トップページ > 健康・福祉 > 障がい者福祉 > 障害福祉サービス > 障害福祉関連情報 > 施策全般 > 計画 > みやぎ障害者プラン(令和6年度から11年度まで)テキスト版

掲載日:2024年5月23日

ここから本文です。

みやぎ障害者プラン(令和6年度から11年度まで)テキスト版

本ページの構成は次に記載のとおりです(項目をクリックすると該当箇所まで移動します)。

はじめに

目次

総論

障害のある人の現状等

重点施策1「障害を理由とする差別の解消」

重点施策2「雇用・就労等の促進による経済的自立」

重点施策3「自らが望む地域・場所で暮らせるための環境整備・人材育成」

各論第1章「共に生活するために」

各論第2章「いきいきと生活するために」

各論第3章「安心して生活するために」

プランの推進と進行管理

用語解説

はじめに

令和6年3月
宮城県

はじめに

県では、平成30年3月に県の障害者計画である「みやぎ障害者プラン」を策定し、プランの基本理念である「だれもが生きがいを実感しながら共に充実した生活を送ることができる地域社会づくり」を目指し、関連施策の推進に努めてまいりました。
この間、国において、障害のある人に必要な障害福祉サービスの提供等を定めた「障害者総合支援法」や障害者基本法の基本原則を具体化した「障害者差別解消法」の改正等が行われたほか、視覚障害者等における読書環境整備の推進を定めた「読書バリアフリー法」、医療的ケア児とその家族支援を定めた「医療的ケア児支援法」及び障害者による情報の取得利用・意思疎通に関する施策の推進を定めた「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」等が制定・施行されるなど、障害者を取り巻く環境は大きく変化いたしました。また、県においても、「障害者差別解消法」の改正を踏まえ、「障害を理由とする差別を解消し障害のある人もない人も共生する社会づくり条例」及び「手話言語条例」を制定・施行し、障害者差別解消に向けた取り組みの充実を図ってまいりました。
県では、こうした状況を踏まえ、このたび、令和6年度から11年度までの6年間を計画期間とする「みやぎ障害者プラン」を新たに策定いたしました。
新プランでは、これまでの基本理念を踏襲しつつ、県内の障害のある方々へのアンケート調査の結果等を踏まえ、地域で充実した生活を送るために重要な「障害を理由とする差別の解消」、「雇用・就労等の促進による経済的自立」、「自らが望む地域・場所で暮らせるための環境整備・人材育成」の3つを重点施策に掲げるとともに、基本理念に基づく3分野(「共に生活するために」、「いきいきと生活するために」、「安心して生活するために」)ごとの課題と、その解決に向けた施策の方向について取りまとめております。
今後は、この新プランに基づき、市町村や関係団体等と連携しながら、障害福祉施策の一層の推進に努めてまいりますので、皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後に、プランの策定に当たり、多大なる御指導と御協力を賜りました関係者の皆様方に対しまして心よりお礼申し上げます。

令和6年3月

宮城県知事
村井嘉浩

(ここまで)

ページの先頭に戻る

目次

目次
総論

総論1
計画策定の趣旨・背景
2ページ

総論2
基本的な考え方
3ページ

総論3
計画期間
3ページ

総論4
対象とする障害のある人の範囲
3ページ

総論5
持続可能な開発目標(SDGs)との関係
4ページ

総論6
計画の全体構成
5ページ

障害のある人の現状等

障害のある人の現状等1
障害者手帳所持者数の推移
10ページ

障害のある人の現状等2
障害福祉サービス費等の推移
15ページ

障害のある人の現状等3
障害福祉サービス事業所等数の推移
17ページ

障害のある人の現状等4
令和4年度「宮城県障害者施策推進基礎調査」結果の概要
21ページ

重点施策

重点施策1
障害を理由とする差別の解消
24ページ

重点施策2
雇用・就労等の促進による経済的自立
28ページ

重点施策3
自らが望む地域・場所で暮らせるための環境整備・人材育成
35ページ

各論

各論第1章
共に生活するために
各論第1章第1節
「心のバリアフリー」の推進
42ページ
各論第1章第2節
「情報のバリアフリー」の推進
46ページ
各論第1章第3節
誰もが住みやすいまちづくりの推進
48ページ

各論第2章
いきいきと生活するために
各論第2章第1節
活動・活躍の機会創出と参加促進
50ページ
各論第2章第2節
多様なニーズに対応したきめ細かな教育の充実
53ページ
各論第2章第3節
雇用・就労の促進
56ページ

各論第3章
安心して生活するために
各論第3章第1節
相談支援体制の拡充
60ページ
各論第3章第2節
生活安定のための支援
63ページ
各論第3章第3節
在宅・施設サービス等の充実と提供体制の整備
64ページ
各論第3章第4節
保健・医療・福祉等の連携促進
68ページ
各論第3章第5節
防犯・防災対策の充実
74ページ

プランの推進と進行管理
79ページ

用語の解説
85ページ

(ここまで)

ページの先頭に戻る

総論

(1ページから8ページまで)

総論

総論1
計画策定の趣旨・背景

「みやぎ障害者プラン」は、障害者基本法第11条第2項の規定に基づく県における障害者のための施策に関する基本的な計画であるとともに、県政運営の基本的な指針である「新・宮城の将来ビジョン」に掲げられた政策の方向性等を実現するための個別計画として位置づけられており、「宮城県地域医療計画」や「みやぎ高齢者元気プラン」等の各種計画と連携を図りながら、県の障害福祉施策の基本方向を明らかにしたものです。
県では、平成30年3月改定の前プラン(計画期間:平成30年度から令和5年度まで)に基づき、だれもが生きがいを実感しながら、共に充実した生活を安心して送ることができる地域社会を目指して、様々な障害福祉施策を推進してきました。また、令和3年3月には、「障害を理由とする差別を解消し障害のある人もない人も共生する社会づくり条例」及び「手話言語条例」を制定し、共生社会の実現に向けた施策として、県民の障害等に関する理解を深めるための啓発や知識の普及、障害のある人と障害のない人の交流による相互理解の推進等に取り組んできました。
この間、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)の一部を改正する法律」、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」及び「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)」等が施行されるなど、障害者を取り巻く環境は大きく変化しました。
さらに、令和3年6月に公布された、事業者に対し合理的配慮の提供を義務付ける「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)の一部を改正する法律」の施行日が令和6年4月1日と定められるなど、今後も、障害者を取り巻く環境は大きく変化していくものと考えられます。
また、我が国は、平成26年1月に「障害者権利条約」を批准しましたが、令和4年8月に、「障害者権利条約」の実施状況について、国連障害者権利委員会との初めての建設的対話が開かれ、同年9月に、国連障害者権利委員会から総括所見が出されました。その内容は、インクルーシブ教育を受ける権利の認識、障害者の脱施設化及び自立生活支援、精神障害者の非自発的入院及び隔離・拘束に関わる法制度の見直し、意思決定を代行する制度から支援を受けて意思決定をする仕組みへの転換等多岐にわたる事項に関し、見解及び勧告が示されました。
なお、国では、令和4年度に、令和5年度から令和9年度までを計画期間とする、障害のある人のための施策に関する基本的な計画である「第5次障害者基本計画」を定め、障害のある人の社会への参加・参画のための施策に取り組んでいます。
以上のような障害福祉をめぐる様々な環境の変化に適切に対応しつつ、本県の障害福祉施策を総合的に推進するため、現在の「みやぎ障害者プラン」の見直しを行い、新しい計画を策定するものです。

総論2
基本的な考え方

基本理念
「だれもが生きがいを実感しながら、共に充実した生活を安心して送ることができる地域社会づくり」

人は皆、自分の役割や生きがいを実感したいという願いを持っています。障害のある人もない人も自分の役割や生きがいを実感しながら、社会の一員として共に充実した生活を安心して送ることができるような地域社会づくりを進めます。

1.
「共に生活するために」
障害のある人もない人も社会の構成員の一人として尊重され、地域で共に支え合い生活できる社会を目指します。
2.
「いきいきと生活するために」
障害のある人でも自らの個性や能力を生かしながら、自分らしく生きがいを持って生活できる社会を目指します。
3.
「安心して生活するために」
必要な時に適切な支援やサービスが利用できる環境づくりを進め、自らが暮らしたいと望む地域において、安心して生活できる社会を目指します。

総論3
計画期間

この計画の計画期間は、国の「第5次障害者基本計画」や障害者総合支援法の規定に基づき県が策定する「宮城県障害福祉計画」における計画期間等を考慮し、令和6年度から令和11年度までの6年間とします。
なお、計画期間内であっても、障害のある方々を取り巻く社会情勢等の変化に的確に対応するため、必要に応じて、計画期間の途中でも適宜見直しを行っていくこととします。

総論4
対象とする障害のある人の範囲

この計画は、障害者基本法に基づき、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)及びその他の心身の障害のある人(難病患者等を含む。)であって、障害及び社会的障壁により、継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある人を対象とします。

総論5
持続可能な開発目標(SDGs)との関係

平成27年に国際連合で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」は、令和12年を目標年にし、「誰一人として取り残さない」を理念に、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向け、17のゴールと169のターゲットから構成される世界共通の目標です。
持続可能性の追求は、人口減少や地域産業・社会の衰退といった県の諸課題を解決する上で重要な要素であることから、新・宮城の将来ビジョンでは、SDGsの特徴である「普遍性」、「包摂性」、「参画型」、「統合性」、「透明性」や17のゴール、169のターゲットの内容を理念や施策に反映することとしています。
みやぎ障害者プランにおいても、「誰一人として取り残さない」の理念を踏まえ、関係機関とも連携し、持続可能な地域共生社会の実現を目指していきます。

6
計画の全体構成

本計画の全体構成は、障害のある人の現状等に基づき、計画期間中(令和6年度から令和11年度)において、特に重点的に取り組む課題等を「重点施策」として記載するとともに、基本理念に基づく3分野(「共に生活するために」、「いきいきと生活するために」、「安心して生活するために」)ごとに、現状と課題を整理した上で、今後の取組の方向性等を記載する「各論」で構成しています。

重点施策

重点施策1
障害を理由とする差別の解消
(1)行政機関等における配慮
(2)普及啓発・広報活動の推進
(3)相談体制の整備
(4)関係機関と連携した差別解消の取組

重点施策2
雇用・就労等の促進による経済的自立
(1)安定した雇用の確保
(2)就労支援施設等の経営力向上等を通じた工賃向上
(3)職業訓練・職業能力の開発
(4)多様な就業機会の創出
(5)行政機関等からの受注促進

重点施策3
自らが望む地域・場所で暮らせるための環境整備・人材育成
(1)介護人材の確保・育成
(2)住まい・支援拠点の整備等
(3)サービスの質の確保・向上等

各論

各論第1章
共に生活するために

各論第1章第1節
「心のバリアフリー」の推進
1
差別解消・虐待防止・権利擁護の推進
2
福祉教育・地域交流の促進
3
ボランティア活動の振興
4
行政サービス等の配慮

各論第1章第2節
「情報のバリアフリー」の推進
1
コミュニケーション支援
2
障害の特性等に配慮したアクセシビリティの向上

各論第1章第3節
誰もが住みやすいまちづくりの推進
1
誰もが住みやすいまちづくりの総合的推進
2
公益的施設等の整備
3
公共交通機関等の整備
4
道路交通環境の整備
5
移動手段の確保

各論第2章
いきいきと生活するために

各論第2章第1節
活動・活躍の機会創出と参加促進
1日中活動の場・学習機会等の充実
2スポーツ・レクリエーション・文化芸術活動の振興

各論第2章第2節
多様なニーズに対応したきめ細かな教育の充実
1
切れ目のない支援体制の充実
2
多様な教育的ニーズに応じた学びの場の実現
3
共生社会の実現を目指した理解の促進

各論第2章第3節
雇用・就労の促進
1
啓発活動の推進
2
障害者雇用率の向上(雇用・一般就労及び就労定着に向けた支援)
3
福祉的就労の促進と工賃向上に向けた支援

各論第3章
安心して生活するために

各論第3章第1節
相談支援体制の拡充
1
相談支援の充実強化
2
利用者本位のサービスの提供
3
地域支援体制の整備

各論第3章第2節
生活安定のための支援
1
年金、手当等の充実
2
経済的負担の軽減
3
生活福祉資金の貸付
4
公費負担医療制度の充実

各論第3章第3節
在宅・施設サービス等の充実と提供体制の整備
1
在宅サービス等の提供体制整備
2
地域における生活の場の確保
3
各種生活訓練等の充実
4
福祉用具の普及促進等
5
施設入所支援の充実
6
介護人材の育成・確保とサービスの質の向上

各論第3章第4節
保健・医療・福祉等の連携促進
1
保健・医療・福祉等の連携促進
2
救急医療体制の充実強化
3
精神疾患対策の充実
4
発達障害に対する支援
5
高次脳機能障害に対する支援
6
医療的ケア支援体制の整備
7
重症心身障害児者に対する支援
8
聴覚障害児等の療育支援体制の整備

各論第3章第5節
防犯・防災対策の充実
1
防犯対策の充実
2
防災対策の充実

(ここまで)

ページの先頭に戻る

障害のある人の現状等

(9ページから22ページまで)

障害のある人の現状等

1
障害者手帳所持者数の推移

令和4年度末(令和5年3月末)時点における本県の身体障害者手帳、療育手帳及び精神障害者保健福祉手帳を持っている人の総数は、県人口の約5.5%に当たる122,594人となっており、平成29年度末(平成30年3月)と比較すると4,690人増加しています。

【図1】
障害者手帳所持者数の推移
(平成29年度から令和4年度まで)

身体障害者手帳
平成29年度
81355人
平成30年度
81091人
令和元年度
80946人
令和2年度
79584人
令和3年度
78479人
令和4年度
77530人

療育手帳
平成29年度
19855人
平成30年度
20544人
令和元年度
21132人
令和2年度
21740人
令和3年度
22342人
令和4年度
22735人

精神障害者保健福祉手帳
平成29年度
16694人
平成30年度
17251人
令和元年度
18559人
令和2年度
19550人
令和3年度
20654人
令和4年度
22329人

合計
平成29年度
117904人
平成30年度
118886人
令和元年度
120637人
令和2年度
120874人
令和3年度
121475人
令和4年度
122594人

(1)
身体障害者手帳

令和4年度末時点で、身体障害者手帳の交付を受けている人は、77,530人となっており、平成26年度をピークに平成27年度以降は減少していますが、平成29年度末と比較すると3,825人の減少となっています。

障害種別ごとにみると、肢体不自由が最も多く、37,661人と全体の48.6%を占めており、内部障害の28,081人(36.2%)、聴覚・平衡機能障害の5,938人(7.7%)、視覚障害の4,897人(6.3%)、音声・言語機能の953人(1.2%)と続きます。

【図2】
身体障害者手帳所持者の障害種別内訳
(平成29年度と令和4年度の比較)

視覚障害
平成29年度
5122人
令和4年度
4897人

聴覚・平衡機能
平成29年度
6209人
令和4年度
5938人

音声・言語機能
平成29年度
1059人
令和4年度
953人

肢体不自由
平成29年度
41985人
令和4年度
37661人

内部障害
平成29年度
26980人
令和4年度
28081人

合計
平成29年度
81355人
令和4年度
77530人


また、障害の程度を等級別にみると、最も重い1級が25,047人(32.3%)、2級が11,137人(14.4%)で、両者で全体の約半数を占めています。

【図3】
身体障害者手帳所持者の障害等級別内訳
(平成29年度と令和4年度の比較)

1級
平成29年度
26468人
令和4年度
25047人

2級
平成29年度
12323人
令和4年度
11137人

3級
平成29年度
13275人
令和4年度
12103人

4級
平成29年度
18179人
令和4年度
18349人

5級
平成29年度
6503人
令和4年度
6506人

6級
平成29年度
4607人
令和4年度
4388人

合計
平成29年度
81355人
令和4年度
77530人

(2)
療育手帳

令和4年度末時点で療育手帳の交付を受けている人の総数は22,735人で、平成29年度末と比較すると2,880人の増加となっています。
障害程度の内訳をみると、療育手帳A(重度)の総数が8,086人(35.6%)、B(中軽度)の総数が14,649人(64.4%)となっています。

【図4】
療育手帳所持者の障害等級別内訳
(平成29年度と令和4年度の比較)

A(18歳未満)
平成29年
1300人
令和4年度
1375人

A(18歳以上)
平成29年
6391人
令和4年度
6711人

B(18歳未満)
平成29年
3682人
令和4年度
4191人

B(18歳以上)
平成29年
8482人
令和4年度
10458人

合計
平成29年
19855人
令和4年度
22735人

(3)
精神障害者保健福祉手帳

令和4年度末時点で、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人の総数は、22,329人で、平成29年度末に比べて5,635人の増加となっています。

障害の程度を等級別にみると、2級が13,525人(60.5%)、3級が6,022人(27.0%)、1級が2,782人(12.5%)となっています。

令和4年度宮城県精神科入院医療機関状況調査(宮城県精神保健推進室)によると、精神科病院の入院患者の在院期間は1年未満が38.0%、1年~10年未満が46.8%、10年以上が15.2%となっています。年齢構成をみると年齢が上がるほど割合が大きくなり、特に70歳以上の高齢者が過半数を占めています。入院患者を疾患別でみると、統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害が45.7%と半数近くを占め、続いて症状性を含む器質性精神障害(36.0%)、気分障害(9.7%)の順となっています。また、自立支援医療(精神医療)受給者の疾患別構成をみると、気分障害が33.5%を占め、続いて統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害(28.9%)、てんかん(11.6%)の順となっています。

【図5】
精神障害者保健福祉手帳所持者の障害等級別内訳
(平成29年度と令和4年度の比較)

1級
平成29年
2595人
令和4年度
2782人

2級
平成29年
10154人
令和4年度
13525人

3級
平成29年
3945人
令和4年度
6022人

合計
平成29年
16694人
令和4年度
22329人

【図6】
入院患者の在院期間

3ヶ月未満
933人
3ヶ月以上6ヶ月未満
401人
6ヶ月以上1年未満
508人
1年以上5年未満
1616人
5年以上10年未満
651人
10年以上20年未満
475人
20年以上
258人

【図7】
入院患者の年齢構成

20歳未満
40人
20歳以上30歳未満
76人
30歳以上40歳未満
161人
40歳以上50歳未満
299人
50歳以上60歳未満
577人
60歳以上70歳未満
891人
70歳以上
2798人

【図8】
精神疾患の種類別構成(入院患者)

統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
2212人
症状性を含む器質性精神障害
1745人
気分障害
471人
精神作用物質使用による精神及び行動の障害
117人
その他
90人
神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害
78人
精神遅滞
77人
心理的発達の障害
20人
小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害、特定不能の精神障害
14人
成人のパーソナリティ及び行動の障害
13人
生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群
5人

【図9】
精神疾患の種類別構成(自立支援医療受給者の通院患者)

気分障害
6038人
統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
5214人
てんかん
2096人
神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害
1869人
症状性を含む器質性精神障害
621人
精神遅滞
515人
心理的発達の障害
721人
小児期及び青年期に通常発生する行動及び情緒の障害
505人
精神作用物質使用による精神及び行動の障害
255人
成人の人格及び行動の障害
132人
生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群
65人
特定不能の精神障害
2人

【図10】
入院患者数

平成29年度
5192人
平成30年度
5149人
令和元年度
5073人
令和2年度
5019人
令和3年度
4923人
令和4年度
4842人

【図11】
自立支援医療受給者の通院患者数

平成29年度
15294人
平成30年度
15642人
令和元年度
16614人
令和2年度
16452人
令和3年度
17598人
令和4年度
18038人


このほか、県内には、発達障害※や高次脳機能障害※、難病※を抱えているものの、障害者手帳を所持していない人、障害者総合支援法では支援の対象とならないが長引く病気やけが等により生活のしづらさがある人が多く生活しています。

2
障害福祉サービス費等の推移

(1)
障害福祉サービス費の推移

障害者総合支援法の施行以降、同法に基づき、市町村が支弁する障害福祉サービスの額は、毎年増加しており、令和4年度の実績額は約430億円となっています。

【図12】
介護・訓練等給付費と実利用者数の推移

介護・訓練等給付費
平成30年度
343.1億円
令和元年度
363.6億円
令和2年度
386.4億円
令和3年度
410.1億円
令和4年度
430.4億円

サービス利用者数(障害児含む)
平成30年度
14785人
令和元年度
15318人
令和2年度
16020人
令和3年度
16560人
令和4年度
17390人
(実利用者数は各年度3月利用者数)

(2)
障害児入所給付費・通所給付費の推移

児童福祉法の改正(平成25年4月施行)以降、同法に基づき県及び仙台市が支給する障害児入所給付費並びに市町村が支給する障害児通所給付費の額は、毎年増加しており、令和4年度の実績額は入所給付費が約5億円、通所給付費が約92億円となっています。

【図13】
障害児入所給付費・通所給付費と実利用者数の推移

入所給付費
平成30年度
4.4億円
令和元年度
3.8億円
令和2年度
4.7億円
令和3年度
5.0億円
令和4年度
5.3億円

通所給付費
平成30年度
54.7億円
令和元年度
63.8億円
令和2年度
71.4億円
令和3年度
81.6億円
令和4年度
92.2億円

合計
平成30年度
59.1億円
令和元年度
67.6億円
令和2年度
76.1億円
令和3年度
86.6億円
令和4年度
97.5億円

サービス利用者数
平成30年度
4188人
令和元年度
4420人
令和2年度
4898人
令和3年度
5388人
令和4年度
6115人
(実利用者数は各年度3月利用者数)

(3)
地域生活支援事業費の推移

障害者総合支援法に基づき、市町村及び県が行う地域生活支援事業の令和4年度における事業費実績額は、市町村が22.2億円、県が3.0億円となっています。

同事業は、国の補助率が1月2日以内とされていますが、実際の補助率は市町村で29%、県で38%にとどまっており、市町村及び県の財政負担が大きくなっているのが現状です。

【図14】
市町村地域生活支援事業費の推移

国補助
平成30年度
5.8億円
令和元年度
6.0億円
令和2年度
6.3億円
令和3年度
6.6億円
令和4年度
6.5億円

県補助
平成30年度
2.9億円
令和元年度
3.0億円
令和2年度
3.2億円
令和3年度
3.3億円
令和4年度
3.3億円

市町村負担
平成30年度
10.2億円
令和元年度
11.7億円
令和2年度
11.1億円
令和3年度
11.3億円
令和4年度
12.4億円

合計
平成30年度
18.9億円
令和元年度
20.7億円
令和2年度
20.6億円
令和3年度
21.2億円
令和4年度
22.2億円

令和4年度市町村地域生活支援事業費の内訳

必須事業
14.8億円
任意事業
6.6億円
地域生活支援事業
0.8億円

必須事業の内訳

日常生活用具給付等
5.9億円
移動支援
3.7億円
基幹相談支援センター等機能強化
1.9億円
発達障害者支援センター運営
1.4億円
地域活動支援センター機能強化
1.2億円
その他
0.8億円

任意事業の内訳
日中一時支援
2.6億円
訪問入浴
2.1億円
その他
1.9億円

地域生活支援事業の内訳
地域生活支援促進事業
0.8億円

【図15】
県地域生活支援事業費の推移

国補助
平成30年度
62.7百万円
令和元年度
81.3百万円
令和2年度
97.1百万円
令和3年度
98.7百万円
令和4年度
116.9百万円

県負担
平成30年度
96.0百万円
令和元年度
118.2百万円
令和2年度
120.1百万円
令和3年度
142.4百万円
令和4年度
191.3百万円

合計
平成30年度
158.7百万円
令和元年度
199.5百万円
令和2年度
217.2百万円
令和3年度
241.1百万円
令和4年度
308.2百万円

令和4年度県地域生活支援事業費の内訳

必須事業
34.3百万円
任意事業
72.9百万円
地域生活支援促進事業
201.1百万円

必須事業の内訳
発達障害者支援センター運営事業
21.3百万円
その他
13.0百万円

任意事業の内訳
レクリエーション活動等支援
18.7百万円
手話通訳者設置
11.6百万円
サービス管理責任者研修事業
11.3百万円
相談支援従事者等研修事業
10.2百万円
その他
21.1百万円

