掲載日:2024年10月31日

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宮城県知事記者会見(令和6年10月29日)

知事定例記者会見

【知事発表項目】について、手話通訳を導入しています(原則、会見日の翌々日公開)

【知事発表項目】職員確保緊急プランについて

村井知事

それでは、職員確保緊急プランについて、まず発表いたします。

背景として、全国的な課題にもなっているところでありますけれども、本県でも職員採用試験の応募者が年々減少しており、これには私も非常に危機感を持っております。

そこで、公務員の仕事にもっと関心を持っていただき、より多くの若い人たちに就職先として選んでいただくためには、宮城県庁が素晴らしい職場だと知ってもらい、時代に合わせてより魅力的な組織になっていかなければならないと思い、プランの策定を指示したところであります。

では、その概要についてご説明いたします。

2ページをご覧ください。

プランは大きく3つの柱を中心に取り組むこととしております。

1つ目は、応募者の確保であります。

これまでもさまざまな広報活動に取り組んでまいりましたが、それらをさらに強化をしてまいります。

また、試験内容の見直しを行い、より幅広く、多くの方に受験していただけるように取り組んでまいります。

次に2つ目は、多様な働き方の実現であります。

仕事とプライベートの両方を充実させるためには、職員一人一人のライフスタイルに合わせた働き方を推進していく必要があり、業務が円滑に行われるよう調整しながら、多様な働き方が実現できるように取り組んでまいります。

そして3つ目は、安心できる暮らしの支援であります。

しっかりと安心して働くためには、生活環境の充実が不可欠であります。特に若年層の給与など、処遇改善や福利厚生の充実に取り組んでまいります。

続いて、それぞれ主な項目についてでありますが、まず3ページをご覧ください。

採用試験区分の新設についてであります。

来年度試験からは、SPIを利用した早期枠を新設予定であり、民間企業等を併願する学生の方にも受験しやすくなります。

また、カムバック採用も検討しており、導入されれば県としては東北初ということになります。

次に4ページをご覧ください。

オフィス改革は、職員などからも非常に好評であり、引き続き取組を進めてまいります。

また、週休3日制については、選択できる職員の拡大を検討しており、導入されれば、こちらも県としては東北で初めてとなります。

次に5ページをご覧ください。

若年層の給与改善でありますが、初任給の大幅な引上げなどの勧告を受け、現在条例改正に向けて調整中となっております。

最後に、このプランの策定に当たりましては、多くの若手職員とも意見交換を行い、現時点においてできる限りの対策を打ち出したものとなっております。これにより、風通しのよい魅力的な職場になることで、選ばれる職場を目指し、全庁挙げて取り組んでまいりたいと思います。

この件に関しましての説明は以上でございます。

Q

非常に改革、選ばれる職場を目指すという意気込みを感じる内容だった。人事委員会勧告のときに、初任給を大きく上げると県の財政的な負担も大きくなるという話もあったが、公務員の魅力ある職場づくりについて、国に対して求めていきたいことがあるか伺う。

村井知事

当然、職員給与をわれわれの一般財源だけでは到底賄い切れませんので、国がしっかりと手当てをしていただくということが重要です。

また、今問題になっております教職員の調整手当ですね。これについても国の財政審議会で地方の努力が必要だというようなことは書いておりましたけれども、これについてもやはり責任を持って、もしその調整額を国が決めるならば、国がその分しっかり責任を負っていただきたいということは、宮城県というだけではなくて全国知事会としてもしっかり発信していかなければならないと思っています。

Q

東北で初めてというワードを使われていたが、宮城県が先進的に進めることで各県に波及してほしいとお考えか。

村井知事

まず、国の人事院がこのようなことを、方向を示して、そして、国家公務員がそちらに倣ってと言っているということです。これに遅れることなく自治体も人事委員会からこのような方針が示されまして、それをさらに具体化をして、今回このようなことで発表したということでございます。

宮城県は職員数も東北の中で一番多いわけですから、宮城がやれば他の自治体もそれに倣っていただけるのではないかなという期待も持って、今日お示しをしたということでございます。

