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宮城県では,地域全体で連携し支え合いながら,誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指し,平成18年4月に「犯罪のないみやぎ安全・安心まちづくり条例」を施行するとともに,同条例に基づく「犯罪のないみやぎ安全・安心まちづくり各種防犯指針」を策定し,県,県民,事業者の方々及び市町村等の関係機関・団体が一体となって,犯罪の未然防止に努めているところです。
ソフト面での対策としては,県警察を始めとした関係機関や防犯ボランティアが連携した防犯情報の提供や,地域の見守り活動などが行われているほか,併せてハード面では,犯罪の未然防止や検挙に効果がある防犯カメラの有用性に対する認識が高まっており,県内の繁華街,一部自治体等で普及が進んでいます。これら商店街や金融機関,駐車場等に設置されている防犯カメラが,犯罪の防止や事件の解決に有用であることは多くの方々に認識されているところです。
しかし,一方で,知らないうちに自分の姿が撮影され目的外に利用されるのではないかというプライバシーの侵害や,インターネット回線を通じた画像データの漏洩等について不安を感じる方々もいます。
そこで,宮城県では,防犯カメラの有用性とプライバシーの保護との調和を図り,防犯カメラを適切かつ効果的に活用するため,設置及び運用に関するガイドラインを策定しました。
このガイドラインに沿って,県民等のプライバシーなどに十分配慮しながら,防犯カメラの適正な設置・運用に努めましょう。
このガイドラインの対象となる防犯カメラは,次の3つの要件をすべて満たすカメラとします。
※ 要件のすべてを満たさないカメラ(例えば,防犯目的でないカメラ,共同住宅の建物内を撮影するカメラ,録画装置を備えていないカメラ等)は,このガイドラインの対象にはなりませんが,人を撮影する場合は,プライバシーを侵害するおそれがあります。このガイドラインの趣旨を踏まえ,プライバシーの保護に配慮した適正な運用が必要です。
犯罪の防止を目的に設置されているカメラ
※ 施設管理や混雑程度の把握,事故防止,防火・防災等を主目的にするカメラであっても,犯罪を防止する目的を併せ持つカメラは,このガイドラインの対象とします。
不特定かつ多数の人が利用する施設や場所に継続的に設置されているカメラ
※ 例として,
等に設置されたカメラをいいます。
※ 事業所の事務所内や工場の敷地内,マンション・アパート等共同住宅の建物内など不特定かつ多数の人の出入りが想定されない場所を撮影するカメラは,このガイドラインの対象となりません。
画像を記録媒体(HDD,メモリーカード等)に保存する機能を備えたカメラ
防犯カメラを設置又は運用する者(以下「設置者等」という。)は,防犯カメラの設置目的(犯罪の防止等)を明確に定め,目的を逸脱した利用を禁止することとします。
防犯カメラで撮影された画像は,その取扱いによってはプライバシーを侵害するおそれがあるため,どこにでも防犯カメラを設置し,撮影してよいというものではありません。
そこで,設置者等は,防犯効果が発揮され,かつ,不必要な画像が撮影されないように撮影範囲を設定し,設置場所,撮影方向,設置台数を定めることとします。
設置者等は,犯罪抑止効果及びプライバシー保護の観点から,誰にでもわかるように,撮影対象区域内又は付近の見やすい場所に,防犯カメラを設置していること及び設置者等の名称を表示することとします。
※ 設置場所から設置者等が明らかである場合は,名称表示を省略することができます。
※ 複数の防犯カメラを設置する場合,撮影される範囲が認識できるときは,必ずしも全てのカメラに表示をする必要はありません。例えば,金融機関の建物等に設置する場合は,出入口に表示することで足りることが多いと考えます。
設置者等は,防犯カメラの管理及び運用を適正に行うため,管理責任者を指定することとします。
また,管理責任者が自ら防犯カメラの操作をすることができない場合は,操作取扱者を指定し,その指定を受けた者だけに機器の操作等を行わせることとします。
※ 管理責任者は,防犯カメラ設置店舗の店長や警備責任者等防犯上必要な業務を適正に遂行できる者を指定します。
設置者等及び管理責任者は,プライバシーに十分配慮した取扱いをするため,次の事項を守ることとします。
画像のデジタル化や記録媒体の小型化,大容量化が進み,画像の複写や持ち出しが容易になっていることから,安全管理対策が重要です。そこで,設置者等,管理責任者及び操作取扱者は,画像等の漏えい,滅失,き損,改ざん等を防止するため,次の事項に留意して必要な措置を講じることとします。
