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北上地区保全会は多面的機能支払交付金を活用して,石巻市北上地区の農村環境保全活動に取り組んでおり,活動の一環として,北上小学校と連携した啓発活動を展開しています。
前夜の降雨を思わせないほどの快晴に恵まれた日,北上小学校3年生13名が田植え体験を行いました。
昨年度に引き続き,もち米の苗を植えます。
最初に,保全会の会長さんと講師の方からあいさつを頂き,児童たちは苗の手植えの方法について指導を受けました。
(苗の植え方を教わる児童たち)
そして,児童たちは田んぼの中へと入っていきました。全員が裸足でのチャレンジです。
(田んぼに入る児童たち)
保全会や講師の方からアドバイスを受けながら,児童たちは苗を植えていきます。
「楽しい」,「もっとやりたい!」という声も聞かれるほど,皆さん積極的に取り組んでいました。
(苗を植える児童たち)
(児童たちが苗を植えた田んぼ) ※手前部分で田植え体験が実施されました。
30分ほどの田植え体験のあと,休憩をはさんで,児童たちから一人ずつ感想が発表されました。
「良い経験になった」,「最初はこわかったけれど,慣れてきて楽しかった」,「植えるのは難しかったけれど,早く(苗が)育ってほしい」,「自分で植えた苗が早く成長して,おいしく食べてほしい」,「もちができたら皆で食べたい。皆で(田植え体験を)やって楽しかった」,といった感想が述べられました。
そのあと,保全会と講師の方から,昔と今の田植えの方法の違いについてお話がありました。
昔は1ヘクタールの田んぼの田植えを行うのに15人がかりで1日を要していたが,今は機械を使って数時間で作業を行うことができるというお話に,児童たちは真剣に耳を傾けていました。
(保全会・講師の方の話を聞く児童たち)
最後に児童たちからの質問コーナーが設けられました。
「米を作る以外に田んぼにはどんな役割があるのか」,「どのような生き物が田んぼに生息しているのか」,といった,米作りやその環境への深い関心がうかがえる質問ばかりでした。
終始,児童の皆さんは活発に活動に参加しており,農業の魅力の一端を味わうことができたようでした。
これから児童たちはバケツ稲づくりにも挑戦し,秋には稲刈り体験も行う予定です。
(集合写真)
6月25日,北上小学校2年生16名は小学校近くの水路にて,生き物調査を行いました。
挨拶・講師の紹介などのあと,まず児童たちは水路に罠を仕掛けました。
(水路に罠を仕掛ける児童)
次に,罠に生き物がかかるのを待ちながら,水路の中や周辺にいる生き物を採取しました。
(網で生き物をつかまえる様子)
そして罠と網でつかまえた生き物たちをかごに入れたり,大きなケースに移したりして観察しました。
(罠を引き上げる様子(左),罠でつかまえた生き物をケースに移す様子(右,矢印は生き物を指しています))
(生き物を観察する児童たち)
その後,講師の方の説明を聞き,図鑑も参考しながら,生き物の名前を特定しました。
(講師から生き物について説明を受ける児童たち)
以下の写真は罠と網でつかまえた生き物たちです。
(児童たちがつかまえた生き物)
今回の生き物調査では,メダカ,ドジョウ,カエル,オタマジャクシ,モツゴ,ヨシノボリなど,たくさんの生き物を確認することができました。
児童たちは互いに自分のつかまえた生き物について教え合ったり,講師や参加した関係者へ質問をしたりと,積極的に活動に参加しており,楽しく充実した生き物調査を実施することができました。
9月1日,石巻地区管理体制整備推進協議会の主催のもと,北上小学校3年生を対象に,施設見学会が開催されました。
この施設見学会では,5月に田植え体験が実施された田んぼまで,どのようにして水が運ばれているのかをバスで巡ります。
まず,児童たちは,川の水を取水する施設である北上大堰を見学しました。
(北上大堰)
北上大堰は国土交通省北上川下流河川事務所によって管理されており,ここで取水された水は,農業用水だけでなく,生活用水や工業用水としても用いられます。
全長は335.4mとなっており,東京タワーよりも長いという説明に,児童たちは驚いている様子でした。
