掲載日:2023年2月15日

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宮城県知事記者会見(令和5年2月13日)

知事定例記者会見

【知事発表項目】について、手話通訳を導入しています(原則、会見日の翌々日公開)。

【知事発表項目】「みやぎ医療ひっ迫危機宣言」の終了について

村井知事

こちらのスライドを見ながら話を聞いていただきたいと思います。

初めに、「みやぎ医療ひっ迫危機宣言」の終了についてご説明いたします。

本県では、第8波に入って以降、新規感染者数・病床使用率ともに増加し、保健医療への負荷が高まったことから、昨年11月30日に本県独自の「みやぎ医療ひっ迫危機宣言」を行い、医療の逼迫回避を目指してまいりました。1月に入りましても病床使用率は高止まりの状況にあったほか、保健医療の負荷状況につきましても依然高い状況が続いたことから、本日2月13日まで宣言を延長してきたところでありますが、ここ最近は、県民の皆さま、そして医療機関の皆さまのご協力等により、新規感染者数は減少傾向が続いており、また保健医療の負荷状況につきましても改善傾向にあります。

こうした状況を受け、専門家の意見も伺った上で、先週9日に書面による本部会議を開催し、宣言を予定どおり終了することを決定したところであります。従って、マスコミの皆さんには(事前に)ご連絡しなかった(開催後に記者発表した)ということであります。

一方で、保健医療の負荷状況につきましては依然警戒が必要な状況でありますことから、明日2月14日以降も県民の皆さまへの要請につきましては一部を緩和した上で継続させていただくことといたしました。具体的には、社会経済活動への影響が限定的になってまいりましたことから、業務継続体制の確保やテレワークの推進等について要請内容を緩和しております。

次のスライドをご覧ください。

特に、県民の皆さまにお願いしたいことをお話しさせていただきます。

1つ目がワクチン接種についてであります。オミクロン株対応ワクチンは、1、2回目の接種を完了した12歳以上の方が1回に限り接種することができますが、接種率は2月9日現在で約51%という状況であります。自身の接種歴を確認していただき、未接種の方は早期の接種をお願いいたします。また、保護者の方には、乳幼児や小児のワクチン接種につきましてもご検討をお願いいたします。

2つ目が、換気と適切なマスクの着用についてであります。感染者がいまだに多数発生している中、換気やマスクの着用は基本的な感染防止対策として重要です。マスク着用の考え方につきましては、先週、国から示されたところでありますが、当面3月12日まではこれまでの考え方に沿った対応が必要となります。特に高齢の方と会うときや病院に行くとき、通勤ラッシュ時や人混みの中ではマスクを着用するようにいたしましょう。めりはりをつけ、場面に応じた適切な着脱をお願いいたします。

3つ目は、高齢者施設等における面会時の感染防止対策についてであります。こちらは施設のほか、利用者やご家族へのお願いになります。面会制限が長引くことにより、高齢者の認知機能低下や気分の落ち込みが懸念される中、対面での家族との交流は、利用者や家族にとってQOL(Quality of Life:生活の質)によい影響を与えることが期待されています。ということで、高齢者施設は面会ができるようになっているということでありますけれども、面会時にはマスクをするように注意をしていただきたいということであります。国におきましても、高齢者施設における面会再開に向けた取組事例など動画やリーフレットを作成しておりますので、それらを参考にしていただきながら、対面面会の際にはしっかりと感染防止対策を講じた上で実施していただきますようお願いいたします。

最後になりますが、県民の皆さまにおかれましては、保健医療の負荷状況の低減に向け、引き続き基本的な感染防止策の徹底や、適切な救急車の利用についてご協力をいただきますようお願いいたします。

Q

「みやぎ医療ひっ迫危機宣言」が終了したということで、総括という意味でこの宣言の効果を知事はどのようにお考えか。

村井知事

県民の皆さまがしっかりとわれわれがお願いしたことを我慢して続けていただいた結果、かなり落ち着いてきたと思います。しかしながら、新規感染者数が3桁の日が続いておりますので、決して安心できないと思っております。この宣言を出した後、ずっと収まってまいりました。ずっと同じようなレベルからずっと下がってきたということでありますので、間違いなく効果はあったんだと思っております。

