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みやぎDXプロジェクト
新着情報
国内外からの観光客や買い物客が多く、ゴミ問題が深刻化していた日本を代表するショッピングストリート、表参道。商店街によって「スマゴ」と呼ばれるAI技術を搭載した最先端のゴミ箱が設置されました。DXで、世界に誇る街の景観を守り継ごうという試みに注目が集まっています。
世界のトップブランドが軒を連ね、裏通りには閑静な住宅街が広がる表参道エリア。その欅並木の美しい景観は、商店街や住民の皆さんの誇りです。しかし、コロナ禍以前には海外からの観光客が増加すると共にゴミの量が増え、25年ほど前から歩道に設置してきた従来型のゴミ箱では、追いつかなくなっていきました。
毎朝ゴミを回収しても、その日の午後にはいっぱいになってしまう。通りにゴミが散乱し、景観への影響だけでなく、自治体が負担する清掃費用もかさむばかり。喫煙所もありますが、吸い殻をゴミ箱に棄てる人などもいて、深刻なゴミ問題が街の人たちを悩ませていました。
そこに、ニューヨークやフランス、イギリス、ドイツ、アイルランドなど、世界50カ国以上の自治体が導入しているという、アメリカで開発された最新のゴミ箱があるとの情報が入り、街の人たちは2017年8月から、試しに2台を設置。日本初の実証実験として、2年間のテスト稼働をスタートさせたのです。
フォーステック(千代田区)が輸入・販売代理を手掛ける「スマゴ」は日本独自の呼び名で、「Smart action on the GO」「スマートゴミ箱」から命名されました。
高さ約1.3メートル、フットペダルを踏めばゴミ箱の蓋が開く仕組みで、手で触れなくてもゴミを捨てられるのがコロナ禍にもフィット。天板にソーラーパネルがついていて、太陽光発電だから電気代も不要。発電できない日が続いても3週間は稼働できる、蓄電機能がついています。
一般可燃用の容量は150リットルで、80%程度たまると内部のセンサーが反応、ゴミを自動圧縮し、最大6倍の容量をためることができます。
蓄積状況は3G回線を通してクラウド上でリアルタイムに把握でき、ゴミが詰まるなどのトラブル時にも通知が届くようになっているため、見回りや回収も効率的に行えるようになりました。
さらに、ゴミ箱に企業の広告をつけることで、自治体の負担となるコストを低減。企業にとっても、SDGsへの取り組みの一環として協賛、環境に対するメッセージを世に出せるなど、良い機会となるでしょう。
このようなメリットを鑑みて、表参道エリアでは2年間のテスト稼働を終了。2020年8月末から34台(一般可燃用21台、資源ゴミ13台)を設置して、「スマゴ」の日本初の本格導入をスタートしました。
以前のゴミ箱では毎日回収してもすぐにゴミがあふれ、ゴミ箱自体も汚れていく傾向がありました。しかし、「スマゴ」に変えてからは通りにゴミが散乱することもなく、ゴミ箱自体が美しく保たれている。そんな状況に、商店街や住民のみなさんも安堵。企業の広告も目を引いて、効果を発揮しているようです。
残る課題は、資源ゴミのリサイクル率が低いこと。資源ゴミ用の「スマゴ」の容量は、220リットルですが、キャップを外さずに捨てられたペットボトルは圧縮効率が悪いため圧縮されず、液体が残ったままのペットボトルはリサイクルができません。
結局は、歩行者の意識を高めることが重要となるゴミ問題。今後は呼びかけなどの活動も工夫して、少しでも多くの人が意識を高めてくれるよう働きかけたい、と話します。
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