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本研究所では,早期多収や省力・軽労化などを目的として,平成21年度からリンゴの樹体ジョイント栽培の試験を行っています。
品種「ふじ」によるこれまでの試験では,ジョイント樹形の樹高はおおむね3m以下で,慣行の主幹形に比べて80%以下に抑えられています。また,10a当たり換算収量は,主幹形に比べて約1.5倍多くなり,早期多収性が確認されています。さらに,単位収量当たりの管理作業時間は,主幹形に比べて1~2割低減できることが明らかとなっています。
一方で,ジョイント樹形は主幹形に比べて単位面積当たりの樹の植栽本数が2~3倍と多いことから根量が多く,さらに樹体をコンパクトに維持することが影響し,樹勢が強い傾向にあります。
そこで,平成25年度からは側枝上方誘引型樹形で幹部を間伐して樹勢を適正化する方法を検討しています。これまでの試験結果から,幹間伐を行うと側枝から発生する発育枝などの発生数や伸長量が抑制され,短・中果枝数が多くなる傾向にあります。そのため,幹間伐を実施した翌年の10a当たり換算収量は5.5tと,間伐をしない場合に比べて1.9倍,主幹形に比べて2.6倍と,大幅に収量を増加させることが可能となりました。
今後は,主に幹間伐による効果を継続的に確認するとともに,側枝更新の時期や方法などについて検討する計画です。
図1 樹体ジョイント栽培の樹形 (測枝上方誘引型)
図2 樹体ジョイント栽培での幹間伐のイメージ
図3 幹間伐をした樹体ジョイント栽培「ふじ」の収穫期の状況
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