また、民間企業にもいろいろな意味で波及するということも期待しております。

Q

週休3日制導入に踏み切ろうと思った理由と、タイミングとして来年度のいつ頃からなのか、もし決まっているところがあれば教えていただきたい。

村井知事

これは必ず職員が3日休めるというものではなくて、今までは、家族の介護が必要だとか、子育てがあるとか、そういったある程度理由がはっきりしていないと利用できなかったのですけれども、それをそうではない職員まで広げるということであります。上司に申し出て、1日7時間45分掛ける5日間分の時間を4日間で勤務していただいて、その分、1日余裕を持って3日休んでいただくというようなことを考えたいと思っています。

いつ頃からスタートするというような内容、ちょっと説明してもらえますか。

(担当課)

来年度に実際の制度について検討させていただいて、なるべく早い時期にということで今考えております。

村井知事

来年度のできるだけ早い時期ということでいいですか。

(担当課)

来年度検討させていただいて、具体には令和8年4月1日を目指していきたいと思っております。

村井知事

令和8年4月1日を目指して検討を進めていくということです。

Q

3日のお休み、職員の方にどう過ごしてほしいと考えているか。

村井知事

当然休みというのは心身のリフレッシュが最大の目的です。ストレスのたまる仕事です。非常に大変な仕事なので、心身のリフレッシュに使っていただくとともに、やはり家族に、仕事をしている間は家族と接することができませんから、なるべく家族と接する時間を多くしていただいて、お子様と接する、あるいはお父さん、お母さん、奥様と、旦那さんと、そういった家族との時間をできるだけ増やしてあげたいと思っています。

Q

週休3日や男性職員の育休100%など働きやすくなるということだが、休む人が増えれば仕事が果たして回るのか。業務効率化も合わせてしないと、制度はあるけど休ませられない、休めないとなりかねないと思う。業務効率化についての言及があまりなかったように思うが、そのことについて伺う。

村井知事

これは今回お示ししておりませんが、当然、業務の効率化は非常に重要です。これをやることによって職員の数が増えるということであれば本末転倒だと思っていますので、職員数は、一定数は当然毎年採用しますけれども、大幅に増やすことなく、そして、このような形で仕事をしていくということでございます。従って、業務効率というのは最優先の課題の一つだと思っております。

いろいろDX化などを進めまして職員の仕事の効率化を図っていく。これについては、人事課だけではなくて、全庁挙げてしっかり検討進めていきたいと思っています。当然のことだと思います。

Q

今回のプランは、労働条件、勤務環境がメインだと思う。宮城県庁の採用のライバルは46都道府県庁で、公務員になりたい、都道府県庁で働きたいと思う人が、あえて宮城県庁を選ばなくても、多分どこの都道府県庁も働き方改革や働きやすい環境を整えていると思う。その程度の差はあれ、宮城県庁と同じことをやっていないところはないと思う。その中であえて宮城県で働いてくださいとアピールするポイントとしては、働く内容、宮城県庁で何ができるのかが重要になってくるかと思うのだが、そこについてはどのようにお考えか。

村井知事

それも大きな要素だと思いますね。

今46都道府県がライバルというお話がありましたけれども、国もそうですし、県内の市町村もそうですし、また民間企業との競争が非常に激しくなっています。特に技術職の職員は、本当に民間企業と人の採用の取り合いというような形になっていますので、やりがいのある仕事、ただ単純作業というのではなくて、やっぱり職員がこういうことをやりたいと思っていることを実現してあげるような、そういうことを考えていくのが非常に重要だと思っています。

基本的には、人事についても本人の要望をできるだけ聞くように。ただ、これだけ大きな組織ですから、何もかも本人の希望どおりにはいきませんけれども、本人がこういう職場でこういうことをしたいということをしっかり聞いた上でその職場に配置をしていくといったようなことは、今も配慮しています。これからもより重視していきたいと思っています。

