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北上地区保全会は多面的機能支払交付金を活用して,石巻市北上地区の農村環境保全活動に取り組んでおり,活動の一環として,北上小学校と連携した啓発活動を展開しています。
5月11日,石巻市立北上小学校3年生13名が田植え体験を行いました。
今回児童たちが植えるのは「みやこがねもち」というもち米です。
まず,児童たちは地元協力の門間氏から,田植えを行うまでに稲の苗がどのように成長するのかについて説明を聞きました。
(稲の成長過程について説明を聞く児童たち)
田植えを迎えるまでには以下の過程があります。
この育苗によって成長した苗を植えることが「田植え」と呼ばれます。
稲の成長について説明を聞いたあと,手植えでの植え方について北上地区保全会の千葉会長から実演を交えた説明が行われました。
(植え方について実演を交えた説明を聞く様子)
植える際には,一度に4~5本の苗を取り,3センチメートルほどの深さに植えることがポイントとのことです。
説明のあと,いよいよ児童たちによる手植え体験が始まりました。
田に入った児童から,裸足での土の感触に驚きの声が上がります。
(田に入っていく児童たちの様子)
苗を手にし,保全会や先生から植え方についてアドバイスをもらいつつ,児童たちはまだ植えられていない場所を探して,次々と苗を植えていきました。
(一列に並び田植えを始める様子)
(左:苗を植える児童たち,右:植え方についてアドバイスをもらう様子)
事前に用意されていた苗がなくなり,新たな苗が必要になるほど,児童たちは一生懸命に苗を植えてくれました。
(手植え体験終了後の田,黄色の囲み部分の田植えを行いました)
田植えが終わった後は,今回の体験について児童たちから以下の感想が発表されました。
また,「裸足で田に入った際に田んぼの水が暖かく感じたのはどうしてか」という質問が児童からなされ,「日光で水が暖められるから。この暖かさが稲や田に生息する生き物の成長につながっている」と回答がありました。
今後,同小学校では,農業水利施設の見学会や稲の収穫体験も行われる予定であり,田と親しみ,農業について理解を深める1年となりそうです。
(集合写真)
7月5日,北上小学校2年生9名が,環境配慮水路において生き物調査を行いました。
はじめに,講師より「暑さやけがに気をつけながら,水路や水田で見つけた生き物を網でつかまえて,虫かごに入れて欲しい」と調査の方法について説明がありました。
説明のあと,児童たちは網と虫かごをそれぞれ手にし,水路の生き物の採集を行いました。
同じ種類の生き物を集めたり,互いに採集したい生き物をつかまえたら教え合ったりととても元気な様子で活動を行ってくれました。生き物がなかなか採集できない場合は,講師からのアドバイスや手伝いをもらって生き物を見つけていきます。
(生き物を採集する様子)
採集の後は,生き物の判別を行いました。
採集したカエルを透明のケースに入れて,かたちや模様の特徴から種類を探ります。カエルの背中に線が入っているか,目の周辺にどのような模様があるかなどについて,講師の説明を聞きながら確認しました。
(カエルの判別の仕方の説明の様子)
(生き物の判別作業の様子)
その結果,今回の生き物調査ではニホンアカガエル14匹,ニホンアマガエル5匹,トウキョウダルマガエル4匹を採集できたことが分かりました。
カエルのほかに,ドジョウなども採集され,資料をもとに背びれの位置やひげの有無などを確認しました。
また,マツモムシやヒメゲンゴロウも確認できました。
(トウキョウダルマガエル,ニホンアカガエル,ドジョウ)
生き物調査のあと,講師から稲の成長のお話もありました。
(稲の成長についてのお話の様子)
閉会時には児童から「楽しかった」という声が聞かれ,調査で採集されたカエルの名前を暗唱してくれました。
2年生の皆さんは来年度に田植え体験などを行う予定であり,農業・農村について関心を深めるきっかけとなる会となりました。
(集合写真)
9月1日,石巻地区管理体制整備推進協議会の主催で,北上小学校3年生13名を対象とした施設見学会が開催されました。
