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検査の対象は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法といいます。)に定められている細菌等の病原体です。感染症の患者から原因となる病原体を分離し、生化学的手法や遺伝子解析によって病原因子を特定するほか、感染拡大防止のために患者の関係者や井戸水など生活環境物の検査を行います。また、各種細菌等の県内の分布状況や病原性の強弱に関する基礎的研究に加え、新たな検査方法の開発にも取り組んでいます。
流通食品の安全性を確保することを目的とした検査です。卵、牛肉、豚肉、鮭、鶏肉などの輸入品を含めた市販の食品を対象に、汚染の可能性が高いサルモネラ、エルシニア、カンピロバクターなどの病原菌を調べます。また、これら動物を飼育中に伝染病予防のために使われる抗生物質の食品中への残留がないかをモニタリングしています。
公衆浴場の衛生指導を目的に、公衆浴場水のレジオネラ属菌と大腸菌群の検査を実施しています。レジオネラ属菌は土壌等の環境に存在していますが、感染すると肺炎やかぜ様症状を引き起こします。特に高齢者では重症化することが多いため、平成12年から県内の主な温泉施設についてレジオネラ属菌等の行政検査を行っています。また、県内のレジオネラ属菌の汚染実態調査や迅速診断法の開発に関する共同研究を行っています。
夏季の食中毒発生時期を予測し予防対策を講じることを目的に、夏場の代表的な食中毒菌である腸炎ビブリオの海水、海泥中における挙動を定期的に調査しています。また、日々の海水温の上昇と医療検査機関から報告される散発患者発生情報を集計し、食中毒の注意報や警報の基となる資料を作成しています。
結核感染者の治療後のフォローアップを目的に、喀痰の結核菌培養検査を行っています。また、潜在的結核感染者の早期発見を目的に、患者の接触者を対象としたスクリーニング検査(IGRA:Interferon-Gamma release Assay)を実施しています。
各水道事業体からの依頼により、原水からのクリプトスポリジウム、ジアルジアの検査を行っています。
同じ菌種の病原体が検出された場合に、その発生原因を究明することを目的として遺伝子型を調べています。遺伝子型の一致と感染に至るまでの状況等の両面から感染ルートを特定します。細菌の遺伝子解析には次の2種類の方法がよく使われます。
病原菌の全てのDNAを特別な酵素で切断した後に、断片の長さを比較してパターン化する方法です。切断パターンは同じ菌種であってもその由来によって異なり、人の指紋のように細菌を識別できることから細菌指紋法と言われています。
病原菌のDNAの中から比較しやすい特定の部分を複数個所選び、個々の長さを比較することで菌の違いを判別します。
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