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北上地区保全会は多面的機能支払交付金を活用して、石巻市北上地区の農村環境保全活動に取り組んでおり、活動の一環として、北上小学校と連携した啓発活動を展開しています。
5月23日、北上地区保全会(多面的機能支払交付金活動組織)主催のもと、石巻市立北上小学校3年生8名が田植え体験を行いました。
昨年度に引き続き「みやこがねもち」というもち米を植えます。
まず初めに、北上沿岸土地改良区の相澤主査より開会のあいさつがあり、
その後、地元協力の門間氏より、稲の成長過程について説明を受けました。
(稲の成長過程について説明を受ける児童たち)
田植えを迎えるまでには以下の過程があります。
浸種(しんしゅ) 種籾を水に浸けること
催芽(さいが) 種籾が発芽すること
播種(はしゅ) 催芽した種籾を土の入れた育苗箱に蒔くこと
育苗(いくびょう) ハウスの中などで苗を育てること
この育苗によって成長した苗を植えることが「田植え」と呼ばれます。
(説明資料)
稲の成長過程について説明を受けた後、
保全会からアドバイスをもらいながら児童たちは田植えを行いました。
1回に5本程度の苗を手に取り、横は30センチメートル、縦は20センチメートルの間隔を空けながら苗を植えていき、横に3つ程度植えたら前に進んでいくという作業を繰り返します。
児童たちは田植えが終わっていない箇所を積極的に探し、次々と田植えを行っていきました。
(田んぼに入っていく児童)
(説明を受けながら田植えをする様子)
田植え後は、農業用ドローンの見学を行いました。
主に農薬散布に使用されており、1回の飛行で2haほどの面積で散布することが可能です。
児童たちは、初めて見る農業用ドローンの大きさに驚いている様子でした。
(農業用ドローンを見学する児童)
最後には、児童から稲作について多くの質問がありました。
「田植え機と人力ではどのくらい効率が違うのか」という質問には「田植え機では1haを1時間で、人力ではベテラン10人で1haを1日で終えることができる」、「苗が何センチメートルになったら田んぼへ植えるのか」には「12~13センチで、葉の枚数が3~4枚のとき」といった回答がありました。
児童たちは田植え体験を通じて、稲作への興味、関心が高まっていたようでした。
北上小学校では、農業水利施設の見学会や稲の収穫体験など今後も農業について理解を深める活動が行われる予定です。
(集合写真)
6月28日、北上小学校2年生5名が、環境配慮水路において生き物調査を行いました。
はじめに、講師より「水路や水田で見つけた生き物を網でつかまえて,虫かごに入れて欲しい」と調査の方法について説明がありました。
説明のあと、児童たちは網と虫かごをそれぞれ手にし、水路の生き物の採取を行いました。
協力し合って、生き物を採取したり、採取した生き物の大きさで競い合ったりとても元気な様子で活動してくれました。
(生き物を採集する様子)
採取の後は、採取したカエルと魚を透明のケースに入れて、かたちや模様の特徴から種類を探ります。
児童たちは真剣に生き物の特徴を観察していました。
(カエルの判別の仕方の説明の様子)
判別の結果、今回の生き物調査ではニホンアカガエル、ニホンアマガエル、トウキョウダルマガエル、ドジョウ、モツゴを採取できたことが分かりました。
その後、生き物の泳ぎ方の特徴について講師より説明がありました。
ガムシとゲンゴロウは姿が似ていますが、泳ぎ方が異なります。
また、ヤゴは手足を使って泳いでいるのではなく、腹部に水を取り込み、お尻から水を噴射することで移動しています。
(ニホンアカガエル,トウキョウダルマガエル,ヤゴ)
生き物調査のあと、講師から稲の成長のお話もありました。
(稲の成長についてのお話の様子)
最後には、児童たちが採取した生き物をボードにまとめ生き物の名前を復唱してくれました。
(採取した生き物をボードにまとめる様子)