地域生活支援促進事業の内訳
発達障害者支援体制整備事業
57.0百万円
医療的ケア児等総合支援事業
37.3百万円
障害者就業・生活支援センター事業
33.4百万円
障害者ICTサポート総合推進事業
15.5百万円
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業
12.3百万円
工賃向上計画支援事業
12.1百万円
発達障害診断待機解消事業
8.7百万円
その他
24.8百万円


3
障害福祉サービス事業所等数の推移

障害者総合支援法及び児童福祉法における障害福祉サービス事業所等は、訪問系サービス及び日中活動系サービスを中心に年々増加していますが、事業所数に偏りが見られるサービスがあることが分かります。

【表1】
障害福祉サービス事業所数の推移(各年5月1日現在)

障害者総合支援法によるサービス

居宅介護
平成30年
336事業所
令和元年
331事業所
令和2年
355事業所
令和3年
362事業所
令和4年
371事業所
令和5年
370事業所

重度訪問介護
平成30年
305事業所
令和元年
288事業所
令和2年
303事業所
令和3年
303事業所
令和4年
305事業所
令和5年
302事業所

同行援護
平成30年
101事業所
令和元年
84事業所
令和2年
90事業所
令和3年
90事業所
令和4年
90事業所
令和5年
85事業所

行動援護
平成30年
49事業所
令和元年
40事業所
令和2年
41事業所
令和3年
38事業所
令和4年
39事業所
令和5年
40事業所

療養介護
平成30年
3事業所
令和元年
4事業所
令和2年
4事業所
令和3年
4事業所
令和4年
4事業所
令和5年
4事業所

生活介護
平成30年
151事業所
令和元年
162事業所
令和2年
169事業所
令和3年
188事業所
令和4年
202事業所
令和5年
199事業所

短期入所
平成30年
111事業所
令和元年
117事業所
令和2年
121事業所
令和3年
132事業所
令和4年
149事業所
令和5年
159事業所

施設入所支援
平成30年
38事業所
令和元年
39事業所
令和2年
39事業所
令和3年
39事業所
令和4年
38事業所
令和5年
38事業所

自立訓練(機能訓練)
平成30年
4事業所
令和元年
7事業所
令和2年
7事業所
令和3年
6事業所
令和4年
6事業所
令和5年
6事業所

自立訓練(生活訓練)
平成30年
29事業所
令和元年
30事業所
令和2年
44事業所
令和3年
31事業所
令和4年
32事業所
令和5年
35事業所

就労移行支援
平成30年
86事業所
令和元年
71事業所
令和2年
75事業所
令和3年
69事業所
令和4年
73事業所
令和5年
67事業所

就労継続支援A型
平成30年
49事業所
令和元年
51事業所
令和2年
55事業所
令和3年
56事業所
令和4年
61事業所
令和5年
67事業所

就労継続支援B型
平成30年
206事業所
令和元年
218事業所
令和2年
242事業所
令和3年
266事業所
令和4年
298事業所
令和5年
311事業所

就労定着支援
平成30年
1事業所
令和元年
19事業所
令和2年
22事業所
令和3年
25事業所
令和4年
32事業所
令和5年
37事業所

自立生活援助
平成30年
0事業所
令和元年
0事業所
令和2年
1事業所
令和3年
3事業所
令和4年
3事業所
令和5年
4事業所

共同生活援助
平成30年
132事業所
令和元年
137事業所
令和2年
159事業所
令和3年
170事業所
令和4年
189事業所
令和5年
204事業所

地域移行支援
平成30年
46事業所
令和元年
45事業所
令和2年
49事業所
令和3年
54事業所
令和4年
59事業所
令和5年
54事業所

地域定着支援
平成30年
46事業所
令和元年
47事業所
令和2年
51事業所
令和3年
56事業所
令和4年
61事業所
令和5年
56事業所

計画相談支援
平成30年
155事業所
令和元年
150事業所
令和2年
167事業所
令和3年
172事業所
令和4年
183事業所
令和5年
190事業所

児童福祉法によるサービス

児童発達支援
平成30年
74事業所
令和元年
80事業所
令和2年
94事業所
令和3年
107事業所
令和4年
119事業所
令和5年
158事業所

放課後等デイサービス
平成30年
204事業所
令和元年
216事業所
令和2年
244事業所
令和3年
281事業所
令和4年
324事業所
令和5年
339事業所

居宅訪問型児童発達支援
平成30年
0事業所
令和元年
1事業所
令和2年
2事業所
令和3年
2事業所
令和4年
2事業所
令和5年
2事業所

保育所等訪問支援
平成30年
12事業所
令和元年
13事業所
令和2年
17事業所
令和3年
18事業所
令和4年
23事業所
令和5年
26事業所

福祉型障害児入所支援
平成30年
2事業所
令和元年
2事業所
令和2年
2事業所
令和3年
1事業所
令和4年
1事業所
令和5年
1事業所

医療型障害児入所支援
平成30年
4事業所
令和元年
4事業所
令和2年
4事業所
令和3年
4事業所
令和4年
4事業所
令和5年
4事業所

障害児相談支援
平成30年
132事業所
令和元年
132事業所
令和2年
146事業所
令和3年
148事業所
令和4年
160事業所
令和5年
168事業所

【表2】
障害保健福祉圏域別の障害福祉サービス事業所数(令和5年5月1日現在)

障害者総合支援法によるサービス

居宅介護
仙南
22事業所
仙台
272事業所
大崎
24事業所
栗原
9事業所
登米
11事業所
石巻
27事業所
気仙沼
5事業所
県計
370事業所

重度訪問介護
仙南
17事業所
仙台
226事業所
大崎
21事業所
栗原
9事業所
登米
9事業所
石巻
18事業所
気仙沼
2事業所
県計
302事業所

同行援護
仙南
4事業所
仙台
67事業所
大崎
9事業所
栗原
2事業所
登米
0事業所
石巻
1事業所
気仙沼
2事業所
県計
85事業所

行動援護
仙南
2事業所
仙台
31事業所
大崎
2事業所
栗原
0事業所
登米
4事業所
石巻
1事業所
気仙沼
0事業所
県計
40事業所

療養介護
仙南
0事業所
仙台
4事業所
大崎
0事業所
栗原
0事業所
登米
0事業所
石巻
0事業所
気仙沼
0事業所
県計
4事業所

生活介護
仙南
10事業所
仙台
112事業所
大崎
19事業所
栗原
15事業所
登米
12事業所
石巻
21事業所
気仙沼
10事業所
県計
199事業所

短期入所
仙南
9事業所
仙台
90事業所
大崎
14事業所
栗原
12事業所
登米
13事業所
石巻
14事業所
気仙沼
7事業所
県計
159事業所

施設入所支援
仙南
5事業所
仙台
21事業所
大崎
2事業所
栗原
2事業所
登米
3事業所
石巻
2事業所
気仙沼
3事業所
県計
38事業所

自立訓練(機能訓練)
仙南
0事業所
仙台
6事業所
大崎
0事業所
栗原
0事業所
登米
0事業所
石巻
0事業所
気仙沼
0事業所
県計
6事業所

自立訓練(生活訓練)
仙南
1事業所
仙台
25事業所
大崎
1事業所
栗原
0事業所
登米
1事業所
石巻
6事業所
気仙沼
1事業所
県計
35事業所

就労移行支援
仙南
3事業所
仙台
45事業所
大崎
6事業所
栗原
2事業所
登米
3事業所
石巻
4事業所
気仙沼
4事業所
県計
67事業所

就労継続支援A型
仙南
5事業所
仙台
47事業所
大崎
7事業所
栗原
2事業所
登米
3事業所
石巻
3事業所
気仙沼
0事業所
県計
67事業所

就労継続支援B型
仙南
22事業所
仙台
208事業所
大崎
28事業所
栗原
7事業所
登米
13事業所
石巻
27事業所
気仙沼
6事業所
県計
311事業所

就労定着支援
仙南
0事業所
仙台
28事業所
大崎
2事業所
栗原
0事業所
登米
3事業所
石巻
2事業所
気仙沼
2事業所
県計
37事業所

自立生活援助
仙南
0事業所
仙台
2事業所
大崎
0事業所
栗原
0事業所
登米
0事業所
石巻
1事業所
気仙沼
1事業所
県計
4事業所

共同生活援助
仙南
18事業所
仙台
136事業所
大崎
14事業所
栗原
12事業所
登米
5事業所
石巻
11事業所
気仙沼
8事業所
県計
204事業所

地域移行支援
仙南
2事業所
仙台
45事業所
大崎
0事業所
栗原
0事業所
登米
2事業所
石巻
2事業所
気仙沼
3事業所
県計
54事業所

地域定着支援
仙南
2事業所
仙台
47事業所
大崎
0事業所
栗原
0事業所
登米
2事業所
石巻
2事業所
気仙沼
3事業所
県計
56事業所

計画相談支援
仙南
12事業所
仙台
120事業所
大崎
20事業所
栗原
9事業所
登米
8事業所
石巻
12事業所
気仙沼
9事業所
県計
190事業所

児童福祉法によるサービス

児童発達支援
仙南
4事業所
仙台
120事業所
大崎
8事業所
栗原
4事業所
登米
6事業所
石巻
12事業所
気仙沼
4事業所
県計
158事業所

放課後等デイサービス
仙南
13事業所
仙台
248事業所
大崎
27事業所
栗原
8事業所
登米
9事業所
石巻
25事業所
気仙沼
9事業所
県計
339事業所

居宅訪問型児童発達支援
仙南
0事業所
仙台
1事業所
大崎
0事業所
栗原
0事業所
登米
0事業所
石巻
0事業所
気仙沼
0事業所
県計
1事業所

保育所等訪問支援
仙南
1事業所
仙台
13事業所
大崎
4事業所
栗原
2事業所
登米
2事業所
石巻
2事業所
気仙沼
2事業所
県計
26事業所

福祉型障害児入所支援
仙南
0事業所
仙台
1事業所
大崎
0事業所
栗原
0事業所
登米
0事業所
石巻
0事業所
気仙沼
0事業所
県計
1事業所

医療型障害児入所支援
仙南
0事業所
仙台
4事業所
大崎
0事業所
栗原
0事業所
登米
0事業所
石巻
0事業所
気仙沼
0事業所
県計
4事業所

障害児相談支援
仙南
9事業所
仙台
109事業所
大崎
17事業所
栗原
8事業所
登米
5事業所
石巻
11事業所
気仙沼
9事業所
県計
168事業所

(サービスの内容)

障害者総合支援法によるサービス
★のサービスについては障害児も利用可能

サービスの種類
居宅介護★
サービスの概要
居宅で入浴、排せつ、食事の介護等を行う

サービスの種類
重度訪問介護
サービスの概要
重度の肢体不自由者等で常時介護を要する者に、居宅で入浴、排せつ、食事の介護、外出時の移動支援等を総合的に行う

サービスの種類
同行援護★
サービスの概要
視覚障害により、移動に著しい困難を有する人に、移動に必要な情報の提供(代筆代読を含む)、移動の援護等の外出支援を行う

サービスの種類
行動援護★
サービスの概要
知的・精神障害により、行動上著しい困難を有する者が行動する際に生じうる危険回避のために必要な援護、外出支援等を行う

サービスの種類
療養介護
サービスの概要
医療と常時介護を要する者に、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、介護及び日常生活の世話を行う

サービスの種類
生活介護
サービスの概要
常時介護を要する者に、昼間、入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに、創作的活動や生産活動の機会を提供する

サービスの種類
短期入所★
サービスの概要
居宅で介護を行う者が病気の場合などに、施設に短期間入所させ、入浴、排せつ、食事の介護等を行う

サービスの種類
施設入所支援
サービスの概要
施設入所者に、夜間や休日、入浴、排せつ、食事の介護等を行う

サービスの種類
自立訓練(機能訓練)
サービスの概要
身体障害者・難病等対象者に対して、施設等又は居宅を訪問して、理学療法、作業療法等のリハビリテーションを行う

サービスの種類
自立訓練(生活訓練)
サービスの概要
知的・精神障害者に対して、施設等又は居宅を訪問して、入浴、排せつ、食事等の日常生活を営むために必要な訓練等を行う

サービスの種類
就労移行支援
サービスの概要
就労を希望する65歳未満の障害者で、一般企業等に雇用されることが可能と見込まれる者に対し、一定期間、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う

サービスの種類
就労継続支援A型
サービスの概要
一般企業等で雇用されること困難な障害者のうち、雇用契約に基づく継続的な就労が可能な65歳未満の者に対し、就労・生産活動の機会を提供し、その知識や能力の向上を図る訓練等を行う

サービスの種類
就労継続支援B型
サービスの概要
就労移行支援事業を利用したが、一般企業等での雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者等に対して、就労・生産活動の機会を提供し、その知識や能力の向上を図る訓練等を行う

サービスの種類
就労定着支援
サービスの概要
就労に伴う環境変化により生活面の課題が生じている者に、企業や関係機関等との連絡調整や課題解決の支援を行う

サービスの種類
就労選択支援
サービスの概要
就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や適性等に合った就労先の選択の支援を行う

サービスの種類
自立生活援助
サービスの概要
一人暮らしを希望する者等の居宅を定期的に訪問し、必要な助言や医療機関等との連絡調整を行うほか、随時の相談や要請があった際は、訪問、電話、メール等による支援を行う

サービスの種類
共同生活援助(グループホーム)
サービスの概要
主に夜間において、共同生活を営む住居で相談、日常生活上の援助を行う

サービスの種類
地域移行支援
サービスの概要
障害者支援施設の入所者や精神科病院の入院患者等に対して、住居の確保や、地域生活に移行するための相談等の支援を行う

サービスの種類
地域定着支援
サービスの概要
居宅において単身等で生活する障害者に対して、常時の連絡体制を確保し、障害の特性に起因して生じた緊急事態等への支援を行う

サービスの種類
計画相談支援
サービスの概要

サービス利用支援
支給決定に係るサービス事業者等との連絡調整等を行うとともに、サービス等利用計画の作成を行う

継続サービス利用支援
支給決定されたサービス等のモニタリングを行い、サービス事業者等との連絡調整を行う

児童福祉法によるサービス

サービスの種類
児童発達支援
サービスの概要
未就学の障害児に対して、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練等を行う

サービスの種類
医療型児童発達支援
サービスの概要
未就学の障害児(肢体不自由児)に対して、児童発達支援と治療を行う

サービスの種類
放課後等デイサービス
サービスの概要
就学している障害児に対して、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進等を行う

サービスの種類
居サービスの概要宅訪問型児童発達支援
サービスの概要
重度の障害児に対して、自宅を訪問し、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与等を行う

サービスの種類
保育所等訪問支援
サービスの概要
保育所等に通う障害児について、当該施設を訪問し、当該施設における障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援等を行う

サービスの種類
障害児相談支援
サービスの概要
障害児支援の利用について、障害児支援利用計画の作成や施設等との連絡調整、モニタリング等を行う

サービスの種類
福祉型障害児入所支援
サービスの概要
障害児に対して、食事・排せつ・入浴等の介護、身体能力及び日常生活能力の維持・向上のための訓練等を行う

サービスの種類
医療型障害児入所支援
サービスの概要
知的障害児(自閉症児)、肢体不自由児、重症心身障害児に対して、疾病の治療・看護、また、食事・排せつ・入浴等の介護、身体能力及び日常生活能力の維持・向上のための訓練等を行う


4
令和4年度「宮城県障害者施策推進基礎調査」結果の概要

(1)
調査の概要

調査目的
「みやぎ障害者プラン」の改定に当たり、県内に居住する障害のある人及びその家族等のニーズを把握するとともに、前プラン(平成30年度から令和5年度まで)の成果等について評価するため、アンケート調査を実施したもの。
調査方法
郵送及びインターネットによるアンケート調査
調査対象者
令和5年1月1日現在で、宮城県内に居住する0歳から79歳までの障害者手帳を持っている人(0歳から18歳までについては、保護者に回答を依頼)

(2)
アンケートの内容等

共通項目
基本属性
性別、年齢、障害者手帳の種別・等級
所得保障
本人・世帯収入、本人の収入種別、受給年金・手当ほか
医療サービス
通院頻度、リハビリ等の利用状況、通院等の困り事ほか
福祉サービス
サービスの利用状況、サービス利用上の困り事ほか
住まい
現在の住まい、将来暮らしたい場所、同居者ほか
日常生活
平日の日中活動、日常生活の支援、外出頻度・目的ほか
障害を理由とする差別
障害者差別解消法の認知、差別経験、差別を受けた場面、差別の内容
相談
相談相手、相談内容
災害対策
単独避難の可否とその理由、災害時の不安ほか
優先施策
行政に最優先で取り組んでほしい施策(上位3つ)

障害児項目
教育
就学状況、学校生活・放課後等の困り事、進路希望ほか

障害者項目
障害の程度
障害支援区分
就労
勤務形態、業種、収入、就業期間、困り事ほか

(3)
回収状況等

身体障害
発送
障害児
979
障害者
2359
合計
3338
回収
障害児
380
障害者
616
合計
996

知的障害
発送
障害児
754
障害者
1712
合計
1322
回収
障害児
284
障害者
163
合計
447

精神障害
発送
障害児
228
障害者
1712
合計
1940
回収
障害児
50
障害者
218
合計
268

その他
回収
障害児
17
障害者
24
合計
41

合計
発送
障害児
1961
障害者
4639
合計
6600
回収
障害児
373
障害者
219
合計
1752
回収率
障害児
37.3%
障害者
21.9%
合計
26.5%

(注1)
「障害児」とは0歳から18歳まで、「障害者」とは19歳から79歳までの障害のある人を指す。
(注2)
標本抽出に当たっては、母集団の少ない障害児や知的・精神障害の意向を把握するため、抽出数を「障害種別・等級×年代×居住エリア」で均等割付し、無作為抽出した。

(4)
調査結果の概要

1.
回答者の属性(実数)

【図16】
属性別の回答状況

性別
N=1740
女性
776
障害児
283
障害者
493
男性
964
障害児
441
障害者
523

居住地
N=1727
仙台市
606
仙台
274
石巻
大崎
196
栗原
100
登米
134
石巻
163
気仙沼
120
仙南
134

就学・就業
N=1685
無職
389
未就学
199
小学生
220
中学生
109
高校生
163
一般企業
332
就労施設
139
自営業等
134

2.
最優先で取り組んでほしい施策(複数回答・ウェイト値)

働ける場の確保や入所施設の整備、障害のある人に対する理解の促進などの地域で取り組むべき施策に加え、年金・手当や医療費など、全国的な対応を要する所得保障の充実を求める声も多数を占める結果となりました。

【図17】
行政に最優先で取り組んでほしい施策(抜粋)

凡例
全体(ウェイト値)
障害児(実数)
障害者(実数)

働ける場確保
全体
36.5
障害児
41.7
障害者
31.9

年金等充実
全体
36.1
障害児
32.5
障害者
39.5

入所施設整備
全体
21.9
障害児
26.8
障害者
17.3

障害者理解
全体
21.3
障害児
20.7
障害者
21.6

医療費軽減
全体
19.1
障害児
13.2
障害者
24.2

施設・交通バリアフリー
全体
13.9
障害児
14.0
障害者
14.6

相談体制充実
全体
12.9
障害児
13.7
障害者
11.7

通学等移動支援
全体
9.8
障害児
15.7
障害者
5.8

介助者の休養
全体
7.9
障害児
9.9
障害者
6.4

3.
現行プランの評価(平成28年度調査との経年比較)

最優先施策の順位に大きな変動はありませんが、「働ける場の確保」を求める声が増加している一方、「年金や医療費などの所得保障」を求める声が減少していることから、障害のある人の雇用・就労意欲が増加している状況が伺えます。

他方、グループホームや入所施設の整備促進を求める声も増加傾向にあることから、在宅での生活に不安を感じている障害のある人が増加しているものと推測されます。

【図18】
最優先で取り組んでほしい施策の経年比較
(平成28年度調査と令和4年度調査の比較)

働ける場確保
平成28年度
28.5
令和4年度
36.5

年金等充実
平成28年度
43.2
令和4年度
36.1

グループホーム等整備
平成28年度
18.1
令和4年度
21.9

障害者理解
平成28年度
21.4
令和4年度
21.3

医療費削減
平成28年度
25.8
令和4年度
19.1

施設等バリアフリー
平成28年度
16.0
令和4年度
13.9

(ここまで)

ページの先頭に戻る

重点施策1「障害を理由とする差別の解消」

(23ページから27ページまで)

重点施策


基本理念に掲げる「だれもが生きがいを実感しながら、共に充実した生活を安心して送ることができる地域社会」をつくるためには、障害のあるなしに関わらず、お互いの人格と個性を尊重し、支え合うという文化を醸成していくことが何よりも重要です。
障害のある人に対する不当な差別の禁止等を定めた「障害者差別解消法」や「障害を理由とする差別を解消し障害のある人もない人も共生する社会づくり条例」の認知度を向上させ、障害や障害のある人に対する理解を県民及び事業者に浸透させていくための普及啓発の取組を継続して実施していくことが求められています。

また、障害のある人が、地域社会の一員として充実した生活を送るためには、経済的な自立が不可欠であり、特に、働く意欲・能力を有する障害のある人の雇用・就労を引き続き促進することが重要です。
県内の一般企業における障害のある人の雇用率は法定雇用率に届いていないほか、福祉的就労の場で働く障害のある人の工賃水準も目標額とは未だ乖離があり、工賃向上の取組とともに、福祉的就労から一般就労への移行を促進するよう就労支援事業所及び企業等との更なる協力関係の構築、様々な形態での就労機会の創出が求められています。

障害のある人が、地域で安心して生活するためには、住まいの場の確保や、その人の心身の状況等に応じた適切な支援・サービスを受けることのできる体制の整備が必要です。
県では、これまでも、障害のある人の地域生活移行等を推進するため、地域での生活の場となるグループホーム等の整備や、在宅サービス・相談支援体制の充実を図るとともに、重度・最重度の障害のある人のセーフティネットとなる施設入所サービスの充実にも取り組んできましたが、これらの一層の充実が求められています。

県では、こうした経緯から、次の3項目を本プランにおける重点施策として位置づけ、基本理念の実現に向けた様々な取組を進めてまいります。

1
障害を理由とする差別の解消
2
雇用・就労等の促進による経済的自立
3
自らが望む地域・場所で暮らせるための環境整備・人材育成


1
障害を理由とする差別の解消

<背景>
障害のあるなしに関わらず、全ての県民がお互いの人格と個性を尊重し、支え合える地域社会づくりのためには、障害や障害のある人に対する深い理解が必要であり、これは障害のある人の地域生活への移行を進める上でも大変重要な要素であると言えます。
本県では、令和3年3月に「障害を理由とする差別を解消し障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(以下この章において「共生社会づくり条例」といいます。)」を制定し、「何人も」「障害のある人及びその家族その他の関係者」に対して、不当な差別的取扱いをすることを禁止しています。
令和4年12月に県が実施した県民意識調査では、「障害者差別解消法や共生社会づくり条例を知っている」と回答した割合が26.7%と低い水準であるほか、令和5年3月に障害のある人に対して同様の質問をした基礎調査でも、同法や同条例を「知っている」と回答した割合は37.1%にとどまっており、制度の浸透を含め障害及び障害のある人に関する相互理解は十分に進んでいるとはいえない状況にあります。
また、県民意識調査において、障害を理由とする差別について「経験がある」、「その場に居合わせたことがある」と回答した割合が22.7%であったのに対し、基礎調査で「差別の経験がある」と回答した割合は36.5%(知的及び精神の障害がある人は約4割)となっており、県民の間でも意識の乖離が生じていると考えられることから、これらの解消に向けた取組を進める必要があります。
なお、今回の基礎調査結果では、差別の経験や外出頻度において、性別による大きな特徴は見受けられませんでしたが、「外出しやすくなるために必要なもの」として「県民の障害に対する理解が深まること」と回答した全体の割合が21.3%であったのに対し、女性の割合は37.4%であったことから、特に女性が、障害を理由とする差別に関する制度の浸透が不十分であると感じていると考えられます。また、国の障害者基本計画において、障害のある女性は、いわゆる複合的差別など更に複合的な困難等に置かれる場合があるとされており、こうした配慮も含めた差別解消の取組が求められると考えられます。

<現状等>
(1)
令和4年県民意識調査の結果概要(抜粋)