Q

あえて今47都道府県全部横並びで見ている学生に、宮城県ならこういう仕事ができると訴えかけるとすれば、どんなことを知事は訴えるか。

村井知事

一言で言うのは非常に難しいのですけれども、宮城県は、非常にどんなことにも積極的で、国に対してもはっきり物を言って、規制緩和もいとわずに、他の都道府県、自治体に比べて一歩先に進んだ施策を進めているという自負はございますので、そういった他の自治体に先駆けて、いろいろなことに果敢にチャレンジしたいと思えるような職員、思っている若い人たち、あるいは1回辞めた方も、ぜひ宮城にチャレンジしていただきたいということを訴えたいと思います。

Q

危機感というお話があったが、県の応募者数が減っているのは、何が原因で、どういう民間企業に流れていると分析しているのか教えてほしい。

さまざまいろいろな側面からアプローチしていくプランを設けることによって、何年後にどんな姿でありたいというベンチマークはどう見ているのか伺う。

村井知事

まず、原因ですけれども、これは少子化ということ、それから景気が今いいということ、これが大きな要因だと思います。

またさらに言いますと、今まで公務員はどうしても公務員試験という特別な試験を受けなければいけませんでした。ですから、民間企業と公務員を一緒に併願して受けようと思うとなかなか難しい。公務員は公務員一本で勉強しないといけないといったような環境にあったということです。

ですから、一般の民間企業と同じような採用の仕方をしていく、しかもなるべく前倒しにしていくことで受けやすくするという工夫をすることによって、今言ったような少子化、そして若い人が減っている、そして景気がいいといったようなところにも果敢に切り込んでいきたいと考えたということであります。

それから、何年後にどんな姿ということですが、まずは採用募集の定員割れとかというようなことは、まずなくさないといけないということを考えて、最低限それを早くやらなきゃいけない。技術職、土木系、建築系、それから獣医、薬剤師、こういった手に職を持ったような技術職の人たち、これが今非常に採用しづらくなっておりますので、そういう方たちの募集人員をまずは増やしていく。だんだん応募者が減ってきておりますので、それをできるだけたくさんの方に受けていただいて、優秀な人を採用できるようにしていくということであります。

具体的に何年後にどんな姿をとか、どのぐらいの目標といったようなところまでは、まだ、そういう余裕が今ないような状態だということであります。

Q

今、採用の話だったが、特に今回の週休3日制など働き方の自由度向上のところは、働く人の満足度なのか、あるいは離職率なのか。知事として働く職員の自由度を高めることによって、こういう姿にしたいということがあれば伺う。

村井知事

今おっしゃったように、離職率を低くするというのも重要だと思っています。宮城を受けたくなるような状況にするということは、翻って考えると、辞める人が少なくなる。今働いている職員がどんどん辞めていくような職場なのに、新しい人に入ってきてくれと言いましてもなかなかそれは難しいと思います。今はSNSでつながっていますので、先輩、後輩でつながっていきますから、そういった意味でも、しっかりと宮城県に入った人は辞めない、そして、新しい魅力ある職場だということで、若い人たちが受けてくれるといったような、そういう環境にしていかなければならないと思っています。

Q

定量的に何かあるというわけではないということか。

村井知事

そういうことです。

Q

カムバック採用も含めて令和8年4月1日からの導入を目指すということでよろしいか。

(担当課)

カムバック採用でございますけれども、こちらはいろいろと要件を整え次第、早めにできるものは早い時期から実施していきたいと考えております。

Q

カムバック採用は総合商社などがアルムナイ採用という形で既にやっている。民間企業の取組を参考にしたのか。

(担当課)

今回、カムバック採用でございますが、東北では初ということでございますが、全国で先行してやっているところはございます。その中で、他都道府県等を参考にさせていただきながら、東北の中では1番ということで説明させていただきたいと考えております。

村井知事

ということで、民間企業のやり方を踏襲したというわけではないということですね。それも参考にはしたと思います。

Q

採用が減っている理由のお話があったが、特に土木など技術系の職が定員割れしている理由について分析しているか。

村井知事

これはもう本当に民間企業も人手が足りないということで、民間企業のほうに流れている。ほかの都道府県に流れているということではなくて、民間企業にどんどん流れていってしまっている。処遇が非常にいいというようなこともあるんだと思うんですけどね。それ以外にはもう考えられないということです。

