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2013年12月7日-2014年2月16日(日曜日)
制作プロセス画像アルバム
公開制作の進行を画像で随時紹介します。
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花瓶の制作:挽き型用木型、鳥目箱
1.木型のスケッチを金属板に写し、切り取る。
2.木型(外型、中型)の輪郭の形を整え、花器の厚みが一定になるようにする。
3.鳥目箱をつくり、木型を取り付ける。
語句説明
※「木型」
花器(完成形)の中心軸の半分の形を金属板などに写したものをさす。完成形の外側の輪郭を<外型の木型>と呼び、厚み(約3mm)を差し引いた内側の輪郭を<中型の木型>と呼ぶ。最終的に、この厚みの部分が<金属の厚さ>となる。
※「鳥目箱」
木でつくった箱に、木型を回転させる棒をとりつけたものをさす。回転棒の先端のストッパーが鳥の目のようにまるくみえることから、「鳥目箱」と呼ぶ
水盤の制作:挽き型用木型、外型づくりの補助枠
1.木材を加工し、外型づくりの補助枠をつくる。
2.木型のスケッチを金属板に写し、切り取る。
3.完成形のスケッチと合わせ、木型の輪郭の形を整える。
花瓶の制作:鋳型(中子)
1.鋳型の材料となる石膏を準備する。鋳造用石膏、シャモット、古砂を混ぜた後、水を加えて練る。
2.鳥目箱の回転棒に しゅろ縄 を巻き、それに石膏を少しずつ付けて、鋳型(中子)をつくっていく。
3.鳥目箱の軸を回転させ、木型に合わせ鋳型(中子)を整えていく。
水盤の制作:鋳型(下型)
1.「外型づくりの補助枠」の中に木材を散りばめ、粘土で表面を覆っていく。
2.木型を回転させて、石膏を流し込むための粘土の捨て型をつくる。
3.粘土の型に、石膏を流し込みながら木型を回転させ、鋳型(下型)の外部分をつくる。
花瓶の制作:蠟原型
1.蜜蝋、松脂、パラフィンを熱で溶かし、板状に延ばす。
2. 鋳型(中子)に板状の蠟を貼っていく。最後に鳥目箱で表面を整える。
水盤の制作:蠟原型
蝋型のへりに蠟をたらし、板状の蠟を切り取って貼り付けていく。
仕上げにやわらかい蠟をたらして木型をひく。
蠟原型の挽きあげ段階で失敗。原因として、挽き蠟の絡みは大きかったこと(季節に合わせて蠟の配合したはずだが、予想以上に気温が低かった)、蠟による挽き型技法には合わない(蠟が下部に溜まってしまう)形状と大きさであったことが推測される。機会を見て別技法での製作を模索してみたい。
花瓶の制作:鋳型(外型)
作品に、蠟で棒状につくった湯道、ロート状につくった湯口を取り付ける。
※「湯道」とは熔解した金属が流れる道をさし、「湯口」とは熔解した金属の注ぎ口をさす。
花瓶の製作:鋳型(外型)
1.湯口をつけた作品を金属板で囲み、石膏(古砂、シャモットを含む)を流し込み、鋳型(外型)をつくる。
2.鋳型の中心の回転棒を取り外す。
3.鋳型に金網を巻き付け、石膏でさらに固める。
花瓶の製作:鋳型焼成
1.レンガやブロックを使って、ブロンズを熔解するための炉(熔解炉)をつくる。
2.焼き窯で鋳型を焼き、脱蠟(鋳型から蠟を抜くこと)する。
3.脱蠟のための穴を粘土でふさぎ、鋳型を電気炉に入れて焼成する。
花瓶の製作:ブロンズ熔解、鋳込み
1.熔解炉に「るつぼ」を設置し、その中に地金(ブロンズ)を入れて熔かす。
2.熔解したブロンズを鋳型に注ぎ込む。
花瓶の製作:仕上げ
1.鋳型を割り、ブロンズ作品を取り出す。
2.湯口や湯道を、金のこで切り取る。
3.湯口や湯道の切り口をグラインダーで削ったり、やすりで磨いたりして表面を整える。
花瓶の製作:仕上げ
1.鋳型を割り、ブロンズ作品を取り出す。
2.表面にやすりをかけてから、キサゲを使って仕上げる。
3.着色の下地(「糠味噌焼」仕上げ)の材料を、硫黄、硫酸銅、食塩、糖を混ぜ合わせてつくる。
花瓶の製作:着色
1.糠味噌を作品の表面に付着させ、炭火で焼いて鋳肌を荒らし下地をつくる。
2.「糠味噌焼」後は、細かな耐水ペーパーで磨き、クレンザーや細かな砂で胴摺(どうずり)と称し、鋳肌面を研磨する。
3.七輪で暖めながら、脱脂綿に染みこませた「たんぱん(硫酸銅+酢酸)」を付着させ、酸化皮膜をつくり着色の下地をつくる。次に、藁(わら)刷毛に鉄醤液(サビ)をつけて作品の表面を掃いたり、水で掃くなどの作業を繰り返し行い、色合いを作り出していく。
創作室ギャラリーにて、完成作品並びにプロセスのパネル展示をしています。
「刻(とき) の堆積」 高橋 勉
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