Q

効果の部分で一つ具体的に、やはり県民の方々の意識というところにしっかり呼びかけができたという認識か。

村井知事

そうですね、マスコミの皆さんにもご協力をいただいて、かなり医療機関に負荷がかかっているということを繰り返し伝えていただきましたので、県民の皆さまにそういった意味での危機感を持っていただけたのではないかなと思っています。こういう宣言を出さなければ、なかなかマスコミの皆さんも報道ができなかったと思いますので、そういった意味ではわれわれとマスコミの皆さん、非常にうまく協力できた一つの結果ではないかなと思います。

Q

マスクの関係で、3月13日以降は個人の判断でという方針が示されたり、学校の卒業式はつけなくていいということだが、それらについて知事はどのようにお考えか。

村井知事

大きな方針が示されました。3月13日以降マスクを外すことができるということが示されました。その前であっても学校の卒業式については(マスクを着用せずに出席することを基本とすることが示されました)。それによる社会的な影響がどうなるかということ、今の段階ではまだ判断できませんので、今後の他県の状況であったり、感染状況あるいは国の方針などをよく見極めた上で、また近くなりましたら県なりの考え方を発表したいと思っております。今の段階ではまだ分からないということであります。

Q

前々から知事は、マスクに関して子どもたちの体に、見えない部分への影響を心配している発言もあったが、その点では卒業式にマスクをしない、もしかしたら最後にみんなで顔を見る機会なのかもしれないが、その点についてはどのようにお考えか。

村井知事

これは恐らく子どもさん一人一人、感じ方や捉え方が違うと思いますので、やはり子どもさんに近い教育の現場でしっかり声を拾っていくということが重要ではないかなと思います。われわれが、行政機関が一方的に押しつけるというのもかわいそうな気がいたしますし、といって国が卒業式等でマスクを取ることを奨励するといったようなことも、気持ちとしては分かるなという気はいたします。卒業式ぐらいはマスクのない形でという、その気持ちも分かりますが、その結果、子どもさんの心にどういう影響を与えるのかということもよく考えた上で判断をしていただきたいと思っております。

Q

部局が違うと思うが、教育委員会というか、県としての在り方、こういうことをやってくださいとか、県教委から出るのか分からないが、学校に対して何か通知なりを出すことは考えていないか。

村井知事

教育長から今日報告がありましたけれども、教育長の話を聞きましたけれども、基本的には文科省から文書が届いていますので、それをしっかりと学校のほうに徹底をするという形になろうかと思います。

Q

今の答えのニュアンスを確認させていただきたいのだが、知事部局と教育委員会の部局の問題等いろいろあるかと思うが、要するに文科省の通知を基本的には徹底するという県教委の考え方を、知事としては尊重することとなるのか。

村井知事

私が尊重するというよりも……

Q

知事としては何かそこに、県として、県教委として何か独自の判断なりを示す予定は今のところないのか。

村井知事

今のところありません。

Q

行政や国がマスクを外すことを奨励するという気持ちは分かるが、その結果子どもの心にどういう影響があるかというところについては分からない部分があるという趣旨のお話をされたと思う。それは、取りたくない子どもがたくさんいるとか、この3年間で子どもたちの意識が変質した可能性があるということについて危惧されているのか。

村井知事

そういうことですね。はい。まあ3年間もずっとつけたままですので、外したくないという気持ちになるのも、ある程度やむを得ないのかなという思いをしますね、私は。

記者発表資料1(PDF:2,516KB)

記者発表資料2(PDF:4,419KB)

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トルコ南部を震源とする大地震に係る募金箱の設置について

村井知事

続けて、2点目でございます。

次に、トルコ南部を震源とする大地震に関し、県庁内に募金箱を設置することについてご報告いたします。配付資料はございません。

トルコ南部を震源とした大地震においては、甚大な被害を受け、3万人を超える多くの尊い命が失われたという報に接し、深い悲しみを覚えております。東日本大震災よりもたくさんの犠牲者が出たということで、本当に大変な災害であります。お亡くなりになった方々に対し心より哀悼の意を表するとともに、被災された方々に対し心からお見舞いを申し上げます。被災地が一日も早く平穏を取り戻されるようお祈り申し上げます。

本県は東日本大震災の際に、トルコから物資等の支援のほか、救助、医療チームの派遣をいただきました。このときに受けたご恩に報いるため、県としては見舞状の送付や見舞金の贈呈の準備を進めているほか、これは県からトルコ政府にということですけれども、県民の思いに応え、募金箱を本庁と各合同庁舎に置くことにいたしました。現在準備を進めておりますので、今日中には設置したいと思います。その他の支援につきましても、国内でばらばらな対応とならないよう、政府と連携して必要な対応を取ってまいりたいと考えております。

