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掲載日:2013年3月19日

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意見書(平成25年2月定例会)

宮城県議会Top条例・意見書等

個人保証の原則廃止を求める意見書

 個人保証は、保証人の経済生活に重大な影響を及ぼす可能性があることから、古くから警鐘が鳴らされ続けている契約類型である。そうであるにもかかわらず、主債務者との情誼から個人が保証人となることが絶えることはなく、現在も破産などの多数の被害を生じさせている。
 このことから、保証人の責任を軽減させるために裁判実務でも幾多の努力が重ねられているが、なお不十分であると言わざるを得ない。
 個人保証被害の抜本的な救済のためには、情誼性に基礎を置く前近代的な個人保証制度を原則として廃止する必要があり、個人保証が例外として許容される場合においても、その被害の拡大を防止するための制度を設ける必要がある。
 よって、国においては、法制審議会民法(債権関係)部会において検討されている民法の改正に当たり、保証制度を次のとおり改正するよう強く要望する。

1 個人保証を原則として廃止すること。

2 個人保証の例外は、経営者保証等極めて限定的なものに限るものとすること。

3 例外として許容される個人保証においては、現行民法第465条の2ないし第465条の5に定める貸金等根保証契約における規律を個人が保証人となる場合のすべての根保証契約に及ぼすものとすること。

4 例外として許容される個人保証においては、債権者は、保証契約を締結する時は、保証人になろうとする者に対する説明義務や債務者の支払能力に関する情報提供義務を負い、債権者がその義務に違反した場合は、保証人は保証契約を取り消すことを可能とすること。

5 例外として許容される個人保証においては、債権者は、保証契約の締結後、保証人に対し、主たる債務者の遅滞情報を通知する義務を負う制度とすること。

6 例外として許容される個人保証においては、過大な保証を禁止する規定や保証債務の責任を減免する規定を設けること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年3月19日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣   あて

ブラッドパッチ療法の保険適用及び脳脊髄液減少症の診断・治療体制等の推進を求める意見書

 脳脊髄液減少症とは、交通事故やスポーツ外傷、落下事故などによる頭頸部や全身への衝撃により、脳脊髄液が漏れ続け、頭痛、首や背中の痛み、腰痛、目まい、吐き気等の様々な症状が複合的に発症する疾病と言われている。
 医療現場においては、このような症状の原因が特定されない場合が多く、脳脊髄液減少症の診断基準も定まっていないため、患者は「怠け病」あるいは「精神的な病気」と判断されてきた。また、脳脊髄液減少症の治療法として、ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)の有用性が認められつつも、ブラッドパッチ療法は保険適用外であり、患者本人の肉体的・精神的苦痛はもとより、患者家族の経済的負担・苦労も計り知れないものがある。
 一方、医学会の常識では長らく「髄液はめったに漏れない」とされていたが、平成23年度の厚生労働省研究班による「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」の中間報告書では、交通事故などの外傷が髄液漏れの契機になるのは「決してまれではない」と明記された。
 さらに、脳脊髄液減少症の一部である「脳脊髄液漏出症」の画像診断基準が定められたほか、昨年5月にブラッドパッチ療法が「先進医療」として認められ、平成26年度の診療報酬改定での保険適用に向け、医療機関での症例データの収集が開始された。
 また、厚生労働省研究班による脳脊髄液減少症の周辺病態の研究も行われることになっており、脳脊髄液減少症患者の約8割は「脳脊髄液漏出症」の診断基準には該当しないため、脳脊髄液減少症の周辺病態の解明には大きな期待が寄せられている。
 よって、国においては、これらの現状を踏まえ、次の事項について適切な措置を講ずるよう強く要望する。

1 ブラッドパッチ療法の治療基準を速やかに定め、平成26年度の診療報酬改定において保険適用とすること。

2 「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する研究」を平成25年度以降も継続し、「診療ガイドライン」の早期作成とともに、子供に特化した研究及び周辺病態の解明を行うこと。

3 脳脊髄液減少症の実態調査を実施し、患者及び家族に対する相談及び支援体制を確立すること。

4 ブラッドパッチ療法に関する「先進医療」認定施設を各都道府県に最低一カ所設けること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年3月19日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣 あて