本県に居住する18歳以上の男女4,000人に対して実施し、回収数が2,010通であった同調査において、県全体で「障害者差別解消法や共生社会づくり条例」の認知について回答している割合は「知っている(26.7%)」、「知らない(73.3%)」となっており、障害を理由とする差別に関する制度の一層の周知が求められています。

また、障害を理由とする差別の経験等について回答している割合は、「自分自身が経験したことがある(3.2%)」、「居合わせたことがある(20.6%)」となっており、そのうち、「差別された又は居合わせた場所」の割合が最も高かったのは「学校・塾(37.4%)」で、次いで「自宅周辺(25.5%)」、「職場(21.4%)」、「小売店・飲食店(20.6%)」の順となり、「差別の内容」の割合が最も高かったのは、「偏見を感じるような対応をすること(24.5%)」で、次いで「障害のある人が困っているときに手助けしないこと(10.0%)」、「サービス等の利用を拒否された・制限された(7.3%)」の順となっています。

【図19】
県民意識調査の結果(抜粋)

差別解消法・県条例の認知
知っている
26.7%
知らない
73.3%

障害を理由とする差別
経験がある
3.2%
差別の場面に居合わせたことがある
20.6%
経験がない
76.2%

(2)
令和4年度宮城県障害者施策推進基礎調査の結果概要(抜粋)

令和4年度基礎調査では、全体で「障害者差別解消法や共生社会づくり条例」を知っていると回答している割合は37.1%となっており、障害のない人を含んでいる県民意識調査よりも認知度は高い状況です。

他方、「差別を受けたことがある」と回答した人の割合は全体で36.5%となったほか、知的障害及び精神障害のある人については、約4割が何らかの差別を受けた経験があると回答しており、差別を受けた内容として最も高かったものが「偏見を感じるような対応をされた」となっており、制度の浸透に加え、障害及び障害のある人に対する理解と合理的配慮の推進を図っていく必要があります。

【図20】
基礎調査結果の概要(抜粋)

差別解消法・県条例の認知
知っている
37.1%
知らない
62.9%

障害を理由とする差別
経験がある
36.5%
経験がない
63.5%

<施策の方向>
県では、障害当事者や関係団体の意見を踏まえて、「共生社会づくり条例」を制定するとともに、県民の障害等に関する理解を深めるための啓発や知識の普及、障害を理由とする差別に関する相談窓口、助言・あっせんのための調整委員会の設置により相談・紛争防止体制の整備を推進してきました。
今後も、これらの施策の充実を図りながら、個別の相談事例の収集・分析等を通じた望ましい対応の共有や、アートやスポーツなど障害のある人の社会参加や交流機会の確保を通じた障害及び障害のある人に対する県民の一層の理解促進と周囲の人々の配慮の促進に取り組みます。

<主な推進施策>
(1)
行政機関等における配慮

県が策定した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」に基づき、管理職又は新任の県職員に対する内部研修等を実施し、障害のある人に対する理解の促進と適切な対応ができる環境整備を推進します。

障害のある人が、県が主催する会議や各種行事等に参加しやすい環境づくりのため、参加者の障害特性に応じて、意思疎通支援者の派遣、資料の点訳や電子データ(テキスト)化等の合理的配慮の提供を行います。

障害のある人が、行政関連情報を円滑に取得・利用できるよう、ホームページや広報誌など、県の広報媒体における情報アクセシビリティの向上を図ります。

県では「共生社会づくり条例」に併せて、「手話言語条例」を制定するとともに、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が施行されたことから、障害特性に合わせた情報の取得及び意思疎通に支援が必要な方々への情報保障の一層の充実を図ります。災害時における情報提供方法の支援を含め、当事者団体や支援者団体とも連携し、「宮城県視覚障害者情報センター」及び「宮城県聴覚障害者情報センター(愛称:みみサポみやぎ)」の運営による情報提供機能の充実を図ります。

(2)
普及啓発・広報活動の推進

県の広報媒体を活用し、障害を理由とする差別の解消に向けた関連情報の発信や、障害福祉サービス及び障害を理由とする差別をテーマとした「みやぎ出前講座」の実施等を通じて、障害や障害のある人、社会的障壁等への理解を促進します。

共生社会づくり条例及び手話言語条例に関する普及啓発用リーフレットの配布や障害者アートをテーマとしたイベントの開催等による啓発・交流活動等を行うことで、障害及び障害のある人に対する県民の理解・関心を高めるとともに、障害のある人の社会参加を促進し、共生社会づくりを進めます。

障害者週間(12月3日から9日まで)等における各種行事の開催など、障害当事者団体や支援団体を含む関係機関等と連携した啓発・広報活動に計画的に取り組みます。

特に、障害に対する理解・関心の向上には、子どもの時期から障害のある人と交流する環境づくりが有効と考えられることから、「共に学ぶ教育」の推進と障害のある児童生徒に対する支援の一層の充実を図ります。

内部障害や難病の方など、外見からは障害等があることがわかりにくい方々に対して周囲の方に援助や配慮を促すヘルプマークの配布や、歩行が困難な人のための駐車場利用証を発行・配布する「パーキングパーミット制度」のほか、事業者によるモデル的な環境整備や取組事例の紹介等を通じて、合理的配慮に関する普及啓発を推進します。

(3)
相談体制の整備

障害がある人に対する差別や虐待に関する県の総合相談窓口である「宮城県障害者権利擁護センター」及び「宮城県障害者差別相談センター」を設置・運営し、市町村や関係機関等と連携の上、障害を理由とする差別の速やかな解消と未然防止する相談体制の整備を推進します。

障害を理由とする差別に関する相談で、解決が見込めないときに、事案解決のためのあっせんを行うことができる「宮城県障害を理由とする差別の解消のための調整委員会」を設置し、事案解決に向けた一層の充実を図ります。

(4)
関係機関と連携した差別解消の取組

障害者差別解消法に基づく障害者差別解消支援地域協議会の役割を担う「宮城県障害者施策推進協議会」等において、障害を理由とする差別に関する相談内容や対応事例、合理的配慮の事例等についての民間企業を含む関係機関との情報共有や事例分析、研修事業の開催等を通じて、障害を理由とする差別に関する紛争の防止・解決力の向上を図ります。

(ここまで)

ページの先頭に戻る

重点施策2「雇用・就労等の促進による経済的自立」

(28ページから34ページまで)

重点施策

2
雇用・就労等の促進による経済的自立

<背景>
障害のある人の雇用・就労の推進は、社会参加の機会創出や生きがいづくりの面で大きな効果が期待されるほか、経済的な自立を促進する観点からも大変重要であるといえます。
このため、民間企業等における雇用機会の確保・拡大、職業訓練・職業能力の開発に対する支援はもちろんのこと、直ちに一般就労が困難な障害のある人のためにも、就労支援施設等の、働く意欲を就労に結びつける福祉的就労の場の確保・充実が必要であり、福祉的就労の場で働く障害のある人の工賃水準の引き上げや、福祉的就労から一般就労への移行を促進する環境整備が求められています。また、発達障害などの障害特性を有しながらも、障害者手帳を所持しておらず、障害福祉サービスを受けられない就労困難者もいることから、中間的就労の場の創出を含む横断的な支援が必要とされています。

<現状等>
(1)
障害者雇用率

障害のある人の雇用情勢については、障害のある人自身の働く意欲の向上と、社会全体の理解・関心の高まり等を背景に着実に進展しつつあり、障害者雇用促進法に基づく本県の雇用障害者数は、令和5年度で約6,800人、実雇用率は2.29%、法定雇用率の達成企業数830社といずれも過去最高となりました。

他方、全国平均(2.25%)を上回っているものの、法定雇用率(令和5年度2.3%)には達していない状況にあり、一層の雇用機会の創出が求められています(※令和5年度の障害者雇用率が未公表のため、調整中)。

【図21】
障害者雇用率等の推移
(出典:宮城労働局資料)

雇用障害者数
平成30年度
5845人
令和元年度
6101人
令和2年度
6235人
令和3年度
6415人
令和4年度
6478人
令和5年度
6753人

障害者雇用率
法定雇用率
2.3%
平成30年度
2.05%
令和元年度
2.11%
令和2年度
2.17%
令和3年度
2.21%
令和4年度
2.21%
令和5年度
2.29%

【図22】
法定雇用率達成企業数等の推移
(出典:宮城労働局資料)

達成企業数
平成30年度
750社
令和元年度
788社
令和2年度
786社
令和3年度
808社
令和4年度
810社
令和5年度
830社

達成企業の割合
平成30年度
49.2%
令和元年度
50.4%
令和2年度
51.4%
令和3年度
50.7%
令和4年度
50.2%
令和5年度
51.1%

(2)
福祉的就労からの一般就労

福祉施設を利用していた障害のある人の一般就労への移行は、就労支援施設等(就労移行支援、就労継続支援A型・B型、就労定着支援)の利用人数の増加とともに、堅調に推移しており、平成30年度から令和4年度までの5年間で延べ2,180人となっています。

雇用障害者数と比して、福祉的就労者数の増加率が高い状況です。一般就労への移行者数は、障害福祉計画の目標に沿って順調に推移しているものの、適切なアセスメントにより、能力に見合った就労先を選択することで、一般就労をより一層増加させることが必要です。

新型コロナウイルス感染症等の影響もあり、特に民間企業による実習受け入れの機会が不足しています。定着率向上と人材活用の視点でも、より一層の企業側の理解と連携・協力が必要とされています。

【図23】
就労支援施設等(利用人数)と一般就労への移行者数の推移

就労移行支援
平成30年度
816人
令和元年度
758人
令和2年度
745人
令和3年度
747人
令和4年度
729人

就労継続支援A型
平成30年度
774人
令和元年度
836人
令和2年度
990人
令和3年度
1114人
令和4年度
1267人

就労継続支援B型
平成30年度
4767人
令和元年度
5135人
令和2年度
5499人
令和3年度
5853人
令和4年度
6337人

就労定着支援
平成30年度
162人
令和元年度
232人
令和2年度
298人
令和3年度
331人
令和4年度
387人

一般就労移行者数
平成30年度
392人
令和元年度
412人
令和2年度
442人
令和3年度
452人
令和4年度
482人


福祉的就労からの一般就労支援の中核をなす就労移行支援サービス事業所が廃止・休止するケースがあり、その数は減少傾向です。

【図24】
就労支援施設等(事業所数)の推移

就労移行支援
平成30年度
87事業所
令和元年度
78事業所
令和2年度
71事業所
令和3年度
73事業所
令和4年度
65事業所

就労継続支援A型
平成30年度
54事業所
令和元年度
53事業所
令和2年度
58事業所
令和3年度
59事業所
令和4年度
66事業所

就労継続支援B型
平成30年度
219事業所
令和元年度
234事業所
令和2年度
256事業所
令和3年度
290事業所
令和4年度
304事業所

就労定着支援
平成30年度
19事業所
令和元年度
21事業所
令和2年度
24事業所
令和3年度
31事業所
令和4年度
34事業所

(3)
平均工賃月額等の推移

県では、「宮城県工賃向上支援計画(第四期:令和3年度から5年度まで)」を策定し、就労継続支援B型事業所等で働く障害のある人の工賃向上に向けた取組を進めてきました。

本県の就労継続支援B型事業所で働く障害のある人に支払われた工賃は、令和4年度総額で約12.6億円と平成30年度と比べて約3.4億円増加しており、平均工賃月額についても18,169円と全国でも比較的高い水準を維持していますが、第四期計画に掲げる目標額23,000円には達していない現状にあります。

利用者数及び事業所数の増加幅が大きく、また、事業所別の平均工賃月額の中央値が約13,100円となっており、平均工賃月額が10,000円以下の事業所が全体の約3割あります。

【図25】
平均工賃月額と工賃総額の推移

平均工賃月額
平成30年度
17490円
令和元年度
17477円
令和2年度
17247円
令和3年度
18240円
令和4年度
18169円

工賃総額
平成30年度
9.2億円
令和元年度
9.7億円
令和2年度
10.5億円
令和3年度
11.8億円
令和4年度
12.6億円

<施策の方向>
障害のある人の雇用・就労の機会の拡充に向け、企業の実習受け入れ等の協力・連携を強化するほか、適切なアセスメントと適切な支援により、福祉的就労からの一般就労移行の更なる促進を図るとともに、障害特性から就労困難となっている方々も含め、中間的就労の場など様々な就労機会を創出する取組への支援を行います。
併せて、職業能力の開発を図るとともに、就労支援施設等の企業的経営スキルの向上や商品開発・販路開拓に向けた支援、請負業務(BPO)の共同受注等を通じた工賃向上を促進します。
また、就労支援施設等の商品・役務等に係る行政機関等の優先調達とともに、民間企業・団体との連携による調達を推進します。

<主な推進施策>
(1)
安定した雇用の確保

「障害者雇用促進法」の改正による、令和6年4月からの法定雇用率の引き上げ等を踏まえ、地方公共団体等における障害者雇用率の向上に努めるとともに、民間企業における法定雇用率の達成に向け、宮城労働局をはじめとする関係機関と連携し、差別解消や合理的配慮を含む障害等に対する理解の促進や普及啓発活動、障害のある人の雇用を検討している中小企業者に対する助言等を行い、障害のある人の雇用の場の拡大を図ります。

企業等に就職した障害のある人の離職防止への取組が重要であることから、「ハローワーク」や「障害者就業・生活支援センター」、「宮城障害者職業センター」等との関係機関と連携し、一般企業における障害のある人の受入体制の整備に関する支援等を行うほか、就労定着支援事業所と民間企業等とが連携し、一般就労へ移行した障害のある人が企業等で長く働き続けられるよう、就労に伴い生じる生活面の課題に対し、相談による課題把握や助言等の支援を行い、雇用の安定化を図ります。

障害特性から就労困難となっている方々を含め、一定の支援や配慮により就労を可能にする中間的就労など、障害のある方々等の雇用機会の創出に向けた横断的取組を進めます。

(2)
就労支援施設等の経営力向上等を通じた工賃向上

「宮城県第四期工賃向上支援計画(令和3年度から5年度まで)」の実績等を踏まえ、「第五期工賃向上支援計画(令和6年度から8年度まで)」を策定し、就労支援事業所の一層の工賃向上に向けた取組を推進します。

就労継続支援事業所等による「工賃向上計画」策定や、策定した計画等を実践するための専門家派遣を行います。

共同受注窓口を通じ、民間企業等からの請負業務(BPO)を受注し、安定的かつ継続的な生産活動機会を確保します。

就労支援施設等の職場環境の改善や生産性の向上等に向けた活動を支援します。

地元企業等と連携し、就労支援施設等による製品等の展示販売会の開催等を通じて、販路の開拓・拡大を図ります。

(3)
職業訓練・職業能力の開発

「宮城障害者職業能力開発校」において、就業に必要な職業能力の開発・向上を図るため、雇用のニーズに即した職業訓練を実施するとともに、就業を促進するため、「ハローワーク」等の関係機関との連携を強化し、実習協力企業の開拓、当該企業における訓練生の実習等を通じて企業との信頼関係の構築を図ります。

「障害者就業・生活支援センター」を中心に、一般就労の場を確保するため、企業等の開拓に取り組みます。また、センターの相談能力等の向上のため、セミナーや研修会を開催するとともに、各センター間の連携を深め、全てのセンターの支援機能の向上を図ります。

就労移行支援事業所、企業及び支援機関の連携構築を支援し、障害のある人と企業の間で生じる課題の解消や企業の実習受入れ機会を確保・拡大すること等を通じて、福祉的就労からの一般就労移行を更に促すとともに、就労先での定着のための継続的な支援体制の充実を図ります。

情報通信技術(ICT)の発達に伴い、障害のある人の就業機会の拡大が期待されることから、障害のある人に対するICTスキルの習得支援に取り組みます。

特別支援学校と企業間の連携を強化し、生徒の職場及び実習受入先の開拓を行う機能の充実を図ります。このことによって、職場や実習内容に関する情報と実習体験の場を提供し、生徒一人一人のニーズに応じた就労に向けた支援を行います。

(4)
多様な就業機会の創出

知的障害や精神障害のある人を、県の職場に短期間、実習生として受け入れ、職場体験の機会の提供と就労意欲の向上を図ります。

障害のある人等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく、いわゆる「農福連携」推進のため、県内の農福連携に取り組む事業者や各種支援団体、自治体等で構成する「みやぎ農福連携推進ネットワーク」を活用し、相互の情報収集や課題解決を図るとともに、セミナーの開催、就労マッチング支援、障害のある人が働きやすい環境整備の補助事業等を行います。

在宅での就業希望者を含め、パソコンを活用したICT・デジタル関連業務に従事する機会を創出し、生産活動を通じた一般就労のための訓練機会としても活用します。

(5)
行政機関等からの受注促進

障害者優先調達推進法に基づき、県の優先調達方針を策定し、就労支援施設等が提供する物品・サービスの優先調達を推進していくとともに、宮城県障害者施策推進協議会等の場を通じて、関係団体等での優先調達を働きかけていきます。

民間企業・団体の協力を得て結成した「みやぎの福祉的就労施設で働く障害者官民応援団」組織を活用して、継続的かつ安定的な受注機会の確保を図るととともに、協力先や活動内容の拡充を図ります。

(ここまで)

ページの先頭に戻る

重点施策3「自らが望む地域・場所で暮らせるための環境整備・人材育成」

(35ページから40ページまで)

重点施策

3
自らが望む地域・場所で暮らせるための環境整備・人材育成

<背景>
障害のある人が、安心して生活するためには、住まいの確保や日中活動の場の充実とともに、保健・医療・福祉・保育・教育等の連携の下、その人の心身の状況に応じた、適切なサービス等を身近な地域で受けることのできる環境の整備が必要です。
特に、成長とともに支援のあり方に変化が生じる障害児に対する切れ目のない支援体制の構築や、発達障害の早期発見・早期療育、「医療的ケア」を要する人への支援の拡充等が求められています。また、地域での生活が困難な障害のある人の重度化・高齢化や「親亡き後」を見据えた、障害のある人に対するセーフティネット機能等を充実させていく必要があります。

<現状等>
(1)
グループホームの利用状況等

障害のある人の地域における住まいの場であるグループホームの整備状況は、令和4年度末において利用人数3,177人、住居数637戸と平成30年度に比べて、それぞれ828人、145戸増加しています。

【図26】
グループホームの利用人数・住居数の推移

利用人数
平成30年度
2349人
令和元年度
2497人
令和2年度
2751人
令和3年度
2963人
令和4年度
3177人

住居数
平成30年度
492戸
令和元年度
526戸
令和2年度
643戸
令和3年度
611戸
令和4年度
637戸

(2)
日中活動系サービスの利用状況

障害のある人の日中活動の場等を提供する障害福祉サービス(生活介護・自立訓練・就労移行支援、就労継続支援A型・B型)の利用状況は、令和4年度における利用人数は13,479人と平成30年度と比べて、2,017人増加しています。

【図27】
日中活動系サービス利用人数の推移

生活介護
平成30年度
4711人
令和元年度
4791人
令和2年度
4758人
令和3年度
4800人
令和4年度
4881人

自立訓練
平成30年度
394人
令和元年度
372人
令和2年度
344人
令和3年度
290人
令和4年度
265人

就労移行支援
平成30年度
816人
令和元年度
758人
令和2年度
745人
令和3年度
747人
令和4年度
729人

就労継続支援A型
平成30年度
774人
令和元年度
836人
令和2年度
990人
令和3年度
1114人
令和4年度
1267人

就労継続支援B型
平成30年度
4767人
令和元年度
5135人
令和2年度
5499人
令和3年度
5855人
令和4年度
6337人

合計
平成30年度
11462人
令和元年度
11892人
令和2年度
12336人
令和3年度
12806人
令和4年度
13479人

(3)
障害のある人の地域生活移行状況

「第5期宮城県障害福祉計画」では、平成29年度から令和2年度までの地域生活移行者数の目標値を、平成28年度末時点の施設入所者数(1,842人)の約6%に当たる113人としていましたが、実績は72人(目標値の約64%)にとどまりました。また、「第6期宮城県障害福祉計画」では、令和2年度から5年度までの地域生活移行者数の目標値を113人としていますが、令和2年度から4年度までの実績は52人(目標値の約46%)となっており、達成は大変厳しい状況にあります。

【図28】
地域生活移行の状況

各年度における地域移行者数
平成30年度
25人
令和元年度
16人
令和2年度
16人
令和3年度
19人
令和4年度
17人

地域移行者数の累計
平成30年度
528人
令和元年度
544人
令和2年度
560人
令和3年度
579人
令和4年度
596人


「第6期宮城県障害福祉計画」では、入院中の精神障害のある人の地域生活移行目標として、入院期間1年以上の長期在院者数を2,506人以下としていますが、令和4年度末時点では、目標に届いていない状況にあります。また、新規目標として、精神障害者の精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数の目標を、国の基本指針を踏まえ、316日以上としています。

【図29】
精神障害者の入院期間1年以上の長期在院状況

入院期間1年以上の長期在院者数
平成30年度
3092人
令和元年度
2735人
令和2年度
2913人
令和3年度
2767人
令和4年度
2627人


「第6期宮城県障害福祉計画」では、本県の社会資源を勘案し、施設入所者の削減について目標を設定しませんでしたが、依然、多くの入所待機者が存在しています。

【図30】
障害者支援施設における利用定員・入所待機者の推移

利用定員
平成31年4月
1943人
令和2年4月
1943人
令和3年4月
1963人
令和4年4月
1963人
令和5年4月
1957人

待機者数
平成31年4月
553人
令和2年4月
544人
令和3年4月
626人
令和4年4月
581人
令和5年4月
561人

 (4)
発達障害のある人に対する支援等の状況

発達障害のある人の正確な人数の把握は困難ですが、県直営の「発達障害者支援センター」や「えくぼ」には、毎年多くの相談が寄せられており、発達障害のある人への支援の必要性は、依然として高いことがうかがえます。

【図表3-6】
発達障害に関する相談件数の推移

平成30年度
1216件
令和元年度
780件
令和2年度
861件
令和3年度
805件
令和4年度
821件

(5)
医療的ケアを要する人の状況等

令和5年3月に県が実施した医療的ケア児等実数調査によると、県内の医療的ケアを要する人の数は、令和5年1月1日現在で634人であり、全圏域で生活しています。

【表3】
県内医療的ケア児者数(令和5年1月1日現在)

医療的ケア児(20歳未満)
仙南
18人
仙台(仙台市除く)
85人
大崎
29人
栗原
3人
登米
12人
石巻
17人
気仙沼
12人
仙台市
157人
合計
333人

医療的ケア者(20歳以上)
仙南
6人
仙台(仙台市除く)
52人
大崎
25人
栗原
5人
登米
9人
石巻
6人
気仙沼
6人
仙台市
192人
合計
301人

合計
仙南
24人
仙台(仙台市除く)
137人
大崎
54人
栗原
8人
登米
21人
石巻
23人
気仙沼
18人
仙台市
349人
合計
634人

<施策の方向>
障害のある人の地域生活への移行を進めるため、障害当事者の意見などを踏まえながら、グループホームや地域生活支援拠点等の整備を進めるとともに、利用者本位のサービス提供を可能にするための相談支援体制の充実や、介護人材の確保・育成、サービスの質の確保等に取り組みます。
特に、障害のある子どもに対する切れ目のない支援体制の構築を図るほか、発達障害に関する支援体制の充実を図るとともに、医療的ケア実施体制や医療的ケア児者及びその家族への相談支援体制の充実に向けた取組を進めます。
また、地域での生活が困難な障害のある人の重度化・高齢化や「親亡き後」を見据え、建替整備が完了した県立障害者支援施設「宮城県船形の郷」は、県全域のセーフティネット、民間施設のバックアップ、地域の社会資源のコーディネートを担うセンター機能を備えた拠点施設としての役割を果たしていきます。

<主な推進施策>
(1)
介護人材の確保・育成

障害福祉分野における介護人材の確保・育成のため、職種や従事年数等に即した各種研修事業の充実を図るとともに、多様なケアに対応できる人材の育成を通じた介護人材の流動化、研修受講の促進に向けた支援を行います。

国の制度等を活用しながら、事業所の処遇改善加算の取得支援などの介護従事者の処遇改善に取り組むほか、ICTを活用した業務改善等を図る事業者への取組支援など、働きやすい介護現場の環境整備を支援し、介護人材の職場定着を図ります。