私からは以上でございます。トルコに対してですね。シリアについては政府の対応を見ながら考えていきたいと思います。

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仙台空港の国際線再開の見込みについて

Q

コロナの緩和がされていて、先週には台北便の新規就航であったり、アシアナ航空の定期便も検討されているという報道もあった。今後の国際線の見込み、その状況について今知事はどう感じているか、改めて伺う。

村井知事

おかげさまで、かなりいろいろなお話が舞い込んできているのは事実です。ただ、正式に決定しているのは1月18日にエバー航空が再開するということだけでありまして、タイガーエア台湾、またスターラックスさんの運航については現在調整中であります。これ意外と分からないんですけれども、飛行機が飛んでいきたい、ぱっと飛べるわけではなくて、グランドハンドリングといいまして、飛行機が来たときにいろいろ燃料を給油したり、飛行機を引っ張ってきたり、そういうお手伝いが必要になってきます。その辺の調整というのは非常に難しいらしくて、それも人手が要る。その人手が足りないという問題もありますので、私のほうで間違いなく言えるような段階ではまだないんですけれども、少なくともアシアナ航空さんも含め、再開に向けて今どんどん前に進んでいるのは事実だと思っております。非常に明るいニュースだと見ております。

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災害時の安否不明者の氏名公表について

Q

災害時の安否不明者の氏名公表、これは県が国に先立って検討が進んでいたが、今回政府のほうで安否不明者の氏名公表をすべきという方向になったが、改めて国の意見が出たことについて、まずその意義について知事はどのようにお考えか。

村井知事

今回の法律(個人情報保護法)が施行されることによって、県の対応が変わることはございません。基本的に昨年の3月に示した方針のとおりですが、根拠法が変わる、根拠が変わるということですね。今までは県の条例に基づいてということでしたけれども、今度は法律に基づいてということになるということです。考え方については変わらないということです。対応については変わらないということですね。法律によって全部一律同じ対応ができるようになりますので、そういった意味では混乱なく隣の県、隣の町で対応が変わるということがなくなるということでありますので、そういった点で非常に私はいいのではないかと思います。

Q

当時、DVの被害者等に配慮が必要だということもあったが、氏名公表についての課題、気をつけるべきところはどのようなものがあるか、県内でも相当まだいるので、そのあたりどうお考えか。

村井知事

そうですね、そこはしっかりと対応しなければ、結果として名前を公開された方にご迷惑をおかけすることがあってはならないと思います。そこはしっかりと市町村のほうでその情報は把握されておりますので、そういった個人情報についてはしっかりと調整できるように検討していきたいと思います。

Q

国と横並びというか、県は進んでいるかと思うが、そこは大きいところなので。

村井知事

そうですね、一番注意しなければいけない点だと思います。ただ、同時にそこだけに注力をしていて、どんどん時間がかかってしまって助かる命も助からないということになってはいけませんので、しっかりと迅速にそういった安否不明の方がどういう状況なのかということをしっかりチェックをするということは重要だと思っています。

Q

やはりこれは発見に結びつけたいというところが一番か。

村井知事

そうですね、はい。命を助けることを優先に考えるということです。

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女川原発再稼働について

Q

東北電力の女川原発の再稼働に向けて1年ということで、3点ほど伺いたい。弊社の世論調査で報じたのだが、再稼働に対する賛否に関して17年の調査以来初めて賛否が逆転して、再稼働に対して賛成というのが半数を超えた。その点に関しての受け止めを伺う。

村井知事

恐らく、これは新聞にも書いていましたけれども、これに対する理解が深まった最大の理由は電気代が高止まりになったということだと思います。どういう理由であれ、原発の再稼働を1年後に控えた今の段階で、県民の皆さんの理解が深まっているということは私としては望ましいことだと思いますが、ただ、だから安全を怠っていいというわけではない。安全を最優先に考えながら準備を進めていく、これが何よりも大切だと思います。そこには最大限配慮していただきたいと思います。

Q

この数字というのは、知事としては理解が深まっているという捉え方か。

村井知事

まあ、そうでしょうね。世論調査、そう捉えていいと思います。

Q

2点目だが、地域別で見ると、立地自治体の女川や石巻では賛成が上回っているが、UPZのほうでは依然まだ反対のほうが、差が縮まったとはいえ反対のほうが上回っている。こういう地域差の現状をどう捉えるか。

