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多面的機能支払交付金事業,及び県営造成施設管理体制整備促進事業「石巻地区」では,農業・農村の有する多面的機能や農業水利施設のはたらき等について啓発活動を実施しています。
啓発活動の一環として,令和2年9月1日,北上小学校3年生17名を対象として「施設見学会」を実施しました。
施設見学会では,北上大堰から児童が田植え・稲刈りを体験する学習田までの用水ルートを農業用用排水施設の見学と共にたどりました。
はじめに,北上大堰を見学しました。
北上大堰は国土交通省北上川下流河川事務所が管理している施設です。
北上大堰で取水した水は,ほ場の用水のほか,生活用水や工業用水としても使われています。
北上大堰
北上大堰の用水取水口と魚道
見学する児童たち
次いで,中島分水工を車内から見学しました。
中島分水工は,北上大堰から流れてきた用水を2つの水路に分ける役割を持っています。
中島分水工 ※矢印は水の流れ
続けて,牧野巣揚水機場・牧野巣配水槽を見学しました。
牧野巣揚水機場・牧野巣配水槽は,山の高さを利用し,遠くのほ場まで用水を送水する施設です。
牧野巣揚水機場のポンプで高さ50mの位置にある牧野巣配水槽まで水を汲み上げ,50mの高さを利用して送水しています。
牧野巣揚水機場を見学する児童たち
牧野巣揚水機場から牧野巣配水槽まで送水を行う施設
牧野巣配水槽
さらに,牧野巣排水機場を見学しました。
牧野巣排水機場は,ほ場に降った雨などを北上川に排水する施設です。
北上川の水面がほ場と同程度の高さのため自然排水が難しいことから,排水機場が必要となります。
通常は小さなポンプが自動運転されており,降雨量が多いときは大きなポンプを稼働させて,作物の冠水を防いでいます。
牧野巣排水機場を見学する児童たち
その後,皿貝川水管橋を車内より見学しました。
皿貝川水管橋は,皿貝川を跨いで川の対岸に送水する施設です。
学習田から皿貝川水管橋を望む
最後に,北上小の学習田で,給水栓を開く体験を行いました。
給水栓からほ場に水が供給される様子
今回の施設見学会では,北上大堰から学習田までの用水ルートや農業用用排水施設について学びました。
北上川が地域に豊かな恵みをもたらしていることを改めて実感できた今回の見学会は,児童たちにとって,北上川や地域への愛着をより深くするきっかけとなったのではないでしょうか。
集合写真(牧野巣揚水機場にて)
10月15日,北上町女川の学習田で,稲刈りを実施しました。
まず,北上地区保全会(多面的機能支払交付金事業)の会員より,稲刈りの方法について説明しました。
左:レクチャーする保全会長 右:真剣な面持ちで説明に耳を傾ける児童たち
説明後は,手鎌を配り,稲刈りに取りかかりました。
多くの稲が倒伏しており,稲を立てて手鎌で切る作業はコツがいるものでしたが,最初は慣れない様子だった児童たちもすぐにコツを呑み込み,手際よく稲刈りをすすめていました。
稲刈りに取り組む児童たち
稲刈りに取り組む児童
収穫した稲を運ぶ児童
収穫された稲
左:収穫前の学習田 右:収穫後の学習田
1時間程度で,あっという間に稲刈りを終えました。
収穫した稲は,数株をひと束として縛り,稲架にかけてゆきます。
地域により「稲架がけ(はさがけ)」「棒がけ」などいろいろな呼ばれ方をしますが,水分を多く含む稲穂を乾燥させ,食用に適する状態にするための作業です。
乾燥作業は現在ではカントリーエレベーターなどの設備で実施されることが多いですが,かつては今回行ったような作業により稲穂を乾燥させていました。
※「稲束がけ」作業については,「東部NN YouTube」にて動画で解説しています。是非ご覧ください!
(当ページ末尾にYouTube動画を掲載しております)
稲束を運ぶ児童たち
作業完了後の様子
このほ場では,田植え時に1本植え~4本植えを試していました。
収穫作業完了後,それぞれの株ごとに分けつの本数と籾数を数えました。
籾数を数える児童
最後に,児童たちから保全会員に質問が寄せられました。
「稲の品種改良の方法」「稲の病気の種類」「ほ場が方形の理由」「籾の細胞の数」など,様々な質問を児童たちは積極的に挙げており,好奇心の高さが感じられました。
秋晴れのなか,児童の皆さんは元気いっぱいに稲刈りに取組みました。
最後に保全会員が楽しかったですか?と児童たちに質問すると,声を揃えて楽しかったです!と答えてくれました。
楽しんで稲を刈った経験は,地域の農業への愛着と理解をより強くするきっかけとなったのではないでしょうか。
集合写真
上で紹介した「稲架がけ」作業について,作業の様子をまとめた動画を作成しました。
是非ご覧ください!
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