続いて,バスの中から中島分水工を見学しました。
分水工とは,農業用水を複数の水路へと分けるための装置です。
この中島分水工では,より多くの地区へ水を届けるため,北上大堰から流れてきた農業用水を2つの水路へと分ける働きを担っています。
(中島分水工 ※昨年撮影したもの)
次に,牧野巣揚水機場と牧野巣配水槽を見学しました。
牧野巣揚水機場には3つのポンプがあり,山の上にある牧野巣配水槽まで水を汲み上げています。
50mという山の高さを利用することで,この配水槽からはより遠くの地区へ送水することができます。
(揚水機場内を見学する児童たち)
(牧野巣配水槽)大きさは40m×40m×4m
そして,運ばれてきた水は,水管橋を通って川を渡ります。
児童たちはバスの中より,この橋を見学しました。
(皿貝川水管橋)
最後に,児童たちは田植え体験を実施した田んぼへと到着しました。
ここまで,川から取水された水の通り道を巡ってきましたが,そのゴールである田んぼで,実際に給水栓を開く体験をしました。
(給水栓を開く体験の様子)
また,児童たちは給水栓の仕組みについても関心を持ち,給水栓の模型を使っての説明に真剣に耳を傾けていました。
(給水栓の仕組みについて説明を受ける児童たち)
また,児童たちは,牧野巣排水機場の見学も行いました。
(左:牧野巣排水機場,右:排水機場内を見学する児童たち)
この施設は,田んぼなどに降った雨水を北上川へと排水する役割を持っています。
北上川の水面と田んぼの高さはほぼ同じで,自然排水が難しいため,排水機場のポンプで川へ排水しています。
今回の施設見学会は児童たちにとって,川から田んぼまで水がどのように運ばれているのか,その一連の流れを巡って知る貴重な体験の場となりました。
(集合写真)牧野巣揚水機場にて
9月22日,秋晴れの空の下,北上地区保全会の主催で,北上小学校3年生13名を対象に稲刈り体験が開催されました。
5月に田植え体験を行った学習田で,成長した稲を収穫します。
(学習田)
まず,児童たちは講師の方や保全会の千葉会長から稲刈りの方法について説明を受けました。
千葉会長からは,今は稲刈りにコンバインが使用されているが,昔は手鎌を用いての手刈りが行われていたというお話がありました。
今回児童たちは,昔ながらの手鎌を使った稲刈りに挑戦します。
土から5~6cmの部分に手鎌をあて,稲を持ちながら切るのがポイントとのこと。
ひとりずつ,保全会から手鎌の使い方のアドバイスをいただき,いよいよ稲刈り体験が始まりました。
初めての手刈りでの稲刈り体験でしたが,保全会員と一緒に,児童たちは次々と稲を刈り取っていきました。
(手鎌での稲刈りをする児童)
(刈り取った稲を見せてくれました)
あっという間に稲は刈り取られ,続いて児童たちは「棒掛け」を行いました。
これは,束ねた稲を干して,日光や風で乾燥させる作業です。
収穫直後の稲は水分を多く含んでいますが,水分が多いと米が腐ってしまう可能性があるため,乾燥させることによって,その品質を保つことを目的としています。
この地域では稲杭という木の棒を地面に設置し,そこへ稲の束を掛けていきます。
(左:稲の束 数本の稲で束ねられています。 右:稲杭の土台となる部分 稲を縄で固定します。)
(棒掛けの様子1)
(棒掛けの様子2)稲の束を2束一対ずつ,交差させながら積み上げていきます。
(棒掛け後の学習田)
また,この学習田では,苗を1~5本ずつ植えており,それらがそれぞれ何本の稲に成長するのか,一本あたり何粒の実をつけるのか,観察を行いました。
(左:稲の本数を数える児童たち,右:観察結果について講師の方から説明)
そして,児童たちは講師の方や保全会へ,田んぼや農業に関する質問を行いました。
など,たくさんの質問がなされました。
児童たちにとって今回の稲刈り体験は,5月の田植え体験で植えた稲を自分たちの手で収穫するものであり,約半年間を通じて,米の成長過程を学ぶ貴重な機会となりました。
今後,今回収穫したもち米を使用して,「餅会」が開催される予定です。
(集合写真)
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