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インタビュー09_
三浦隆弘さん

三浦隆弘さん
名取せり農家

No.08の動画No.10の動画

華々しい部分だけでなく、
根っこのような
隠れた魅力と出会い、
味わってください。

せり1

この地域は千年以上前から、「せり」とか「い草」とか「れんこん」とか、
じめじめした(湿地の特性を活かした)田んぼでした。
江戸時代の古文書にも下余田(しもよでん)村の名物は「い草とせり」と記されています。
ここでは「せり」を有機農法で栽培しているのですが、結果、根っこの部分がいちばん美味しくなったんです。
そうした歴史や事実を背景にして、「この街ならではの名物をつくろう」という意図ではじめたのが「せり鍋」。
地元の酔っぱらいの方々が(笑)、「これ美味しいねっ!」って、身銭を切ってはじめたのが「せり鍋」なんです。

「せり鍋」というのはそもそも「せり」自体が美味しくないと成立しない鍋ですので、
ブームをつくって東京に持っていこうという発想ではなく、
やっぱり地元で食べていただくからこそ美味しさが実感できます。
せり農家も、飲食店さんも、食べる方も、みんなが納得して食べていただけたのが
(せり鍋の美味しさが広まることになり)良かったのではと思います。
栽培のこだわりは第一に「ちゃんと美味しくつくる」こと。
ここの田んぼの場合は害虫が発生してもそれを食べてくれる天敵がたくさんいます。
(せりの美味しさを阻害するような)根本原因を解決していくような仕組みができているんですね。

せり鍋以外の「せり」の食べ方ですか?
家では何にでもせりをいれるのですが、
食べやすいものですと「ペペロンチーノ」の中にドサッと入れて、
しんなりしたところでいただくと美味しいですよ。
それと「きくらげ」と「せり」と「ラー油」で、
さっと炒めて、ピリ辛の豆苗炒めのようにして食べるのもおすすめです。
ほとんどが酔っ払いのおつまみみたいなものですが・・・笑
いろんな食べ方を楽しんでいただけます。

皆さんに体験してほしいサプライズなスポットは、やっぱり「せり鍋」発祥のお店でしょうか。
仙台駅前の昔ながらの横丁に「いな穂」さんという小さなお店があります。
小さくて狭いお店なのですが「せり鍋」はそこから始まったんです。
ぜひ、発祥店の雰囲気と一緒に、味わっていただきたいですね。

宮城県を楽しむための心得は、「ひとも野菜も、根っこが大事」。
見えているところ、花が咲いているところだけではなくて、
根っこの部分を味わっていくのが
本当の観光の味わい方になるのではないかと思います。
ぜひ、根っこも味わってみてください♪

PICK UP!
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せり鍋専用銅鍋
「仙臺銅壺せり鍋」

せり2

三浦さんらせり農家など協力のもと、
仙台の銅細工職人が手掛けたせり鍋専用の銅製鍋。
銅製品の製造で400年以上の歴史がある
仙台市の住宅設備業「タゼン」が開発。
熱伝導のよい銅から熱が素早く伝わり、
サッとせりをくぐらせて食べるのに最適だとか。
また銅イオンによって食材のミネラルが維持され甘みが引き立ち、
せりの青さがいっそう映える効果や、殺菌の効果もあるという。
「サブスク型」とも呼べる定額レンタル契約で飲食店などに提供している。
希望があれば一般の方へのレンタルも可能。

「仙臺銅壺せり鍋のウェブサイトはこちら(外部サイトへリンク)

【問い合わせ】
タゼン卸町銅工場[担当:田中(善)・引地]
【住所】
〒984-0015 仙台市若林区卸町三丁目1-19
【電話番号】
022-284-1641(代)、0120-599-261(Freecall)
【E-mail】akagane@tazen.co.jp

PROFILE
名取せり農家
三浦 隆弘さん

環境生態系保全や有機農業、食育NPOなどをテーマに活動するセリ、
ミョウガタケ、エダマメが主力品目の在来野菜農家。
宮城県の名物となった「せり鍋」の仕掛け人でもある。

SURPRISE SPOT
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いな穂

【住所】宮城県仙台市青葉区中央1-8-32 名掛丁センター街
【営業時間】15時00分-23時00分(LO 22時30分)
【定休日】日曜日
【電話】022-266-5123