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概要
本樹は栗原市花山本沢岳山に生育しており、樹高約21.5m、胸高直径303cm(幹周径950cm)である。主幹は地上10m付近で折れ曲がる。また、地上付近の樹体内部は空洞化し、一部に炭化が認められる。これは過去の落雷に起因するものと推察されているが、樹勢に顕著な衰えはみられない。
主幹から分岐する5本の幹は、地上4~9m付近から斜上あるいは直立し、相対的に主幹低位に集中する。これにより、樹高成長が抑制される傾向が認められ、「箒形」あるいは「あがりこ形」と称すべき“ずんぐり”とした樹形を呈している。
樹齢は推定1,000年以上といわれているが、これまで詳細な調査は実施されていない。
本樹は国内有数のクロベの大木であり、日本固有種でありながら天然記念物の樹種として指定例が少なく、同種の代表例としても価値を有している。
また、冷温帯地域の中で安定したブナ林のなか、痩尾根や露岩地、湿原周縁では優勢となるクロベの特徴をよく有していることから、学術的な価値が高く、栗駒山全体の植生や地勢を知る上でも重要である。
県の指定前は、栗原市指定天然記念物「千年クロベ」(平成31年2月15日指定)
樹種 | クロベ(ヒノキ科クロベ属) |
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学名 | Thuja standishii (Gordon) Carrière |
所在地 | 宮城県栗原市花山本沢岳山 国有林43林班い小班内 |
指定年月日 | 令和4年(2022)5月27日 |
指定本数・指定範囲 | 1本・根元基準杭から半径9メートルの範囲 |
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