配合飼料の価格高騰対策を求める意見書

 畜産・酪農は国民の重要な食料の供給源であるとともに、我が国の重要な産業として地域経済にも大きく貢献している。
 畜産物生産に不可欠な配合飼料のほとんどは輸入に依存しており、その価格は米国やオーストラリアをはじめとする輸出国における収穫量の増減に左右されている。配合飼料価格は平成20年の異常高騰以降、高止まりで推移しているが、昨年、米国での記録的な干ばつの影響により、とうもろこしの生育状況が悪化し、収穫量が減少したことで国際穀物価格が急騰し、配合飼料価格も大幅な値上げとなっている。
 国においては、配合飼料の価格高騰に対処するため、昨年9月、異常補てん基金の発動基準の引下げや通常補てん基金への無利子貸付け等の対策を講じ、また、11月には、異常補てん基金への積み増し等の対策を講じているが、これらの配合飼料価格安定制度による補てんをもってしても生産者実質負担額は増加しており、こうした生産コストの増加による畜産・酪農経営の急激な悪化が危惧されている。
 よって、国においては、我が国の畜産・酪農に深刻な影響を及ぼす配合飼料の価格高騰に適切に対処するため、次の事項を実現するよう強く要望する。

1 畜産農家・酪農家に対して、制度上算定された補てん金を満額交付するため、政府の責任により万全の財源確保措置を講ずること。

2 配合飼料価格の高止まりにより畜産農家・酪農家の生産者負担額が増加していることから、肉用牛肥育経営安定特別対策事業及び養豚経営安定対策事業による補てん金の確実な交付や牛乳・乳製品の需要確保対策など、経営安定対策に万全を期すこと。

3 輸入飼料の価格が高騰する中で畜産経営の安定・向上を図るため、国産飼料の生産・流通等の機能強化による自給飼料増産対策や、草地の生産性向上対策等による生産基盤拡大対策を充実・強化し、飼料の自給率向上を図ること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年3月19日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣 あて

一般用医薬品販売制度に関する意見書

 一般用医薬品の販売時においては、販売者側からその医薬品に関する「適切な情報提供」が行われ、購入者が十分に理解することや、購入者の疑問・相談に対して「適切な相談応需」が行われることが必要である。また、購入者ごとに体質、基礎疾患の有無、その他健康状態が異なることや、同一の購入者であっても、その都度症状が異なることがあることから、販売者側における購入者の「状態把握」が不可欠である。
 こうした「適切な情報提供」、「適切な相談応需」及び「状態把握」が行われるためには、購入者と薬剤師等の専門家との間で円滑な意思疎通が行われることが必要である。
 また、近年、医療用医薬品から一般用医薬品に移行される医薬品が増加しているが、それらは効果が高い半面、適正に使用されない場合には重大な健康被害を招くこともあり、薬剤師等の専門家が購入者から十分な情報収集を行い、個々にその適否を判断することが必要である。
 このように、一般用医薬品の販売に際しては、購入者と薬剤師等専門家がその場で直接やりとりを行うことができる対面販売が必要であり、これを医薬品販売に当たっての原則とすべきである。
 よって、国においては、一般用医薬品の販売に際しては対面販売を原則とし、薬事法の改正等必要な措置を講ずるよう強く要望する。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年3月19日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣 あて

