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宮城県内に生息する斑点米カメムシ類の発生動向を解析することを目的に、水田周辺の雑草地や牧草地などの発生源においてすくい取り調査を実施した。その結果、10科24種の斑点米カメムシ類を得たが、主要種は1980年代の調査から変わらず、種構成割合、発生地点率が上位となるアカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ、フタトゲムギカスミカメ、ホソハリカメムシが主要種であると考えられた。特にアカスジカスミカメの種構成割合、発生地点率は共に他のカメムシ種と比較して高い水準にあり、宮城県の最重要種であることを再確認した。発生源の種類および地域別のカメムシ類の種構成割合と発生地点率を比較した結果、アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメは牧草地で発生地点率が高くなり、牧草地が重要な発生源であった。また、県全体でみればアカスジカスミカメの発生が主体であるが、地域によってはフタトゲムギカスミカメとホソハリカメムシの発生地点率の高い地域があり、カメムシ種による地域性の違いも認められた。クモヘリカメムシは丸森町で発生が確認され、県南部の主要種であると考えられた。これらの結果から、アカスジカスミカメによる斑点米被害を低減するためには周辺の発生源管理が重要であると考えられた。また、クモヘリカメムシのように地域によって優占するカメムシについて、今後発生生態の調査や防除技術を開発する必要がある。
水田、斑点米、カメムシ、アカスジカスミカメ
宮城県における斑点米カメムシ類の近年の発生動向(PDF:854KB)
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