(2)
住まい・支援拠点の整備等
1.
地域生活への移行の推進

「宮城県障害福祉計画」に基づき、障害のある人の地域生活の場であるグループホームや、地域生活支援拠点等の整備を進めるとともに、施設入所者や精神科病院の入院患者等の退所・退院に向けた個別支援、地域の受入体制の調整等を行う相談支援体制の充実を図り、地域生活への移行を推進します。

特に、精神障害のある人の地域生活への移行を進めるため、精神障害に関する正しい知識の普及啓発を図るほか、民間精神科病院や関係機関の協力を得ながら、24時間、365日の精神科救急患者の受入が可能な精神科救急医療システムの充実を図ります。
2.
医療的ケア提供体制の整備

人工呼吸器の管理や経管栄養などの「医療的ケア」が必要な人が安心して在宅で生活できるための支援として、介護職員等の特定行為の研修受講、医療的ケアに対応した訪問系・日中活動系サービス事業所や医療型短期入所事業所の拡充など、医療的ケアの提供体制の整備を推進します。

医療的ケア児支援法に基づき設置した、「宮城県医療的ケア児等相談支援センター(愛称:ちるふぁ)」において、医療的ケア児及びその家族がその居住する地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられる体制の充実を図ります。
3.
セーフティネット機能の確保・充実

地域での生活が困難な障害のある人を受け入れている障害者支援施設及び療養介護事業所について、施設間の連携を強化し、緊急時の対応も含めた柔軟な受入体制の整備や支援スキルの底上げを図ります。

建て替えにより再整備した県立障害者支援施設「宮城県船形の郷」については、センター機能(県全域のセーフティネット、民間施設のバックアップ、地域の社会資源のコーディネート)を備えた拠点施設として、施設機能の拡充や支援内容の充実に取り組みます。

地域で生活する障害のある人の重度化・高齢化、親亡き後を見据え、高齢者福祉施策と連携し、介護保険サービスへの円滑な移行が図られるよう、地域生活支援拠点の整備や機能の充実に当たり、地域包括支援センターと緊密に連携を行うことで、地域包括ケアシステムの中での移行支援の強化を図ります。

県や市町村等による障害福祉サービス事業所等への実地指導等を通じて、各事業所の非常災害に関する具体的な避難確保計画の作成や、防災訓練の実施を指導します。

(3)
サービスの質の確保・向上等
1.
相談支援体制の充実

障害のある人やその家族の意向を尊重した適切なサービス提供を推進するため、サービス等利用計画・障害児支援利用計画の策定等を担う相談支援事業所への研修及び指導や、相談支援専門員の確保・育成に係る取組を推進し、地域における相談支援体制の充実を図ります。また、市町村による基幹相談支援センターの運営を支援し、障害のある人の相談や権利擁護、地域移行等のニーズに対して総合的に対応します。
2.
障害児支援の充実

障害のある子ども(児童福祉法における「障害児」をいいます。)とその御家族に対して、子どもの成長過程に合わせた効果的、かつ、一貫した支援を可能にするため、「宮城県特別支援教育将来構想」等に基づく特別支援教育の充実に向けた取組を推進するほか、保健・医療・福祉・保育・教育等の一層の連携を進め、発達障害などの早期の発見・療育が有効とされる障害のある子どもが、身近な地域で必要な支援を受けられる体制の充実を図ります。
3.
発達障害のある人の支援の充実

「宮城県発達障害者支援センター」において、市町村や障害福祉サービス事業所、各圏域の発達障害者地域支援マネジャー等と相互に連携しながら支援を行う体制の強化を図り、発達障害のある人やその家族、支援者に対して、乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応した相談支援・発達支援・就労支援等を行います。

ペアレント・プログラムやペアレント・トレーニングの普及や啓発、ペアレント・メンター育成研修等の実施により、発達障害のある子どもを育てる家族への支援を推進します。
4.
サービス提供に係る指導等

在宅及び施設等での障害福祉サービスが適切に提供されるよう、サービス事業者等や市町村に対して、実地による指導等を行うほか、サービス事業者に対する第三者評価やサービス情報の公表等を行います。

(ここまで)

ページの先頭に戻る

各論第1章「共に生活するために」

(41ページから49ページまで)

各論

第1章
共に生活するために

第1節
「心のバリアフリー」の推進

<現状と課題>

(障害や障害のある人への理解促進)

県では、令和3年3月に「障害を理由とする差別を解消し障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(以下この章において「共生社会づくり条例」といいます。)」及び「手話言語条例」を制定し、共生社会の実現に向けた施策として、県民の障害等に関する理解を深めるための啓発や知識の普及、障害のある人と障害のない人の交流による相互理解の推進等に取り組むこととしています。

令和5年3月に実施した県の基礎調査でも、行政に最優先で取り組んでほしい施策として、「障害についての理解を深めるための活動の充実」を挙げた割合が21.3%を占め、全体の3番目となっています。

しかしながら、令和4年12月に県が実施した県民意識調査では、「障害者差別解消法や共生社会づくり条例を知っている」と回答した割合が26.7%と低い水準であるほか、障害のある人に対して同様の質問をした基礎調査でも、「知っている」と回答した割合は37.1%にとどまっており、制度の浸透を含め障害及び障害のある人に関する相互理解は十分に進んでいるとはいえない状況にあります。

障害のある人が抱えている日常生活・社会生活上の困難さは、障害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁によって生ずるものという、いわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえ、「障害は限られた人だけの問題である」という意識上の壁を取り除く「心のバリアフリー」の推進が重要であり、障害や社会的障壁、合理的配慮等についての理解を深めるための広報・啓発活動をより一層推進するとともに、体験や交流を通じた福祉学習の機会を設け、障害がある人への理解、関心を高めることが必要となっています。

特に、子どもの発達段階に応じて、早い時期から障害のある人とふれあう機会を持つことで、障害のある人の存在が決して特別なことではなく、ごく身近な地域で一緒に暮らしているということや、障害のある人に対する一方的な援助ではなく、相互に支え合うことが社会において大切であることを理解することが重要です。

(虐待防止・権利擁護)

障害者虐待防止法の施行に伴い、国や地方公共団体、障害福祉施設の従事者等、企業の使用者などに障害のある人に対する虐待の防止等のための責務を課すとともに、障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者に対して通報義務が課されることとなりました。

これまでも、県では、市町村や国等の関係機関と連携し、普及啓発活動を通じた障害のある人への虐待の未然防止や、相談支援体制の整備に努めてきましたが、毎年、一定数の虐待の事実が確認されており、障害のある人の権利擁護の一層の充実が求められています。

<施策の方向>
1
差別解消・虐待防止・権利擁護の推進

(啓発・広報活動の充実)

障害当事者や支援者の団体、関係機関と連携し、「障害者週間(12月3日から9日まで)」や「障害者雇用支援月間(9月)」等における啓発活動を推進します。

障害のある人とない人との心のふれあい、相互の理解促進をテーマとした「心の輪を広げる体験作文」や「障害者週間のポスター」の募集を行い、優れた作品については表彰を行います。

知事への提案「明日のみやぎに一筆啓上!」などを通じて寄せられる障害福祉に関する県民からの意見を施策の展開に生かすとともに、県の広報媒体を通じた情報発信や、障害福祉サービス及び障害を理由とする差別等をテーマとした「みやぎ出前講座」の実施等を通じて、障害や障害のある人、社会的障壁等への理解を促進します。

共生社会づくり条例及び手話言語条例に関する普及啓発用リーフレットの配布や障害者アートをテーマとしたイベントの開催等による啓発・交流活動等を行うことで、障害及び障害のある人に対する県民の理解・関心を高めるとともに、障害のある人の社会参加を促進し、共生社会づくりを進めます。

内部障害や難病の方など、外見からは障害等があることがわかりにくい方々に対して周囲の方に援助や配慮を促す「ヘルプマーク」の配布や、歩行が困難な人のための駐車場利用証を発行・配布する「パーキングパーミット制度」のほか、事業者によるモデル的な環境整備や取組事例の紹介等を通じて、合理的配慮に関する普及啓発を推進します。

(相談体制の整備・相談員の資質向上等)

市町村や関係機関等と連携し、障害を理由とする差別等に関する相談体制の整備を推進し、紛争等の未然防止に努めます。

障害がある人に対する差別や虐待に関する県の総合相談窓口である、「宮城県障害者権利擁護センター」及び「宮城県障害者差別相談センター」を設置・運営し、障害を理由とする差別に関する相談事例や合理的配慮事例等を収集・分析し、市町村や障害福祉サービス事業者、関係機関等に対して積極的な情報提供を行うとともに、各機関における相談員に対する研修会を開催します。

障害を理由とする差別に関する相談で、解決が見込めないときに、事案解決のためのあっせんを行うことができる「宮城県障害を理由とする差別の解消のための調整委員会」を設置し、事案解決に向けた一層の充実を図ります。

障害者でんわ相談室を設置し、財産や消費生活、雇用・勤務関係、家族や知人等との人間関係など、障害のある人の生活全般にわたる相談に対応します。

障害者差別解消法に基づく障害者差別解消支援地域協議会の役割を担う「宮城県障害者施策推進協議会」等の場において、障害を理由とする差別に関する相談内容や対応事例、合理的配慮の事例等についての民間企業を含む関係機関との情報共有や事例分析、研修事業の開催等を通じて、障害を理由とする差別に関する紛争の防止・解決力の向上を図ります。

(虐待防止・権利擁護の推進)

障害者相談支援従事者研修などの各種研修において、障害のある人に対する虐待の防止について取り上げ、その意識啓発に努めます。

令和4年度から、全ての障害福祉サービス事業所等において、虐待防止委員会の設置が義務化されたことから、虐待の未然防止や再発防止策の検討がなされるよう実地指導等を通じて適正化を図ります。また、身体拘束等の適正化のための体制整備についても令和4年度から義務化されたことから、身体拘束適正化委員会の開催や職員研修などの取組が適正に行われるよう実地指導等を行います。

知的障害のある人など判断能力が不十分な人たちの権利を擁護するため、宮城県社会福祉協議会内に設置された「みやぎ地域福祉サポートセンター(愛称:まもりーぶ)」を支援し、市町村社会福祉協議会とも協力しながら、日常的な金銭管理や財産管理、福祉サービスの利用援助等を行うとともに、必要に応じて成年後見制度が活用されるよう周知を図ります。

知的障害のある人や精神障害のある人等に、法律問題に関する専門相談窓口を紹介します。

事業者の自己評価に加えて、第三者評価を導入して利用者の客観的な判断材料を提供するとともに、事業運営における問題点を客観的に把握し、サービスの質の向上に取り組めるようにすることが必要です。このため、県の第三者評価制度である宮城県福祉サービス第三者評価制度の普及啓発を図り、評価を受ける事業者の拡大を促進します。

障害福祉サービス事業所や精神科病院等において、障害のある人等の金銭管理やプライバシーに配慮した適切な支援が行われるよう、実地指導等の充実を図ります。

2
福祉教育・地域交流の促進

相互理解の促進を図るため、「宮城県障害者福祉センター」や県立障害福祉施設等において、キャップハンディ体験の指導者などの養成や障害のある人への支援ボランティアの養成・受け入れを行います。

学校や関係団体等とも連携しながら、障害のある子どもたちと障害のない子どもたち、ボランティア及び地域住民が共に活動する機会の充実を図ります。

心身に障害のある子どもを保育所や放課後児童クラブで受け入れ、障害のない子どもと一緒に保育する統合保育を促進します。

障害に対する理解と認識を一層深めるため、地域住民やボランティア等との交流を深めるイベントの開催を支援します。

3
ボランティア活動の振興

障害者スポーツ大会や各種レクリエーション活動などのイベント等を開催・支援することにより、障害のある人とボランティア等様々な人たちとが一緒に活動する機会をつくり、障害に対する理解や支え合う意識を広げていきます。

宮城県社会福祉協議会内の、「みやぎボランティア総合センター」や市町村社会福祉協議会が設置するボランティアセンターの活動を支援するとともに、「宮城県民間非営利活動プラザ(みやぎNPOプラザ)」が有する情報収集・提供機能や相談・コーディネート機能を生かし、情報発信ツールである「みやぎNPO情報ネット」へのボランティア募集情報の掲載をはじめ、ボランティア活動の促進に資する事業に取り組みます。

ボランティア活動の場の提供や窓口、情報交換の場の整備に努めながら、その活動を支援・促進していきます。

手話・要約筆記・点訳などの障害のある人の意思疎通支援に関するボランティアの育成を促進します。

住民が積極的にボランティア活動に参加できるように、障害福祉サービス事業所をはじめとした社会福祉施設における受入体制の整備を促進します。

4
行政サービス等の配慮

県が策定した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」に基づき、管理職及び新任の県職員に対する内部研修等を実施し、障害のある人に対する理解の促進と適切な対応ができる環境整備を推進します。

障害のある人が、県が主催する会議や各種行事等に参加しやすい環境づくりのため、参加者の障害特性に応じて、意思疎通支援者の派遣、資料の点訳や電子データ(テキスト化)等の合理的配慮の提供を行います。

障害のある人が、行政関連情報を円滑に取得・利用できるよう、ホームページや広報誌など、県の広報媒体における情報アクセシビリティの向上を図ります。


第2節
「情報のバリアフリー」の推進

<現状と課題>

情報は日常生活や社会生活を営む上で欠かせないものであり、障害のあるなしや年齢等に関係なく、誰もが必要とする情報に簡単にたどり着け、円滑に利用できるアクセシビリティの向上が必要です。

令和4年5月に「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)」が施行され、障害特性から情報の取得及び意思疎通に支援が必要な方々への情報保障の一層の充実を図っていく必要があります。

また、障害のある人が抱えている困難等についての理解を深め、社会的障壁の除去や、障害のある人の社会参加を一層促進する観点からも、障害特性に応じたコミュニケーション手段の確保・充実が併せて求められています。

令和4年度末時点で、県内において、こうした情報の取得・利用やコミュニケーション支援が特に必要と考えられる視覚障害のある人は約4,900人、聴覚・平衡機能に障害のある人は約5,900人、音声・言語機能障害のある人は約1,000人となっています。このうち、盲ろうなどの重複障害のある人は、情報の取得・利用やコミュニケーションがさらに困難な状況にあります。

こうした中、ホームページや電子メール、ソーシャル・ネットワーク・サービスなど、情報通信技術(ICT)の活用は、障害のある人にとって、単に情報の取得・利用にとどまらず、コミュニケーションの幅を広げ、社会参加の促進に有効な手段となっています。

また、県立の情報提供施設である「宮城県視覚障害者情報センター」及び「宮城県聴覚障害者情報センター(愛称:みみサポみやぎ)」などの障害がある人への情報提供機能の充実や、手話通訳者・要約筆記者、盲ろう者通訳・介助員などのコミュニケーション人材についても計画的な育成・確保を図っていく必要があります。

<施策の方向>
1
コミュニケーション支援

パソコン講習会やボランティア派遣などにより、障害のある人のICT機器の利用を促進します。

障害のある人のICT利活用に関する総合的なサービス拠点として、みやぎ障害者ITサポートセンターを設置・運営し、ICT講習会の開催や、訪問支援を含むICT利活用に関する相談対応等を行うほか、ICTの習得を通じた就労支援に取り組みます。

市町村における手話通訳員の設置や手話通訳者、要約筆記者の派遣など、意思疎通支援事業のサービス内容の充実を促進します。

手話通訳者や要約筆記者、点訳・音訳奉仕員の計画的な養成や、その資質の向上を図ります。

身体障害のある人などのパソコン入力や利用を支援するパソコンボランティアを養成し、派遣します。

盲ろう者の自立と社会参加を図るため、地域の実情に合わせたコミュニケーション方法の習得及び移動支援等を行う盲ろう者通訳・介助員の派遣を行うとともに、養成と資質の向上を図ります。

難聴者や中途失聴者に対して、それぞれの能力に応じた手段(補聴器、筆談、手話、読話及び口話)でコミュニケーションを行う能力の習得訓練と社会生活上必要な情報提供に関する講習を実施します。

筋ジストロフィーや筋萎縮性側索硬化症(ALS)等難病患者の病状の進行に伴うコミュニケーション障害に対し、それぞれの能力に応じた手段(補装具、透明文字盤等)でコミュニケーションを行えるよう必要な情報提供と支援を行います。

「共生社会づくり条例」及び「手話言語条例」の制定、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」の施行を踏まえ、障害特性に合わせた情報の取得及び意思疎通に支援が必要な方々に対し、災害時における情報提供方法の支援を含め、当事者団体や支援者団体とも連携し、「宮城県視覚障害者情報センター」及び「宮城県聴覚障害者情報センター(愛称:みみサポみやぎ)」の運営による情報提供機能の充実を図ります。

2
障害の特性等に配慮したアクセシビリティの向上

県のホームページについて、視覚や聴覚に障害のある人への配慮などアクセシビリティの向上に努めるとともに、県広報紙の点字版及び音声版を作成し、希望する障害のある人に配布するなど、県政の話題や施策等に関する情報の提供を更に推進します。

市町村が実施する日常生活用具給付事業等を支援し、コミュニケーション支援機器等の普及促進を図ります。

視覚障害のある人に対し、点字図書や録音図書などを製作し、情報提供を行うとともに、点訳・音訳等奉仕員を養成する「宮城県視覚障害者情報センター」を運営します。さらに、令和元年6月に施行された「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」を踏まえ、図書等について、視覚で認識することが困難な人の読書環境の充実を図るため、公共図書館と宮城県視覚障害者情報センターとの連携を促進します。

聴覚障害のある人に対し、総合的・専門的な相談事業や、聴覚障害に関する様々な情報提供、手話通訳者や要約筆記者の養成・研修・派遣等を行い、聴覚障害のある人と地域の交流・社会参加を促進する宮城県聴覚障害者情報センター(愛称:みみサポみやぎ)を運営します。

テレビ番組に字幕を挿入したDVD等を作成し、聴覚障害のある人への貸出を行います。


第3節
誰もが住みやすいまちづくりの推進

<現状と課題>

本県では平成8年7月に「だれもが住みよい福祉のまちづくり条例」を制定し、いち早く社会福祉施設や、道路、公園、公共交通機関の施設など、公益的施設等において障害のある人や高齢者が円滑に利用できるような整備を進めてきました。

また、平成18年12月には「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」が施行され、障害のある人等が円滑に移動できるようにするなど、積極的に社会参加できる環境整備が促進されています。

さらに、誰もが住みやすい社会を目指す観点から、障害のあるなしにかかわらず、誰もが使いやすい共用性にも配慮する、いわゆる「ユニバーサルデザイン」の視点が求められています。

しかしながら、基礎調査における「最優先で取り組んでほしい施策」として、「障害のある人に配慮した建物や交通機関などの整備(13.9%)」を挙げる人が一定数存在しているほか、「外出しやすくするために必要なこと」として、「公共交通機関が充実していること(22.5%)」や「施設・道路などが整備されていること(12.5%)」を挙げる声があり、障害のある人をはじめとする、全ての県民が安心して生活を営むことのできる住みよい社会の実現に向け、バリアフリー・ユニバーサルデザイン社会実現のための施設整備等の充実を図る必要があります。

<施策の方向>
1
誰もが住みやすいまちづくりの総合的推進

障害のある人が利用しやすい施設の情報提供や、障害のある人もない人も住みやすいまちづくりへの理解を深めるための普及啓発を図ります。

ユニバーサルデザインによる製品の普及や環境の整備が進められるよう様々な機会を捉え、ユニバーサルデザインの考え方の普及啓発に努めます。

ものづくり、まちづくり、観光などの施策の推進に当たって、ユニバーサルデザインの考え方を基本とします。県が施設や道路などを整備する際に、利用する立場から障害のある人などの声を反映させて整備するよう努めます。

2
公益的施設等の整備

だれもが住みよい福祉のまちづくり条例等に基づき、県や市町村の設置する施設のバリアフリー化はもとより、公益的施設のバリアフリー化を促進します。

誰もが住みやすいまちづくりのために、建物だけでなく、周辺の道路や河川公園・都市公園などの整備についても、障害のある人が利用しやすい環境づくりに配慮します。

観光地のバリアフリー化を促進し、障害があっても快適に旅行を楽しめるような観光地を目指します。

県内の公共施設等に設置されている身体障害者用トイレにオストメイト対応トイレを整備します。

3
公共交通機関等の整備

障害のある人をはじめとする交通弱者の通院や通学、買い物など地域住民の日常生活に不可欠な生活交通バス路線をはじめとした公共交通の維持のための市町村等への支援を行います。

障害のある人の円滑な移動を確保するため、鉄道駅舎等におけるエレベーターの整備や低床バスの導入を支援します。

県のホームページに「バリアフリー情報マップ」を掲載し、交通施設などのバリアフリー情報を提供していきます。

4
道路交通環境の整備

歩道の整備やわかりやすい道路標識の整備、音響誘導による視覚障害者用信号機や横断時間を延長する弱者感応信号機の設置、整備等を推進します。

社会福祉施設の周辺を含む県道路及びアクセス道路等の整備、歩道の整備、道路の緑化等を行います。

5
移動手段の確保

市町村が実施する移動支援事業等に対する支援を行うとともに、障害のある人に対する運転免許取得や自動車改造費の助成事業等に関する情報提供を行います。

公共交通事業者等に対して、地域の実情等に応じて、障害のある人の運賃等の減免を働きかけていきます。

障害のある人の自立と社会生活に必要な身体障害者補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)を育成する事業者に対して、育成費用の一部を補助するとともに、補助犬に対する県民の理解を促進します。

福祉有償運送の理解と普及、更には行政や関係団体等が協働しながら、移動制約者の社会参加と家族等の介護負担の軽減を図り、よりよい地域生活を送ることができる環境づくりを推進します。

(ここまで)

ページの先頭に戻る

各論第2章「いきいきと生活するために」

(50ページから59ページまで)

各論

第2章
いきいきと生活するために

第1節
活動・活躍の機会創出と参加促進

<現状と課題>

(生きがいの創出・介護者の負担軽減)

障害のある人が生きがいを感じながら、充実した地域生活を送るためには、様々な活動の場や学習の機会を確保し、その充実を図る必要があります。

また、基礎調査の結果では、障害のある子どもの保護者の「放課後・休日の困り事」として、お子様を自宅に残して外出することが困難(32.7%)と回答している割合が高くなっており、こうした課題への対応についても、関係機関と連携し支援していく必要があります。

(外出・日中活動)

障害のある人の「外出の頻度」を聞いた基礎調査の結果では、全体の7割以上の人が週1回以上外出すると回答していますが、その目的(※複数回答)は買い物(76.4%)や散歩(36.2%)となっており、趣味(7.2%)・スポーツ活動(5.1%)や習い事(4.7%)等の目的で外出する割合は低い水準にあります。

また、「外出しやすくするために必要なこと」としては、公共交通機関(22.5%)、移動支援の充実(15.8%)や交通費の軽減(19.4%)等の移動手段に関することを挙げる声が多かった一方、障害に対する理解が深まること(21.3%)、障害がある人も参加できる行事が充実すること(7.1%)といった意見もあり、周囲の人達の理解促進と活動の場の充実も求められています。

18歳以上の障害のある人の「平日の日中過ごしている場所」を聞いた基礎調査では、職場や通所サービス事業所等(49.0%)と回答した割合が、自宅や入所施設・病院(46.2%)を上回る結果となりましたが、まだまだ日中活動の場の充実が求められています。

(スポーツ・レクリエーション・文化芸術活動)

スポーツやレクリエーション、文化芸術に関する活動は、障害のある人の心身の機能訓練、生きがいの創造、社会参加意欲の促進等の面で大きな効果があるほか、障害のある人とない人との交流により、相互の理解を一層深める効果も期待されます。

障害のある人のスポーツ等の活動は、徐々に広がりを見せているものの、関連施設や指導者が身近にいない等の制約により、参加の意思がありながら、これらの活動に参加できずにいる人もいることから、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に得られた感動や経験などを、レガシーとして次世代に引き継ぎ、競技人口の拡大や参加の機会をより増やしていく取組が必要です。

障害のある人の文化芸術活動への関心が高まりを見せており、支援体制の構築による発表機会の確保等が図られていますが、さらなる文化芸術活動に取り組む障害のある人の掘り起こしとともに、地域や分野の拡大へ向けた取組を推進する必要があります。

