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いわゆる平成の大合併により誕生した市町村では、合併特例法に基づき、普通交付税の算定の特例となる「合併算定替」の措置により、厳しい財政状況の中、住民サービスを一定程度維持してきた。合併算定替は、合併後10年間の地方交付税が上乗せされる特例期間に続き、激変緩和措置として5年間で上乗せ額が段階的に減額されることとなり、最終的にその減額は全市町村で約9,300億円に上り、平成27年度及び平成28年度に減額期間に移行するピークを迎える。
合併により行政区域が広域化した市町村においては、周辺部となった旧市町村部の人口減少に歯止めがかからず、地域の疲弊が深刻な状況に直面している。また、支所機能を含めた地域コミュニティの維持、消防や災害対策をはじめとした「安全・安心」の確保、幼稚園や保育所などの「子育て環境」の整備、高齢者支援などの「地域福祉」の充実など、合併しても削減できない経費や、合併に伴い新たに生じた経費などの財政需要も生じてきている中で、合併算定替が終了した場合、大幅な財源不足が生じることが見込まれる。加えて、本県では石巻市をはじめとする被災市町において、東日本大震災からの復旧・復興の途上にあり、より多額の財政需要が生じている。
よって、国においては、平成の大合併の総括的な検証を行うとともに、今後も合併市町村がきめ細かな住民サービスを維持し、将来のまちづくりを力強く推進できるよう、合併市町村特有の財政需要の実態を十分に踏まえた普通交付税の算定方法の見直しを行うことにより、新たな財政支援措置を早急に講ずるよう強く要望する。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月13日
宮城県議会議長 中村 功
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣 あて
最近の高齢者を取り巻く環境は、年金、医療、介護、税制など生活に直結する点で大変厳しい状況になっている。
とりわけ、介護保険制度については、さきの「社会保障制度改革国民会議」報告の提言を踏まえ、現在の介護保険制度を見直す作業が進みつつあり、高齢者は不安に駆られている。
よって、国においては、介護保険制度及び高齢者施策の充実・強化を求める立場から、次の事項について実現するよう強く要望する。
1 医療や介護サービスの提供と連動した住宅政策の具体化を図ること。また、低所得高齢者への支援については、高齢者の身体・生命を守る観点から、法令に基づかない各種の宿泊施設や無届施設の実態調査を行うとともに、福祉施設と連携した公共用住宅の活用など、高齢者の多様な「居住の場」を整備すること。
2 認知症ケア体制整備の推進に向けた認知症疾患医療センターの設置や認知症支援推進員・認知症サポート医師の養成など、総合的な施策を推進・支援すること。
3 地域包括ケアの推進の立場から、市町村の地域包括支援センターの体制整備や機能強化に向け、人員や財源などの運営基盤の拡充を図ること。
4 高齢者の社会的孤立や孤独死を防止するため、高齢者への個別サービスを提供する事業者による見守り・支え合いの仕組みづくりなど、ネットワークの構築を検討すること。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月13日
宮城県議会議長 中村 功
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣 あて
東日本大震災の被災地では、プレハブ仮設住宅やいわゆるみなし仮設住宅から災害公営住宅や自力で再建した住宅等の恒久住宅への移転が開始されているが、危険区域以外の被災者の移転費用については災害救助法の対象とならず、負担が大きくなっている。被災者が一日も早く安心して住み続けられる住まいを得るためにも、移転費用の負担軽減が必要である。
また、避難生活の長期化に伴い、貸主との契約が更新できなかったみなし仮設住宅から別の仮設住宅への移転等、仮設住宅間での移転も生じており、さらに、今後、仮設住宅用地として借り上げた民有地の返還等に伴うプレハブ仮設住宅の集約化により、仮設住宅間での移転を余儀なくされる事例も想定されるなど、本来、行政が負担すべき、自己都合によらない移転費用についても災害救助法の対象とはなっていないため、被災市町は財源の確保に苦慮している。
よって、国においては、仮設住宅から災害公営住宅等の恒久住宅への移転に際し危険区域以外の被災者の負担軽減を図ること、また、自己都合によらない仮設住宅間の移転費用を支援する制度を確立するよう強く要望する。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月13日
宮城県議会議長 中村 功
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
復興大臣
内閣府特命担当大臣(防災) あて
平成25年3月の予防接種法の改正により、同年4月から新たに3疾病のワクチンが定期接種に位置づけられ、予防接種法に規定される定期予防接種の対象が12疾病となった。
しかし、我が国における子どもの予防接種については、ワクチンで防ぐことができる病気があるということに対する保護者の知識の有無や保護者の経済状況によって子どもが受けられるワクチンに個人差が出る、いわゆるワクチンギャップの状況にあり、B型肝炎、水痘(水ぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)及びロタウイルスのワクチンは現在も任意接種となっているため、接種率が上がっていない。これら4ワクチンのうちロタウイルスのワクチンを除く3ワクチンについては、法律改正の際に、衆議院厚生労働委員会において全会一致で定期接種化の結論を得るよう努めることとの附帯決議が付されている。
