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広渕ふるさと保全会広域協定は多面的機能支払交付金を活用して,石巻市広渕地区の農村環境保全活動に取り組んでおり,活動の一環として,広渕小学校と連携した啓発活動を展開しています。
5月16日,石巻市立広渕小学校5年生33名が田植え体験を行いました。
児童たちが会場へ到着すると,田んぼでは田植機での田植えが行われており,まず児童たちはその様子を見学しました。
(田植機による田植えの見学)
会のはじめに保全会の石垣会長よりあいさつを頂き,児童たちは手植えでの苗の植え方について保全会から説明を受けました。
今回植えるのはもち米で,苗は3本程度を1センチメートルから2センチメートルの深さに植えるのがポイントとのこと。枠回しで付けられた縦横の線が交差する点に苗を植えます。
説明を受けた後,いよいよ児童たちは苗を持って田んぼへ入っていきます。
田んぼの中を長靴で歩くことに苦戦しながらも,保全会から歩き方のコツや苗の植え方のポイントについて教わり,学びながら実践していきます。
また,最初は長靴を履いていたところ,裸足での田植えにチャレンジする児童も多く,土の冷たさやその感触に驚いている様子でした。
(田植えの様子)
(保全会からアドバイスをもらう児童たち)
作業の終盤には,まだ植えられていない場所を自分たちで進んで探し,積極的に苗を植えてくれました。
(田植え後の田んぼの様子)
最後に児童たちから感想が発表され,「初めての田植えで足の感覚が冷たいのが面白かった」,「大変なところもあったけど,これからの稲の成長が楽しみ」,「昔の人はもっと苦労をしてお米を作っていたのだと思った」といった声が聞かれました。
保全会の八木副会長から「米を作るのは手間がかかる。今日の田植えのことを皆さんの家族にもぜひお話しして欲しい」と挨拶があり,田植え体験は終了しました。
今後,稲刈り体験や収穫したもち米を使った餅つきなども予定されており,児童たちにとって農業や米作りについて体験しながら学ぶ貴重な1年になりそうです。
(集合写真)
8月5日,石巻市立広渕小学校5年生28名が,田植え体験を行ったほ場にて,水稲生育調査,水質・生き物調査を行いました。
会のはじめに,広渕ふるさと保全会の石垣会長より本日行う調査の説明があり,「涼しく良い天候なので,1時間半ほど頑張って欲しい」とお話がありました。
児童たちはまず水稲生育調査を行いました。
5月に田植え体験を行った際に植えた稲の成長について確認します。
数株計測したところ,その平均は101.8センチメートルとなりました。また,1株当たりの茎数は22という結果となり,順調に稲が生長していることが確認されました。
併せて,児童たちは,稲を観察しスケッチを行いました。
(左:稲の高さを計測する様子,右:稲のスケッチを行う様子)
続いて,水田のわきの水路の水質調査を行いました。バケツに水路から水を汲み,そのCOD(化学的酸素要求量)とpH(水素イオン指数)を計測します。
CODは水の汚れ,pHは水が酸性・中性・アルカリ性かを計測する指標となります。
調査の結果,水路の水は稲の生育に充分な水質であることが分かりました。
(左:検査キットに水を入れる様子,右:pHを判定する様子)
最後の調査は,水路や水田の生き物調査です。網を使用して生き物を採取します。
(生き物を採取する様子)
30分ほど生き物調査を行ったところ,たくさんの生き物が採取され,児童たちは生き物の同定と観察を行いました。
(左:生き物を観察する様子,右:同定の様子)
調査の結果,水路や水田にはドジョウ,ボラ,アメリカザリガニ,エビ,モクズガニ,ニホンアマガエル,バッタなどが生息していることが分かりました。
(左:ドジョウ,中央:ボラ,右:エビ)
(左:モクズガニ,右:バッタ)
3つの調査を終え,児童たちからは,
「網を工夫して使ったらドジョウが採れたので嬉しかった」,
「稲の状態を確かめたり,慣れてきたら生き物をつかまえられたりして良かったので,今後に活かしたい」,
「稲が成長していて嬉しかった。色々な生き物が採れて良かった」
と感想が発表されました。
会の最後に,広渕ふるさと保全会の石垣副会長より,「昨年よりもたくさんの生き物が採れた。これだけの生き物がいるということは,環境が良いということなので,この環境を今後もよりよい形で残していけるよう,皆さんにも自然環境へ関心を持って欲しい」と挨拶を頂きました。
児童たちは,今後稲刈り体験を実施する予定です。
(集合写真)
10月7日,石巻市立広渕小学校5年生30名が,5月に田植えを行ったほ場にて稲刈りを実施しました。
児童たちは今回,手鎌を使用した昔ながらの手作業での稲刈りを体験します。
会の初めに主催の広渕ふるさと保全会の石垣会長より,「例年になく稲の背丈が伸びている。慌てずに,互いに間隔をとりながら,けがのないように作業をしてほしい」とお話を頂きました。
(開会のあいさつの様子)
続いて保全会の桂谷氏より,稲の刈り方について,6株程度をひとまとまりにし,稲の根本をそろえて束をつくるように,と説明がありました。
(左:説明を聞く児童たち,右:保全会による説明の様子)
説明ののち,児童たちはひとり一本ずつ手鎌を手にし,稲刈りを行いました。
はじめて手作業での稲刈りを行う児童たちでしたが,保全会から見本を見せてもらったり,コツを教えてもらったりし,どんどんと稲を刈っていきます。
(左:稲を刈る様子,右:刈った稲をそろえてまとめる様子)
(刈った稲とともに!)
児童たちが刈り,ひとまとめにした稲束は,保全会などによってひも等で縛られました。
ひもを使う方法のほかに,藁を使う方法もあり,ひもで縛るよりも難易度が高い方法となります。
この方法について,保全会から教えてもらいながら,児童たちも挑戦しました。
(藁で稲束を縛る方法について,保全会から教わる様子)
そして,稲束は「稲杭」と呼ばれる木の棒に積み上げられます。このことを「棒掛け」といいます。
収穫直後の稲には水分が含まれており,お米が腐ってしまう場合があります。ここで,棒掛けを行うことによって,日光や風で稲を乾燥させて水分を取り除き,米の品質を保つことができます。
(棒掛けの様子)
この日は田のすべての稲を刈り,棒掛けを行うことができました。
(作業後のほ場の様子)
作業後,児童たちからは以下のような感想が発表されました。
(感想発表の様子)
最後に,広渕ふるさと保全会の高橋副会長から,「けがなく安全に活動することができた。このような手作業での稲刈りの体験は皆さんにとって今年だけなので,また大人になってからぜひ稲作に親しみ,そして楽しんでほしい」と挨拶を頂き,今回の稲刈り体験は終了しました。
(閉会のあいさつの様子)
児童の皆さんは,はじめて昔ながらの手作業での稲刈りを体験し,その大変さを感じながらも,作業のコツをつかみ,楽しさを感じてくれたようでした。
また,この1年間を通じて,田植えから水稲の生育調査,そして稲刈りまで行うことで,稲の成長を学ぶ貴重な機会となりました。
(集合写真)
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