<施策の方向>
1
日中活動の場・学習機会等の充実

(サービスの充実等)

「宮城県障害福祉計画」に基づき、生活介護や就労支援施設、放課後等デイサービスなどの計画的な整備を推進します。また、事業所の運営について、県や市町村による実地指導等を通じて、事業所の提供サービスの質の向上等を図ります。

市町村が行う地域生活支援事業における移動支援事業や、地域の実情に応じ、創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流促進等を担う地域活動支援センターの機能充実に対する費用の一部を補助します。

県による合理的配慮の一環として、県が主催等するイベント等に参加しやすい環境づくりのため、参加者の障害特性に応じて、意思疎通支援者を派遣するとともに、資料の点訳等を行い、障害のある人の参加促進を図ります。

公共交通事業者等に対して、障害のある人の運賃割引等を働きかけるとともに、積極的な情報提供を行います。

精神障害のある人の様々な目的に合わせて活用できるコミュニティサロン(集いの場)の運営を支援し、同じ障害のある人との交流等を通じて再発の予防や社会復帰の促進を図ります。

市町村などにおける障害児保育事業の充実や放課後児童健全育成事業における障害のある子どもの受入れの促進などを働きかけていきます。

障害のある人が学校を卒業した後も社会とのつながりを持ち、様々な学びにアクセスする機会を創出するため、教育・福祉部局や関係団体、民間企業等で構成するコンソーシアムを構築し、連携体制を整備します。

自然の家などの県有施設で行う事業や、みやぎ県民大学などの県が主催する講座において、障害のある人が参加できるプログラムを設定し、支援体制を整備していきます。

市町村が行う社会教育・生涯学習に関する事業において、障害のあるなしにかかわらず誰もが参加できる仕組みを整備できるよう、モデル事業等を実施しながら支援していきます。

(関連施設の運営等)

障害に関する相談・研修事業や、障害のある人の日中活動訓練、スポーツ体験、趣味の教室などを行う「宮城県障害者福祉センター」を運営します。

視覚障害のある人に対し、点字図書や録音図書などを製作し、情報提供を行うとともに、点訳・音訳等奉仕員を養成する「宮城県視覚障害者情報センター」を運営します。

聴覚障害のある人に対し、総合的・専門的な相談事業や、聴覚障害に関する様々な情報提供、手話通訳者や要約筆記者の養成・研修・派遣等を行い、聴覚障害のある人と地域の交流・社会参加を促進する「宮城県聴覚障害者情報センター(愛称:みみサポみやぎ)」を運営します。

宮城県図書館において、障害のある人等に配慮した各種設備や機能の充実を図るとともに、生涯学習に関する情報提供や普及啓発を行います。

2
スポーツ・レクリエーション・文化芸術活動の振興

障害のある人の健康増進やスポーツの振興等のための施設である「宮城県障害者総合体育センター」を運営するとともに、「宮城県障がい者福祉協会」が管理運営する温水プールの有効活用を推進します。

障害のある人もない人も一緒に楽しめるスポーツの普及促進とともに、障害の特性に応じて適切な指導ができるスポーツ指導員を養成・確保し、障害者スポーツへ参加する機会の充実を図ります。

競技スポーツ及びレクリエーションとしてのスポーツの振興を図るため、「全国障害者スポーツ大会」などの大会への選手派遣をはじめ、県主催の障害者スポーツ大会の開催や、各種障害者競技団体が行う大会の支援を行います。

関係団体と連携し、東京2020年オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーとして次世代に継承するため、障害者スポーツ人口の拡大と参加機会の拡充に向けた一層の普及啓発を図ります。

障害のある人や関係団体が実施する仲間づくりや趣味の活動等のレクリエーション事業の振興を図ります。

レスパイト機能等を備えるなど、障害のある方やその家族の様々なニーズに対応する在宅心身障害者保養施設「宮城県七ツ森希望の家」を運営します。

障害のある人が、書道や写真等創作活動を始める契機として、また、作品発表の場として作品コンテストを開催します。

障害のある人の文化芸術活動の場の確保や、県民の障害に対する理解の促進に大きく貢献している「とっておきの音楽祭」の開催を支援します。


第2節
多様なニーズに対応したきめ細かな教育の充実

<現状と課題>

(インクルーシブ教育システム構築の推進)

我が国では、平成26年に批准した「障害者の権利に関する条約」で提唱されている、障害のある者とない者が共に学ぶ「インクルーシブ教育システム構築」の推進のための特別支援教育が求められています。多様な学びの場の整備や、ICT活用等の教育環境の整備、卒業後の心豊かな生活の実現に向け、地域における支援体制の整備を更に進めていくことが必要とされています。

本県においても、国内外の動向を踏まえ、平成27年2月に「宮城県特別支援教育将来構想」を策定し、障害のあるなしによらず、全ての児童生徒の心豊かな生活と共生社会の実現を目指し、柔軟で連続性のある多様な学びの場の中で、一人一人の様々な教育的ニーズに応じた適切な教育を展開することとしています。

(各学校等の課題)

障害を理由とする特別な支援を必要とする児童生徒の増加に伴い、就学前の乳幼児期から医療や福祉、保健、労働等の関連分野と連携した、より専門的な教育相談の充実と、必要な情報を適切に就学先へ引き継ぐ「切れ目ない支援体制」の確立が必要とされています。

小・中学校及び高等学校等においては、知的障害や自閉症、情緒障害など、一人一人の多様な教育的ニーズに対応するため、特別支援教育コーディネーターを中心とした校内体制の一層の整備・充実や、教員の専門性の向上、「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」の作成・活用等が求められています。

特別支援学校においては、重複障害や医療的ケアの対象児童生徒が増加しており、教員の障害に関する専門知識・技能等の向上が求められているほか、幼稚園、保育所等から高等学校へ広く助言を行うセンター的機能の一層の充実を図る必要があります。また、知的障害特別支援学校の狭あい化が進んでおり、その解消に向けた取組が必要となっています。

<施策の方向>
1
切れ目ない支援体制の充実

障害のある幼児児童生徒に対し、ライフステージに応じた一貫した支援を行うため、「宮城県特別支援連携協議会」を設置し、保健、医療、福祉、教育、労働等の連携体制を構築します。

障害のある児童生徒の就学先決定のための総合的な判断や手順等をまとめた「就学支援の手引き(令和4年度発行)」を活用し、市町村教育委員会の教育支援体制の充実を支援します。

各教育事務所や市町村教育委員会等を対象とした、就学支援のあり方や就学事務手続等についての説明会や障害のある子どもの適切な就学先決定や教育相談に関する研修を開催します。

卒業後のライフステージの接続期において、各所属学校等から障害の状態や配慮事項、関係機関等の情報を適切に引き継ぐとともに、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」の作成と活用を図ります。

2
多様な教育的ニーズに応じた学びの場の実現

特別な支援が必要な児童生徒が地域の学校に在籍し、障害のない児童生徒と「共に学ぶ」場合に必要な効果的な教育方法や校内体制の確立に向けて、モデル校やモデル地域を指定して、各種専門家や指導主事、特別支援学校地域支援担当者等を派遣します。

個々の教育的ニーズに応じた「個別の教育支援計画」等を活用した具体的支援の実践例を集積し、その普及啓発を図ります。

教育の機会均等の趣旨に則り、児童生徒の健康管理に配慮した学習機会の保障に努めるため、医療的ケアを必要とする児童生徒が通学する県立特別支援学校に看護師を配置し、経管栄養や喀痰吸引等を行います。また、医療的ケアを必要とする児童生徒が安心して学校生活を送るため、医療的ケアコーディネーターを中心とした教職員と看護師の連携や医療的ケアに関する研修を実施するなどして、校内の全教職員が共通理解の下に、安全・安心に医療的ケアを行う体制の整備を進めます。

大学や関係機関との連携を図りながら、ICTを活用した指導方法の工夫及び教材等の充実に向けたモデル事業等を実施します。

県立特別支援学校のセンター的機能の認知が進んできたことで、特別支援学校からの幼稚園、保育所、小・中、高等学校等における助言等の件数が増加しておりますが、なお一層の充実を図ります。また、高い専門性をもつ人材の更なる確保に向け、大学や各研修機関と連携し、特別支援学校教諭免許状の更なる取得促進を図ります。

特別支援教育コーディネーターは、学校内や福祉、医療等の関係機関との連絡調整役となり、保護者に対する学校の窓口として役割を果たしてきましたが、次世代の養成や新たなニーズが増加している高等学校への相談対応にも努めます。

特別支援学校(知的障害)の狭あい化を解消するため、仙台圏域に特別支援学校を新設するほか、県有財産や廃校となった小・中、高等学校等の校舎や余裕教室を活用した特別支援学校(知的障害)の分校等の設置などを検討します。

3
共生社会の実現を目指した理解の促進

インクルーシブ教育システム構築の推進に当たり、その理念等を地域社会が理解し、協力を得られるよう、特別支援学校に在籍する児童生徒が居住地にある小・中学校において交流及び共同学習を行い、社会参加や地域における特別支援教育に関する一層の理解促進を図ります。また、モデル事業等の実施を通じて、障害のある児童生徒への合理的配慮のあり方について検討を進めます。

各市町村におけるインクルーシブ教育システム構築を推進するため、市町村教育委員会の要請に応じ、特別支援教育の経験が豊富な職員を派遣して、本人・保護者との合意形成に努めるなど、教育支援体制の一層の充実を図るとともに、障害のある児童生徒の適切な就学を支援します。


第3節
雇用・就労の促進

<現状と課題>

(雇用・一般就労)

令和5年6月1日現在の県内の民間企業(43.5人以上規模の企業1,624社)における障害のある人の雇用者数は6,752.5人(前年比+275人)、実雇用率は2.29%(同+0.08ポイント)、法定雇用率の達成企業数830社と、いずれも過去最高となりましたが、全国平均(2.25%)を上回っているものの、法定雇用率(令和5年度2.3%)に達していない状況にあり、一層の雇用機会の創出が求められています。

また、「障害者雇用促進法」の改正による、令和6年4月からの法定雇用率の引き上げを踏まえ、地方公共団体等における障害者雇用率の向上に努めるとともに、民間企業における法定雇用率の達成に向け、関係機関と連携し、障害に対する理解の促進や普及啓発活動、障害のある人の雇用を検討している中小企業者に対する助言等を行い、障害のある人の雇用の場の拡大を図る必要があります。

基礎調査の結果では、最優先で取り組んでほしい施策の1番目に「働ける場の確保(36.5%)」が挙げられているほか、仕事・就職の困り事として、「給料・工賃の安さ(21.1%)」や「職場での人間関係(13.1%)」、「勤務状況の調整(12.1%)」などが挙げられています。

様々な生きづらさを抱え、一定の支援や配慮を必要とするひきこもり等の就労困難者の就労の機会が不足しており、就労の場づくりとネットワークの構築を図る必要があります。

(福祉的就労)

県が令和3年9月に策定した「第四期宮城県工賃向上支援計画」では、本県における就労継続支援B型事業所の平均工賃月額を令和5年度までに23,000円とする目標を掲げていましたが、令和4年度における平均工賃月額の実績は18,169円であり、目標達成に向けて今後一層の工賃向上に取り組む必要があります。

(能力開発)

障害のある人の就労意欲の高まりが見られる一方、仕事に就くこと自体の不安や業務の適性など、不安を有する人も多いことから、このような不安を解消し、自信を持って働くことができるよう、資格の取得やスキルアップ等の支援を行っていく必要があります。

障害のある人の就業や職業的自立を促進するためには、教育関係機関、社会福祉関係機関、公共職業安定所(ハローワーク)、職業訓練機関などの関係機関が相互に連携し、就業に向けての相談、職業能力等の評価、職業訓練、職業指導、就職後の定着支援まで、障害のある人の能力及び適性や障害の状況に応じた一体的な支援等の連携施策を着実に展開していくことが求められています。

ICTは、情報入手や意思伝達の手段だけでなく、システムエンジニアやプログラマーをはじめ一般事務での就労においても、その活用スキルが広く求められることから、ICT活用のスキルアップに取り組む必要があります。

(教育機関との連携)

特別支援学校(高等部)卒業後の進路は、就労を希望する生徒本人の意向を尊重し、また適性に応じた仕事等に従事できるよう、関係機関との連携した支援が必要です。

<施策の方向>
1
啓発活動の推進

毎年9月の「障害者雇用支援月間」にあわせ、「宮城県障害者雇用支援のつどい」を開催し、障害者雇用の優良事業所や優秀な勤労実績を有する障害のある人を表彰するほか、講演会の開催など、県内企業等に対する障害のある人の雇用について啓発を図ります。

「障害者雇用支援月間」及び毎年12月の「障害者週間」にあわせ、県庁ロビーにおいて県内の就労支援事業所の活動を紹介するとともに、作成した商品等の展示販売を行う「働く障害者ふれあいフェスティバル」を開催し、県民の理解と障害のある人の働く意欲を喚起します。

「公共職業安定所(ハローワーク)」や「障害者就業・生活支援センター」、「宮城障害者職業センター」等との関係機関と連携し、企業訪問等による障害者雇用の普及啓発や雇用のための助言等を行います。

企業・職場等における障害等への一層の理解が求められることから、民間企業等を対象に、精神障害を含む障害のある人の雇用事例等の情報提供を行うセミナー等を開催し、障害のある人の雇用促進・定着を支援します。

2
障害者雇用率の向上(雇用・一般就労及び就労定着に向けた支援)

県内の経済団体に対して、障害のある人の雇用促進・維持等に関する要請を行うとともに、県内事業所に対して、宮城労働局等の関係機関とともに雇用に関する要請を行います。

就職面接会の開催など、就労を希望する障害のある人と企業とのマッチングに取り組みます。

県職員の採用に当たっては、これまでも身体障害のある人を対象とした採用選考考査を実施し、その中で手話通訳や点字による考査を行ってきたほか、一部の競争試験においても点字試験を実施する取組を行っており、障害のある人の受験機会の拡大を図るとともに、市町村職員への障害のある人の雇用についても、積極的な取組の働きかけを行います。

一般就労を希望する障害のある人が県庁等の職場で事務等を経験することにより、就職に向けた社会人としてのマナーや職業能力の向上が図られるよう支援します。

障害者就業・生活支援センターの相談能力等の向上のため、セミナーや研修会等を開催するとともに、各センター間の連携を進め、すべてのセンターの支援機能の向上を図ります。

また、障害者就業・生活支援センターを中心に一般就労の場を確保するため、企業等の開拓に取り組みます。

積極的に障害のある人を雇用している県内の中小企業から物品及び役務を調達することにより、雇用・一般就労の促進を図ります。

就労移行支援事業所、企業及び支援機関等の連携構築を支援し、障害のある人と企業の間で生じる課題の解消や企業の実習受け入れ機会を確保・拡大すること等を通じて、福祉的就労からの一般就労移行を更に促すとともに、就労先での定着のための継続的な支援体制の充実を図ります。

自律的な経済活動の下、障害やひきこもりにより一定の支援や配慮を必要とする人など就労に困難を抱える方に必要なサポートを提供するソーシャルファーム(social firm:社会的企業)への支援などにより、就労困難者の中間的就労等の体制づくりを進め、働く障害のある人等の就労の機会を促進します。

若年性認知症の人や家族、雇用している企業等を支援するため、若年性認知症支援コーディネーターを配置し、相談体制を整備します。

若年性認知症の人が一般就労中に発症した場合には、関係機関と連携して雇用の継続を支援します。

3
福祉的就労の促進と工賃向上に向けた支援

(就労支援施設の整備)

「宮城県障害福祉計画」に基づき、身近な地域で就労関連サービスが受けられるよう、サービス事業所の計画的な整備を推進します。

(工賃向上に向けた取組等)

第四期(令和3年度から5年度まで)の実績を踏まえ、「第五期宮城県工賃向上支援計画(令和6年度から8年度まで)」を策定し、就労継続支援B型事業所等が工賃向上計画を策定するために必要なアドバイザーの派遣や、策定した計画等を実践するための経営コンサルタント等の派遣を行います。

就労支援施設等における生産性の向上及び労働環境の改善を図るため、専門家派遣等の支援を行います。

工賃向上に向けて就労支援事業所職員等の意識改革を図るため、工賃向上の取組が特に優れている就労支援事業等に対する表彰の機会を設けるとともに、ノウハウ等を普及推進するための研修会等を開催します。

県庁18階において就労支援事業所が営業するレストランを設置し、公共施設における就労の場を提供するとともに、就労支援施設による製品等の情報発信を支援します。

障害者優先調達推進法に基づき、行政機関による就労支援施設等から積極的な物品及び役務の調達を推進するとともに、障害者施策推進協議会(障害者差別解消支援地域協議会)の構成団体をはじめとする関係機関による調達を積極的に働きかけ、市場の開拓に取り組みます。

大量受注や共同販売に対応するため、共同受注体制の充実を図り、就労支援施設の継続的な業務受注を支援します。

県内外の民間企業等から請負業務(BPO)の受注を拡大し、共同受注窓口を通じ、安定的かつ継続的な生産活動の機会を確保します。特に、パソコンを活用したICT・デジタル関連業務を獲得し、障害特性を踏まえ、精神障害のある人をはじめとした就労支援施設で働く障害のある人とともに、在宅での就業希望者に対する就業機会を創出し、生産活動を通じた一般就労のための訓練機会としても活用します。

民間企業・団体の協力を得て結成した「みやぎの福祉的就労施設で働く障害者官民応援団」組織を活用し、県内の就労支援事業所における請負業務を中心とした継続的かつ安定的な業務受注機会の確保に取り組むとともに、働く障害のある方への理解促進を図ります。

(職業能力開発の促進)

「宮城障害者職業能力開発校」において、就業に必要な職業能力の開発・向上を図るため、雇用のニーズに即した職業訓練を実施するとともに、就業を促進するため、「公共職業安定所(ハローワーク)」等の関係機関との連携を強化し、実習協力企業の開拓、当該企業における訓練生の実習等を通じて企業との信頼関係の構築を図ります。

障害のある人へのICTの普及定着を推進する、「みやぎ障害者ITサポートセンター」において、資格取得等に向けたICT研修を行うことにより、就労支援を図ります。

企業等における障害のある人に対する理解の促進を図り、企業ニーズと障害のある人個々の特性を一致させるための伴走支援の充実・強化を進めます。

特別支援学校と企業間の連携を強化し、職場の開拓及び生徒の実習受入先の開拓を行う機能の充実を図ります。このことによって、職場や実習内容に関する情報と実習体験の場を提供し、生徒一人一人のニーズに応じた就労支援を行います。

(ここまで)

ページの先頭に戻る

各論第3章「安心して生活するために」

(60ページから78ページまで)

各論

第3章
安心して生活するために

第1節
相談支援体制の拡充

<現状と課題>


障害のある人が地域で安心して暮らしていくためには、障害のある人やその家族の意思を尊重し、様々なニーズや心身の状況に応じたきめ細かな対応が必要です。

このため、身近な地域で相談支援を受けることのできるよう、相談支援事業者や市町村の相談窓口等の体制の充実を図り、心身の状況や障害の特性等に応じたサービス等につなげていくことが重要です。

特に、障害のある子どもの親は、養育、医療、教育、就労など様々な将来への不安を抱えることになるため、子どもへの対応はもとより、親に対する心のケアについて、積極的にかかわっていく必要があり、気軽に様々な相談が受けられる場を、身近な場所につくる必要があります。

また、県内に配置されている民生委員及び児童委員は、各担当区域内の実情を把握するための社会調査や相談活動などを担っており、これらの民生委員等とも連携を図っていく必要があります。

しかしながら、基礎調査の結果では、障害のある人の相談相手として「家族・親戚(75.8%)」及び「友人・知人(27.8%)」と回答した割合に比べ、「役所の窓口(8.5%)」及び「相談支援事業所(22.5%)」等と回答した割合は低い水準にとどまっており、相談支援体制の一層の充実が求められています。

こうしたことから、地域における相談支援の中核機関であり、市町村が運営する基幹相談支援センターを中心に、相談支援人材の計画的な育成を図るとともに、県及び市町村の自立支援協議会(広域設置を含む。)による相談支援関係機関の有機的なネットワーク化を通じた相談支援体制の活性化を進める必要があります。

さらに、障害福祉サービスを利用する全ての人が、サービス等利用計画の提出が必要であることから、当該計画案の作成を担う相談支援専門員の養成及び資質向上等に一層取り組んでいく必要があります。

<施策の方向>
1
相談支援の充実強化

(相談支援従事者の育成等)

相談支援従事者等を対象とした研修(初任者研修、現任研修、主任研修及び専門コース別研修)を定期的に実施し、相談支援従事者等の技術向上を図るとともに、研修の受講定員を増やすなどして、受講機会の拡充にも努めていきます。

市町村の自立支援協議会と連携し、地域の課題や困難ケースへの対応について、事例共有や解決に向けた意見交換等を実施し、相談支援体制の充実・強化及び圏域におけるネットワークの構築を進めていきます。

過去に相談支援従事者研修を修了し、資格を有しているものの現在は計画相談支援業務に従事していない「潜在的有資格者」が再度現場で活躍できるための環境整備等を図ります。

(障害特性に応じた相談支援体制の充実)

県の自立支援協議会などの場を通じて、基幹相談支援センター相互の定期的な情報交換等を行い、地域課題の解決に向けた検討や個別支援事例の共有を図ることで、地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターの運営を支援し、地域の実情に応じた総合的・専門的な相談支援を実施するとともに、相談支援事業所に対する指導・助言や、人材育成支援等を通じた相談支援体制の強化を図ります。

在宅の障害のある人(重症心身障害児者、知的障害のある人、身体障害のある人など)の地域における生活を支えるため、市町村が実施する障害者相談支援事業と連携を図りながら、障害のある人やその家族等が身近な地域で療育相談や指導が受けられる相談支援体制を推進します。

「宮城県発達障害者支援センター」を運営するほか、各障害保健福祉圏域で中核となる事業所に発達障害者地域支援マネジャーを配置し、発達障害のある人やその家族、支援者が、身近な地域で乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応した相談を受けられるよう、体制整備や人材育成を進めます。

「リハビリテーション支援センター」や各保健福祉事務所を中心として、市町村と連携しながら、高次脳機能障害のある人等に対する相談支援や、リハビリテーション専門職等のチームによる巡回相談を行うとともに、普及啓発・支援者育成のための研修事業等を行います。また、医学的な側面からの評価・支援を行うため、地域の拠点病院による、高次脳機能障害のある人の社会復帰に向けた相談支援や保健医療関係者等を対象とした専門研修等を支援します。

難病患者等に対する相談支援等を行うため、保健福祉事務所に加え、「宮城県難病相談支援センター」及び「小慢さぽーとせんたー」を運営し、患者の悩みや不安の解消を図ります。

2
利用者本位のサービスの提供

障害のある人の様々なニーズをくみ取り、それに対するサービスを提供するためには、本人の意思を的確に把握することが必要であり、障害者ケアマネジメント手法に基づくアセスメントと個別支援計画の作成を通じ、利用者本位のサービス提供を推進します。

また、利用者本位のサービス提供と併せ、より質の高いサービスを提供するために、その支援に用いられる知識と技術の向上を図るとともに、市町村や関係機関によるチームアプローチのために必要な取組を推進し、障害福祉サービス事業所等の知識・技術の向上を図ります。

上記のプロセス等を徹底するため、県の自立支援協議会などの場において、市町村や各地域自立支援協議会、各基幹相談支援センター等の関係機関との定期的な情報交換等を行い、地域課題や個別支援事例の共有を図ります。

3
地域支援体制の整備

障害のある人、障害のある子どもの保護者又は障害のある人の介護を行う人たちの様々なニーズに対応していくため、保健・医療・福祉・教育・労働等の関係機関で構成する自立支援協議会を活用し、地域の現状、課題を共有しつつ、新たな社会資源の開発等に向けた取組を進めていきます。

市町村が実施する障害者相談支援事業と連携を図りながら、障害があるかわからない状態(障害の受容ができない状態を含む。)であっても適切な相談や指導を受けることができる体制の充実を図ります。

地域の民生委員・児童委員や障害者相談員等が行う相談活動を通じ、現に支援を受けていない障害のある人を適切な支援へと結びつけられるよう、民生委員・児童委員等に対して、障害や障害のある人に関する情報提供等が行われるよう市町村に対して助言を行います。