記者発表資料(PDF:1,466KB)

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【知事発表項目】仙台・宮城 新観光キャッチコピー募集について

村井知事 

次に、仙台・宮城 新観光キャッチコピー募集についてご説明いたします。

お手元の資料、次の資料の2ページをご覧ください。

本県の観光振興のために組織された官民連携組織で、県が事務局を担う仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会において使用している観光キャッチコピー「笑顔咲くたび 伊達な旅」は、平成25年の仙台・宮城デスティネーションキャンペーンに合わせて作成されました。

デスティネーションキャンペーン終了後も、本県への観光PRツールとして官民問わず幅広く活用いただき、東日本大震災からの復興に取り組む県民の皆さまに勇気を与え、仙台・宮城が誇る地域資源を活用した観光産業の振興に大きく寄与してまいりました。

一方で、観光スタイルの多様化や国内全体でのインバウンドの記録的な増加など、観光を取り巻く環境が大きく変化していることから、宮城県の観光も新たな一歩を踏み出す必要があります。

そのため、その機運醸成を図り、県民の皆さまと一丸となって観光誘客に取り組んでいくためのシンボルとなる新たなキャッチコピーを作成することといたします。

キャッチコピー決定までのスケジュールは、資料3ページのとおりであります。

一般公募、一次審査、二次審査の3段階で実施いたします。

まず明日10月30日から11月29日まで、県内外からキャッチコピーの案を公募いたします。約1か月ですね。

その後、協議会会員などや外部有識者による一次審査を行い、二次審査の県民投票に進む作品5点を選出した上で県民投票を実施し、県民の皆さまのご意見を踏まえて新しいキャッチコピーを決定いたします。

キャッチコピーが決定した後は、県内のデザイン事務所や高校、大学、専門学校の生徒などを加えたプロジェクトチームを結成し、ロゴマークを製作いたします。

なお、新しいキャッチコピー及びロゴマークは、来年5月に開催される仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会総会で皆さまにお披露目をした後、使用を開始する予定としております。

資料4ページをご覧ください。

今回最優秀賞に選ばれた方には、これらの3つの中から選べる商品を贈呈いたします。いずれも宮城にゆかりのある特別なコンテンツを商品としております。

また、二次審査に進んだ作品をご応募いただいた4名様には優秀賞を贈呈するほか、応募いただいた方から抽選で30名様にギフトカードを贈呈することとしておりますので、奮ってご応募ください。

今後の宮城県の観光をデザインする新たなキャッチコピーの募集について、ぜひPRをしていただきますようにお願い申し上げます。

この件については以上でございます。

記者発表資料(PDF:905KB)

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【知事発表項目】障害者差別解消に向けた普及啓発イベントについて

村井知事

次、最後3点目でございます。

本県では、今年11月から来年2月にかけて、障害者差別解消に向けたさまざまな普及啓発の取り組みを行うこととしておりますが、間もなく開催される網かけ箇所のイベントについてご紹介いたします。

詳細は別紙をご覧いただければと思いますが、仙台パルコ本館において、県内にお住まいで障害のある作家から応募のあったアート作品52点を、11月1日金曜日から17日日曜日までの17日間展示いたします。

モニターに映っておりますこちらのカラフルなアート作品がイベントのメインビジュアルとなりますが、県内にお住まいの障害のある作家の作品で「自画像」というタイトルになります。

また、県内の大学生や若手社会人を対象としたアートワークショップや、お子さんのいるファミリー層を対象としたアートワークショップでの障害のある方とない方の交流を通じて、障害や障害者理解の向上を図りたいと考えております。

報道各社の皆さまにおかれましても、ぜひイベントを取材していただきまして、県民の皆さまに情報発信をしていただければと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

以上です。

記者発表資料(PDF:2,129KB)

