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ダイズでは、強風や降雨によって倒伏が発生し、収量や品質が低下することがある。倒伏に対する技術的対策としては、過剰な生育が予想されるときに主茎を剪定する「摘芯」がある。しかし、倒伏リスクが低いときに摘芯を行うと、減収する危険性がある。従って、摘芯は将来の倒伏リスクを判断した上で行うことが重要である。成熟期(R8)における倒伏角度は、第6葉期(V6)から開花期(R1)までの主茎伸長量と子実肥大期(R6)の主茎長を説明変数とする重回帰モデルで説明することができる。本研究ではUAVリモートセンシングを用いた主茎長推定と主茎伸長モデルを組み合わせることにより、面的な倒伏予測法を開発することを目的とした。出芽からR1までの主茎伸長モデルは、気温・日照時間関数f(Ti,Di)の積算値を説明変数とするロジスティック回帰式とした。R1から主茎長のピークまでの主茎伸長モデルは、R1の主茎長を説明変数とする線形回帰式とした。これら2つの回帰式を合成したモデルを出芽からR8までの主茎伸長モデルとした。主茎伸長モデルの予測精度を検証用データで検証したところ、平均のRMSEは5.3であった。UAVリモートセンシングによる面的な主茎長推定については、植被率を考慮した土壌調整植生指数(SAVIvc)を提案した。SAVIvcはこれまでに報告されている植生指数よりも主茎長の推定精度が高かった(R2=0.78、p<0.001)。主茎伸長モデルとSAVIvcを組み合わせて推定した主茎長を倒伏角度の重回帰モデルに代入し、面的な倒伏予測法の予測精度を検証した。その結果、RMSE=8.8の精度で倒伏角度を予測することができた。これらの結果は、倒伏発生は風の影響を受ける可能性が高いものの摘芯前に倒伏リスクを面的に予測できることを示唆している。
倒伏、主茎伸長モデル、植被率、土壌調整植生指数、ダイズ
主茎伸長モデルと植被率を考慮した土壌調整植生指数を活用した面的なダイズ倒伏予測(PDF:1,998KB)
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