第2節
生活安定のための支援

<現状と課題>

障害のある人が、地域で安定した生活を営み、社会的な自立を促進するためには、所得保障の充実や経済的負担の軽減等を図る必要があります。

基礎調査の結果においても、最優先で取り組んでほしい施策として「年金・手当などの充実」と回答した割合が36.1%であったほか、「医療費の負担軽減」と回答した割合が19.1%となっており、所得保障の充実を望む割合が高くなっています。

また、所得保障の充実を望む障害のある人は、「働ける場の確保」や「障害に対する理解の促進」を同時に望んでいる傾向にあり、こうした施策を総合的に展開することで障害のある人の経済的自立を支援していくことが求められています。

<施策の方向>
1
年金、手当等の充実

障害基礎年金、特別障害者手当、特別児童扶養手当等の充実について、国に働きかけるとともに各種制度の周知を図ります。

2
経済的負担の軽減

重度の障害のある人が医療機関で受診等した場合の自己負担分を実施主体である市町村とともに助成する障害者医療費助成制度の適正な運営を図るとともに、全国一律の制度となるよう国に働きかけていきます。

施設等への移動に要する費用の軽減を図るため、関係機関と連携し、各種運賃や料金の割引制度の活用について周知を図ります。

通院に介護を必要とする小児慢性特定疾病医療費助成事業対象患者等の通院に関する介護に要する費用を助成します。

3
生活福祉資金の貸付け

障害のある人及び障害のある人が属する世帯の経済的自立と社会参加を支援するため、「宮城県社会福祉協議会」において、事業を営むために必要な資金や生活安定のための資金等を貸し付けます。

4
公費負担医療制度の運用

心身の障害状態の軽減を図り、又は、身体の障害を除去、軽減するために必要な自立支援医療(精神通院医療、更生医療及び育成医療)を給付します。

精神障害のある人の医療及び保護を図るため、措置入院に係る医療の給付を行います。

指定難病や小児慢性特定疾病等の治療に関する患者・家族の経済的負担を軽減するため、医療保険の自己負担分の全部又は一部に相当する助成を行います。


第3節
在宅・施設サービス等の充実と提供体制の整備

<現状と課題>

(在宅サービス)

障害のある人が、安心して日常生活及び社会生活を在宅で送るためには、訪問系サービス(居宅介護等)や日中活動系サービス(生活介護等)など、障害者総合支援法等に基づく各種サービスの量と質の双方を一層充実させることが必要であるほか、障害のある人の介護等を行う家族や支援者の負担を軽減し、地域全体で支えていく仕組みづくりが求められています。

基礎調査における「今後利用したい福祉サービス」についての質問でも、「地域で暮らしていくための支援(11.6%)」や「身体機能や生活能力の向上など自立のための訓練(9.2%)」、「外出時に必要な支援(9.0%)」、「補装具費の支給や日常生活用具の給付(7.5%)」など、在宅生活の継続に向けた様々な支援が求められていることがうかがえます。

また、65歳以上の障害のある人については、原則として介護保険サービスを利用することになりますが、介護保険に相当するサービスがない場合や保険給付の支給量が不足する場合等については、障害福祉サービスも併せて利用できることから、市町村や関係機関と連携しながら、心身の状況等に応じたサービス提供がなされるよう配慮する必要があります。

(地域生活への移行)

障害のある人の自立支援の観点から、障害者支援施設等からの地域生活への移行は非常に重要ですが、退所後の住まいの場となるグループホーム等は必要数を満たす整備状況にはなく、また、重い障害のある人は現在の社会資源を利用しての地域生活が難しいため、地域生活への移行は十分に進んでいるとは言えない状況にあります。

また、現在は家族(親)の介護により、在宅で生活している障害のある人の場合でも、親亡き後の住まい等について不安を感じている人もいることから、それぞれの障害特性に配慮した生活の場を整備・支援していく必要があります。

(施設サービス)

重度の障害のため、在宅での生活が困難である人にとって、施設サービスを行う障害者支援施設等は生活の場として極めて重要であることから、入所利用者の生活の質の向上に向けた個別支援の充実が求められています。

特に、県立施設については、事業採算性や支援の難しさの観点等から、民間での対応が困難な障害のある人の受入(セーフティネット機能)や、民間施設等での支援が一時的に困難となった障害のある人の緊急受入及び再入所に当たっての適切な指導・助言等(バックアップ機能)のほか、他の施設等の優れた取組に関する情報提供等を通じた県全体の支援技術の底上げ(コーディネート機能)等が期待されています。

(介護人材の育成・確保等を通じたサービスの質の確保)

子育て支援・高齢者福祉など、他の福祉分野を含めた介護人材の不足は全国的な課題となっており、介護職員の給与水準の向上やキャリアアップ制度の拡充など、処遇改善と質の向上の両面から人材育成・確保に取り組む必要があります。

<施策の方向>
1
在宅サービス等の提供体制整備

障害者総合支援法に基づく障害福祉計画及び児童福祉法に基づく障害児福祉計画を策定し、在宅で生活する障害のある人が、身近な地域で適切なサービスを受けられるよう、サービス事業所等の計画的な整備を推進します。

「相談(地域生活移行・親元からの自立)」、「体験の機会・場(一人暮らし、グループホーム等)」、「緊急時の受入・対応(ショートステイの利便性・対応力向上等)「専門性(人材の確保・養成、連携)」及び「地域の体制づくり(サービス拠点、コーディネーターの配置等)」の機能を担う地域生活支援拠点がすべての市町村で利用できる体制整備を支援します。

2
地域における生活の場の確保

国の補助事業を活用しながら、障害者総合支援法及び児童福祉法に基づく障害福祉サービス事業所の創設や改修に要する費用の一部を補助します。

精神障害や重度の障害のある人に対応する日中活動の場やグループホームの整備や、既存のグループホームにおける建築基準法や消防法への適合等を目的とした大規模修繕等に要する費用の一部を補助します。

県立障害者支援施設「宮城県船形の郷」については、地域での生活が困難となった障害のある人を受け入れるためのセーフティネット、民間施設のバックアップ及び地域の社会資源のコーディネートといった機能を充実させます。

県、市町村、民間関係団体等が会員となっている「みやぎ住まいづくり協議会」において、障害のある人を含む住宅確保要配慮者の賃貸住宅への円滑な入居に向けた居住支援のあり方などについて意見交換等を実施するほか、居住支援法人の指定など、産学官が連携・協働して、新たな住宅セーフティネットに対応した体制づくりを進めます。

3
各種生活訓練等の充実

身体障害のある人に対して、日常生活用具等を利用した生活行動訓練や、残存機能の維持・向上のための機能回復訓練等を実施します。

視覚障害のある人の家庭生活や社会生活に必要な訓練指導や講習会等を実施するとともに、中途失明者の社会復帰を促すための各種相談への対応や、訓練指導員の派遣による生活訓練の充実を図ります。

聴覚障害のある人に対して、手話通訳者や要約筆記者の派遣を行うとともに、年金・保険制度や金銭問題等、社会生活上必要な知識を得るための講習会等を開催します。

盲ろう者に対して、通訳・介助員の派遣を行うとともに、日常生活及び社会生活に必要な訓練指導や講習会等を開催します。

喉頭摘出により、音声機能に障害のある人に対して、発声訓練とその指導者の養成を行います。

ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を造設している障害のある人に対して、ストーマ用装具の選定や、ストーマ周辺の皮膚炎症等の予防及び社会生活に関する講習会を開催します。

呼吸器機能に障害のある在宅の酸素療法者に対して、酸素濃縮器を使用する際の電気料金への助成を実施主体である市町村とともに行います。

障害のある人の自立と社会生活に必要な身体障害者補助犬(盲導犬、聴導犬・介助犬)を育成する事業者に対して、育成費用の一部を補助するとともに、補助犬に対する県民の理解を促進します。

高齢となった障害のある人が円滑に介護保険サービスを利用できるよう、市町村やサービス事業者等に対して、制度の適切な運用等についての周知を図ります。

4
福祉用具の普及促進等

補装具や日常生活用具等の福祉用具の活用は、障害のある人の自立支援と社会参加の促進だけでなく、介護者の負担軽減の観点からも重要であることから、「リハビリテーション支援センター」を中心として、用具の適切な使用方法の啓発等を行うとともに、個々の利用者のニーズや利便性に配慮した用具の適合調整を総合的に行う体制の充実を図ります。

「宮城県介護研修センター」等での住宅改修相談の充実、更には介護負担の軽減と障害のある人の自立を支援するための福祉用具の普及促進、バリアフリー住宅の整備など、在宅ケアを容易にする住まいの環境の整備を推進します。

5
施設入所支援の充実

障害者支援施設等については、各圏域における訪問や日中活動事業を行う事業所の整備状況を踏まえた地域生活移行の推進を図るとともに、県立障害者支援施設「宮城県船形の郷」からの情報発信や「宮城県介護研修センター」の研修機能等を活用して、民間施設の介護技術や支援力向上を支援することで施設機能を強化し、地域福祉の拠点として、施設の持つ介護機能等が地域に提供されるよう支援します。

県立の障害者支援施設は、事業採算性や支援の難しさなどにより民間施設では対応が困難な分野などについて、民間事業者への指定管理委託を行うことにより、民間事業者の専門性を生かしつつ効果的、効率的な施設運営を図ります。

建て替えにより再整備した県立障害者支援施設「宮城県船形の郷」については、県全域におけるセーフティネット機能を継続して担うほか、入所利用者に対する適切なアセスメントに基づくリハビリテーション支援に取り組みます。

6
介護人材の育成・確保とサービスの質の向上

介護職員の給与水準向上や、能力や資格等に応じたキャリアアップ体系の構築、人員配置やケアの質に応じた適切な介護報酬等など、全国的に推進すべき介護人材対策について、国等に対して働きかけを行うとともに、市町村等と連携し、関連制度の積極的な情報発信を行います。

市町村等と連携し、適切なサービスの提供や人材育成等を含めた障害福祉サービス事業所等に対する実地指導等を行います。

介護現場の業務改善等に取り組む障害福祉サービス事業所等に対し、アドバイザーの派遣等を行い、介護職員の職場定着を促進します。

障害福祉サービス等情報公表制度を運用し、障害福祉サービス事業所等から報告された障害福祉サービスの取組状況等を公表します。

サービス種別や職種、経験年数等に応じた研修メニューの充実や、介護職員が受講しやすい環境整備を行うとともに、多様なケアに対応できる人材の育成を通じた介護人材の流動化を進めます。

手話通訳者や要約筆記者等の意思疎通支援を担う人材の計画的な育成に取り組みます。


第4節
保健・医療・福祉等の連携促進

<現状と課題>

(障害等の予防・医療等)

基礎調査の結果によると、障害のある人のうち、入院している又は定期的(月1回以上)に医療機関に通院している人の割合は7割を超えており、その結果として、医療費の負担軽減を望む声が多くなっていることがうかがえます。

また、基礎調査からは、早期発見・早期療育が有効とされる発達障害に対する支援や、外見からは障害があるとわかりづらい高次脳機能障害者に対する支援及び重度の障害のある人を中心とした医療的ケアの充実を求める声があり、特に、発達障害に対する支援の充実を求める声が増えていることがうかがえます。

このため、妊娠、出産期や幼児期から高齢期に至るまで、切れ目のない保健・医療・福祉サービスの提供や、障害の重度化や疾病の予防、早期発見・適切な治療へとつなげていく体制の整備が重要です。

特に、乳幼児期は心身の諸機能が発達する一方、病気や異常を来しやすいため、乳幼児の健康診査や相談・指導を充実し、障害等の早期発見に努め、早期の対応につなげていくことが大切です。

重症心身障害児者が利用できる医療・福祉サービスが不足していることから、重症心身障害児者が在宅療養を継続するための支援体制の整備に加え、重症心身障害児者を受け入れる長期・短期入所病床の整備が求められています。

がん、循環器病(心臓病、脳血管疾患等)などの生活習慣病による死亡者は全死亡者の約5割を占めているとともに、生活習慣病の発症により、障害を伴う可能性が高いことなどからも、その予防が重要となっているほか、経口による栄養摂取や嚥下・音声機能の維持等の観点から、障害のある人への口腔ケアの重要性が高まっています。

(リハビリテーション)

リハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士)の偏在等の理由から、地域によっては十分なリハビリテーションが提供されにくい状況となっています。

障害のある人が家庭及び地域社会において自分らしい生き方で、充実した人生を送るためには、より身近な地域で、個々の身体機能に合わせた医療的・職業的・教育的・社会的視点からの適切なリハビリテーションの提供が重要です。

(難病対策)

障害者総合支援法の対象となる難病等について、対象疾病の追加拡大が順次行われてきましたが、これに伴う制度の浸透や、適切なサービスへとつなげる体制づくりが求められています。

(心の問題・精神疾患への対応)

東日本大震災の影響による被災者の心の問題に関する相談件数は、減少傾向にありますが、被災者の心の問題は、複数の問題が絡み合い複雑化していることから、保健・医療・福祉・教育機関等と連携した継続的な支援が求められています。

また、精神症状の急激な悪化等により緊急な医療が必要となった場合の精神科救急医療については、24時間・365日の受入体制の継続が求められています。

「宮城県立精神医療センター」は、施設が老朽化し建替が必要な状態となっており、建替に伴う移転再編について協議が行われています。建替に当たっては、身体合併症への対応や災害拠点精神科病院の未指定などの宮城県の精神科医療提供体制の課題の解決を図ることができるように整備を進める必要があります。

<施策の方向>
1
保健・医療・福祉等の連携促進

(保健・医療の推進)

令和6年度から11年度までの6年間を計画期間とする「第8次宮城県地域医療計画」に基づき、県民の医療に対する安心と信頼を確保するため、良質な医療が適切に提供される医療提供体制を推進します。

先天性代謝異常等の検査を実施し、疾病の早期発見・早期治療を行い、早期療育に努めます。

聴覚障害の早期発見・早期療育を図るために、新生児聴覚検査の啓発を行うとともに、保健・医療・福祉・教育分野の関係機関の連携体制づくりに取り組みます。

心身ともに成長が著しく、人格形成にとって重要な時期である思春期において、子どもが心身ともに健やかに成長し、豊かな母性や父性を育むため、母子保健と学校保健の連携等により、思春期保健対策を進めます。

市町村が行う、子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)と子育て世代包括支援センター(母子保健)の機能を一体的に運営する「こども家庭センター」の設置を支援することにより、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもに対する一体的な相談支援体制の充実・強化を図ります。

心身に障害のある、あるいは障害をもつ可能性のある児童に対して、療育に関する相談指導等保健・医療・福祉及び教育の関係機関が連携して対応します。

地域保健法等に基づき、広域的・専門的・技術的拠点として、保健所の機能強化を図ります。

地域保健の拠点となる市町村の保健センターの整備を促進します。あわせて、その活動に対し、必要に応じ助言等を行います。

(健康づくりの推進)

訪問指導の充実を図るとともに、障害のある人や家庭での介護を行うものに対し、予防知識の普及啓発、関係諸制度の活用方法等の指導、ヘルパー等に対する研修などを進めることにより、障害のある人の健康づくりを推進します。

在宅の障害のある人に訪問健康診査等の機会を拡大し、医療機関への受診が困難な障害のある人の健康維持を図ります。

「宮城県歯と口腔の健康づくり基本計画」に基づき、障害のある人が利用可能な歯科医療サービスの情報提供、在宅歯科医療に関する相談対応・受入体制の充実等を図り、障害のある人の歯と口腔の健康づくりを促進します。

障害児親子歯みがき教室の開催や、障害のある人等の支援者への口腔ケアに関する研修を実施することにより、障害のある人の歯と口腔の健康づくりを促進します。

障害の重度化予防・早期発見の観点から、障害者検診を継続し、二次障害の予防、生活機能の維持・向上を図ります。

「リハビリテーション支援センター」において、医療的・福祉的側面から、関係機関と連携の上、障害のある人の状況に応じた地域生活の維持を支援します。

(リハビリテーションの推進)

障害のある人等が住み慣れた地域で生涯にわたっていきいきとした生活を送れるよう、保健、医療、福祉の関連機関が、支援対象者の状況やニーズに応じた支援の方向性等の情報を共有し、県内の身近な地域で適切にリハビリテーションが提供できるよう地域におけるリハビリテーション体制の充実を図ります。

障害児者に対して、身体活動や社会参加、生活環境への関与を目的としたリハビリテーションの提供が促進されるように、県全体及び二次圏域ごとの課題に対応した支援者向けの研修会等を行います。

市町村が行う身体障害のある人の日常生活を支える補装具費の支給・決定に当たり、専門的な技術支援を行います。

(難病対策の推進)

障害者総合支援法の対象となる難病等について、難病等患者が適切なサービスを受けられるよう、市町村や関係機関等と連携して制度の周知を徹底します。

「宮城県難病相談支援センター」及び「小慢さぽーとせんたー」を運営し、難病患者やその家族等の悩み・不安の解消と適切なサービスへとつなげる体制づくりを推進します。

2
救急医療体制の充実強化

事故による外傷や脳血管疾患の後遺症による障害の発生を防ぎ、障害を軽減するためには、適切な救急医療を受ける必要があります。そのため、初期救急、二次救急及び三次救急それぞれの役割分担と連携により、救急医療体制の強化に努めます。

精神科救急については、民間精神科病院や関係機関の協力を得て24時間、365日の精神科救急患者の受入れ体制を継続するとともに、身体合併症に応じた適切な医療の提供が可能となるよう、精神科救急医療システムの充実を図ります。

3
精神疾患対策の充実

(心の問題・精神疾患の予防等)

「精神保健福祉センター」での相談・診療、保健福祉事務所や市町村での精神保健福祉相談により、精神疾患の予防と早期発見を促進するとともに、社会復帰にむけた体制づくりを推進します。

一般県民を対象とした研修の開催等により、精神疾患に関する正しい知識の普及啓発を一層推進するとともに、早期受診及び早期治療の促進を図ります。

精神科病院に入院している精神障害のある人の入院の長期化防止や、長期入院者を含め地域生活への移行を促進するため、医療機関に配置される退院支援相談員や市町村、保健所、障害福祉サービス事業所などの一層の連携を図ります。

精神障害のあつなしにかかわらず、誰もが安心して自分らしく地域で暮らせるための課題の共有や必要な体制の整備を図るため、市町村、圏域及び県のそれぞれに保健、医療、福祉関係者による協議の場の活用を推進するとともに、未設置の市町村における設置に向けた取組を支援し、ネットワークの構築を強化します。

若年層を中心に精神疾患を発症した場合の未治療期間の短縮、重症化予防のため、教育機関等と連携し普及啓発を行うなど、若者の精神疾患を含めたメンタルヘルスへの関心を高める取組を推進します。

精神状態の悪化等を未然に防ぐため、精神障害のある人及び精神保健に課題を抱える人並びにその家族からの相談に対し、包括的な支援が確保されるよう、相談支援体制を整備します。

医療観察制度の対象となった人の社会復帰と差別解消を推進するため、保健・医療・福祉のほか、保護観察所と連携して対象となった人の支援を行います。

妊産婦のメンタルヘルス評価に基づいた精神症状や機能障害の重症度を把握し、妊産婦の抱える問題の内容や重症度に応じた適切な対応を図るため、母子保健関係機関と周産期医療機関及び精神科医療機関との連携を進めます。

子どもの健やかな成長を図るため、「子ども総合センター」内に設置した児童精神科医を中心とする「子どもメンタルクリニック」において、高度なケアを要する子どもやその家族に関する診療を行うとともに、保育所、学校、市町村など関係機関に対する専門的な支援活動等を実施します。

(被災者の心のケア等)

東日本大震災の影響による被災者の心の問題(心的外傷後ストレス障害、うつ、アルコール問題、摂食障害、自死等)に対応するため、精神科医や精神保健福祉士、心理職、保健師等の専門職を配置した「みやぎ心のケアセンター」を拠点として、メンタルヘルス関連情報の提供等の普及啓発、被災者等からの相談支援、支援に関わる専門職の育成支援等に取り組みます。

被災者の心の問題については、継続的・長期的な対応が必要と考えられることから、地域精神保健福祉活動の底上げを図りつつ、圏域の実情に応じた総合的な被災者の心のケア対策を推進します。

東日本大震災で得られた知見等を踏まえ、大規模災害等の発生時において、被災地域の精神科医療及び精神保健活動の支援を行う「災害派遣精神医療チーム(DPAT)」の継続的な体制整備を行います。

(ひきこもりケア体制の整備)

ひきこもりのケアについては、家族支援や当事者支援も含めた専門相談・早期支援が有効であるため、「宮城県ひきこもり地域支援センター」を設置・運営し、より相談しやすい体制の整備や関係職員の資質向上、居場所づくりの支援、市町村・保健福祉事務所・関係機関等とのネットワークづくりを推進します。

4
発達障害に対する支援

「宮城県発達障害者支援センター」のほか、各障害保健福祉圏域に配置する発達障害者地域支援マネジャーを中心に、発達障害のある人やその家族、支援者が、身近な地域で乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応した相談を受けられるよう、地域の関係機関と連携しながら体制整備や人材育成を進めるとともに、発達障害の特性等に関する理解を促進するための研修事業や啓発活動を行います。

関係機関で構成する「発達障害者支援地域協議会(宮城県発達障害者支援推進会議)」を設置し、地域の支援体制の課題の把握や、課題解決に向けた対応の検討を行います。

発達障害のある子どもを育てる家族への支援を推進するため、ペアレント・プログラムやペアレント・トレーニングの普及や啓発を行います。また、発達障害のある子どもを養育した経験を持つ親をペアレント・メンターとして養成するための研修事業等を行います。

発達障害の診断や診療について、どの地域でも一定水準の医療を受けられるようにするために、専門医の確保やかかりつけ医等におけるスキルアップの研修等を実施します。

5
高次脳機能障害に対する支援

「リハビリテーション支援センター」や各保健福祉事務所等の専門職を中心として、高次脳機能障害のある人やその家族、支援者等に対して、電話・来所・訪問による相談支援を行います。

高次脳機能障害に関する研修会や事例検討会等を開催し、障害に関する普及啓発や支援者の人材育成を推進します。

県が指定した支援拠点病院における支援コーディネーターを中心として、高次脳機能障害に関する医学的側面からの支援や社会復帰の促進に向けた相談支援、地域の関係機関との連絡調整等を行う体制整備を推進します。

6
医療的ケア支援体制の整備

介護職員向けの喀痰吸引等研修について、広域的な実施により受講しやすい環境の整備を通じた研修修了者の増加を図り、医療的ケア等に対応できる人材の育成・確保を進めます。

医療的ケア等に対応した医療型・福祉型短期入所事業所及び訪問系・日中活動系サービス事業所等の拡充のほか、医療的ケアに対応できる事業所の情報連携の構築に取り組みます。

「医療的ケア児支援法」の施行に基づき設置した、「宮城県医療的ケア児等相談支援センター(愛称:ちるふぁ)」において、医療的ケア児及びその家族がその居住する地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられるため、地域の関係機関と連携した総合的・専門的な相談支援や、情報の提供・研修等を実施します。

7
重症心身障害児者に対する支援

重症心身障害児者及びその家族への支援については、長期及び短期の入所支援に加え、通所支援や訪問支援を含めた総合的な支援体制整備のあり方について関係機関や当事者団体等と意見交換を行います。

小児移行期を含めた重症心身障害児者の受入病床を確保するため、病床数の確保等医療計画との整合性のほか、専門的医師をはじめとする医療スタッフの確保、施設整備や運営費用の確保など、様々な課題の解決に向けた対応を検討します。

8
聴覚障害児等の療育支援体制の整備

令和4年3月に改訂した「宮城県新生児聴覚検査事業対応マニュアル」に基づき、県内すべての新生児が新生児聴覚検査を受検できる体制や、産科・小児科・耳鼻科等の連携及び検査後のフォローアップ体制づくりを推進します。

聴覚障害児(盲ろうなどの重複障害を含む)に対する早期療育の推進に向けて、医療・保健・福祉・教育分野の連携体制を構築します。

聴覚障害児(盲ろうなどの重複障害を含む)に対応する協議会を設置し、関係機関相互の課題の共有や解決に向けた意見交換を行います。

関係機関で行う家族からの相談支援や学校等への巡回支援を効果的に実施するための総合調整を行うほか、学校等の職員が支援方法を習熟する機会を設けるために聴覚障害児支援に関する研修会を開催します。


