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昭和45年(1970),多賀城跡において日本で初めて大量の漆紙文書が発掘された。漆紙文書は,漆容器の蓋として再利用された古文書に漆が染みこみ,地中で腐らずに残ったものである。赤外線撮影等による詳細な調査の結果,古文書であることが判明し,この発見以後,全国各地で漆紙文書の発見が相次いでいる。これらは,木簡(もっかん)と並んで古代の文書がそのままの形で遺る稀有な資料である。
多賀城は古代陸奥国国府(むつのくにこくふ)・鎮守府(ちんじゅふ)であることから,これらの漆紙文書は物品の貢進や請求に関わる文書・田籍(でんせき)文書・計帳(けいちょう)など公文書の多い点が特色である。さらに暦や典籍を書き写したものなど多様な内容である。日本史研究に漆紙文書という新たな史料を提供した点において,またこれにより東北古代史研究を格段に進めた点で,たいへん貴重である(奈良~平安時代)。
指定点数:151点
指定年月日:令和4年3月22日
計帳歴名(けいちょうれきみょう)(9世紀後半),土器に貼り付いた漆紙文書(右は赤外線写真)
【画像提供:東北歴史博物館】
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