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小麦粉に水を加え,耳たぶ程度のかたさになるまでよく練り,適当な時間(季節により異なります)寝かせる。そして,その熟成した生地を,指で薄~く延ばしながら醤油仕立ての汁に入れ茹であげます。
また,お湯で茹でて,あずき,ずんだ,ジュウネン(エゴマ)などに絡めたりもします。
ツルツル,シコシコの食感がやみつきになる郷土料理,それが「はっと」です。
「はっと汁」の出汁や具材は,登米地方の中でも地域や家庭によりさまざま。季節の野菜やきのこ類,鰹節,煮干し,鶏,豚など,代々母から子へ受け継がれた家庭の味です。
具の中で,地域を二分するのが油麩と油揚げの存在。よい出汁がとれるこの二つの食材は,まさに東西の横綱です。
特に油麩は,小麦からとれるグルテンが主原料。今では全国でも珍しい食材となったこの油麩が,登米地方で今なお食され続けているのは,同じ小麦の「はっと」文化にも関係ありそうです。
登米といえば,今も昔も県内有数の米どころですが,お米を満足に食べられなかった昔は,この地方でも畑に小麦などの雑穀を栽培し,飢えをしのいでいました。
「はっと」文化は,ここから生まれたのです。はじめは米の代用食,でもより美味しく食べたい,そんな人々の願いのもと,今の美味しい料理へと工夫されていったのです。
登米町史には,七月七日(旧暦)の七夕に「晴れのご馳走」として,「はっと」を食したとの記述もあります。
現代でも,四季を通じて地域の行事には「はっと汁」が定番です。
老若男女が「ふ~ふ~,はふはふ」。笑顔が絶えません。
登米地方の自然と旬の食材。こんな上等づくしの環境で食べる「はっと」は,当然,うまい!のです。
さあ,あなた好みの「はっと」を探しに,登米へ足を運びませんか?
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