「田んぼの水はどこから来るのかな?」とテーマに,北上川から稲作体験を実施している田までどのような経路で水が送られているのかをバスで移動しながら見学していくもので,1年ぶりに開催されました。
まず「北上大堰」を見学しました。国土交通省の北上川下流河川事務所が管理している施設で,全長は335.4メートルもあります。ここで北上川の水を取水しています。
(左:北上大堰の見学の様子,右:北上大堰での集合写真)
北上大堰から流れてきた水は「中島分水工」という施設で2つに分けられ,より広い区域へと水が届けられます。
続いて,水は「牧野巣揚水機場」を経由し,「牧野巣配水槽」へと運ばれます。配水槽は,より遠くの田へと水を届けるために山の上に位置しており,揚水機場の3台のポンプを使うことで山の上にある配水槽へと水を汲み上げています。
(牧野巣揚水機場の見学の様子)
そして,水は配水槽から「皿貝川水管橋」を通り,揚水機場から約6キロメートルの道筋を辿り,ついに稲作体験を行っている田へと届きます。田の「給水栓」のハンドルを開けることで,水が出てきます。
(左:稲の生育を確認する様子,右:給水栓の仕組みの勉強の様子)
児童の皆さんは,各施設の写真を撮影したり,熱心に説明に耳を傾けたりと,楽しくも真剣に見学をしてくれました。黄金色に染まる田での稲の収穫体験が今後実施されます。
(集合写真)
9月19日,北上小学校3年生9名が,5月に植えた「みやこがねもち」の稲刈りを行いました。
5月に手植えを行った学習田での収穫体験であり,稲が半年をかけて順調に生育し,稲穂が充分に実っている様子がみられました。
はじめに,児童たちは,主催の北上地区保全会から手鎌での稲刈り方法について学びました。
(手鎌での稲刈りについて説明を受ける児童たち)
そして,説明を受けて実際に手鎌での稲刈りに挑戦です。
(手鎌での稲刈りの様子)
手鎌を使って1株ずつ丁寧に稲を刈っていきます。児童たちは,最初は慣れない様子でしたが,保全会などから適宜アドバイスをもらいコツをつかんでいったようで,どんどん稲を刈ってくれました。
なお,収穫後の稲は水分を含んでおり,このままだとお米が腐ってしまう場合があるため,乾燥させる必要があります。
そこで今回は「棒掛け」という方法を用いました。「稲杭」と呼ばれる木の棒に刈った稲を束にして積み上げることによって,日光や風で乾燥させるものです。
まず,児童たちが刈った稲を稲束にします。束にするにあたっては,紐で結ぶ方法もありますが,今回は3~4本程度の藁を使って結びました。そして,この束を「稲杭」に積み上げました。
(左:稲束(黄色で囲んだ部分が結び目です),右:稲束を積み上げる様子)
(棒掛け後の学習田)
また,この学習田には,田植え時に苗を1~5本ずつ植えていた区画があり,本数ごとの成長の違いについても確認を行いました。児童たちは,植えた本数ごとに枝分かれ(「分げつ」といいます)をどのくらいしたか,籾の数はどれくらいかについて数えます。
結果としては,今回は残念ながら田植え時の苗の本数と稲刈り時の茎の本数に相関関係を見ることはできませんでしたが,分げつによって茎が増えていくことを実感することができました。
(籾の数を数える児童たち)
その後,児童たちは講師による「イネの生長と水管理」についての説明を聞きました。
例えば,5月に田植えを行ったあとも田には水が張られていますが,7月頃には水を抜いて田を干す「中干し」を行います。「中干し」を行うことによって,稲の根の張りを良くし,倒れにくくすることができるとのお話があり,児童たちは,田植えから稲刈りまでの稲の成長やその成長段階に応じた水管理について学びを深めていました。
(説明の様子)
そして最後に,コンバインでの稲刈りの見学をしました。一気に複数の列(「条」という単位で数えます)の稲を刈ることができ,手作業と比べて,はるかに短い時間で一気に稲刈りが可能であることを実感しているようでした。
(コンバインでの稲刈り作業を見学する様子)
この日は稲刈り体験のほかにも盛りだくさんの内容となりましたが,1年間を通じて,田植えから稲刈りまでを体験するとともに,農業・農村環境について理解を深め,より身近に感じることができる機会となりました。
(集合写真)
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