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みやぎDXプロジェクト
新着情報
福井県では2009年から東京大学と共同で、高齢者の方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる社会の実現に向けた「ジェロントロジー共同研究」を進めてきました。
共同研究の第4期となる2021年からはGBERを導入し、高齢者が潜在力を発揮することで、全世代の支えあいによる地域包括ケアシステムの構築・強化を目指しています。
福井県と東京大学による共同研究の第1期から第3期では、在宅医療と介護の連携体制を実現し、医療・介護レセプトデータと特定健診を統合したデータベースを構築することで、食生活の改善促進やフレイル(虚弱)予防プログラムの推進をしてきました。県内には729名に及ぶフレイルサポーターが、高齢者のフレイル予防に取り組んでいます。
共同研究第4期では、「人生100年時代の健康ライフスタイル創出に向けて、高齢者が住み慣れた地域で生き生きと暮らし続けることが出来る社会の実現を目指す」ことを研究課題に設定。その研究テーマのひとつとして掲げられた「高齢者の就労等支援の実施」を実現するための仕組みとして、福井県は東京大学先端科学技術研究センターが開発したGBERの活用を決めました。
GBERの導入にあたって、福井県には力強い素地がありました。
県民せいきょう(福井県民生活協同組合)では1999年から、庭掃除や病院の付き添いなど、日常生活を支援する「きらめきくらしのサポート」という活動を展開。これまでは、サポートを求める声と、サポーターとして参加したいという声を、各地域で活動するコーディネーターが「マンパワー」で結びつけてきました。そんな県民せいきょうが「GBERふくい版」に参画。これからは、コーディネーターの経験と勘に頼っていたサポーターと利用者のマッチングを、GBERが担おうとしています。
▲「きらめきくらしのサポート」のサービス内容と利用料(2022年8月12日現在 県民せいきょうのウェブサイトから)
サポーターとしての参加希望者は、まず、スマートフォンで県民せいきょうのサイトから申し込みフォームにアクセスし、サポーター登録をします。その後、「GBERふくい版」にログインし、募集中の活動依頼一覧を閲覧。実施日時、実施場所、募集人員数、活動手当の金額など、それぞれの活動依頼内容を確認したサポーターは、希望する案件にスマートフォンの画面上から応募をします。その後、依頼が承認されたメールが届けばマッチングは完了です。
▲GBERの活動募集画面(GBERふくい版のマニュアルより)
福井県でのGBERの本格稼働は2022年4月に始まったばかりであり、支援の成立件数はまだ限定的です。福井県長寿福祉課のご担当者は、より一層GBERを普及させていくためには、スマートフォン教室などのデジタル教育を進めつつ、サポーター登録者が県内全域に展開するようになることが大切だと話していました。また、県民せいきょう以外の団体にも、GBER参画も促していきたいとのことです。
GBERに福井県が期待する効果は、単なる高齢者の就労支援ではありません。地域での就労・ボランティアといった社会参加を促進することで、フレイル予防、介護予防効果が高まることも期待しています。
「GBERふくい版」のマニュアルには、こう記されています。
GBERを活用して、本県のシニア世代の方々が、自分のスキルを活かして、時間や場所にとらわれず、地域との関わり合いをもって暮らし続けられる社会の構築を目指していきます。
活動する高齢者が多く、3世代が同居する家庭が多い福井県でのDXの導入は、新しい形で支え合う社会づくりに向けた、大切な柱のひとつとなっています。
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