第5節
防犯・防災対策の充実

1
防犯対策の充実

<現状と課題>

障害のある人は、事故や犯罪等の被害者となる危険性が高いほか、警察への通報や相談にも困難を伴う場合が多いことから、地域の防犯活動を一層推進するとともに、情報の提供やコミュニケーション手段の充実を図る必要があります。

また、障害者支援施設等の入所利用者の安全・安心を確保する観点から、地域に開かれた施設運営を行いつつ、適切な防犯対策に取り組む必要があります。

<施策の方向>

地域に開かれた施設運営を行うことは、地域住民との連携協力の下、不審者の発見等防犯体制の強化にもつながることから、入所利用者等の家族やボランティア、地域住民、関係団体等と連携しながら、地域における自主防犯活動の活性化を図るなどして、地域安全活動を推進します。

障害福祉サービス事業所等に対する指導の場などを通じて、「犯罪のないみやぎ安全・安心まちづくり各種防犯指針」を活用しながら、次の防犯対策の実施を促していきます。

日中及び夜間における施設の管理・防犯体制、職員間の連絡体制を含めた緊急時の対応体制、夜間等における施錠などの防犯措置の徹底

地元の警察署との合同防犯訓練を実施するなど、日頃からの警察等関係機関との協力・連携体制と有事における迅速な通報体制の構築

地域で行う安全教室等に講師を派遣して実施する防犯講話や防犯訓練等を通じて、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指します。

県民からの多種多様な相談に適切に対応するとともに、地域の安全対策を推進するため、「警察安全相談員」及び「交番相談員」の体制強化を図ります。

聴覚障害のある人や音声言語機能障害のある人などの日常生活の安全を確保するため、県警に設置されている「メール110番」及び「FAX110番」についての周知を図ります。

2
大震災の教訓を踏まえた防災対策の充実

<現状と課題>

平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、甚大な津波被害等により、多くの尊い命が失われました。また、長期にわたる避難所生活の中で体調を崩されるなどして亡くなられる震災関連死も多数にのぼりました。

平成28年8月に発生した台風10号による大雨により、岩手県の小本川が氾濫し、岩泉町の認知症高齢者グループホームにおいて多数の利用者が亡くなるという被害が発生しました。平成29年6月に水防法等が改正され、洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域等に立地する要配慮者利用施設に避難確保計画の作成が義務づけられる等、水害対策及び土砂災害対策も急務となっています。

障害のある人は、その障害の特性により、災害時の避難行動に際して、支援を必要とする場合が多い上、避難生活においても特別な支援を要する人が多いと考えられます。

基礎調査の結果でも、「災害時に一人で避難することができない」と回答した人は全体の50.2%を占めており、障害の程度が重い人ほどその傾向がより顕著となっています。また、一人で避難できない理由として、「自分で判断して行動することが難しい(54.8%)」、「介助者がいないと移動できない(50.7%)」、「避難所等での集団生活が難しい(30.9%)」などの意見が多数を占めました。

こうしたことから、市町村を中心として、災害発生時において自ら避難することが難しい「避難行動要支援者」を事前に把握し、個人情報の保護に配慮しつつ、要支援者ごとの特性に配慮した個別避難計画を定めておくことや、障害福祉サービス事業所等、地域住民、自主防災組織等など、避難支援等関係者と連携した地域における支援体制を平時から構築しておく必要があります。

また、障害福祉サービス事業所等の社会福祉施設は、入所利用者の多くが災害時に支援が必要な人であることや、被災した障害のある人の受入れを求められることが想定されることから、それらを考慮した防災対策が強く求められます。

さらに、大災害の発生時においては、迅速で正確な情報の把握が必要となりますが、情報の収集やコミュニケーションが困難を伴う障害のある人のため、障害の特性や種別に配慮した情報伝達方法の支援も必要となるほか、指定福祉避難所の指定や医薬品等を含めた必要物資の調達・供給体制の整備も必要となります。

以上のように、県、市町村及び防災関係機関をはじめ各自がそれぞれの立場で各種の防災対策を講じるとともに、防災知識の普及、地域住民や関係機関の連携・協力体制を整備するなど、全ての人が共に助け合い安心して暮らせる社会をつくる必要があります。

<施策の方向>

東日本大震災の経験を踏まえた「宮城県地域防災計画(令和5年11月修正)」に基づき、地震や津波、風水害、原子力災害等に対する災害の予防対策、災害時の応急対策、及び災害復旧・復興対策を総合的に推進するとともに、障害福祉サービス事業所等に対する説明会の開催や実地指導等を通じた理解の促進を図ります。

【宮城県地域防災計画の主な概要】

(地震災害対策編、津波災害対策編、風水害等災害対策編)

災害予防対策
地震・津波に強いまちの形成、風水害等に強い県土づくり、都市の防災対策、建築物等の予防対策、ライフライン施設等の予防対策、防災知識の普及、防災訓練の実施、地域における防災体制、ボランティアのコーディネート、企業等の防災対策の推進、情報通信網の整備、職員の配備体制、防災拠点等の整備・充実、相互応援態勢の整備、医療救護体制・福祉支援体制の整備、緊急輸送体制の整備、避難対策、避難受入れ対策、食料・飲料水・生活物資の確保、要配慮者・避難行動要支援者への支援対策、複合災害対策、災害廃棄物対策など

災害応急対策
情報の収集・伝達、災害広報活動、防災活動体制、相互応援活動、災害救助法の適用、自衛隊の災害派遣、救急・救助活動、医療救護活動、交通・輸送活動、ヘリコプターの活動、避難活動、応急仮設住宅等の確保、相談活動、要配慮者・避難行動要支援者への支援活動、愛玩動物の収容対策、食料・飲料水・生活必需品の調達・供給活動、防疫・保健衛生活動、遺体等の捜索・処理・埋葬、災害廃棄物処理活動、社会秩序維持活動、教育活動、防災資機材・労働力の確保、公共土木施設等の応急対策、ライフライン施設等の応急復旧、農林水産業の応急対策、二次災害・複合災害防止対策、応急公用負担等の実施、ボランティア活動、海外からの支援の受入れなど

災害復旧・復興対策
災害復旧・復興計画、生活再建支援、住宅復旧支援、産業復興支援、都市基盤の復興対策、義援金の受入・配分、激甚災害の指定、災害対応の検証

(原子力災害対策編)

原子力災害事前対策
原子力事業者との防災業務計画に関する協議及び防災要員の現況等の届出の受理、原子力事業者からの報告の徴収と立入検査、原子力防災専門官及び上席放射線防災専門官との連携、迅速かつ円滑な災害応急対策、災害復旧への備え、情報の収集・連絡体制等の整備、緊急事態応急体制の整備、住民等への的確な情報伝達体制の整備、モニタリング体制等、緊急時の住民等被ばく線量評価体制の整備、複合災害に備えた体制の整備、人材及び防災資機材の確保等に係る連携、避難受入活動体制の整備、飲食物の摂取制限及び出荷制限、緊急輸送活動体制の整備、救助・救急及び消化資機材等の整備、原子力災害医療体制等の整備、物資の調達・供給活動、行政機関の業務継続計画の策定、原子力防災等に関する住民等に対する知識の普及と啓発及び国際的な情報発信、防災業務関係者の人材育成、防災訓練等の実施、原子力発電所上空の飛行規制、核燃料物質等の運搬中の事故に対する対応、放射性物質による環境汚染への対処のための整備

緊急事態応急対策
情報の収集・連絡・緊急連絡体制及び通信の確保、原子力災害警戒体制、緊急事態応急対策活動体制の確立、住民等への的確な情報伝達活動、放射性物質又は放射線の影響の早期把握のための活動、屋内退避・避難の受入れ等の防護活動、治安の確保及び火災の予防、飲食物の摂取制限及び出荷制限、緊急輸送活動、救助・救急及び消火活動、原子力災害時の被ばく医療活動、核燃料物質等の事業所外運搬中の事故に対する応急対策、自発的支援の受入れ等、行政機関の業務継続に係る措置

原子力災害中長期対策
緊急事態解除宣言後の対応、原子力災害後対策実施区域における避難区域等の設定、放射性物質による環境汚染への対処、各種制限措置等の解除、環境放射線モニタリングの実施と結果の公表、災害地域住民等に係る記録等の作成、風評被害等の影響の軽減、被災者等の生活再建等の支援、被災中小企業等に対する支援、心身の健康相談体制の整備、物価の監視、復旧・復興事業からの暴力団排除


平成25年8月に国が策定した「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」及び同年12月に県が策定した「避難行動要支援者等に対する支援ガイドライン」等に基づき、市町村等と連携し、障害のある人をはじめとする避難行動要支援者の安全確保対策に取り組むとともに、障害福祉サービス事業所等に対する説明会の開催や実地指導等を通じた理解の促進を図ります。

【宮城県避難行動要支援者等に対する支援ガイドラインの主な概要】

平時における支援対策
市町村による全体計画・地域防災計画の策定、避難行動要支援者名簿の作成と適正な管理、個別計画の策定、福祉避難所の指定、要配慮者自身の取組(情報連絡カードの携帯、物資の備蓄、防災訓練への参加等)及び見守り体制の構築

災害発生時における支援対策
災害別(風水害・大規模事故等、津波を伴わない地震、津波を伴う地震)による発生時の対応、防災情報の伝達、避難誘導等の支援体制、避難所対策、福祉避難所の運営、応急仮設住宅への入居等

災害復興期における支援対策
各種保健福祉サービス等の継続、復興期におけるメンタルケアの実施及び要配慮者に対する生活再建支援


障害福祉サービス事業所等の耐震化や、消防法令等の改正に伴う大規模修繕、スプリンクラー設備や避難スペースの整備等に要する費用の一部を補助します。

県や市町村等による障害福祉サービス事業所等への実地指導等を通じて、各事業所の非常災害に関する具体的な避難確保計画の作成や、防災訓練の実施を指導します。

原子力災害発生時に避難等が必要となる区域の障害福祉サービス事業所等に対し、実地指導等を通じて避難計画の作成などに係る指導助言等の支援を行います。

「宮城県避難行動要支援者等に対する支援ガイドライン」に基づき、市町村等に対し、避難行動要支援者の個別避難計画策定に係る指導助言等の支援を行います。

東日本大震災で得られた知見等を踏まえ、大規模災害等の発生時において、被災地域の精神科医療及び精神保健活動の支援を行う「災害派遣精神医療チーム(DPAT)」の継続的な体制整備を行います。

「宮城県視覚障害者情報センター」に「地域連携推進員」を配置し、当事者団体や支援者団体との連携により、研修会の開催等を通じて、視覚障害者の安全確保対策や避難所における支援等の理解の促進を図ります。

避難所等における障害のある人に対する情報保障のため、意思疎通支援者※の計画的な養成等を行います。

(ここまで)

ページの先頭に戻る

プランの推進と進行管理

(79ページから84ページまで)

プランの推進と進行管理

1
プラン策定の過程

このプランは、障害者基本法第11条第5項及び第36条第1項の規定に基づき、県の障害福祉施策に関する審議会である「宮城県障害者施策推進協議会」の審議を経て、また、障害者総合支法第89条の3第1項の規定に基づき設置する「宮城県障害者自立支援協議会」や障害福祉関係団体からの御意見、県民意見提出手続(パブリックコメント)に寄せられた県民の皆様の声を踏まえながら策定いたしました(※調整中)。
なお、障害者総合支援法第89条及び児童福祉法第33条の22に基づき県が定める「宮城県障害福祉計画」についても、プランと併せ策定いたしました(※調整中)。

令和4年11月2日
令和4年度第1回宮城県障害者施策推進協議会
令和4年11月14日
令和4年度第1回宮城県障害者自立支援協議会
・みやぎ障害者プランの骨子について

令和5年1月25日
令和4年度第2回宮城県障害者施策推進協議会
令和5年2月1日
令和4年度第2回宮城県障害者自立支援協議会
・みやぎ障害者プランの重点施策(素案)について


令和5年3月
令和4年度宮城県障害者施策推進基礎調査の実施

令和5年6月9日
令和5年度第1回宮城県障害者施策推進協議会
令和5年6月13日
令和5年度第1回宮城県障害者自立支援協議会
・みやぎ障害者プランの各論(素案)について

令和5年8~9月
主な障害福祉関係団体(29団体)への意見照会

令和5年11月10日
令和5年度第3回宮城県障害者施策推進協議会
令和5年11月14日
令和5年度第3回宮城県障害者自立支援協議会
・みやぎ障害者プラン及び宮城県障害福祉計画の中間案について

令和5年12月15日
宮城県議会保健福祉委員会での報告
・みやぎ障害者プラン及び宮城県障害福祉計画の中間案について

令和6年2月9日
令和5年度第4回宮城県障害者施策推進協議会
令和6年2月16日
令和5年度第4回宮城県障害者自立支援協議会
・みやぎ障害者プラン及び宮城県障害福祉計画の最終案について

令和6年3月8日
宮城県議会保健福祉委員会での報告
・みやぎ障害者プラン及び宮城県障害福祉計画の最終案について

令和6年3月
みやぎ障害者プラン及び宮城県障害福祉計画策定・公表

【参考】
宮城県障害者施策推進協議会委員(令和6年2月9日現在)

氏名
所属等
備考

阿部
重樹
学校法人東北学院
常任理事
備考
会長

阿部
昌展
宮城県商工会議所連合会
(仙台商工会議所理事・事務局次長)
備考
なし

磯谷
裕治
宮城県精神障がい者家族連合会
備考
なし

稲妻
敏行
宮城県商工会連合会
専務理事
備考
なし

遠藤
由巳
宮城県手をつなぐ育成会
理事
備考
なし

岡本
咲子
宮城県精神保健福祉協会
(みやぎ心のケアセンター保健師)
備考
なし

奥田
妙子
宮城県知的障害者福祉協会
(社会福祉法人愛泉会
常務理事)
備考
なし

小澤
ちはる
宮城県特別支援学校長会
(宮城県立拓桃支援学校長)
備考
なし

小野寺
宮人
宮城労働局職業安定部職業対策課
課長
備考
なし

川村
有紀
仙台スピーカーズビューロー
備考
なし

黑須

宮城県市長会
(角田市長)
備考
なし

佐藤
幸男
宮城障害者職業センター
所長
備考
なし

佐藤
由紀子
仙台弁護士会
備考
なし

志村
祐子
宮城県仙南保健福祉事務所思春期・ひきこもり相談嘱託相談員
備考
なし

相馬
潤子
発達支援ひろがりネット
副代表
備考
なし

寺澤

宮城県町村会
副会長
(七ヶ浜町長)
備考
なし

登米
祐也
宮城県医師会
常任理事
備考
なし

野口
和人
東北大学大学院教育学研究科
教授
備考
副会長

森正義
宮城県障がい者福祉協会
会長
備考
なし

(五十音順・敬称略)

【参考】
御意見を伺った障害福祉関係団体

障害福祉関係団体(29団体)

心のネットワークみやぎ
星陵心臓友の会
仙台エコー医療療育センター通園センターみつばち保護者会
仙台市障害者福祉協会
日本オストミー協会宮城県支部
日本筋ジストロフィー協会宮城県支部
日本てんかん協会宮城県支部
発達支援ひろがりネット
宮城あすなろ会
みやぎアピール大行動実行委員会
宮城県喉頭摘出者福祉協会立声会
宮城県患者・家族団体連絡協議会
宮城県視覚障害者福祉協会
宮城県社会福祉協議会
宮城県重症心身障害児(者)を守る会
宮城県障害者スポーツ協会
宮城県障がい者福祉協会
宮城県腎臓病患者連絡協議会
宮城県精神障がい者家族連合会
宮城県精神保健福祉協会
宮城県脊髄損傷者協会
宮城県知的障害者福祉協会
宮城県聴覚障害者協会
宮城県聴覚障害者福祉会
宮城県手をつなぐ育成会
みやぎ・せんだい中途失聴難聴者協会
みやぎ盲ろう児・者友の会
宮城県立光明支援学校医療的ケア児保護者会

(五十音順)


2
障害保健福祉圏域の設定


障害福祉施策の推進に当たり、市町村単独での対応が困難な事業やサービス等がある場合については、複数の市町村が連携を図り、圏域ごとにネットワークを構築しながら、計画的に整備を進める必要があることから、障害保健福祉圏域を設定します。

県においては、人口規模、県行政機関の管轄区域、市町村が設置する自立支援協議会等の既存のネットワーク等を勘案し、前プランと同様に下記の7圏域に設定することといたしました。

障害保健福祉圏域
構成市町村

仙南地域
白石市、角田市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町(2市7町)

仙台地域
仙台市、塩竈市、名取市、多賀城市、岩沼市、富谷市、亘理町、山元町、松島町、七ヶ浜町、利府町、大和町、大郷町、大衡村(6市7町1村)

大崎地域
大崎市、色麻町、加美町、涌谷町、美里町(1市4町)

栗原地域
栗原市(1市)

登米地域
登米市(1市)

石巻地域
石巻市、東松島市、女川町(2市1町)

気仙沼地域
気仙沼市、南三陸町(1市1町)


国の「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針(総合確保方針)」を踏まえ、第8期介護保険事業計画(みやぎ高齢者元気プラン)における高齢者福祉圏域を、「宮城県地域医療計画」の二次医療圏と一致させ、当該圏域を4圏域としておりますが、障害福祉分野においては、こうした国の指針等がないことや、よりきめ細かなサービス提供体制の整備等の観点から、従来どおり7圏域の設定といたしました。


3
プラン推進のために

(役割分担と連携)

計画の推進に当たっては、宮城県障害者施策推進協議会等の意見を踏まえながら、市町村、関係機関・団体等と密接な連携のもと、計画的かつ効果的な実施を図ります。

また、地域自立支援協議会をはじめとする関係法令に基づく協議会等を中心として、事業者や関係機関と連携しながら、それぞれの地域性に配慮して施策を推進します。

【市町村の役割】

市町村は、障害福祉サービス等の実施主体であるとともに、住民に最も身近な立場から、住民ニーズを的確に把握し、地域生活を支えるための基礎的できめ細やかなサービスの提供を行っていくことが必要です。そのため、保健・医療・福祉サービスを総合的・一体的に提供するための計画づくりや、サービス提供のための基盤整備などを進めていく役割が期待されています。

【県の役割】

県は、市町村で行うことが困難な広域的あるいは専門的・技術的な事業の実施や、市町村への助言・支援などを行います。

特に、広域的な立場でのサービス等の適正配置の調整、専門的な相談支援事業や人材養成事業などを行い、地域格差の生じないようなサービス提供体制づくりを推進します。

また、市町村等と連携し、関係団体の活動を促進する環境づくりや活動内容の認知度向上、地域住民の連帯感の醸成等について支援していきます。

【県民の役割】

地域福祉を進める主役は、そこに住み地域をよく知っている住民一人一人です。

福祉サービスの利用者であり担い手でもある住民一人一人の声やニーズが地域の支援力を高めます。

県民一人ひとりのニーズを地域の大きな声にするとともに、様々な情報交換やボランティア活動への自発的・自主的な参加ができるよう地域の中での支え合う組織づくりや仲間づくりが望まれます。

【関係団体の役割】

障害当事者団体及び支援団体を中心に、障害のある人やその家族が「社会モデル」の考え方を踏まえて自らの障害を理解し、社会的障壁を除去する方法をわかりやすく伝えるコミュニケーションスキルを習得できるよう、必要な支援を行うことが期待されています。

行政や関係機関等と協働しながら、利用者本位のサービス提供やピアサポート等を促進する役割も期待されています。

福祉や医療等の各種団体だけでなく、地域団体、生活協同組合や農業協同組合等の団体が積極的に地域の福祉活動に参加し、地域を支えることが期待されています。

社会福祉協議会は、地域活動を推進する中核機関であり、宮城県社会福祉協議会は市町村社会福祉協議会や社会福祉法人等に対し、積極的に支援することが期待されています。

(プランの進行管理)

「新・宮城の将来ビジョン」及び「宮城県障害福祉計画」において、関連施策に係る数値目標を設定するとともに、毎年度、行政評価や障害者施策推進協議会の場において、施策の進捗状況や成果等についての検証・改善等を行っていく、いわゆるPDCAサイクルにより、プランの実効性の確保等を図っていくこととします。

【目標項目の例】

新・宮城の将来ビジョン実施計画
(1)
就労支援事業所等における工賃の平均月額
(2)
グループホーム利用者数
(3)
入院中の精神障害者の地域生活への移行

宮城県障害福祉計画
(1)
福祉施設の入所者の地域生活への移行
(2)
精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築
・精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数
・精神病床における1年以上長期入院患者数
・精神病床における早期退院率
(3)
地域生活支援の充実
・地域生活支援拠点等の整備
(4)
福祉施設から一般就労への移行等
・一般就労移行者数
・雇用や福祉等の関係機関が連携した支援体制の構築
・就労移行支援事業利用終了数に占める一般就労へ移行した者の割合
・就労定着支援事業の利用者数
・就労定着率
(5)
障害児支援の提供体制の整備等
・児童発達支援センターの設置
・障害児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進する体制の構築
・難聴児の支援
・重症心身障害児の支援
・医療的ケア児の支援

(国への要望・提案)

県及び市町村等による障害福祉施策の推進に当たり、現行の制度や財政面に課題等が生じ、障害のある人にとって、様々な制約や問題が生ずるケースがあります。

このため、今後、利用者のニーズを踏まえながら、あらゆる機会を通じて国に対し、制度の創設や改正、適正な財源の措置等の要望・提案を行っていきます。

(ここまで)

ページの先頭に戻る

用語解説

(85ページから97ページまで)

用語の解説


アクセシビリティ
年齢や障害のあるなしに関わらず、誰もが必要とする情報等に簡単にたどり着け、利用できること。


育成医療
(いくせいいりょう)
障害者総合支援法に基づく自立支援医療の一つで、児童福祉法に規定する障害児で、その身体障害を除去、軽減する手術等の治療によって確実に効果が期待できる者に対して提供される、生活の能力を得るために必要な医療費の支給を行うもの。


意思疎通支援者
(いしそつうしえんしゃ)
障害や難病のため、意思疎通に支障がある障害者等とその他の者の意思疎通を支援する者。県では、手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員、失語症者向け意思疎通支援者の養成を行っている。


移動支援事業
(いどうしえんじぎょう)
障害者総合支援法に基づき、市町村が行う地域生活支援事業の一つで、屋外での移動が困難な障害のある人等について、外出のための支援を行うサービス。


医療観察制度
(いりょうかんさつせいど)
平成17年7月に施行された「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」に基づく制度。本制度は、対象となる人に対して適切な医療や必要な観察等を行うことによって、その社会復帰を促進することを目的としている。観察等には指定医療機関、地域関係機関、保護観察所が一体となって当たる。


医療的ケア
(いりょうてきけあ)
日常生活及び社会生活を営むために、人工呼吸器による呼吸管理、痰の吸引や経管栄養など、恒常的に必要とされる医療的な生活援助行為のこと。


医療的ケア児等相談支援センター
(いりょうてきけあじとうそうだんしえんせんたー)
医療的ケア児支援法に基づき、医療的ケア児及びその家族の方々がその居住する地域にかかわらず、等しく適切な支援が受けられるよう支援する機関。相談支援の他、関係機関等への情報提供や研修等を行う。


インクルーシブ教育
(いんくるーしぶきょういく)
障害のある子どもと障害のない子どもが、可能な限り同じ場でともに学び、個別の教育的ニーズに的確に応える指導を提供できる多様な学びの場の実現を目指す教育の仕組み。


インクルーシブ教育システム
(いんくるーしぶきょういくしすてむ)
人間の多様性の尊重等の強化、障害のある人が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者がともに学ぶ仕組み


嚥下
(えんげ)
「物を食べる」一連の動作のうち、食べ物を「飲み込む」動作。


介護・訓練等給付費
(かいご・くんれんとうきゅうふひ)
このプランにおいては、障害者総合支援法の規定に基づき、在宅及び施設等において提供される障害福祉サービスに要する費用のうち、公費負担分をいう。