2年生の皆さんは来年度に田植え体験などを行う予定であり、農業・農村について関心を深めるきっかけとなる会となりました。
(集合写真)
7月9日、石巻地区管理体制整備推進協議会の主催で、北上小学校3年生8名を対象とした施設見学会が開催されました。
北上川から稲作体験を実施している田までどのような経路で水が送られているのかをバスで移動しながら見学していくものです。
最初に「北上大堰」を見学しました。国土交通省の北上川下流河川事務所が管理している施設で、全長は335.4メートルもあります。ここから北上川の水を取水しています。
(左:北上大堰の見学の様子)
北上大堰から流れてきた水は「中島分水工」という施設で2つに分けられ、より広い区域へと水が届けられます。
水は「牧野巣揚水機場」を経由し、「牧野巣配水槽」へと運ばれます。配水槽は、より遠くの田へと水を届けるために山の上に位置しており、揚水機場の3台あるポンプのうち2台を使うことで山の上にある配水槽へと水を汲み上げています。
(牧野巣揚水機場の見学の様子)
そして、水は配水槽から「皿貝川水管橋」を通り、揚水機場から約6キロメートルの道筋を辿り、ついに稲作体験を行っている田へと届きます。田の「給水栓」のハンドルを開けることで、水が出てきます。
(稲の生育を確認する様子)
児童の皆さんは、熱心に施設の説明に耳を傾け楽しくも真剣に見学をしてくれました。5月に児童が植えた苗およそ55センチほどまで成長しており、黄金色に色づき始めたころ田での稲の収穫体験が実施されます。
(集合写真)
9月24日、北上小学校3年生8名が、5月に植えた「みやこがねもち」の稲刈りを行いました。
5月に田植えを行った学習田の稲は、4か月の時間を経て順調に生育していました。
はじめ、児童たちは稲の生育と水管理について学び、7月頃には水を抜いて田を干す「中干し」を行うことによって、稲の根の張りを良くし、倒れにくくすることができるとのお話があり、児童たちは、田植えから稲刈りまでの稲の成長やその成長段階に応じた水管理について学びを深めていました。
(稲の生育と水管理について説明を受ける児童たち)
その後、手鎌による稲刈り方法について説明があり、
児童たちは田んぼの中に入り、実際に稲刈りを体験しました。
(手鎌での稲刈り方法について説明を受ける児童たち)
児童たちは、最初は慣れない様子でしたが、保全会の方々から適宜アドバイスをもらいコツをつかんでいったようで、どんどん稲を刈ってくれました。
(稲刈りの様子)
収穫後の稲は、コンバインで脱穀を行い、児童たちはその様子を見学しました。
(コンバインによる脱穀の様子を見学する児童たち)
稲刈りの後には、コンバインによる稲刈りを見学し人力とコンバインの収穫速度の違いを確認しました。
1ヘクタールあたり人力では10日ほど、コンバインでは2時間程度程度で稲刈りを終えることができ、脱穀の作業を含めるとコンバインでは、作業時間が大幅に短縮されています。
(コンバインによる収穫作業を見学する児童たち)
そして、実際にコンバインへ乗車する体験も行われ、児童たちは、コンバインの運転席がどのようになっているのかに興味津々で、次々と乗り込んでいきました。
(コンバインへ乗車する児童たち)
コンバイン乗車後、児童から稲作についてたくさんの質問がありました。
「害虫にはどのような種類がいるか?」という質問には「主にカメムシによる食害で食べられると黒く変色してしまう」、「コンバイン等の機械の値段は?」という質問には「コンバイン約2,000万円、田植え機約600万円、トラクター約1,000万円の値段」という回答がありました。
最後に児童から、「とても楽しく稲作を体験できた。この体験を家族へ話したい。」と感想をいただきました。
(稲作について質問をする児童たち)
田植えから稲刈りまでを体験するとともに、農業・農村をとりまく環境について理解を深め、より身近に感じることができた1年となりました。
(集合写真)
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