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令和4年4月からの事業開始に向けて事業者の公募手続きを進めている「みやぎ型管理運営方式」については、応募者との競争的対話(※1)が終了し、令和2年12月24日付けで募集要項等の改訂を行いました。
実施計画書(案)の改定箇所は下表のとおりです。今回、主要な5項目の改訂について、変更理由と共に応募者との協議記録等を公開します。
項目 | 箇所数 | |
---|---|---|
(1)ライセンス料を伴う知的財産権対象技術への対応 | 1箇所 | 22箇所(19%) |
(2)突発的な事象による増加費用及び損害に関する特則の追加 | 4箇所 | |
(3)運営権者の再委託に係る事務手続きの簡素化 |
7箇所 |
|
(4)運営権者の契約不適合(瑕疵)に関する責任に係る免責規定の追加 | 1箇所 | |
(5)業務報告書及び監査報告書の提出期限の延長 | 9箇所 | |
(6)その他(文言整理・明確化等) | 94箇所(81%) | |
合計 | 116箇所 |
現在、これらの改訂に対して、「県は応募者の言いなりになって募集要項等を改訂し、県及び県民にとって後退した内容となっている」との意見が寄せられています。
募集要項等の改訂は、安全・安心を担保した上で、いかに料金の上昇を抑制できるかという視点で検討を行い、PFI検討委員会(※2)による審議を経て決定したものです。寄せられたご意見への回答も含め,以下をご覧ください。
(※1)競争的対話・・・概要と経過、募集要項等の改訂版についてはコチラ
(※2)PFI検討委員会・・・行政経営推進課へのリンク
事業期間中に運営権者が導入する「知的財産権」を伴う新技術については、事業期間終了後に追加の費用負担を求められることのないよう、つまり、水道料金が値上がりしないよう、無償・無期限での使用許諾を義務付けています。
この規定は、少なくとも国内の他のコンセッション事例での規定はなく、水道料金の低廉化のため、県及び県民にとって相当有利な規定として導入した制度です。
具体的には、知的財産権を伴う水処理設備機器を想定しており、導入時に一括で運営権者が支払うこととなります。
一方、近年、多くの分野で導入されているクラウドサービスは、月額や年額などのライセンス料を伴い、使用料やメンテナンス料に加えて特許料等の知的財産権が含まれていることがあります。
競争的対話では、各応募者は、クラウドサービスを活用した「統合監視システム」等の導入を検討していたため、このような有効な提案に対応する必要が生じました。
そのため、PFI検討委員会にも意見を伺い、長期の事業期間において、県民利益に資する新技術の積極的な導入のためにも、相応の費用の発生は当然であることから、運営権者が支払っていた金額を上限として、県が承認した場合は導入を認める規定を追加したものです。
大崎広域水道の麓山浄水場では、夏場に原水のカビ臭が強くなることがあり、対策として薬品(粉末活性炭)の投入を行うことがあります。平成26~27年度には原水のカビ臭が極めて顕著となり、大量の薬品を使用したことで、平年比で10倍以上の対策費用を要した実績があります。
恒常的な水質の変化に対しては、薬品費の増額等に対して運営権者収受額を改定する規定を設けていますが、原水のカビ臭のような突発的な事象に対しては、協議を受けて個別に対応する方が利用料金の上昇抑制に適うと判断し(次期の料金算定に考慮する必要がなくなる)、規定を改定することにしたものです。
なお、自然災害や水質・水量の変化等、運営権者の責によらない事象や不可抗力については、県が応分の費用負担を行う適正なリスク分担により、運営権者提案額の低下(利用料金の上昇抑制)に繋がり、また、上下水道事業の安定性を確保する上でも重要と考えています。
運営権者が水処理において重要な運転管理業務を第三者に委託する場合には、特に厳格な審査を要するものと考えており、県の事前承認を要する規定を設けています。しかし、運営権者の委託の中には、電気保安や清掃、警備など、水処理には直接関係の無い業務も多数あり、その全てについて事前に通知を受け、契約後に契約書の写しを提出することは、県にとっても非効率であるため規定を改定したものです。
簡素化の一方で、運営権者は委託や再委託にかかる全ての契約書の写しを備え置き、県が求めた場合には速やかに提出する義務を新たに規定したため、委託先とのトラブルに対しても適切に対応できる規定としています。
運営権の対象施設に故障等の契約不適合(瑕疵)があった場合、事業開始後1年以内で、損害等の額が1件につき100万円を超えた場合に限り県が補償する規定としています。
一方、事業終了時に運営権者から県に施設を引き渡す際には、特段の免責規定を設けていませんでした。応募者からの改訂要請に対して、契約の対等性に配慮すると共に、また、施設運営において軽微な補修等は随時発生する(小補修の度に費用請求を行うこととなる)ことを考慮して検討した結果、同等の免責規定を設けることは、県及び次期事業者等の円滑な施設運営にとって必要なものと判断し、改訂したものです。
実施契約書(案)を改訂し、運営権者が年次で提出する財務諸表や監査報告書の提出期限を決算日(年度末)から「60日以内」から「90日以内」へと延長しました。また、半期・四半期毎に提出する書類についても、期末から「30日以内」から「45日以内」に延長しています。
改訂理由としては、運営権者の財務諸表や監査報告書は、会社法の規定に従い、決算日(年度末)から3ヶ月以内に株主総会を開催した上で県に提出する必要があるため、他のPFI事業における規定も参考として設定したものです。
上記5項目のほか,規定の明確化等を図る目的で変更した点をいくつか例示します。
内閣府の「公共施設等運営権及び公共施設等運営事業に関するガイドライン」では、競争的対話方式の留意事項の一つに「応募者と提案内容の確認・交渉を行い、その結果に基づき要求水準等を作成(調整)すること」と記載されており、応募者との協議により実施契約書(案)を改訂することについても、競争的対話の位置づけから外れていないことを確認しております。
「みやぎ型管理運営方式」の運営権者は、県内市町村等の上下水道事業等に関する業務を任意事業として受託することができる枠組みとしています。
これは、県と同様に厳しい経営環境に立たされている市町村において、広域化等の様々な経営改善手法を検討した結果、みやぎ型管理運営方式の運営権者に業務の一部を委託等することが効果的であると市町村が自ら判断した場合に採用できるもので、市町村の取り得る選択肢を広げたものであり、県内水道事業の独占を目的としたものではありません。
なお、任意事業の実施に当たっては、県の事前承認を必要としています。
令和3年3月15日に優先交渉権者の選定を行ったことから、すみやかに基本協定を締結する予定です。今後は、県民を対象とした説明会を開催し、選定結果や提案の概要について説明したいと考えています。
詳細な説明会の内容や開催日については、新型コロナウイルス感染症の流行状況を考慮しながら決定し、今後、ホームページなどでお知らせしていきます。
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