喀痰吸引
(かくたんきゅういん)
吸引装置を使用して口の中の痰や唾液、鼻水などを吸い出すこと。咳により痰を排出できない人に対して行う医療的ケアの一つ。


基幹相談支援センター
(きかんそうだんしえんせんたー)
地域の相談支援の拠点として、障害のある人に対する総合的な相談業務や成年後見制度利用支援事業を実施するとともに、地域の実情に応じて地域移行・地域定着への支援、地域の相談支援体制の強化の取組などを行う機関。市町村が設置主体。


キャップハンディ体験
(きゃっぷはんでぃたいけん)
障害のない人が、障害のある状態を疑似体験し、障害を持つ人の身体状況や気持ちを感じ取って、理解する気づきを目的とした取組のこと。


経管栄養
(けいかんえいよう)
経口摂取ができない又は不十分な障害のある人に対し、体外から消化管内に通したチューブを用いて流動食等を投与する処置。医療的ケアの一つ。


言語聴覚士
(げんごちょうかくし)
音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある人に対し、その機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、必要な検査及び助言、指導その他の援助を行う専門職。


県民意識調査
(けんみんいしきちょうさ)
宮城県県民意識調査。「行政活動の評価に関する条例」に基づき、県が行う取組について、県民の認知度・関心度・重視度・満足度及び優先すべきと思う施策や復旧・復興の実感を調査し、今後の施策や県政運営に反映させるため毎年実施しているもの。宮城県内に居住する18歳以上の男女4,000人を調査対象としている。


高次脳機能障害
(こうじのうきのうしょうがい)
事故や病気による脳への損傷で発生する記憶障害や注意障害、遂行能力障害、社会行動障害等の総称。器質性精神障害として精神障害に分類される。


更生医療
(こうせいいりょう)
障害者総合支援法に基づく自立支援医療の一つで、身体障害者福祉法に規定する身体障害のある人で、その障害を除去・軽減する手術等の治療によって確実に効果が期待できるものに対して提供される、更生のために必要な医療費の支給を行うもの。


工賃
(こうちん)
指定就労継続支援事業者等が利用者に対して支払わなければならないお金のこと。
生産活動に係る事業の収入から生産活動に係る事業に必要な経費を控除した額に相当する金額をいう。


喉頭
(こうとう)
人間の「のど」は、咽頭(いんとう)と喉頭(こうとう)からできているが、うち、舌根(舌の付け根)から気管・肺へと続く部分。咽頭は食道へとつながっている。


合理的配慮
(ごうりてきはいりょ)
障害のある人からの求めに応じて、過度な負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な便宜を行うこと。(→社会的障壁)


個別の教育支援計画
(こべつのきょういくしえんけいかく)
一人一人の障害のある子どもについて、乳幼児期から学校卒業後までの一貫した長期的な計画を学校が中心となって作成。作成に当たっては関係機関との連携が必要。また保護者の参画や意見等を聴くことなどが求められる。


個別の指導計画
(こべつのしどうけいかく)
幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズに対応して、指導目標や指導内容・方法を盛り込んだ指導計画。例えば、単元や学期、学年等ごとに作成され、それに基づいた指導が行われる。


コミュニティサロン
在宅で過ごされている精神障害のある人が自主的な活動や他者との交流など様々な目的に合わせて活用できる社会参加に向けた「つどいの場」。


サービス等利用計画
(さーびすとうりようけいかく)
指定特定相談支援事業者が、障害福祉サービス等の利用を希望する障害者の総合的な援助方針や解決すべき課題を踏まえ、最も適切なサービスの組み合わせ等について検討し、作成するもので、サービス利用者を支援するための総合的な支援計画。


作業療法士
(さぎょうりょうほうし)
身体又は精神に障害のある人に対し、その応用的な動作能力又は社会的適応能力の回復等を図るため、様々な作業活動を用いて治療や訓練指導、援助を行う専門職。


酸素療法
(さんそりょうほう)
在宅酸素療法。病状は安定しているものの、体内に酸素を十分に取り込めない人に、長期にわたり自宅で酸素吸入をする治療法のこと。


視覚障害者情報センター
(しかくしょうがいしゃじょうほうせんたー)
身体障害者福祉法に規定された「視聴覚障害者情報提供施設」。主として点字図書及び録音図書などの製作・貸出、点訳・音訳等奉仕員の養成等を行う。


思春期保健対策
(ししゅんきほけんたいさく)
学童期及び思春期は、身体面や精神面の発達や変化が著しい時期であり、この時期の体や心の健康の問題が生涯の健康に様々な影響を及ぼすと指摘されていることを踏まえ行う、思春期における心身の健康の向上に向けた対策。


指定難病
(していなんびょう)
「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」において医療費助成の対象とする疾患のこと。令和6年4月1日現在341の疾病が指定されている。


児童委員
(じどういいん)
児童福祉法に基づき、児童及び妊産婦への情報提供や、援助等を行う者。同法の規定により、民生委員は児童委員に充てられる。(→民生委員)


自閉症
(じへいしょう)
多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害で、対人関係、コミュニケーション及びパターン化した興味や活動の3つの特徴をもつ障害。症状が軽い人たちまで含めて、自閉症スペクトラム障害という呼び方もされている。


社会的障壁
(しゃかいてきしょうへき)
障害のある人にとって、日常生活や社会生活を送る上で障壁となるような、社会における事物(通行、利用しにくい施設、設備など)、制度、慣行(障害のある方の存在を意識していない慣習、文化など)及び観念(偏見など)その他一切のものをいう。


社会モデル
(しゃかいもでる)
障害のある人が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁(社会的障壁)と相対することによって生ずるとする考え方であり、障害者権利条約で取り入れられている。これに対し、心身の機能の障害のみに起因するとする従来の考え方を「医学モデル」という。
さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機として取りまとめられた「ユニバーサルデザイン2020行動計画」における、障害の社会モデルの考え方では、社会的障壁を取り除くことは社会の責務であるとされている。
(→社会的障壁)


重症心身障害
(じゅうしょうしんしんしょうがい)
重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複している状態のこと。


障害基礎年金
(しょうがいきそねんきん)
国民年金の加入期間、又は20歳前(年金制度に加入していない期間)、もしくは60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間で日本に住んでいる間)に、初診日(障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日)のある病気やケガで、法令により定められた障害等級表(1級・2級)による障害の状態にある時に支給される年金のこと。令和5年4月時点で1級の支給年額は「993,750円+子の加算(昭和31年4月2日以後生まれの方)」「990,750円+子の加算(昭和31年4月1日以前生まれの方)」とされている。


障害支援区分
(しょうがいしえんくぶん)
障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すもの。区分1から6まであり、数字が大きいほど支援の度合が高くなる。


障害児支援利用計画
(しょうがいじしえんりようけいかく)
指定障害児相談支援事業者が作成する、障害のある児童の解決すべき課題、その支援方針、利用するサービスなどが記載されたサービス利用者を支援するための中心的な総合計画。


障害児入所給付費・通所給付費
(しょうがいじにゅうしょきゅうふひ・つうしょきゅうふひ)
このプランにおいては、児童福祉法の規定に基づき、在宅及び施設等において提供される障害児福祉サービスに要する費用のうち、公費負担分をいう。


障害児保育事業
(しょうがいじほいくじぎょう)
心身に障害のある幼児を保育所に入所させ、一般の幼児とともに集団保育することで、障害のある幼児の機能の伸長と健全な社会性の成長発達を促進するとともに、一般の幼児が幼児期から障害のある人に対する理解を深め相互協助の精神を養う事業。


障害者ITサポートセンター
(しょうがいしゃあいてぃーさぽーとせんたー)
障害のある人のIT活用を支援するため、パソコン等ITに関する各種相談や訪問サポートの実施のほか、IT講習会の企画開催及び訪問講習の実施、就労に向けたスキルアップ研修等を行う施設。本センターの運営事業については、都道府県が行う地域生活支援事業の一つに位置づけられている。


障害者医療費助成制度
(しょうがいしゃいりょうひじょせいせいど)
重度の障害のある方が必要な医療を安心して受けられるよう、医療費の自己負担額について県と市町村とで助成する制度。


障害者検診
(しょうがいしゃけんしん)
身体に障害がある人の二次障害の予防や健康づくりを目的として、運動機能(筋力、関節の動き、歩く速さ等)を評価するもの。


障害者雇用支援月間
(しょうがいしゃこようしえんげっかん)
毎年9月。事業主のみならず、広く国民に対して障害のある人の雇用の機運を醸成するとともに、障害のある人の職業的自立を支援するため、様々な啓発活動が展開されている。


障害者雇用率
(しょうがいしゃこようりつ)
障害者雇用促進法に基づき、一般の労働者と同じ水準で、障害のある人の雇用機会を確保するため、事業主等が遵守すべき障害のある人の雇用割合。民間企業の法定雇用率は、令和5年度において2.3%であり、令和6年度から2.5%、令和8年度から2.7%と段階的に引き上げられることとなっている。


障害者週間
(しょうがいしゃしゅうかん)
毎年12月3日から9日まで。国民の間に広く障害のある人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、障害のある人が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めることを目的として、平成16年6月の障害者基本法の改正により、従来の「障害者の日」(12月9日)に代わるものとして設定された。この期間を中心に、国、地方公共団体、関係団体等においては、様々な意識啓発に係る取組が展開される。


障害者就業・生活支援センター
(しょうがいしゃしゅうぎょう・せいかつしえんせんたー)
障害者の身近な地域において、福祉・医療等の関係機関との連絡調整など、就業面と生活面の一体的な相談・支援を行う機関。障害者雇用促進法に基づき、都道府県が指定することとなっており、宮城県では障害保健福祉圏域ごとに1つずつ(計7か所)設置されている。


障害者職業センター
(しょうがいしゃしょくぎょうせんたー)
公共職業安定所(ハローワーク)との密接な連携のもと、障害のある人に対する専門的な職業リハビリテーションを提供する施設。障害者雇用促進法に基づき、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営し、全国47都道府県に設置されている。


障害者職業能力開発校
(しょうがいしゃしょくぎょうのうりょくかいはつこう)
職業能力開発促進法に基づき、国が設立し、都道府県が運営している障害のある人の職業自立のための施設。


障害者相談員
(しょうがいしゃそうだんいん)
身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法の規定に基づき、市町村等の委託を受け、身体又は知的障害のある人の相談に応じ、必要な援助を行う人。


障害者福祉センター
(しょうがいしゃふくしせんたー)
身体障害者福祉法の規定に基づき、障害のある人や家族の相談に応じ、必要な助言や、関係機関への連絡・紹介、機能回復・日常生活動作の訓練等を行う施設。


障害福祉計画
(しょうがいふくしけいかく)
障害者総合支援法に基づき、県や市町村が策定する障害福祉サービス等の提供体制の確保等に係る計画。


小児慢性特定疾患治療研究事業
(しょうにまんせいとくていしっかんちりょうけんきゅうじぎょう)
小児慢性特定疾病を持つ児童等について、患児家庭の医療費の負担軽減を図るため、その医療費の自己負担分の一部が助成する制度。(→小児慢性特定疾病)


小児慢性特定疾病
(しょうにまんせいとくていしっぺい)
子どもの慢性的な病気のうち、治療に相当期間を要し、医療費の負担も高額となるもので医療費の公費負担が行なわれている疾病。令和3年11月1日現在、788疾病が指定されている。


自立支援協議会
(じりつしえんきょうぎかい)
障害者総合支援法に基づき、障害のある人等への支援体制の整備を図るため、市町村及び都道府県が設置する関係機関等で構成される協議会。協議会では、関係機関等が相互の連絡を図り、地域の障害のある人等への支援体制について協議を行うこととされている。


身体障害
(しんたいしょうがい)
身体障害者福祉法に規定する身体上の障害(1.視覚障害、2.聴覚又は平衡機能の障害、3.音声機能、言語機能又はそしやく機能の障害、4.肢体不自由、5.内部障害)のこと。


身体障害者手帳
(しんたいしょうがいしゃてちょう)
身体障害者福祉法に規定する障害のある人に都道府県・指定都市・中核市長が交付する手帳。障害の程度が重い方から1級から6級までの等級が定められている。


身体障害者補助犬
(しんたいしょうがいしゃほじょけん)
「身体障害者補助犬法」に規定された盲導犬、介助犬及び聴導犬をいう。公共施設や公共交通機関、一定の施設等では補助犬の同伴を受け入れる義務がある。


ストーマ
消化管や尿路の疾患などにより、腹部に便又は尿を排泄するために増設された排泄口のこと。ストーマを持つ人をオストメイトと呼ぶ。大きく分けて消化管ストーマ(人工肛門)と尿路ストーマ(人工膀胱)がある。


精神障害
(せいしんしょうがい)
精神障害には、精神の不調による日常生活等の制限を主とする福祉施策的側面と精神疾患を主とする保健医療施策的側面の二面性の概念があり、本文中では文脈によって意味する内容が変わることとなる。
なお、法律では「(精神)障害者」を定義しているものがあり、障害者基本法の規定では、「(身体障害、知的障害、)精神障害(その他の心身の機能の障害)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」とされており、精神保健福祉法の規定では、「統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害その他の精神疾患を有する者をいう。」とされている。


精神障害者保健福祉手帳
(せいしんしょうがいしゃほけんふくしてちょう)
国の要領に基づき、一定の精神障害の状態にあると認定された人に交付される手帳。障害の程度が重い方から1級から3級までの等級が定められている。


精神通院医療
(せいしんつういんいりょう)
障害者総合支援法に基づく自立支援医療の一つで、精神保健福祉法に規定する統合失調症、精神作用物質による急性中毒及びその他の精神疾患(てんかんを含む。)を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する病状にある者に対し、その通院医療に係る医療費の支給を行うもの。


精神保健福祉センター
(せいしんほけんふくしせんたー)
精神保健福祉法の規定に基づき、県が設置する精神保健及び精神障害のある人の福祉に関する知識の普及、調査研究、複雑・困難な相談等を行う県の機関。


セーフティネット
安全網。網の目のように救済策を張ることで、全体に対して安全や安心を提供するための仕組み。


ソーシャルファーム
(social firm)
一般企業と同様に自律的な経営を行いながら、障害のある人・ひきこもり等の就労に困難を抱える方を相当数雇用する企業や団体。


相談支援専門員
(そうだんしえんせんもんいん)
障害のある人の障害福祉サービスなどの利用計画の作成や地域生活への移行・定着に向けた支援、住宅入居等支援事業や成年後見制度利用支援事業に関する支援など、障害のある人の全般的な相談支援を行う専門職。実務経験と研修の受講・修了が要件とされている。


措置入院
(そちにゅういん)
医療及び保護のため、精神科医療機関に入院させなければ自傷他害のおそれのあると認められた精神障害のある人に対して、精神保健福祉法の規定により、知事の権限で入院措置を講じるもの。


対応要領
(たいおうようりょう)
障害者差別解消法に基づき、国や地方公共団体等が策定する障害のある人に対して適切に対応するために必要な要領のこと。


地域活動支援センター
(ちいきかつどうしえんせんたー)
障害者総合支援法の規定に基づき、市町村等が運営する障害のある人を通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等の便宜を行う施設。


地域生活移行
(ちいきせいかついこう)
障害者支援施設等に入所している方または精神科病院に入院している方などが地域の生活に移行すること。


地域生活支援事業
(ちいきせいかつしえんじぎょう)
障害者総合支援法に基づき、障害のある人が、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、地域の特性や利用者の状況に応じ、柔軟な形態により行う支援事業。市町村及び県が主体となって実施する。


知的障害
(ちてきしょうがい)
知的障害に法律の明確な定義はないが、国が行った知的障害児(者)基礎調査における用語解説では、知的障害を「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義している。


中間的就労
(ちゅうかんてきしゅうろう)
生活困窮者自立支援法に基づく就労訓練事業(いわゆる「中間的就労」)は、一般就労(一般労働市場における自律的な労働)と、いわゆる福祉的就労(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく就労継続支援B型事業等)との間に位置する就労(雇用契約に基づく労働及び後述の一般就労に向けた就労体験等の訓練を総称するもの)の形態として位置づけられる。


聴覚障害者情報センター
(ちょうかくしょうがいしゃじょうほうせんたー)
身体障害者福祉法に規定された「視聴覚障害者情報提供施設」。聴覚障害に関する情報提供や啓発、交流・社会参加の中核的拠点として、聴覚障害に関する総合的・専門的な相談事業、手話通訳者や要約筆記者の養成・研修・派遣を行う。


特定行為
(とくていこうい)
気管カニューレの交換や、中心静脈カテーテルの抜去など、看護師が手順書により行う場合は、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる診療の補助行為。
平成24年4月の「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正により、平成28年度以降の国家試験合格者である介護福祉士は、一定の条件の下で、たんの吸引及び経管栄養を実施することができるようになったほか、平成27年度以前の国家試験合格者である介護福祉士やそれ以外の介護業務従事者も、一定の条件の下で、特定行為として喀痰吸引等を実施することができるようになった。


特別支援連携協議会
(とくべつしえんれんけいきょうぎかい)
障害のある子どもやその保護者への相談・支援にかかわる医療、保健、福祉、教育、労働等の関係部局・機関間の連携協力を円滑にするためのネットワーク。


特別児童扶養手当
(とくべつじどうふようてあて)
「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」に基づき、20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給される手当。令和5年4月時点の支給月額は、1級が53,700円、2級が35,760円となっている。


特別障害者手当
(とくべつしょうがいしゃてあて)
「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」に基づき、精神又は身体に著しく重度の障害を有するため、日常生活において常時特別の介護を必要とする状態にある在宅の20歳以上の者に支給される手当。令和5年4月時点の支給月額は27,980円。


内部障害
(ないぶしょうがい)
身体障害者福祉法施行規則に規定する心臓、じん臓若しくは呼吸器又はぼうこう若しくは直腸、小腸、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫若しくは肝臓の機能の障害のこと。


難病
(なんびょう)
障害者総合支援法の対象となる疫病のこと。令和6年4月1日現在369の疾病が指定されている。


日常生活用具
(にちじょうせいかつようぐ)
障害者総合支援法に規定された障害のある人の日常生活を支えるための用具で、介護・訓練支援用具、自立生活支援用具、在宅療養等支援用具、情報・意思疎通支援用具、排泄管理支援用具及び居宅生活動作補助用具(住宅改修費)がある。日常生活用具の支給事業は市町村が行う地域生活支援事業の一つに位置づけられている。


農福連携
(のうふくれんけい)
農業と福祉が連携し、障害のある人の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、障害のある人の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組。


◆パーキングパーミット
障害のある人の専用駐車スペースを利用する際に利用許可証を発行する制度のこと。


発達障害
(はったつしょうがい)
自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害及び注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの。
※アスペルガー症候群
自閉症と同様な特徴を有するが、知的発達や言葉の遅れがないことが特徴
※広汎性発達障害
自閉症やアスペルガー症候群などを包括した分類
※学習障害
読む、書く、計算する等の能力が、全体的な知的発達に比べて苦手なことが特徴
※注意欠陥多動性障害
不注意、多動性及び衝動性が特徴


発達障害者支援地域協議会
(はったつしょうがいしゃしえんちいききょうぎかい)
発達障害のある人の支援の体制の整備を図るため、当事者及びその家族、学識経験者、医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関・団体等で構成される協議会。


発達障害者地域支援マネジャー
(はったつしょうがいしゃちいきしえんまねじゃー)
地域支援機能の強化を目的に県が各障害保健福祉圏域に配置している専門職のこと。地域のニーズや課題を捉えた上で、市町村や事業所等への支援、家族への支援、医療機関との連携、圏域のネットワーク構築等を行う。


ピアサポート
障害のある人自身やその家族が悩みを共有することや、情報交換のできる交流のこと。


福祉避難所
(ふくしひなんじょ)
災害発生時に通常の避難所では生活が困難な障害のある人や高齢者、乳幼児その他の特に配慮を要する者(要配慮者)を受入れる避難所のこと。災害対策基本法施行令等で定める基準に適合し、市町村が指定福祉避難所として指定した場合、「指定福祉避難所」と呼称する。


福祉有償運送
(ふくしゆうしょううんそう)
NPO法人や社会福祉法人等が、身体障害のある人や要介護認定を受けた方等を対象に、乗車定員11人未満の車両を使用して有償で行う移送サービスのこと。福祉有償運送を実施するには、道路運送法により国土交通大臣への登録が必要とされている。


ペアレント・トレーニング
保護者が子どもの行動を観察して特徴を理解したり、発達障害の特性を踏まえたほめ方やしかり方等を学ぶことにより子どもの問題行動を減少させることを目標とするもの。


ペアレント・プログラム
子どもの行動修正までは目指さず、「保護者の認知を肯定的に修正すること」に焦点を当てるより簡易なプログラム。発達障害やその傾向のある子どもをもつ保護者だけでなく、さまざまな悩みをもつ多くの保護者に有効とされている。


ペアレント・メンター
発達障害のある人の子育てを経験した親であって、その経験を活かし、子どもが発達障害の診断を受けて間もない親などに対して相談や助言を行う人のこと。


ヘルプマーク
義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、外見からは援助や配慮を必要としていることがわかりにくい方々のため、周囲の方に配慮が必要なことを知らせ、援助を得やすくなるよう東京都が作成したマーク。平成29年7月に日本工業規格(JIS)の案内用図記号に追加され、全国共通のマークとなった。


放課後児童クラブ
(ほうかごじどうくらぶ)

放課後児童健全育成事業
(ほうかごじどうけんぜんいくせいじぎょう)
児童福祉法の規定に基づき、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、放課後等に小学校の余裕教室や児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図るもの。


保護観察所
(ほごかんさつじょ)
法務省の機関で全国50か所の各地方裁判所の管轄区域ごと(都道府県庁所在地及び函館、旭川、釧路)に設置されている。保護観察所には保護観察や生活環境調整、犯罪予防活動「社会を明るくする運動」に当たる保護観察官のほか、医療観察制度に従事する社会復帰調整官などが配置され、それぞれが専門的知識に基づいた処遇を地域と連携して行っている。


補装具
(ほそうぐ)
障害者総合支援法に基づく、義肢や義眼、補聴器、車椅子など、身体の欠損又は損なわれた身体機能を補完・代替する用具。


みやぎ出前講座
(みやぎでまえこうざ)
県が重点的に取り組む施策等に関するテーマについて、県民の理解を深めていただくことを目的に、県職員が集会・会合などに出向いて実施する講座のこと。


民生委員
(みんせいいいん)
民生委員法に基づき、厚生労働大臣の委嘱を受けた住民の健康状態や生活に関する相談助言等を行う人。(→児童委員)


盲ろう者
(もうろうしゃ)
視覚と聴覚の障害を併せ持つ人のこと。

ユニバーサルデザイン
障害のあるなしや年齢、性別、人種などにかかわらず、多くの人々が利用しやすいように製品やサービス、環境をデザインする考え方のこと。


要配慮者利用施設
(ようはいりょしゃりようしせつ)
社会福祉施設、学校、医療施設その他の主として防災上の配慮を要する者が利用する施設をいう。(水防法)


要約筆記
(ようやくひっき)
聴覚障害のある人に、話の内容をその場で文字にして伝える筆記通訳のこと。



ライフステージ
人の一生における幼年期・児童期・青年期・壮年期・老年期などのそれぞれの段階。


理学療法士
(りがくりょうほうし)
身体に障害のある人に対し、その基本的動作能力の回復等を図るため、治療体操その他の運動の実施や、電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加える理学療法を行う専門職。


リハビリテーション支援センター
(りはびりてーしょんしえんせんたー)
一般的には地域リハビリテーション支援体制整備推進事業における都道府県リハビリテーション支援センターのことを指す。
宮城県では、身体障害者福祉法および知的障害者福祉法に基づき設置した身体障害者更生相談所及び知的障害者更生相談所にこの地域リハビリテーション支援の役割も持たせ、併設した附属診療所と合わせて複合的に地域で生活する障害のある人の支援を行っている。そのための県福祉行政機関のことを指す。


療育手帳
(りょういくてちょう)
県の要綱に基づき、知的障害のある人に交付される手帳。障害の程度が重度の場合「A」、それ以外の場合「B」と表示される。


レスパイト
「休憩・息抜き」の意。このプランにおいては、障害のある人を介護する家族等を癒やすため、一時的にケアを代替し、リフレッシュを図ってもらう短期入所等の支援サービスをいう。

(ここまで)

ページの先頭に戻る

お問い合わせ先

障害福祉課企画推進班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-2538

ファックス番号:022-211-2597

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

information retrieval

このページに知りたい情報がない場合は