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女川原発2号機の再稼働について

Q

東北電力は本日午後6時から8時頃に原子炉の起動を行う予定としている。実に13年ぶりの原発の再稼働となるが、そのことについての知事の受け止めを伺う。

村井知事

女川原発2号機につきましては、福島原発の事故の教訓を踏まえた国の新規制基準に対応するため、これまでさまざまな安全対策工事を行っておりまして、私も先日視察をし、安全対策が着実になされているということを自分の目で確認をしてまいりました。

13年ぶりに原子炉が動き出すことになりますけれども、東北電力におきましては、緊張感を持って、安全を最優先に作業を正確に進め、少しでも異常があった場合は、ためらうことなく作業を止めて、県民に対して積極的に情報公開をしていただきたいと考えております。

県としては、原子力発電所の安全性確保のため、再稼働の工程について、継続的に確認をしてまいりたいと考えております。

Q

今回の再稼働する原発については、福島第一原子力発電所の原発と同じ型ということと、被災地の原発としては初めての再稼働となる。こういったこともあって、安全性についてはより求めていきたい考えということでよろしいか。

村井知事

事故後、被災をした原子炉としては初めて、そして、沸騰水型の軽水炉としても、BWRとしても初めてということになりますので、他の原発と違って非常に注目度が高いと思っております。それだけに、しっかりと丁寧に今までやってこられました。

私もこの間視察をして、本当にここまでやるのかと驚くほどの対応をしておりました。安全度は極めて高まったと思っておりますが、なお、油断することなく、しっかりと対応していただきたいと思っています。

Q

行政が担う分野としては避難計画というところがあるかと思うが、能登半島地震の半島部の避難という問題が浮き彫りになった中で、国のほうで確認されているということで、この計画も了承されているという話だと思うが、万が一の地震のときの避難計画のブラッシュアップについて伺う。

村井知事

女川地域の避難計画は、女川地域の緊急時対応として国において取りまとめられておりまして、原子力災害対策指針に基づき、具体的かつ合理的であるということが国によって確認されているということでございます。

ただ、今おっしゃったように、常に見直しをしてブラッシュアップをしていくということが重要だと思います。紙の上だけで幾ら作っても、本当にそれがいざというときにそのとおり人が動いてくれるのか、物が、動作がちゃんとするのかということは、これははっきり分かりませんので、訓練をしながら常にブラッシュアップ、見直しを進めていくということが重要だと思っております。

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衆議院議員総選挙について

Q

今月27日に行われた衆議院選挙についての質問である。今回の選挙では県内では立憲民主党が小選挙区の1区から4区の議席を獲得し躍進した一方で、自民党は大きく議席を減らす結果となった。これについての知事の受け止めと、今回の結果が今後の県政運営にどのような影響をもたらすのか、知事としての考えを聞きたい。

村井知事

まず受け止めですけれども、自民党、公明党、与党の政権については、大変大きな厳しい結果であったと思います。政治とカネの問題が非常に大きかった。また、2,000万円を配ったことが、最終的な致命傷になったというような報道がございます。それもそのとおりだと思います。ただ、私としては、それ以前に今の日本の政治が、特に政権を持っている側の政治のやり方が非常に場当たり的であると思っています。これから急激に人口が減ってくる、高齢化が急激に進むという中で、対症療法的な政策しかやっていない。しかも、何かあるたびにいろいろなものを配っていく。もちろんお金を交付する、物を交付するということは悪いことではないですけれども、その裏づけとなる財源、こういったようなものが見えないまま言葉だけが先走って、そしてどんどん国の借金が増えている。こうしたことに、皆さん不安を感じておられると思うんです。そうした、時に痛みが伴うようなことであったとしても、やはり言うべきことは言う、やるべきことをやるといったことを政権として責任を持ってやってこなかった。言葉だけ責任政党と言っても、そういったことをやってこなかったということが根底にあるのではないかと。ただ、それが表面に出るわけではなく、表面に出たのは政治とカネの問題だったとは思いますが、それ以前に、根底に大きな政治不信というものが、真面目に政治を考えている人ほどあったのではないかなと私は思います。そういったようなことは、私としても反面教師にしていかなければならないと思っています。

