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私立高等学校等(高等学校、中等教育学校、中学校、小学校及び幼稚園)は、建学の精神に立脚し、新しい時代に対応した特色ある教育を展開し、公教育の発展に大きな役割を果たしている。
しかしながら、私立高等学校等の経営は、従来に例を見ない厳しい状況に直面しており、少子化による生徒等数の大幅な減少等は、私立高等学校等の存続をも大きく揺るがしている。
公教育の将来を考えるとき、公私相まっての教育体制が維持されてこそ、健全な発展が可能となり、個性化、多様化という時代の要請にもこたえ得るものである。
そのためには、私立学校振興助成法第一条に規定するとおり、教育条件の維持向上と保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、私立高等学校等の経営の健全性を高めていくことが強く求められている。
よって、国においては、私立高等学校等教育の重要性を認識され、教育基本法第8条及び教育振興基本計画の趣旨にのっとり、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持され一層の充実を図られるよう強く要望する。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年10月19日
宮城県議会議長 畠山 和純
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣 あて
平成21年産米は、国の需要見通しを上回る米消費の減少や平成20年産米の大量持ち越しに伴う契約・販売進度の大幅な遅れなどから、価格は昨年秋から60キログラム当たり千円近く下落した上、30万トン以上が古米として持ち越される見通しとなっており、収穫期を迎えている平成22年産米の需給と価格への影響が懸念される。
さらに、平成22年産米は、過剰作付が見通されることや、豊作基調で推移していることなどから、20万トンから40万トン程度の過剰米の発生が懸念されており、米の消費減や平成21年産米の持ち越し在庫などと合わせ、60万トンから80万トンもの需給ギャップが生じかねない状況にある。
こうした状況を放置すれば、平成22年産米の全国的な価格下落と数年にわたり低米価が固定化することへの危惧、在庫を抱える産地・生産者の所得減少、国の財政負担増、全国的な生産数量目標の削減などにより、国の需給調整と米戸別所得補償制度に参加した農家ほど営農の不安や制度への不信を抱きかねない。
よって、国においては、かかる危機的な状況を改善し、稲作生産者が安心して経営を展望できるよう、緊急的な需給調整対策として、次の事項を早急に実施するよう強く要望する。
1 戸別所得補償制度の本格実施に当たっては、平成22年産米の適正な需給・価格環境を整備し、米価が大幅に下落する事態を招かないようにすること。
2 需給状況を改善するため、現下の過剰米を主食用市場から隔離することを柱とする国による緊急的な需給調整対策を早期に決定し、市場へ周知すること。
3 政府棚上げ備蓄(主食用米の買い入れ及び非主食用処理)は、現下の需給ギャップ数量を踏まえ、平成22年産米から前倒しし、早期に実施すること。
4 我が国の主食である米の安定供給を図るためには、需要に即した計画生産が必要であり、国が定める生産数量目標を適切に管理するための出口対策を含め、整合性のとれた政策体系を確立すること。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年10月19日
宮城県議会議長 畠山 和純
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣 あて
特定重要港湾「仙台塩釜港」と重要港湾「石巻港」は、昭和39年に新産業都市として「仙台湾地区」が指定されたことを契機に港湾の整備が進められ、東北地方の経済活動を支える産業基盤として、それぞれがその役割を果たしてきた。
近年、東北地方においては複数の県にまたがって自動車関連産業や高度電子機械産業等の集積が進んでおり、特に仙台塩釜港では、宮城県黒川郡大衡村に新たに誘致されたセントラル自動車株式会社が平成23年1月には本格稼働し、年間約10万台以上の完成自動車の生産開始が予定されるなど、自動車関連産業においては、これまでにない裾野の広い活発な物流活動が展開されることになる。
また、仙台塩釜港は、仙台港区と塩釜港区における相互補完機能の拡充によるさらなる発展が期待されており、東北唯一の特定重要港湾としての機能はもとより、東北地方の経済を牽引する仙台塩釜港の役割はますます高まっている。
