掲載日:2023年7月3日

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指定文化財〈重要文化財〉多賀城跡出土木簡

多賀城跡出土木簡

重要文化財(古文書)|多賀城市|宮城県多賀城跡調査研究所・東北歴史博物館蔵

多賀城跡で出土した木簡450点。

本資料は、多賀城市にある特別史跡多賀城跡附寺跡と城外の山王・市川橋遺跡から出土した、奈良時代から平安時代(8世紀~10世紀)にかけての木簡である。昭和45年以降、これまで多くの木簡が発見されており、地方でこれほどの数が発見されている例はほとんどない。

内容的には荷札、進上文、帳簿、習書、呪符、など多様なものがあり、坂東諸国からの米の支援に付けられた荷札、白河軍団から弓の射手を多賀城に派遣したことを示すもの、戸籍や兵士に関係する帳簿に関するもの、役人たちが文字の手習いに使用したものなど、陸奥国府としての多賀城における政治・軍事活動の一端を示すものである。

形態的には、長方形をした薄い木片が木簡の基本的な形であるが、側面に貫通した穴があり、そこに紐を通して束ねて使用したものや、間違った文字を書きなおすために文字を削り取った削屑、壊れて廃棄された高杯に文字を練習したもの等もあり、多賀城では多様な木簡が使用されていたことがわかる。

木簡は多賀城創建期を解明する資料となるものや、「天平神護」「大同四年」の年紀のあるものもある。多賀城を中心とした律令国家の東北経営の実態を知ることができ、文献史料の少ない東北古代史研究の進展に寄与するものとして、大変貴重である。

指定年月日:令和5年6月27日

多賀城跡出土木簡(画像提供:宮城県多賀城跡調査研究所)

お問い合わせ先

文化財課保存活用班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-3683

ファックス番号:022-211-3693

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