それから県政運営への影響ですが、まだどういう形で政権ができるかというのは分かりません。引き続き自公政権なのか、立憲民主党を中心とする政権になるのか。そこが分かりませんので、影響についてここでコメントするのは難しいです。ただ、私は東日本大震災の民主党政権のときにも知事をやっています。そして、また自公政権のときも知事をやっているということであります。立憲民主党の国会議員の皆様とも日頃からいいお付き合いはしていると思っておりますので、どのような形になっても、これは県民のためですからしっかりと調整をしながら、協力をしながらやっていけると思っております。

Q

立憲民主党の議員とのいいお付き合いというのは、県内の小選挙区、今回で言うと1区から4区でご当選された立憲の方々ともお付き合いが日頃からあるということか。

村井知事

3区の柳沢さんとは、まだそんなに個人的なお付き合いはなくて、テレビ局でちょっとお会いしたくらいの関係です。電話番号も知りませんから、全然こちらからアプローチはしておりませんけれども、それ以外の方とは日頃からいろいろ会って、挨拶をしたり情報交換をしたりできる関係であります。

Q

石破総理と森山幹事長、身の振り方について知事としてどういうふうに、私見で結構なので思っているか。

村井知事

私は自民党の籍を持っていませんので、コメントすべきことではないと思います。まずは、自民党の皆さんの声を、自民党の国会議員だけではなくて自民党員の声をしっかり聴いてご判断をなさるべきものだと思います。

Q

辞めなくてもいいという感じか。

村井知事

分かりません。

Q

選挙期間中、知事は自民党の前議員の、マイクを握ったと思うが、あと今、先ほど立民のほうともお付き合いがあるということであれば、もちろん立民の方もマイクを握るという選択肢もあるかと思うが、これまで知事の行動を見ている限りでは、記憶にあるのは政権与党、公明党さん含めて、しかないと思うが、マイクを握る上での知事のご判断というのはあるのか。

村井知事

ないです。私は選挙では自民党、公明党しか応援しないということです。

Q

そうすると、そこは要するに政権与党ということか。

村井知事

違います。もともと私の出自が自民党出身で、自民党県連の幹事長までやっていました。今までそういうふうにして育ててもらったというものがございますので、選挙のときにはそのような形をさせていただくということです。ただ、選挙が終われば私は県民の代表で、自民党、公明党の代表ではありませんから、立憲民主党を中心とするような政権が仮にできたとするならば、県民のためにしっかりとご相談し、お願いを申し上げるということは当然のことだと思っています。

Q

仙台市長は結構柔軟にというかマイクを握っていらっしゃるが、その辺の政治的な、仙台市長も実際民主党時代は同じように県連の幹事長を務めておったわけだが、その辺を見ていて政治姿勢について何か感想というか、どういうふうに見ているか。

村井知事

それは人それぞれの考え方があっていいのではないかと思います。決して悪いことではないと思いますし、一つの対応の仕方だと思いました。

Q

今後も郡市長のように幅広く、知事はいろいろ変幻自在な作戦として、そういうふうに県民の人気を取る上ではやってもいいのではないかと思うが、今後も一切やらないと。

村井知事

はい、やりません。不器用なものですから。

Q

今回の選挙で自公の過半数割れが起きた。政局の混乱が長引けば来年度予算案の編成作業に影響が出ることが予想されると思う。11月中旬頃には国と地方の協議の場が開催される予定で、知事も地方の代表として協議の場に立つと思うが、今回の選挙結果が今後の予算編成に影響する懸念というか、そういうところはあるか。

村井知事

大変心配をしております。われわれ11月議会の準備をもう始めておりまして、昨日も財政課といろいろ打合せをしたんですけれども、国の補正予算が、例えば経済対策等の予算が11月議会でやれるかどうかが分からないという説明でございました。状況によっては11月議会が終わってから年内に臨時議会、あるいは年が明けてから臨時議会というようなことも考えなければならないということです。遅れれば遅れるほどその効果が薄れてしまう、県民の代表としては一日も早く政権の枠組みを作っていただいて、そして与野党、必要なものについては足の引っ張り合いをするのではなくて早く認めていただきたい。その影響が出ることを非常に心配しております。

