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20世紀初頭、ピカソやブラックは油彩の画面に直接紙を貼り付ける「パピエ・コレ」によって、絵画の世界に革新をもたらしました。ほとんど同じころ、クレーは自作にはさみを入れることで、全く別の作品に仕立てる手法に取り組みます。
モネら印象派が登場して以降の19世紀半ばから20世紀にかけて、それまでの遠近法にもとづく再現的な絵画に対し、新たな表現を模索する動きがヨーロッパ各地で広がっていきます。中でも、素材を切り貼りし組み合わせる「コラージュ」の手法と考え方は、シュルレアリスムの作家たちに大きな影響を与え、戦後は、ラウシェンバーグが用いたアッサンブラージュなど、さまざまな技法へ展開しました。本講座では、3名の講師を招き、「コラージュ」を巡る近代から現代にいたる美術の様相を、それぞれの視点からお話いただきます。
パウル・クレー≪アフロディテの解剖学≫
平成30年3月4日(日曜日)、11日(日曜日)、18日(日曜日)
各日とも 14時00分~16時00分
中井康之(なかいやすゆき) 3月4日(日曜日)
1959年生まれ。国立国際美術館学芸課長。近年企画したおもな展覧会に「もの派-再考」(05年),「藤本由紀夫展 +/-」(07年)「アヴァンギャルド・チャイナ-〈中国当代美術〉-二十年」(08年),「フィオナ・タン まなざしの詩学」(14年)など。
清水穣(しみずみのる) 3月11日(日曜日)
1963年生まれ。同志社大学グローバル地域文化学部教授。専攻は20世紀ドイツを中心とした現代音楽と現代美術。おもな著・訳書に『写真と日々』『日々是写真』『プルラモン:単数にして複数の存在』(すべて現代思潮新社)、『評伝ゲルハルト・リヒター』(美術出版社)など。
河本真理(こうもとまり) 3月18日(日曜日)
1968年東京都生まれ。日本女子大学人間社会学部文化学科教授。2002年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。05年パリ第一大学博士号(美術史学)取得。京都造形芸術大学比較藝術学研究センター准教授,広島大学大学院総合科学研究科准教授を経て現職。先行は西洋近現代美術史。おもな著書に『切断の時代 20世紀におけるコラージュの美学と歴史』(ブリュッケ,サントリー学芸賞,渋沢・クローデル賞ルイ・ヴィトンジャパン特別賞),『葛藤する形態 第一次世界大戦と美術』(人文書院)など。
概要
宮城県美術館アートホール(佐藤忠良記念館地下)
各回60名程度(事前申込制)
※一回のみの聴講も可能です。
無料
電話または当館創作室にて受付
Tel:022-221-2114(教育普及部直通)
2月1日(木曜日) 9時30分~(各回とも定員に達し次第締切)
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