一方、石巻港は、紙パルプ関連、食品飼肥料関連、木材合板関連、鉄鋼造船関連企業等、本県産業を支える多数の企業が立地し、加工原材料の輸入拠点・生産基地として産業活動を支える典型的な工業港として機能してきたが、雲雀野地区は臨海型製造業の企業が立地できる空間を持つ県内唯一の港湾であるとともに、新たな港湾開発需要の受け入れ港として潜在的な発展の可能性を大いに有している物流港湾であり、産業活動を支え、地域経済や市民生活の安定・向上に貢献する港湾を目指し、施設の整備拡充を進めている。
こうした仙台塩釜港と石巻港が持つ発展の可能性を踏まえ、港湾機能をより一層充実強化し、東北地方全体の企業の産業競争力と経済活動を力強く支えていくためには、三陸自動車道で約30分で結ばれ、港湾区域が約10キロメートルと近接している東北で唯一の特定重要港湾である仙台塩釜港と重要港湾である石巻港が持つ港湾機能を分担・統合し、一体化した運営を図るとともに、積極的な港湾施設の機能整備・拡充が必要である。
よって、国においては、特定重要港湾「仙台塩釜港」と重要港湾「石巻港」の一体的な運営・管理が可能となるよう早期の機能分担・統合の実現と、港湾施設の着実な整備の促進を強く要望する。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年10月19日
宮城県議会議長 畠山 和純
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
国家戦略担当大臣 あて
道路は、県民の安全・安心な生活の確保や活力ある地域経済の形成を図る基幹的インフラである。中でも、直轄国道は、高速自動車国道とともに幹線道路として重要都市間及び都市と空港・港湾を結ぶことにより、物流の活発化や観光交流の促進を通じ、より一層活力ある地域づくりを進めていく上で重要な路線である。また、救急医療や災害時の救援物資の輸送においても利用され、県民生活にとって必要不可欠なものである。
しかしながら、国の本年度予算においては、直轄国道の維持管理のための予算が削減され、道路の通行に大きな影響を与える橋梁補修事業や耐震補強事業を優先的に実施すると舗装補修事業等に予算を配分できないという深刻な状況になっており、県民の安全・安心を確保する上で支障を来している。
また、国の道路事業のうち交通安全事業についても、全国的に新規事業が凍結されており、県内の直轄国道に係る経費についても削減されている。
現在、宮城県においては、「富県宮城の推進」によって数多くの企業が県内に進出し、それに伴う物流関連の交通の増加や政令指定都市である仙台市を中心とする仙台都市圏における慢性的な交通混雑や渋滞等への適切な対応が喫緊の課題となっており、道路補修を初めとするきめ細やかな道路の維持管理が強く求められている。
さらに、直轄国道の維持管理に係る大幅な経費削減は、既存の道路施設の計画的な修繕、積雪地帯の冬期間の通行確保や歩道整備を初めとして、県民の安全・安心を確保する上で重大な支障を来すばかりでなく、道路の走行性低下や騒音などによる沿線環境への障害により、物流や観光などの地域の経済活動に対する影響も危惧される。
よって、国においては、地域の実情を十分に踏まえ、直轄国道の維持管理等が国の責任において適切に実施されるべく、次の事項について十分配慮するよう強く要望する。
1 直轄国道の維持管理に関し、安全・安心な県民生活を確保することを最優先とし、維持管理の充実及び機能強化のため、十分な事業費の確保を図ること。
2 地域の意見を十分に踏まえ、安全・安心な県民生活の一層の充実を図るため、生活に密着した歩道整備等の交通安全関係の事業について、確実に実施すること。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年10月19日
宮城県議会議長 畠山 和純
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
国土交通大臣 あて
アナログテレビ放送は平成23年7月24日をもって終了し、地上デジタルテレビ放送に完全移行するまで1年を切ったところである。総務省の調査では、平成22年3月時点で、全国における地上デジタルテレビ放送対応受信機の世帯普及率は83.8%と発表されている。
しかしながら、離島を抱える沖縄県や、山間部の多い岩手県では普及率が70%未満にとどまるほか、宮城県における普及率も76.6%にとどまっており、全国の普及率を下回る状況である。
また、共同受信施設の改修が必要なマンションなど約213万施設における対応は、平成22年6月現在で達成率が約83%に到達したものの、ビルの陰などで電波が届きにくい施設における対策は、達成率が約55%にとどまっている。