村井知事

それはやはりわれわれとしても非常に注視しなければいけない点で、原発に近い、特にUPZというのは避難対象になる地域でありますので、そこでの理解が深まっていないというのは今後よく検討していかなければならない点だと思います。まずは、どういうことがあっても助かりますよという、助かるという確信を持てるような、恐らく電気代が下がるということについては、稼働することによって電気代が下がる可能性があるということについて理解をしていないわけではないと思うんですよね。やはり事故があったときの不安ということから、まだ過半数に至っていないんだと思いますので、そこはどういうことがあっても命が助かる可能性があるんだと、助かるんだと思ってもらえるように、われわれとしてはしっかりと訓練等をしながら、繰り返し行いながら理解の増進に努めていきたいと思います。

Q

3点目だが、政府の60年以上の稼働を認めるという新方針に関してだが、その新方針に対して県民の意見の中で揺らぎというか、ちょっと割り切れない思いがあるというところを紹介したい。新方針を評価すると言っている方の中から、将来的に原発ゼロを望む方というのも半数というか4割超いらっしゃる。一方で、新方針をどちらかといえば評価しないという方の中で、一定程度原発を維持するということに対して賛意を示している方が3割いるということで、この辺ちょっと揺らぎというか、その辺をどのように受け止めるか。

村井知事

原発によるメリットとデメリット、以前は、東日本大震災前はメリットのほうが高かったんですけれども、これが福島の原発事故によって大きく信頼が揺らいでしまったということで、メリット・デメリット、なかなか推し量れないように今なっていると。電気代が高くなっておりますので、また今後ともいつどういう状況になるか分からないということを考えると、必要性はだんだん理解はされてきているんでしょうけれども、しかしそうであったとしても、一旦事故があったときの被害の大きさ、それを考えると安易に賛成もできないだろうという、そういう気持ちがそういった数字に現れているのではないかなと思いますけれども。

Q

村井知事としても肌感覚として県民の方の再稼働に対する賛否というのは、数字等具体的にはまだないと思うが、肌感覚としてどのように受け止めているか。

村井知事

最近、特に産業界の方から、原発を早く再稼働してほしいという声が聞こえるようになりましたね。前はそういうことなかったですね。最近特に言われます。物すごい電気代、大変みたいですね。それは安全性が高まったからとか、そういうことではなくて、電気代が上がって経営が大変だと。早く再稼働して電気代を少しでも抑えてほしいという、そういう悲痛な叫びと受け止めていますけれども、早く再稼働してほしいという声はよく聞かれるようになりました。

Q

一方で、一般の県民といいますか、産業界以外の方の声というのは耳に届いているか。

村井知事

そこまで私にはまだ届いていないですね。はい。だから、今回のアンケートを見て、ああ、そういうものなんだなと思いましたけれども。

まあ、個人の家庭はいろいろ対策は取れると思うけれども、会社はやはりなかなか取れないですからね。そういったことがあるんじゃないかなと思いますね。

Q

関連して伺うが、原発事故から12年近くなっているので、万が一のリスクに対する意識というのが低下してきているということも今回の結果に表われている可能性はあるか。

村井知事

いや、それはないんじゃないでしょうかね。やはり安全を何より優先してくれという思いは変わっていないと思いますけれども。私自身もそう思いますけれどもね。

Q

さっきも産業界のほうから早く稼働してほしいという声が上がっていると。要は目の前の電気代を何とかしてほしいと、産業界の方からそういう意見が出ている。そして、弊社のアンケートでも、電気代が高騰して再稼働賛成という方が増えているようだが、ということは、つまり県民も産業界も目の前の生活とか経営を優先したいということの現れなのかなと思うが、万が一のリスクと目の前の生活や経営を天秤にかけたときに、目の前のほうを優先したいのかなともうかがえるが、いかがか。

村井知事

目の前というよりも、私は将来、原油がいつまでも採掘し続けるかどうか、天然ガスが未来永劫あるのかどうかということに対して、すごく不安に思う部分もあるんですね。従って、目の前というより長いスパンで考えている方も結構おられるんじゃないかなと思うんですよ。また、今回のようにウクライナ情勢のように、いつどこでどういう紛争が起こるか分からない。日本は資源がなかなかない国ですから、再生可能エネルギーだけで全てのエネルギーが賄えるような時代というのはまだしばらくかかると思いますので、そういった意味では、再生可能エネルギー等で全てが賄えるようになるまでは、やっぱりそれぐらいの期間をもって原発に依存せざるを得ないということを考えている方も結構おられると思います。