よって、国においては、ワクチンで防ぐことができる病気から子どもを守るため、ワクチンで防げる病気はワクチンで積極的に対応するとの方針のもと、ワクチンの研究開発の促進と供給体制の整備及び充実を図るとともに、予防接種の安全性を確保し、予防接種の普及・啓蒙を行った上で、新たなワクチン政策の確立と推進体制の一環として、これら4ワクチンを早期に定期接種化するよう強く要望する。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月13日
宮城県議会議長 中村 功
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣 あて
強制隔離を骨格とする人権侵害の「らい予防法」は、平成8年4月に廃止され、平成21年4月には「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律(以下「ハンセン病問題基本法」という。)が施行された。
ハンセン病問題基本法は、その理念において、ハンセン病問題に関する施策は、国の隔離政策による被害を可能な限り回復することを旨として行わなければならないとしており、第7条では「国は、国立ハンセン病療養所において、入所者に対して、必要な療養を行うものとする」、第11条では「国は、医師、看護師及び介護員の確保等国立ハンセン病療養所における医療及び介護に関する体制の整備のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする」としている。
現在、国立ハンセン病療養所入所者の平均年齢は82歳を超え、高齢化、障害の重度・重複化に対応した医療・看護・介護体制の強化が喫緊の課題となっており、国会では平成21年7月9日に衆議院で、平成22年5月21日に参議院でそれぞれ「国立ハンセン病療養所における療養体制の充実に関する決議」が全会一致で可決された。
国は、この決議に基づき、国立ハンセン病療養所入所者に対し、療養の質の向上を図り、地域社会と共生しつつ、良好かつ平穏な療養生活を営むことができるようにするため、十分な医療と良好な生活環境を最後まで保障し、ハンセン病問題の真の解決を図らなければならない。
よって、国においては、国立ハンセン病療養所の入所者の実情に応じた職員の確保及び医療体制の充実に万全を期すよう強く要望する。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月13日
宮城県議会議長 中村 功
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣 あて
今冬の灯油価格が過去最も高い水準となった平成20年に匹敵する高水準となるなど、石油製品の価格が著しく高騰し、石油製品への依存度が高い県内の農林漁業者、運輸業者、中小零細事業者は、大きな打撃を受けており、東日本大震災からの復興の途上にある地域経済に、さらなる深刻な影響が及んでいる。また、冬季の気象条件が厳しい本県において、灯油を初めとする生活関連石油製品の高騰は、仮設住宅等で居住する被災者はもとより、低所得者、経済的弱者を中心に、県民生活を圧迫している。
石油製品の高騰は、原油先物取引市場への投機的資本の大量流入等が原因と言われているが、現在の石油行政のあり方にも大きな問題がある。国は、行政不介入の立場を改め、欧米諸国と同様に、取引の透明化や取引高制限などの規制努力を行い、石油製品の適正価格と安定供給に国が責任を持つような体制をつくるべきである。
よって、国においては、次の事項について実施するよう強く要望する。
1 石油製品の適正価格と安定供給に関し、行政の責任と役割を明確にし、石油製品の供給量不足や流通の停滞が起きることのないよう監視するなど、必要な施策を早急に講ずること。
2 低所得者、経済的弱者の救済策として福祉灯油の実施に向けた支援施策を講ずるとともに、石油製品への依存度が高い農林漁業者、運輸業者、中小零細事業者への支援施策を拡充すること。
3 原油価格高騰の要因となっている投機的資本の流入への対応について、各国と連携し、投機を抑制するための規制を行い、石油製品の価格の適正化を図ること。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月13日
宮城県議会議長 中村 功
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
資源エネルギー庁長官 あて
免税軽油制度は、道路を走行しない機械の動力源等として使用する軽油について軽油引取税を免除する制度として、鉄道や農林水産業など幅広い事業の動力源の用途などに認められてきた。平成21年度の地方税法の改正により、軽油引取税が道路特定財源から一般財源化されたことに伴い、この免税制度は廃止されたが、激変緩和策として平成27年3月末まで延長されている。
免税軽油制度については、本県の基幹産業である農林水産業において、作業用機械や漁船など幅広い用途に活用されており、また、本県の冬季における重要な観光産業の柱であるスキー場においても、索道事業者が使用するゲレンデ整備車や降雪機などに活用されているなど、その恩恵は県内のさまざまな産業に及んでいる。
急速に進む円安による燃油価格の高騰は、県内の農林水産業者、索道事業者等の経営を圧迫しており、そのような中で燃料である軽油の免税措置が廃止されることは、事業者にさらなる負担を強いるものであり、震災からの復興途上にある地域経済にも計り知れない影響を与えることとなる。
よって、国においては、幅広い産業への影響を考慮し、平成27年4月以降も免税軽油制度を継続するよう強く要望する。
右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年12月13日
宮城県議会議長 中村 功
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣 あて
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