一方で、現在アナログテレビは平成23年7月の地上デジタルテレビ放送への完全移行で大量の廃棄物となるおそれがあり、廃棄物の不法投棄を誘発するとの懸念も指摘されていることから、不要テレビの処分に関する対応も検討する必要がある。
地上デジタルテレビ放送への移行は国民の生活に直接影響を与える問題であり、また、地上デジタルテレビ放送への移行や廃棄物の処分に関しては、いずれも地方自治体における取り組みも必要不可欠であり、政府は全力を挙げてこれらの取り組みを十分に支援する必要がある。
よって、国においては、地上デジタルテレビ放送への完全移行が円滑に進むよう、次の事項を実現するよう強く要望する。
1 離島、山間地域のほか、普及率が低い地域に対して、地上デジタルテレビ放送移行の啓発活動を重点的に推進し、デジサポ(総務省テレビ受信者支援センター、現在全国52カ所)の相談窓口をさらにふやすこと。
2 地上デジタルテレビ放送に関する個別相談会を自治体でもきめ細かく実施できるよう、予算措置などの支援策を十分に講じること。
3 ビル陰世帯や難視聴地域解消のための中継施設の設置等の対策を図ること。
4 地上デジタルテレビ放送に対応していない集合住宅に対するアンテナ設置や施設内配線の支援策を講ずること。
5 大量のアナログテレビが一斉に廃品になるため、懸念されている不法投棄の防止策及び不要テレビの円滑なリサイクル回収を着実に推進すること。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年10月19日
宮城県議会議長 畠山 和純
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
環境大臣 あて
野生鳥獣による農作物への被害は、鳥獣の生息地域の拡大に伴い本県内でも広域化しつつあり、経済的な損失にとどまらず、農家の生産意欲を著しく減退させることから、中山間地域等における集落の維持にも大きな影響を及ぼす深刻な事態となっている。
このような事態を受けて、平成20年2月に「鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律」が施行され、国が市町村の被害防止の取り組みを直接採択して交付する「鳥獣被害防止総合対策交付金」が3カ年の特例措置として創設されたところである。
しかしながら、平成22年度の同交付金の予算額が前年度以下に抑制された結果、多くの道府県において交付額と要望額に大きな隔たりが生じ、本県においてもソフト事業に係る交付額が要望額の半分以下にとどまったことから、地域で必要な被害防止対策を講ずるのに支障を来している。
中山間地域は、食料や木材の供給に加え、水源の涵養や環境保全等の多様な公益的機能を有しており、その維持・振興を図り、安心して農林業等を継続できる環境を整備することは極めて重要なことから、今後も引き続き、国・都道府県・市町村が一丸となって実効性のある野生鳥獣対策を継続的に講ずる必要がある。
よって、国においては、次の事項を速やかに実施するよう強く要望する。
1 鳥獣被害防止総合対策交付金については、地域における被害実態に応じた対策を的確に行うことができるよう、必要な予算措置を講ずること。
2 来年度の事業として予定している「鳥獣被害緊急対策事業」を単年度で終わらせることなく、継続事業とすることで、地域における野生鳥獣対策を継続的に充実・強化できるよう施策の展開を図ること。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年9月19日
宮城県議会議長 畠山 和純
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣 あて
「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」は、原子力による発電が我が国の電力安定供給に不可欠であることにかんがみ、原子力発電施設等の周辺の地域について、防災面に配慮しつつ生活環境や産業基盤等の総合的かつ広域的な整備に必要な特別措置を講ずること等により、これらの地域の振興を図り、もって国民経済の健全な発展と国民生活の安定に寄与することを目的に制定され、これまで原子力発電施設等の周辺地域の振興に大きく寄与してきたところである。
平成13年4月に施行されたこの法律は、10年間の時限立法であり、平成23年3月末をもって失効することとなっているが、この法律に基づき国において決定された振興計画の事業の多くがいまだ達成されていない状況にあり、今後も引き続き事業の進捗を図る必要がある。
