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みやぎDXプロジェクト
新着情報
2011年に発生した東日本大震災以降、日本では多くの自治体が街の防災対策について見直しをすすめてきました。高知市もそのひとつで、今後、発生が想定される南海トラフ地震対策をすすめています。
高知市の中心部では、南海トラフ地震が発生した場合、最大1.95mの地盤沈降を想定。それに伴い、津波の水が長期間引かない「長期浸水」が発生し、住民は避難後、津波の水が引くまでの長い期間、孤立してしまうおそれがあるのです。
市ではこれまでも、避難して孤立した人々が建物の屋上などに設置し、飛んでいる救助ヘリにSOSを送る『救助サイン用資機材(レスキューリクエスト)』を避難ビルに配備してきましたが、何万人もの孤立者を救助するために必要な情報をより効率よく、迅速に得る方法を検討しました。
▲避難者が屋上などに置いてヘリにSOSを伝える従来のレスキューリクエスト
▲過去にも津波に襲われ浸水した高知市の中心部
そこで高知市では約3年間の開発期を経て、2019年に『高知市津波SOSアプリ』をリリース。AppStoreやGooglePlayのアプリストアから、誰でも無料でインストールすることができる南海トラフ地震に備えた防災アプリ(※高知市域のみで利用可)です。
このアプリは、3つの機能があり、1.インターネット通信が可能な場合、スマホの位置情報を使って自分がいる場所から近隣の津波避難ビルや高台への入口を検索することが可能に(津波避難ビルや高台の地図は年に一回更新)。2.避難後に孤立した場合でも、避難場所や人数など必要な情報をシンプルな画面に打ち込むだけで、高知市に直接SOSメッセージを送ることができます。
そして最大の特徴は、3.Wi-FiやBluetoothなど携帯電話の無線通信機能を使って、アプリがインストールされた携帯電話同士の通信を中継し、近距離にあるスマホ同士がバケツリレーのようにして救助要請メッセージを高知市に伝達していく『スマホdeリレー』という機能。これにより、電話やインターネットが通じない!という場合でも、孤立した人々が必要なメッセージを届けることができるようになりました。
より多くの住民に『高知市津波SOSアプリ』をインストールしてもらうため、市では広報紙やSNS、チラシなどを使って定期的なアナウンスを重ねてきました。
その甲斐あって、現在までのダウンロード数は今年度の目標に掲げた1万6千回に到達!市民の関心の高さがうかがい知れる結果となりました。
しかし、長期浸水エリア内の住民約12万人のうち、約4万人の孤立が想定されていることから、高知市では引き続き、防災意識を高める啓発を行い、アプリのダウンロード数増加を目指しています。
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