建設決定 6月20日
- 工事着手 6月23日
- 完成 7月10日
- 供用開始 7月11日
- ※地震発生から27日目。
平成15年北部連続地震の時よりも1日短縮。
第2次 37戸(花山23戸、一迫2戸、栗駒12戸)
- 建設決定 6月25日
- 工事着手 6月27日
- 完成 7月16日
- 供用開始 7月17日
第3次 18戸(花山16戸、栗駒2戸)※内、談話室2戸(花山、栗駒)
- 建設決定 7月7日
- 工事着手 7月10日
- 完成・供用開始 7月29日
- 風除室・スロープ屋根
- 建設決定 8月7日※厚生労働省との協議による
- 工事着手 9月22日
- 完成 9月30日
計画概要
建設戸数
建設戸数の表
地区 |
第1次(戸) |
第2次(戸) |
第3次(戸) |
計(戸) |
花山 |
4 |
23 |
16 |
43 |
一迫 |
- |
2 |
- |
2 |
栗駒 |
6 |
12 |
2 |
20 |
計 |
10 |
37 |
18 |
65 |
※第3次18戸(計65戸)の内、2戸は談話室(花山地区、栗駒地区)
タイプ別戸数内訳
タイプ別戸数内訳の表
タイプ |
戸数(戸) |
内高齢者対応(戸) |
6坪(1DK) |
14 |
6 |
9坪(2DK) |
33 |
23 |
12坪(2DK) |
10 |
8 |
15坪(3DK) |
1 |
1 |
18坪(4DK・5K) |
5 |
3 |
談話室 |
2 |
|
仕様等
- 寒冷地・積雪地仕様等
- 居室の南側配置
- 冬期間の断熱を考慮し開口部については二重建具
- 断熱性能については、通常の2倍の性能
- 冬期間の積雪を考慮し、1m積雪タイプ
- 小屋裏の結露対策のため、小屋裏換気扇を設置
- 各戸1室を畳敷きに変更
- 風除室の設置
- 高齢者対応住戸の設定
- 高齢者等の利用住戸について配慮
- 通常の風呂、便所への通常の手摺りに加え、玄関手摺りを設置
- 玄関スロープの設置
- その他
- 全戸エアコン設置
工事・リース会社
- (社)プレハブ建築協会との協定により、協会員の中から建設(リース)会社を斡旋。
- 大和リース(株)、日成ビルド工業(株)、コマツハウス(株)、郡リース(株)、北都ハウス工業(株)、(株)内藤ハウス
その他
- 下記3団体より構造用合板(コンパネ)が提供され、外部スロープ等の材料として利用。
- 宮城県森林組合連合会、宮城県北部流域森林・林業活性化センター石巻支部、宮城県産スギ合板利用拡大連絡会議
- 能美防災(株)から火災報知器が提供された。