もとより、原子力政策は、国策として国の責任のもと進められるべきものである。原子力による電気の安定供給が国民経済の発展や国民生活の安定に不可欠である現状を考えると、原子力政策を円滑に進めるためには、その「安全安心」とともに原子力発電施設等立地地域の持続的な発展が必要不可欠であり、国による地域事情を踏まえた積極的かつ継続的な責任ある立地地域振興の取り組みが求められる。
よって、国においては、法律の期限延長について措置するとともに、原子力発電施設等立地地域の指定に当たっては、地域の実情に応じ弾力的な運用を図るとともに、補助率のかさ上げ率の引き上げや特例措置の適用対象事業の拡大など、地域の特色に合った地域振興が図られるよう必要な措置を講ずることを強く要望する。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年10月19日
宮城県議会議長 畠山 和純
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
経済産業大臣 あて
平成22年9月8日、沖縄県・尖閣諸島周辺の日本の領海内で、海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突する事件が発生し、9月24日、那覇地方検察庁は、公務執行妨害の容疑で逮捕・勾留されていた中国漁船の船長を処分保留のまま釈放するという、我が国にとっては外交的敗北ともとれる事態が発生した。
そもそも尖閣諸島は、日本政府がその領有状況を調査し、いずれの国にも属していないことを確認した上で、明治28年1月14日の閣議決定により沖縄県に編入されたものであり、国際的にも日本の領土として認知されている。尖閣諸島を領有した我が国に対し、中国政府はもとより諸外国からも公式な異議申し立ては一度もなく、昭和35年に中国政府が発行した「外国地名手冊」には、「日本領」と明記されていることから、尖閣諸島が歴史的にも、国際法上も我が国固有の領土であることに疑問の余地はない。しかし、昭和44年に国連アジア極東経済委員会の調査によって、尖閣諸島周辺海域において海洋資源の存在が明らかになって以来、台湾が昭和46年6月11日に、中国政府が同年12月30日に、突如として尖閣諸島の領有権を主張し始めている。
こと領土問題と国家主権に関わる事態に対しては、明確な意思表示をするのが国際社会の常識であり、「東シナ海に領有権問題は存在しない。」という我が国の立場を一貫して堅持しなければならない。
今回の中国漁船と巡視船の衝突事件発生から漁船船長の釈放までの我が国政府の一連の対応は、中国政府の圧力に屈した結果と断ぜざるを得ず、結果として日本は圧力さえ加えれば最後には譲歩する国であるとのイメージを中国政府や国際社会に与え、国益を大きく損なう最悪の事態を招くに至った。
中国漁船船長の釈放は、中国側からすれば日本側に過失、非があったことを認めた結果として都合よく解釈されるおそれがあり、尖閣諸島は中国の領土であるとする主張に新たな根拠を与えかねない重大な事態を招いた政府の責任は看過することができない。もし那覇地方検察庁が独自の判断で処置したとするならば、政府は肝心なときに政治主導の姿勢を放棄したと言わざるを得ない。
本来、国家を主導する政府は、領土、領海内で生起した事態に対しては国民の生命財産を守り抜くために先頭に立って職務遂行に当たるのが大前提である。今回の衝突事件をめぐっては、時間の推移とともに事態の鎮静化と受けとめる楽観的観測も流れているが、海洋権益の拡大を狙う中国政府の戦略に変化はなく、今後も領海侵犯等の問題が再発する可能性は否定できず、全く予断を許さない。
よって、国においては、尖閣諸島が我が国固有の領土であり、「東シナ海に領有権問題は存在しない。」という我が国の基本原則を毅然たる態度で中国政府を初め諸外国に示すとともに、海上保安庁が撮影した中国漁船の衝突に至るまでの映像の公開、漁船船長釈放の判断をめぐる経過の説明、漁船衝突により被った損害の請求、海上保安本部の監視・警備体制の強化、中国政府に対する厳重抗議と再発防止策の申し入れを行うなど、我が国の国益を踏まえた断固たる処置を講ずるよう強く要請する。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成22年10月19日
宮城県議会議長 畠山 和純
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
国土交通大臣
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) あて
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