一方、リスクについては、絶対大丈夫だと言われていた福島原発があのような状況になりましたので、100%大丈夫だということはないだろうと思います。しかし、それに対する意識が低下してきたということはないと思うんですよね。あくまでも安全を最優先にという思いは、全ての県民、同じ思いだと思います。

Q

先ほど知事のお話の中で、産業界から特に切望する声があるというお話があって、先週も同じような趣旨のお話をされていたと思うが、原発の経済性についてちょっと知事の認識を伺いたいのだが、まず安全対策工事については、ついこの間まで3,400億かかるといったところが5,700億と東北電力のほうも修正しているし、一定程度、再稼働に向けてはお金もかかる。それで、再稼働したからすぐに電気料金が安くなるという話でもないのではないかと思う。産業界の方々は、本当に今の電気料金ということに関して、大変だということで切望する声が上がっているものと思う。知事もそのようなお話を今されたと思うが、本当に原発が経済性を持っていくというのは今後どういう局面になってからだと考えるか。

村井知事

私、すぐに今の電気代だけを考えてというのではなくて、もう少し長いスパンで考えるべきであって、紛争等のリスクであったり、あるいは天然ガスや石油がいつまでも手に入るわけではない、採掘できなくなる時代が必ず来ると思います。有限の資源ですからね。そういうことを考えると、再生可能エネルギーだけで全ての電気が賄えるようになる時代までは、原発というのはやっぱり残しておく必要があるだろうと、私は考えております。

その上で、経済性というのはどういう局面でということですけれども、これはやはりある程度の原発がどんどん稼働していく、新規原発も造るということですので、一定程度の原発によってあらゆるリスクがあったとしても電気が一定程度賄えるというのがめどがついて、それによって投資に見合った分が回収がある程度できてきたというめどが立った段階じゃないかなと思いますけれどもね。

今はとにかく既存の原発に対して大きな改修工事をしているわけですよね。これから恐らく一定程度稼働していくと新規原発になってくると思います。新規原発は、最初からそういう設計の下にやりますから、かなりコストが下がると思います。そういったことを考えると、やはりある程度の時間はかかるんじゃないかなと思いますけれどもね。

ごめんなさい、つまり何が言いたいかというと、2号原発が再稼働すると、3号原発というのは、防潮堤とか、ああいったインフラ整備は必要なくなりますよね。あと予備電源とかですね。そういったものが必要なくなってきて、2号原発で得た知識、ノウハウをそのまま3号原発に当てはめることができますので、設計なんかも非常に楽になると思いますし、新たな投資というのは、そこから先の新たな投資というのはなかなか出てこないので、2号原発はすごいお金がかかっていますけれども、3号原発はそんなにはかからないんじゃないかなと思いますから、ある程度時間がたてば採算性が取れてくるんじゃないかなと思いますけれども。東通もどうするか、これも関心ですけれどもね。

Q

原発の経済性にも関わるところだが、最終的な廃棄物の処理の場所とか方法がやっぱり固まっていなくて、それが原発のコストとしてちゃんとカウントされていないというのが大きな問題としてあって、それは原発の今後の経済性に大きく関わってくると思うのだが、ここについては知事、県内でも例えば指定廃棄物の場所が全然決められなかったりという状況の中で、本当に可能なのか、それは幾ら稼げばできるのか、そのコストはどう考えればいいのか、それについては知事はどういうふうに考えるか。

村井知事

高濃度の廃棄物の処分というのは非常に難しいと思います。やはり国内のどこかで処理をしなければならないと私は思います。これを事業者の責任に押しつけるのは難しいと思いますし、一地方自治体の責任というのも難しいと思いますので、やはりこれは国のエネルギー政策の一環として政府が責任を持って対応するべきだと思います。最後は政治の決断だと、私はそう思っています。政治の決断だと思います。

