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北上地区保全会は多面的機能支払交付金を活用して,石巻市北上地区の農村環境保全活動に取り組んでおり,活動の一環として,北上小学校と連携した啓発活動を展開しています。
5月26日,石巻市立北上小学校3年生15名が田植え体験を行いました。
児童たちは,昨年度に引き続き「みやこがねもち」というもち米を植えます。
今年度はPTA行事も兼ねており,たくさんの保護者の方にもご出席いただきました。
まず,保全会や講師の方よりあいさつを頂き,児童たちは苗の植え方について説明を受けました。
(植え方について説明を受ける児童たち)
1回に5本程度の苗を手に取り,水田に植えていきます。
横は30センチメートル,縦は20センチメートルの間隔を空けながら苗を植えていき,横に3つ程度植えたら前に進んでいくという作業を繰り返すとよいとのことです。
説明のあと,児童たちは裸足で田へと入っていきました。
(田に入っていく児童たち)
児童たちは,適宜,講師や保全会から植え方についてアドバイスをもらいながら,次々に苗を植えていきます。
(田植えの様子)
(植え方についてアドバイスをもらう様子)
(田植え実施後の田の様子,黄色の囲みが児童たちが田植えを行った箇所)
田植えが終わった後は,児童たちから,稲作についてのたくさんの質問が寄せられました。
質問に対し,講師や保全会から回答します。
「苗は何月頃にお米になるのか」という質問には「9月末から10月ごろ。田植えから収穫まで5か月ほどかかる」,「苗はもともと何だったのか」には「種籾」,「どの月に田植えをしても,収穫まで5ヵ月かかるのか」には「根付くのに適しているのは13度くらいのため,5月に植えるのがよい」といった回答がありました。
また,この田には,苗をそれぞれ1本から5本植えるスペースが設けられ,秋の収穫の際に何本に増え,何粒のお米ができるのかについて確認する予定です。
児童の皆さんからは「楽しかった」と声が聞かれ,「今日植えた品種は何か」という講師からの質問に「みやこがねもち」と元気に答えてくれました。
今後,農業水利施設の見学会や稲の収穫体験などが行われる予定です。
(集合写真)
9月9日,北上小学校2年生計13名は石巻市内の環境配慮水路にて,生き物調査を行いました。
講師より「安全に気を付けながら,たくさん生き物をつかまえてほしい」という挨拶と,調査で使用する網の使い方の説明を頂き,児童たちは虫かごと網を持って調査を開始しました。
(生き物をつかまえる様子)
この日は,水路の水の中だけでなく,周囲の草むらでも調査を行い,児童たちの持つ虫かごにはたくさんの生き物が入れられていきました。
(採取した生き物を観察する様子)
採取のあと,講師の方から説明を頂きながら,児童たちは自分たちがつかまえたカエルとバッタの種類の判別を行いました。小さなアクリルケースが児童たちそれぞれに配られ,その中に生き物を入れて,様々な方向から模様や形状を観察して,その特徴を探ります。
例えばカエルは,背中に二本線があるか,目の周辺の模様はどのようであるか等が,種類を見分けるポイントとなります。
(左:講師から生き物の判別の仕方について説明を受ける様子,右:カエルの判別を行う様子)
この日の調査では,ドジョウ,メダカ,モツゴ,カエル(ニホンアカガエルやトウキョウダルマガエル等),ゲンゴロウ,アメリカザリガニ,トンボ,コオロギ,バッタなど,たくさんの生き物を採取することができました。
(左:ドジョウ,中央:メダカ,右:カエル)
(左:アメリカザリガニ,右:トンボ)
児童たちは,つかまえた生き物を互いに見せ合ったり,講師にカエルのオスとメスの見分け方など疑問に思ったことを尋ねたりと,生き物への関心を持ちながら,終始とても活発に調査に参加してくれました。
(集合写真)
10月17日,北上地区保全会の主催で,北上小学校3年生計17名が稲刈り体験を実施しました。
5月に田植えを行った学習田での開催となります。
児童たちはまず,講師の方から説明を受けて,学習田に植えた稲の1株あたりの穂数と籾の粒数を数えました。
結果として,今年は例年よりも田植えが遅れたことなどから,穂数や粒数が少ないことがわかりましたが,稲は順調に成長し,収穫の時期を迎えることができました。
(左:説明の様子,右:粒数を数える様子)
次に,保全会から手鎌での稲の刈り方について説明を聞き,児童たちは昔ながらの手作業での稲刈りに挑戦しました。
(保全会による手鎌を用いた稲刈りの方法の説明の様子)
(稲刈りを体験する児童たち)
続けて,刈った稲の「棒掛け」を行います。棒掛けとは「稲杭」と呼ばれる木の棒に稲の束を積み上げる作業のことです。
刈ったばかりの稲は水分を含んでいるため,このままではお米が腐ってしまう場合があります。
そこで,棒掛けを行い,日光や風で稲を乾燥させて水分を取り除くことで,米の品質を保つことができます。
児童の皆さんは積極的に棒立てのお手伝いをしてくれました。
(棒立ての様子)
そして稲束を運び,保全会と共に棒掛けを行いました。
(棒掛けの様子)
稲刈り体験のあとは,米づくりについて,児童たちから以下のような質問が出され,保全会や講師が質問に答えました。
質問 | 回答 |
---|---|
稲は秋になるとなぜ黄色になるのか。 | 稲が農家に稲刈り時期を教えてくれているため。 |
稲刈り後,いつ頃からお米を食べることができるのか。 | 今日刈った稲をこのまま干しておくと20日後くらい。ただ,今は乾燥機にかけると翌日には食べることができる。 |
稲はいつ開花するのか。 | 8月に穂が出てからすぐに咲く。咲いている時間は数時間程度。 |
米づくりで一番大変なことは何か。 | 苗を作ることと水管理が大変。 |
水は何度くらいで管理するのか。 | 天候によって高いときも低いときもある。ただ,水があるおかげで稲は体温を急激に変化させることなく,常に快適な温度で成長することができる。 |
(質問コーナーの様子)
最後に児童の皆さんから「稲刈りができて楽しかった」と感想が発表され,今回の稲刈り体験は終了しました。
児童の皆さんにとって,田植えから稲刈りまでを体験し,稲作や農業・農村についての理解を深める貴重な1年間となりました。
(集合写真)
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