Q

ちょっとだけ話が戻るが、責任政党と言いつつ、その成果が必ずしも上がってなかったんじゃないかというお話だったが、知事がおっしゃったのは財政再建みたいなところを念頭に置かれておっしゃったのかと思ったが、それ以外にも例えば少子化対策とか、その間地方からいろいろ声が上がっているのに成果が上がっていないというところがあるとか。財政再建とか少子化対策、幾つか具体例を挙げていただきたい。

村井知事

一言で言うと、痛みを伴うような改革をしないで、人口が減るということ、高齢者が増えて若い人たちが急激に減ってくるということですよね。それであって、今のような税金の使い方をしていて、いつまでもバラ色の人生が送れるか、バラ色の世の中を将来作れるか、誰が考えても難しいわけです。ですから何を削る、どうして止める、あるいはどうやって税収を増やすか。使うことばかり先に言うんですが、使うことよりも、私は将来に負担を残さないような政治をどうすればいいのかということを、しっかりとまず国民に示さなければいけないのではないかと常々思っているんです。今回の選挙でもそういうことを示さないで、あれもします、これもしますしか皆さんどの政党も言わなかったですよね。自民党、公明党に対する不信というのもありますけれども、政治家自体に対して本当にこの人たちで大丈夫なのかというのが、国民の根本にあるんじゃないかなと思うんです。そこに政治とカネという問題が出て、これが発火点となって爆発したといったような感じを受けました。着々と本当にやるべきことをやっていれば、当然そちらのほうに大きく国民の関心が行きますので、政治とカネの問題が出たとしても、もっと大きなことをちゃんとやってるじゃないかというようなご理解をいただけるんじゃないかと私は思うんです。あまり具体的にこの政策というようなことではお示しをしていないですが、大きな部分でもっとダイナミックな政治をしたほうが、私はいいのではないかと思っているんです。

Q

ダイナミックな政治、政権交代も必要だと思うが、知事は政権交代をどういうふうに見ているか。

村井知事

いや、立憲民主党も結局、今回同じようなことを言ってました。あれもしてあげます、これもしてあげます、給料上げます、何します。昨日も経営者の方と話をしていたら、最低賃金1,500円、そんなことしたら中小企業はどんどん潰れていく。何を考えているんだ、と物すごく怒りを持っておっしゃってました。

また、外国人の技能実習生です。今度育成就労に変わるということで、二、三年後に制度が変わってどんどん転職ができるようになってくる。外国人の方が来て、せっかく手に職をつけられるよう、しっかりと仕事を教えているのに、みんな給料のいいほうにどんどん出て行ってしまって、結局中小企業を守ってくれていないというようなことをおっしゃっていました。ですから、現場のことを何も分かっていないというようなことを、私、昨日とくと言われました。そういう誰も反対しないようなところで皆さん実はものすごい大きな不満を持っている。最低賃金を1,500円にする。誰も表立っては反対しないと思うんですけれども、実は中小企業をやっている人たちはものすごく大きな不満を持っている。あとは育成就労という制度を作った。外国人の方もわれわれ日本人と同じようにと、おっしゃるとおり誰も反対できないんですけれども、実際そういった人たちを抱えている人たちからするとものすごい大きな不満になっていっている。これがマグマのようにして噴き出したのではないかと思うんです。本当に政治のやるべきことというのは、私はあなたにお金を配る、これをするということではなく、日本丸をどこの港に持っていこうとしているのかというようなまず大きなことを示して、そのためにはこういう痛みが伴うということをちゃんと過程を示してやっていかないと私はいけないんじゃないかと思うんです。私も偉そうなことは言えませんけれども、知事になるときに県内総生産を10兆円にしたい。当時みんなに反対され、まだ完全に達成していないですけれども大きな目標を掲げました。そういう目標を掲げて、じゃあ何をやるんだといろいろなことをやってきて、それで叱られたり怒られたり、時に挫折したりしながらですけれども、何だかんだ言ってこの宮城県庁職員、みんなで一緒になってその大きな目標に向かってちょっとずつ進んでいっていると思うんです、ぶれることなく。嵐があっても何があっても、ぶれずに進んでいっているんですけれども、国政を見ていると、日本の政治家として、日本の政治が見えないですよね。この国を10年後、100年後、どういうふうに持っていくのか。多分誰も答えられないでしょう。誰も言ってないですから。そこが私は今の日本の政治に対してものすごく不満があります。だから今のままだと、与党、政権交代になったらうまくいくとも思っていないです。今は結局、誰にどうやってお金を配るかしか言ってないですから。そんなのは、私は本当の政治じゃないと思っているんです。