Q

知事がニュアンスとしておっしゃるように、実際に今やっぱり原発が稼働している電力会社の電気代が抑えられる傾向になっている、そういうことも多分産業界の方々の声の背景になっていると思うが、ただ、そこの電気料金の設定というところに最終的な処理のところのコストなんかはのっていなくて、つまり誰が最終的に負担するのか全く決まっていない状況の中で、ただ原発が動いているところは安い、じゃあやっぱり再稼働のほうがいいじゃないかという、恐らく世論はそういうふうに流れているんだろうと思うが、そこに潜む危険性というか、そこは、つまり何が言いたいかというと、やっぱり最終的なコストみたいなものを何かちょっとすっ飛ばした議論が展開されているように私には見えるのだが、知事はいかがか。

村井知事

今言っているコストというのは、事業者、電力会社が持つコストですよね。今おっしゃったのは、やはり国全体で持たなければいけないコストということなので、事業者だけにコストを押しつけるのではなくて国全体でということになろうかと思います。

同じような問題は、日本だけではなくて、先進国いろいろ持っております。また、先進国の中には既に最終処分場を設けているところもありますので、これは一つ国際的な議論というのもあってもいいのではないかなと個人的には思っていますけれどもね。みんなで協力をして処分する場所を考えるというのも一つかなと常々思っていますけれどもね。

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処理水の取扱いに関する宮城県連携会議について

Q

11日、おととい、第7回があったが、これまで2年弱にわたって7回会議が開かれたが、ちょっと会議後の囲み取材とダブるかもしれないが、この第7回目だけじゃなくて1回目から7回目までを全て振り返ったときに、連携会議によって得られたものと得られなかったものというのはどういうものだったと受け止めているか。

村井知事

まず、われわれの気持ちが国や電力会社にしっかり伝わったと思います。われわれはあくまでも賛成できないのだと。できれば海洋放出以外の放出を、また、トリチウムを除去する技術を常に研究してほしい、できればそちらのほうで真水を流してほしいというお願いをずっとしてまいりました。そういったことを受けて、例えばその気持ちを受け止めて新たな技術、放射能を除去する新たな技術を公募して、そして今10社ぐらいに絞ったということを言っていましたけれども、そういう研究を積極的にやるようになりました。これがなければ、恐らく除去できないという理由で、そのまま流れていたと思うのですけれども、そういった研究までしっかりしていただけるようになったと思いますし、福島だけではなくて宮城も、また茨城も、そういった周辺の県も福島と同じように対応していただけるという形になってきたという意味では、全く同じではないのですけれども、同じような対応をしていただけるようになったということでは、あの連携会議はやってよかった、意義があったと私は思います。

Q

ただ、同じようなやり取りが続くという意味もあって、海洋放出前は最後というような話があった。そういう意味では、これ以上やってもというようなニュアンスにも取れたのだが、そのあたりだと双方の理解が進まなかった部分というのもあったというのも事実なのか。

村井知事

いや、そういうことではなくて、この間の議論を聞いていて、具体的な個別の内容について、これをこう変えてほしいというような意見は特に、まあ若干ありましたけれども、ほとんどなかったということでありますので、基本的にあの内容についてまだ納得できる、大きく納得できる、できないという、そういう話で終わっていましたので、これは恐らくもう1回やったとしても、もう2回やったとしても、恐らく出してくる資料も大きく変わることもないし、言うほうも内容が変わらないので、同じような議論を何回もやるというのは難しい。しかも、政府は春から夏にかけて放出するということは、もう方針として記者発表もしていまして、これは政府としては揺るぎないということでありますので、ならばその影響はどう出るのかということをしっかり客観的にわれわれつかんで、そして今後交渉に入っていきますから、交渉に入っていくときに、東京電力の対応がよくないということであれば、あの場を通じて、それは全然足りないのだと、われわれとしては理解できないということを強く言うと。そういう場として活用できると考えたということであります。

Q

おとといの会議の終盤で放出前最後にしたいということを知事から発言があったが、これは会議の冒頭ではおっしゃらなかったと記憶しているが、それは7回目の会議が始まってやり取りを踏まえた上でそのように発言されたのか、それとも最初からの話なのか、そのあたりを教えてほしい。

村井知事

始まったときには、内容を聞きながら、もう1回やるかどうか、もう1回やりますということを言おうか、あるいは放出後と言おうか、どちらにしようか、まず今日の話を聞いてからと思っていたということです。その結果、出てきた内容について、具体的にこれをこう変えてほしい、これが問題であるというような発言は特にありませんでしたので、恐らく次回やってまた出てくる資料、同じ資料になるわけですよね。新たな資料というのはありませんから、だったらもう何回もやるよりも、その後にやったほうがいいなと思って、皆さんに、今の段階ではそう思っていますけれども皆さんいかがですかとお諮りをしたということであります。