(1)県民等のプライバシー保護のため,次の場合を除き,設置者等,管理責任者及び操作取扱者が,撮影された画像を設置目的以外に利用することや,第三者に閲覧させたり,提供したりすることを禁止することとします。
なお,第三者に画像を閲覧させ,又は提供する場合は,できるだけ関連する部分に限って行うこととします。
裁判官が発する令状に基づく場合や捜査機関からの照会(刑事訴訟法第197条第2項),裁判所からの文書送付や調査の嘱託,文書提出命令(民事訴訟法第186条等),弁護士会からの照会(弁護士法第23条の2第2項)に基づく場合等をいいます。
迷子や認知症等の行方不明者の安否確認に必要な場合,災害発生時に被害状況を情報提供する場合等が想定されます。
警察の任意捜査への協力や消防署の火災原因調査等が想定されます。
この場合でも,画像に記録されている他の人の画像や住居の様子等が見えないよう,マスキング処理を行うなど配慮し,プライバシーを侵害することがないよう,細心の注意が求められます。
(2)画像を第三者へ閲覧させたり,提供したりする場合は,設置者等及び管理責任者が,その必要性を十分検討するとともに,閲覧させるのみとするか,提供するか慎重に判断することとします。
また,画像を閲覧させたり,提供した時は,相手先,日時,目的,画像の内容等を記録することとし,要請者に身分証明書等の提出を求めるなど,身元確認を確実に行うこととします。
設置者等,管理責任者及び操作取扱者は,防犯カメラによって個人情報を大量に収集し,管理することになりますので,画像は言うまでもなく,画像から知り得た情報を漏えいしたり,不当に使用したりしないこととします。なお,その職でなくなった後においても同様とします。
設置者等及び管理責任者は,防犯カメラの機能維持のため,録画状況を確認するなどの日常的な点検に加えて,定期的に保守点検を行うこととします。
また,パソコン等で防犯カメラの画像を取り扱う場合は,最新のウイルス対策ソフトを導入するなどセキュリティ対策に十分な配慮をする必要があります。
設置者等及び管理責任者は,防犯カメラの設置・運用に関する問い合わせや苦情等には,誠実,迅速に対応することとします。
なお,あらかじめ,問い合わせや苦情対応担当者を指定したり,対応要領を定めておくことも誠実,迅速な対応のために有用です。
設置者等は,防犯カメラの設置,施設管理業務,警備業務を委託する場合や,動線分析等の業務を委託する場合は,設置・運用規程の遵守を委託契約の条件にするなど,情報漏えいの防止やプライバシー保護に配慮した適正な設置,運用を委託先に徹底することとします。
防犯カメラに記録された画像は,特定の個人が識別できる場合には,個人情報に該当し,個人情報の保護に関する法律により保護の対象となります。
よって,設置者等,管理責任者及び操作取扱者は,個人情報を取り扱う場合は,このガイドラインのほか,個人情報の保護に関する法律に基づき,適正に取り扱うこととします。
設置者等又は管理責任者は,このガイドラインに基づき,防犯カメラの設置・運用を適正に行うため,設置目的や運用形態に合わせ,次の事項を盛り込んだ設置・運用要領を定めることとします。
※ 巻末に設置・運用要領の参考例を掲載しています。
このガイドラインは,防犯カメラの有用性とプライバシー保護との調和を図るため配慮していただきたい基本的事項をまとめたものです。
実際の設置・運用に当たっては,このガイドラインを参考にされるとともに,必要に応じ有識者等に意見を求めるなどして,それぞれの設置目的や運用形態に合わせた設置・運用要領を定め,組織内等で周知を図り,適正な取扱いに努めてください。
この要領は,個人のプライバシーの保護に配慮し,次項に定める設置目的を達成するため,○○○(場所・施設)に設置する防犯カメラの設置及び運用に関し必要な事項を定めることにより,その適正な設置運用を図るものとする。
防犯カメラは,○○○(場所・施設)における犯罪防止及び事故防止のために設置する。
【※ 施設管理や防災など,その他設置目的がある場合は列挙します。】
防犯カメラの機能維持のため,録画状況を確認するなどの日常的な点検に加えて,◆か月ごとに保守点検を行う。
管理責任者は,防犯カメラの設置及び管理に関する問い合わせや苦情等を受けたときは,誠実かつ迅速に対応する。
【配置図の例】
【表示の例】
【画像提供記録書の例】
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