東日本大震災で危機的状況にある国保特別会計への財政支援措置を求める意見書

 国民健康保険は、医療保険の中でも重要な位置を占め、本県における平成22年度末の加入世帯数は約35万世帯、被保険者数は約63万人である。
 国民健康保険は、一次産業従事者や自営業者、無職の方々など、多くは収入が不安定な低所得者層によって構成されており、財政基盤がもともと脆弱であった。国民健康保険財政の総収入に占める国の財政支援割合は、昭和59年度当時は5割であったが、平成17年度以降縮小され、平成20年には24.9パーセントとなり、国民健康保険の財政運営はより一層逼迫する状況となっていた。
 そのような状況において、東日本大震災が発生し、これまで社会保険に加入していた多くの方々が職を失い、震災による失業者などが一斉に国民健康保険に加入する事態となったほか、被災者の国民健康保険税の減免が実施された。その結果、医療費の一部負担金免除措置も相まって医療費が増大し、市町村国保特別会計は一層危機的状況となっている。この状況に対応するための国民健康保険の財政調整基金も、県内の多くの市町村においては底をついており、また、被保険者の多くが収入が不安定であることを考慮すれば、国民健康保険税の引き上げも困難である。
 よって、国においては、この局面を打開するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 保険税(料)の大幅減収、医療費の増大などにより、深刻な状況となっている被災自治体の国保財政を救済するための特別の財政支援措置を講ずること。

2 今後さらに、市町村国保特別会計の財政基盤を強化すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年3月19日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて

障害者総合支援法及び障害者虐待防止法に関する意見書

 平成18年12月、第61回国連総会において障害者の権利に関する条約が採択され、平成24年10月現在、125カ国が批准を終えている。我が国は、平成十九年九月にこの条約に署名はしたものの、関係する国内法が未整備のため、現在のところ批准には至っていない。
 平成24年6月、「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律」が公布され、平成25年4月1日から、「障害者自立支援法」は「障害者総合支援法」とされることとなった。今後は、国と地方との適切な役割分担のもと、地域の実情を踏まえた上でサービスの基盤整備を図るとともに、障がい者の意見を尊重した取り組みを図ることが必要である。
 また、我が国の社会の今後を考える上で、障がいの有無にかかわらず、国民の誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合う共生社会の実現は大変重要な課題である。その実現のためには、障がい者の自立と社会参加が必要であり、障がい者の尊厳を害する、障がい者への虐待の防止が極めて重要であることにかんがみ、幅広い国民の共感と理解を得ながら、「障害者虐待防止法」を着実に推進していく必要がある。
 よって、国においては、次の事項を速やかに実現するよう強く要望する。

1 平成25年4月1日から施行される「障害者総合支援法」について、障がい者の意見が反映されるよう努めること。

2 地域においては様々な障がいを持つ方々の声を最大限尊重し、「障害者虐待防止法」の着実な推進を図ること。

3 平成25年4月1日から施行される「障害者優先調達推進法(ハート購入法)」については、企業及び雇用者に認知度が低いことから、更なる周知、徹底を図ること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年3月19日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣 あて

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉について拙速に判断することに反対し国益を踏まえた慎重な対応を求める意見書

 国は、「聖域なき関税撤廃ではない」と解釈する2月22日の日米首脳会談の共同声明を基に、我が国の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加の時期・判断を急ぐ動きを強めているが、共同声明では、政権公約である「守るべき6項目」の判断基準が満たされているとは言い難い。
 東日本大震災から2年を経過したものの、本県においては、大津波による甚大な被害、さらには、原発事故による放射能汚染と風評被害の深刻化により、農業者及び地元行政関係者等の懸命な努力にもかかわらず、農業の復旧・復興はいまだ道半ばにある。TPP交渉参加は、こうした努力や期待を損なうおそれがあり、米や畜産を主とする本県農業に甚大な影響が及ぶことが懸念される。
 今、国が最優先に行うべきことは、震災復興であり、TPP交渉に参加した場合の国の統一試算も示さず、事前協議に係る情報開示や国民的議論もないままに、国が拙速に交渉参加を判断することは、農業をはじめとした様々な国益の毀損を招くことが憂慮される。
 国が、TPP交渉参加の是非の判断を下す場合は、米などの農業分野の重要品目を柱に、「守り抜く国益」の観点から、国を挙げて慎重に精査・検討し、国民的議論のもとに判断すべきものと考える。
 よって、国においては、国益を踏まえ、TPP交渉参加について拙速に判断をしないよう強く求める。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成25年3月12日

宮城県議会議長 中村 功

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣 あて

お問い合わせ先

議会事務局 政務調査課政策法令班

仙台市青葉区本町三丁目8番1号

電話番号:022-211-3593

ファックス番号:022-211-3598

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