Q

知事、何回かこれまでおっしゃっていたと思うが、今回、原発再稼働とは違うのだということで、本当の意味での地元ではないと、福島県とか立地しているまちとは違うという話をしていた。そういう地元ではないという部分での見解のようなものも感じたが、いかがか。

村井知事

特に女川原発の場合は4者協定ですか、電力会社と女川と石巻とわれわれと4者で協定を結んでいますので、それは一つ大きな根拠になるわけですが、今回の場合はそういうのもなく、結果的には国頼みになってしまいますので、われわれの力で止めるということはやはりなかなか難しいというのを感じましたですね。

Q

そういう難しさもある中では、最大限やれることはやってきたということか。

村井知事

はい、と思います。もしそういう権限があれば、まだ私は恐らく放出を検討していなかったと思います。

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知事公館での棋聖戦について

Q

知事公館で初めてとなる囲碁の棋聖戦が行われるが、一力遼棋聖が防衛戦ということで、エールとか何か、知事からあるか。

村井知事

現在、2勝1敗でありますけれども、当然非常に厳しい戦いになるのではないかと思っております。知事公館をご利用いただけるということ、本当にうれしく思います。私も初手立会いということで、知事公館に伺いまして初手の立会いをさせていただこうと思います。先手が一力さんで、相手の方が次ということだそうでありますから、しっかりと初手の立会いというお務めを果たしたいと思います。

宮城県で生まれ育った方が囲碁の世界でも頭角を現して最上位におられる、本当に素晴らしいことだと思います。ぜひ最後まで、今回も勝っていただいて早く4勝していただき、タイトルを維持していただきたいと思います。心からエールを送ります。初手立会いで頑張れは言えませんので、黙って座っていますけれども。

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放送倫理・番組向上機構への申し立てについて

Q

先日のBPO(放送倫理・番組向上機構)の関係で、テレ東に対する、BPOに対して審査とかもろもろあったと思うが、その後何か対応とか変化とかはあったか。

村井知事

BPOからは何も連絡はないんですが、テレ東さんから常務取締役の方を含めて3名が私のところにお越しになりました。文書も頂きまして、おわびの文書を頂きました。4点、こういうことをしたいと書いていました。まず1つは、番組のアーカイブから当該部分は削除すると。その出演者が宮城県のことを水道のことを言っていた部分のところを全部削除するということ。その番組全体を削除するんでなくて、番組の中でその部分を削除するということ。それから、番組のホームページにおいておわびと訂正の掲示を行うということで、今日から載せるということでありました。確認をしていただきたいと思います。それから、次回の放送、これは毎週やっているわけじゃなくて、年に何回かやっているそうなんですけれども、次回の番組をやる場合には、番組の中でおわびと訂正の掲示を行うということです。それから、ファクトチェック体制を強化しますというような内容を書かれておりました。

Q

3人来たというのは、直接来て知事と面談したということか。

村井知事

はい。私とお会いしました。

Q

それはいつか。

村井知事

2月8日水曜日です。

Q

それは役員の方、常務……。

村井知事

常務取締役と制作局長とチーフプロデューサーです。その番組のチーフプロデューサーです。

Q

基本的におわび行脚みたいなことか。

村井知事

そうです。おわびで来られました。BPOからは特に何もありません。

Q

放送した側からは何かあったか。東北放送から何かあったか。

村井知事

特にないです。

Q

その説明とおわびの内容で知事は納得したのかというのが1つと、もう1点は、県の対応として、その申立ての取扱いというのは継続、その審議の申立ては継続となるのか、あるいは何か取り下げされるということがあり得るのか。

村井知事

常務取締役さんはじめ担当の方が来られて丁寧に文書まで持っておわびに来られましたし、また、いろいろな対策を取るということと、おわびをちゃんとホームページや次の番組で載せるということですので、これ以上厳しいことを言う必要はないだろうと、十分われわれの気持ちは理解していただいたものと思っております。

ですから、テレ東に対してはこれ以上何もございませんが、ただ、BPOに対しては一応出していますので、それを取り下げるというようなことはないですね。引き続き、どういう形になるか、推移を見守りたいと思っています。BPOがどういう判断を下しても、それに対しては特に何も申し上げないというつもりであります。

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