Q

今、知事がおっしゃった大きな不信というのが、今回の投票率に関しては県内では戦後2番目、全国でも戦後3番目に低かったということだが、投票率にもそういうのがつながっていると思うか。

村井知事

そこは、投票に行かない人の理由は一人一人違うと思いますから、これが理由だということは申し上げられないんですけれども、自分が投票しても何も変わらないという思いがあるのは間違いないだろうと思います。

Q

国民民主党が躍進したというのが今回の一つ大きな特徴として挙げられるが、その結果についてはどういうふうに思うか。

村井知事

国民民主がキャスティングボートを握るのは間違いないだろうと思います。どういう行動をされるのか非常に注目をしているところです。

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食品総合見本市「SIAL Paris 2024」について

Q

先日フランスのシアル・パリがあったが手応えについてだが、来年は韓国でやりたいという話をされているということだが、韓国がどんな場なのかとかその点を詳しく教えていただきたい。

村井知事

シアル・パリは世界三大展示会の一つです。東京ドームの倍以上あるかな、3倍くらいあるかな、それくらいのホールが8つありました。分かりますか、どれだけ広いか。小さいテントもあったので、掛ける8倍ではないと思いますが、本当に相当広かったですね。ジャパンブースが幾つかに分かれていたので、それをぐるっと回るだけでも相当歩きました。1万歩以上歩いたと思いますが、それくらい広い会場でした。25万人以上の方がお越しになっていましたので、非常に会場も混んでいました。

今回の目的は、宮城県のものを売りに行くのではなくて、宮城県のブースもありましたけれども、オールジャパンでまずは日本のものを外に売り込んでいく。それを知事会だけでは力が足りませんのでジェトロと、そして農水省と一緒になってやっていこうということで、農水省とジェトロの力を借りながらやったということであります。当然バイヤーが、一般の消費者が来るのではなくてバイヤーが来るものでありますから、非常に成果はあったと思います。出展された各県のブースの皆さんにお聞きしたら、非常に反応がよかったと。いいきっかけができたということで喜んでおられました。非常によかったと思います。

また、終わった後に、今度その会場の隣にあるところに場所を借りてサイドイベントということで、日本のブースだけ固めましてまたお客さんを呼んでやったんです。これも大好評でございました。やってよかったなと思います。

また、次の日には、観光のプロモーションを、日本大使の公邸でやらせていただいたんですけれども、これも日本に向けてお客様を送り込むパリにある旅行代理店の方がたくさん来られまして、非常に勉強になりました。欧米の方たちをどうやって呼び込めばいいのかという大きなヒントを得られたと思いました。早速、観光戦略課にいろいろ指示をしているところでございます。

来年の韓国ですけれども、実は日韓知事会議が2年に1回、日本と韓国でやっておりまして、去年、私、山梨県でお迎えをしまして、今度われわれが韓国に日韓知事会で行くことになっていますので、5月か7月と言っていましたけれども、その際に同じく物産または観光、こういったようなもののプロモーションを知事会としてやりたいと思っています。具体的に場所とか開催時期とか、そういったようなものはまだ決まっておりません。韓国は非常に大切なパートナーなので、ぜひそれぞれの県のいいものを持ち寄って、売り込みをしたいなと思います。韓国は非常に行きやすいのでいいと思います。

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お問い合わせ先

広報課企画報道班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-2281

ファックス番号:022-263-3780

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